コードギアス 白蛇は勘違い   作:砂岩改(やや復活)

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ひさびさのデート

 ウラヤスゲットー。そこでは白夜叉、月下がゼロ無頼と紅蓮と顔を付き合わせ対峙していた。

 

「……」

 

「……」

 

 白蛇グループと黒の騎士団。ブリタニアに対抗する日本の切り札同士がついに会談という形でお互いに顔を会わせたのだった。

 カレンや扇たちは緊張した面持ちで用意された会議室に座る。その反対側には伊丹やライを始めとする白蛇グループの幹部たちが座っていた。

 

「ふむ、組織図はこっちの方がいいな」

 

「そうか、これはディートハルトに仕切らせているんだが使える奴でな。でも本当にいいのか?」

 

「構わない。部下たちにも言ってある」

 

 別室でお互いの組織の組み込みを話し合っていた薫とルルーシュはお互いに仮面を脱いで目を合わせる。

 組織の規模からすれば黒の騎士団が白蛇グループに組み込まれるのが自然だ。だがこの案は黒の騎士団に白蛇グループを組み込むと言ったものだ。つまり、黒の騎士団が有利な同盟関係を結ぶと言うことになる。

 

「元々はお前とナナリーのための組織だった。それにお前の方が頭が回るしな」

 

「そうか…わかった。だが俺たちの立場は同一だ、あくまで同盟関係なのだからな」

 

「ありがとう、助かるよ」

 

 ある程度草案をまとめた二人は仮面を着けると皆が待つ部屋に足を運ぶのだった。

 

ーーーー

 

「以上だ、つまるところ我々は同盟関係を結ぶ。実質的に一つの組織として行動することになるだろう」

 

「なのでこれからは顔を合わせることが多くなるだろう。よろしく頼む」

 

 説明を終えて薫が軽く頭を下げるとカレンたちも慌てて頭を下げる。それを見て少し微笑ましいがやることは沢山だ。

 

「豪勢ではないが食事を用意してある。そこで親睦を深めよう」

 

「それはありがたい」

 

 薫の提案はゼロも力強く頷きささやかな親睦会が開かれることになった。

 

ーー

 

「お久しぶりです、白蛇さん」

 

「お久しぶりです。扇さん、いつの間にかこんなに立派になって…驚きましたよ」

 

 立食のバイキング形式である親睦会ではぎこちないが話が増え。やっと親睦会らしくなってきた。

 

「まさか白蛇さんたちと共に戦えるなんて思っても見ませんでした」

 

「黒の騎士団と我らの組織。ブリタニアと対抗するには必要な組織ですからね」

 

 扇と和やかに話をしていながら周りを見る。最初は警戒していた玉城もジェシカたちのおだてと酒ですっかり上機嫌で注目を集めている。

 

「へぇ、貴方。日本とブリタニアのハーフなの?私と同じね」

 

「そうなんだ、こんな所で会えるなんて光栄だよ」

 

 ライとカレンは意気投合し楽しく話し合っている。ライの記憶はまだ戻らないが様々な手を尽くして調べている。今分かっているのは残念ながらブリタニアと日本のハーフだということだ。

 

(俺の記憶も無いと言うわけでは無さそうなんだが…)

 

 ヴィレッタを殺し損ねた時のあの断片はいまだに頭にこびりついている。

 

(原作知識ももうほとんど穴だらけだし、どうすればいいのか…)

 

「白蛇さん?」

 

「ん、いやすまないな。少し考え事を」

 

「いえ、こちらこそすいません」

 

 とにかく扇さんは良い人なのでそこは安心した。

 

 

 黒の騎士団の幹部連中との顔合わせも終えるとゼロを残して先に帰っていく一同。

 

「随分と意気投合していたな」

 

「嫉妬してくれた?」

 

「馬鹿言え。お前が初対面とあんなに話すのは珍しいからな」

 

「そうだね、なんでかな。波長が合ったんだよ」

 

「良かったじゃないか」

 

