「ハイドロ系は一ヶ所に固めるなって言ってるだろ」
「だから無頼とは違うんだよ」
調布の収容所近辺の高架下では黒の騎士団と白蛇の機体たちが最終メンテナンスを行っていた。
「持ってきてくれたMVSだけど。解析が終わったから一応装備させてるよ」
「すまん、俺だけがこんなに持ってるのはどうかと思うが」
「なにいってるの、自分の近接戦のデータログ見てないでしょ。ライくんに並ぶ才能だよ。ピッケル捌きなんて鬼畜だよね」
「そうか?」
改良された白夜叉の説明を受けるとクリミアはライやジェシカの元へと向かう。それと入れ替わりで四聖剣のメンバーが挨拶に来る。
「白蛇だ、よろしく頼む」
「ナリタではお世話になりました」
「日本解放戦線は貴重な同士だったが…片瀬少将は残念だった」
「…………」
「これ以上、日本のための希望を潰してはならない。絶対に助けよう」
「そうですね」
同じ女性である千葉を主体にして話す薫。
(うーん。いいスタイルしてるな)
カレンも魅力的だが千葉もまたちがった魅力がある。こう言うクールな女性は個人的に好みだ。
(っ!?なんか寒気が…)
そんな事を考えてるとなにやら寒気が止まらなくなる薫だった。
ーー
その後、ラクシャータが合流し挨拶を済ませる。クリミアもやけに頭を下げながら挨拶を済ませると作戦が始まるのだった。
初手は四聖剣の月下4機による奇襲で始まる。ゼロとカレンは藤堂の救出。薫たちは他の囚人、主に日本解放戦線のメンバーの救出を主な任務として行動を開始した。
「クリミア…」
「分かってるわよ。全セキュリティーを無力化、ロックは全て解放。OKよ!」
「伊丹、誘導任せる。ジェシカ、ライはトレーラーの援護。クリミアは脱出しろ」
「「了解!」」
ーー
「なんだ?」
「ぐわぁ!」
十字剣でサザーランドを切り裂きながら合流地点を目指す。壁を爆破して収容所に入ってくるトレーラー。それをライとジェシカの月下と無頼改の護衛の元、収容所のど真ん中で停車する。
「順調だな」
そこに四聖剣とゼロたちが集結すると藤堂が姿を表す。感動の対面中では薫たちが迫るサザーランドたちを薙ぎ倒していく。
「中佐!」
「おかえりなさい藤堂さん」
「みんな、手間をかけさせたな」
「なに、安いものです」
「ゼロに協力する。ここの残存兵力を叩くぞ!」
「承知!」
藤堂が月下に乗り込んだことにより四聖剣たちも戦線復帰。これで十分すぎるほどの戦力が整った。
すると遠方からスラシュハーケンが飛来するそれに反応したのはライとカレン。ライは自ら足場になるとカレンが月下を踏み台にして高く飛翔しスラシュハーケンを叩き落とす。
「ありがとう、ライ」
「ナイスだ、カレン」
「おやおや、残った問題が自らやって来るとはな!」
ランスロットの来襲。調布における戦闘はついにランスロットと同盟部隊による戦いに続くのだった。
ーー
月下の機動力を生かしつつ他の機のカバーを忘れない四聖剣。
「くっ、戦い慣れてる!」
一度退く月下を影に白夜叉もシールドを全面に押し出してタックルをかますと巨大な十字剣を振るうが避けられ地面に剣が突き刺さる。
「貰った!」
「させない!」
一瞬の薫の隙を見てヴァリスを構えるスザクだが。目の前に迫っていたライの輻射波動をブレイズルミナスで受け止める。すると今度は白夜叉の左腕に内蔵された速射砲が火を吹く。
「この連携はあの時の!?」
シンジュクゲットーで対峙した2機のグロースター。あの2機の連携にそっくりだ。いや、同一人物だろう。
「やっぱり押しきれないか…」
数的には1対11なので圧倒的だが全部が全部、ランスロットと同時に戦えるわけではない。
「打つ手はある。ここは私の指示に従って欲しいが…」
「分かった、ここは君に預けよう」
「白蛇もいいかな?」
「構わないさ。君に預けるよ」
「全機、距離を取れ!」
ルルーシュの声に弾かれるように動き出す一同。
「奴の攻撃には一定パターンがある。最初のアタックは正面から、フェイントをかけることは絶対にない!」
「かわされると次の攻撃を避けるためにすぐに移動する。移動データを読み込めS57」
「いただく!」
建物の影から躍り出た薫はピッケルを使ってヴァリスをランスロットから剥ぎ取る。空中に飛ばされたヴァリスを薫が素早く手に入れると銃口を向ける。
「そうだ、その場合、次のオプションは後方へと距離を作る。場所はX23、これでチェックだ!」
着地地点に待ち受けていた藤堂の月下による刺突、繰り出される三つの刺突。
「これは!?」
「読んだのか三段突きを、だが!」
コックピットブロック上部を切り飛ばした藤堂。するとランスロットのパイロットが目の前に現れる。
「うそだ…」
「え?」
「スザクくんなのか?」
(ついに来たか…)
「あれは薫の友達の?」
「そうだ、枢木スザクだよ」
プライベート回線で聞いてくるライに静かに答える薫。正体は分かっていたが実際に目で見ると悲しくなる。
(運命には抗えないのか…)
「どうして…お前はそんなところに居ちゃいけないんだ。お前はナナリーの側に…」
「ゼロ…ゼロ」
放心状態のルルーシュを見た薫は無頼に近づき接触回線を開く。他の回線を全て切断してプライベート回線を繋げる。
「ルルーシュ!」
「っ!?」
「今は現状把握と解析だろ。指揮官としての役目を果たせ!」
「そうだな…すまない」
「お前はイレギュラーに弱すぎなんだよ。早くしろ!」
「あぁ…」
ルルーシュを元に戻した薫はレーダーを見て周囲の状況を確認する。政庁に近いだけあって敵の増援がやって来ていた。
「パスワードは僕の好物!」
ランスロットのハーケンブースターが四聖剣の武装を弾く。
「ゼロ!」
「もうやめろ!目的は果たした、ルート3を使い。ただちに撤退する!」
「ライ、ジェシカ、チャフスモークだ!」
ヴァリスでランスロットの右足を破壊するとチャフスモークを展開させ撤退する薫だった。
ーーーー
「薫…」
「よしよし、よく頑張ったな…」
黒の騎士団たちを解散させた後。動揺するルルーシュを落ち着かせる薫。スザクがランスロットのパイロットだと分かってかなり動揺しているのだろう。
「俺は…どうすれば……」
「それは、お前が決めるんだ」
答えなんて無いし言えない。だって俺にだって分からないからだ。
「お前がどのような選択を取ろうとも俺はお前の味方だよ」
「すまない、薫…」
「いいんだ、気にすんな」
もう俺が見てきた映画の内容を通り越してしまう。これからは俺自身が後悔しないように向き合わなければならない。