 ライ本人も楽しめたようで何よりだ。お互いの技量なら背中を合わせて戦う日も近いだろう。

 

 白蛇グループと黒の騎士団、そして藤堂鏡士郎…。

 

「やっとスタートラインだよ」

 

「薫…」

 

ーーーー

 

「薫、しばらく暇でしょ?」

 

「ん、まぁしばらくはな。急用が入らなければ」

 

 なぜか得意気なミレイの顔を見て疑問符を浮かべる。

 

「旅行に行くわよぉ!」

 

 元気100%なミレイの言葉と共に薫も思い出す。そういえば、富士の見える場所に温泉に行こうと話していたのを忘れていた。

 

「もしかして忘れてた?」

 

「ソンナコトアリマセン…」

 

 顔を寄せられ思わず逸らす薫。完全に忘れていましたごめんなさい。

 

「明日から行くわよ!」

 

「明日は学校だろ?」

 

「大丈夫よ、お爺様に頼んで公欠にしてあるから!」

 

 なんという権力の無駄遣い。すでに予定は組まれているらしく一泊二日の温泉旅行が決定するのだった。

 

ーーーー

 

「やって来ました、元静岡県!」

 

「やって来てしまった…」

 

 ミレイの勢いに流されるままついに静岡県にまで来てしまった。ルルーシュやライには言っておいたが二人とも「明日っ!?」って驚いてた。俺も驚いたよ。

 

「さぁ、色々あったけど。やっと薫とイチャイチャ出来るわ!」

 

「ミレイの中身って女だよね?男じゃないよね?」

 

 色々あってデートがことごとく中止になっていたのでミレイが怖い。まぁ、さんざん我慢させたのはこちらなので仕方ないが。

 

「さぁ、行くわよぉ!」

 

「おぉ…」

 

ーーーー

 

「お、静岡のお茶だ…」

 

「あぁ、グリーンティーね。薫はよく飲むの?」

 

「飲むな。なにせ俺は緑茶に目がなくてな」

 

 元々、静岡は茶畑から取れるお茶が名産品の一つである。ここはトウキョウとは違って日本のお店が多く見られる。やはり都心から離れるとそう言った店が増えるのか…。

 

「静岡と言ったらなにを食べるの?」

 

「そうだな。ウナギもいいし、おでん、もつカレー…うーん」

 

 静岡は美味しいものが多くて大変だ。でもやっぱり静岡に来たのなら浜松の…。

 

「餃子だな」

 

 うん、餃子だ。浜松の餃子は中に入っている野菜が甘くてタレ無しでも美味しく食べられる。まぁ、生前は住んでいた場所が山梨なので浜松の餃子しか食べられなかったからな。栃木の宇都宮餃子もぜひ食べてみたい。

 

「あぁ、そういえば。腹が…減った!」

 

「どうしたの?」

 

「ん、ちょっと頭の中に五郎さんが出てきただけ」

 

「うん、まぁいいわ。なら餃子を食べに行きましょう!」

 

ーーーー

 

「意外と食べるな」

 

「そうね、餃子は私も好きだしここは美味しいからつい」

 

 最初の一皿目でかなりの量を一気に頼んだのだが問題なく完食しそうだ。まぁ、嬉しいことに昔と変わらぬ味なので美味しく頂けることとなった。

 

「こんなに美味しいけど、中華連邦の餃子に近いの?」

 

「いや、日本の餃子はベースこそ中華連邦だが独自に進化を遂げたものだ。向こうは水餃子が主流だが日本では焼き餃子の方が主流だし、材料や器具も違うらしい」

 

 山盛りのご飯に餃子を乗せて口に放り込む。これが堪らなく美味しいのだから困る。

 

「店主、三人前追加だ」

 

「はいよ、ありがとうな!」

 

 これほどの店だというのに客の姿はまばらだ。これなら大人気店間違いないと言うのに。

 

「うちはまだ繁盛してる方ですよ。他の店はもっと酷いです」

 

 薫の視線を察した店員がおかわりの水を注ぎながら答える。

 

「やっぱり、日本人というレッテルは辛いか…」

 

「えぇ、他のエリアだと少しは良いらしいけど。ここは抵抗活動が激しいから…」

 

 客商売は信用第一。まぁ、なんでもそうなのだが。日本人に対しての心象が変わらない限り、厳しい営業をせざる得ないのだろう。

 

「テロリストが憎いか?」

 

「いや、そんなことはないさ。うちらはその日のために働いてるけど。あの人たちは明日のために戦ってる。そんな人たちを尊敬するよ」

 

「そうか…」

 

 静かに渡された水を飲む薫。向かい側に座っていたミレイは静かに微笑むのだった。

 

ーーーー

 

「良かったわね」

 

「あぁ、だからこそ。これ以上の長期戦は好ましくない」

 

 旅館に戻った二人は先程の店での話をしていた。

 

「世界中のエリアも日本の動向が気になっているだろう。ブリタニアに逆らったらどうなるか…その行き着く先をな」

 

「勝てるの?」

 

「分からん。駒は揃った、後はどう動くかだ…」

 

 黒の騎士団、白蛇同盟軍は文句なしに日本最大の抵抗組織となった。これから本当の戦争が始まるのだ。

 

「こーら、せっかくの旅行に重い話を持ち込まないの!」

 

「む、それは…すまなかったな」

 

「今は私とどう楽しむかを考えればいいのよ」

 

 ちょっと白蛇スイッチが入りかけた時。ミレイに枕で頭をポンポンされる。意図してやってるのか、それとも天然なのかは分からないが…。

 

「薫、ちょっと相談があるんだ…」

 

「強引だと思ったがそれか…」

 

「分かっちゃった?」

 

「お前は猪突猛進だが、人の意見を聞かないわけではない。俺にしか話したくなかったんだろ?」

 

「薫にはお見通しか…」

 

 ミレイに相談事を切り出されたのは温泉に浸かっていたときだった。

 

「俺は誰の恋人だと思ってたんだ?」

 

「っ…。本当に薫のそういう男らしいところに弱いわぁ…」

 

 顔を真っ赤にするミレイ。対して薫も変にキザなことを言っているのは自覚があるので耳が真っ赤だった。

 

「それで…見合いか…」

 

「分かっちゃった?結構、外堀埋められちゃってね。薫の事は公言できないしで行くことになっちゃった」

 

「相手は?」

 

「ロイド・アスプルンド伯爵って言うんだけど。ブリタニアの技術者では最高権威らしいんだけど」

 

「スザクの上司か…」

 

 原作キャラだ。そんなストーリーは知らないがマオの件もあるし原作ストーリーに沿っているんだろうな。ロイドさんっていう人の話しも聞いたことがある。

 

「え、スザクくんの上司なの?」

 

「らしい…そして宿敵、ランスロットの開発者」

 

「え、もしかして手を焼いてる敵って…」

 

「スザクだよ。まだ実際には戦っていないがいつかは殺し合うだろうさ」

 

「そんな…」

 

 衝撃の事実に驚愕するミレイ。しばらく黙っていると彼女は顔をあげてこちらを見る。

 

「分かった。私決めたわ」

 

「なにを?」

 

「私は他の誰を裏切っても貴方の味方で居る。安直な言葉だけど世界が敵に回ろうともね。だから私は私に出来ることを貴方のためにやるわ」

 

「ミレイ…お前は俺の帰る場所でいてくれ。どれだけ困難でも絶対に帰ってくるから」

 

 お互いに笑う。ミレイの相談が解決したわけではないが彼女は何かを決心したようだ。

 

「さて、この後は旅館の美味しいごはんを食べてゆっくりしましょう?」

 

「もちろんだが…」

 

 なんか急に距離を近づけてくるミレイ。

 

「この予定の静岡なら日帰りでも良かったのよねぇ…」

 

「……」

 

「なんで泊まりにしたと思う?」

 

「後悔するなよ」

 

「モチのロンよ!」

 

 

 

 

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