コードギアス 白蛇は勘違い   作:砂岩改(やや復活)

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技術進歩

 

 一見は人懐っこそうな少年。だがこんな無人島に一人で、こんなに殺気を漏らされては警戒せざる得ない。

 

「逃げた方がいいか!」

 

「賛成!」

 

 可能性的に相手はブリタニアの暗殺部隊。それに関する刺客である可能性が高い。こんなに物陰が多い場所での戦闘なんて不利だし相手はプロの可能性が高い。逃げるのが賢明だろう。

 

「逃げるわよ!」

 

 ひたすら逃げる二人。だがその距離は離れることなく、相手はワープしているかのように距離を縮められる。

 

「なんなんだ!あいつは!」

 

「知らないわよ!」

 

 二人でバラけるのも考えたがそれでは敵に対して不利に働く可能性がある。あっという間に島の端に追い詰められた二人は崖を背にして振り返る。

 

「くっ!」

 

「……」

 

 カレンは仕込みナイフを取り出し、ライも構える。このような絶望的な状況でライは体の中でなにかが沸き上がる感覚があった。本能的になにかを叫ぼうとした瞬間。

 

 ズドン!

 

「え?」

 

「は?」

 

 次に映ったのは刺客の少年が倒れている姿。ナイフを狙撃されていたために倒れた少年、その奥には白い影。

 

「「白蛇!」」

 

「俺の部下から離れろ!」

 

 リボルバーを構えた白蛇がいた。

 

ーーーー

 

 薫がライたちの元に駆けつけた理由。それは嫌な気配がしたからと言うわけではなく。残念ながらたまたまであった。

 

「夜中に見えたのが軍のサーチライトならその方向にブリタニア軍がいるはずだよ」

 

「なるほど、これで年貢の納め時ってやつか?」

 

「僕も出来るだけ…」

 

 残念ながらスザクに連行されていた薫は突然のスザクの停止に驚く。すると空を飛んでいた鳥さえも置物のように落ちてきたのだ。

 

「は?」

 

 自分以外の時間が停止したと思われた瞬間は一瞬。すぐに鳥もスザクも動き出す。

 

「掛け合ってみるから…どうしたの?」

 

「いや、なんか変な体験をしてな…」

 

ガサッ…

 

「なんかヤバそう…」

 

「え、薫!?」

 

 それから薫の動きは速かった、音のした方に向かって全力疾走。追いかける度に停止した動物たちが姿を表して不気味だったがそのまま突き進むと崖に追い詰められたライとカレンの姿があった。

 

ーー

 

「変な力を使ってるな、少年」

 

「くっ!」

 

 リボルバーを牽制で撃った筈だがたまたまナイフに当たったのが幸いした。少年の標的は薫に変更、すると目が紅く輝きナイフに手を伸ばす。

 

「いや、なに普通に取ろうとしてるんだよ!」

 

「え!?」

 

 思わず突っ込んでしまった。少年の足元に銃弾を撃ち抜くと牽制する。

 

「そんな、僕のギアスが効かないなんて…」

 

「時を止めるなんて大層なものではなさそうだが。厄介なギアスを持ってるようだな。誰の差し金だ?なぜ二人を狙う!」

 

 見た目はまだ幼い子供だと言うのに…。こんな子が暗殺に差し向けられている時点でろくな組織であるはずがない。ブリタニアだとすればライを取り戻しに来たか、それとも排除しに来たか…。

 

「狙いはライだな!」

 

「くっ!」

 

 歯噛みする少年に向けてリボルバーを向ける薫だったが突然。付近の木が倒れる。

 

「嘘だろ!?」

 

 明らかに不自然な倒木に慌てて避ける。するとその少年の姿が消えていた。

 

「くそっ、逃がしたか…」

 

「白蛇!」

 

「白蛇さんもここに?」

 

「白蛇でいいよ。カレン、たまたまだったがな。お前たちもここに流れ着いていたのか」

 

「うん、無事で何よりだ」

 

「そうだな。この先にブリタニア軍がいる、通信機器を奪って潜水艦に連絡しよう」

 

「そうだね」

 

 スザクを置いてきてしまったがまぁ、なんとかなるだろう。取り敢えずブリタニアに捕まる可能性がかなり低くなったと言うわけだ。

 

「とにかく山頂だな。ブリタニア軍の様子を探ろう」

 

「「了解!」」

 

ーーーー

 

「スザク、ゼロにユーフェミアだと!?」

 

「白蛇か!」

 

「かお…白蛇。君もか!」

 

 島の山頂に集結した一同。スザクがユーフェミアを奪い返した瞬間。全員が立っていた床が大きく揺れる。

 

「なんだ?」

 

「これは!?」

 

「枢木少佐…それにゼロ?」

 

 エレベーターのような床が降りた先。そこはブリタニア軍のど真ん中。ロイドたちが声をあげたのに反応して薫も顔を向けると彼女は驚愕する。

 

「嘘だろ…」

 

「白蛇?」

 

 薫が見たもの…それは"自分"であった。

 

(なんで以前の俺が…)

 

 彼女の視界にしか映らない幻影。それは転生前の佐脇薫、男の薫が静かに立っていたのだ。

 

「白蛇!」

 

「っ!?」

 

 男の薫に意識を向けていた薫はゼロの言葉に意識を戻す。すると安心したゼロは彼女の手を引いて巨大なナイトメアに乗り込む。

 

「複座式か、機体の制御を頼む!」

 

「分かった!」

 

 機体のコックピットに乗り込んだ二人。ルルーシュが後ろ、薫が前に乗り込むとコックピットを閉じる。

 

「ありがたい。無人な上に起動もしているとは」

 

「だが武装は二つしかない。外の部隊を突破できるか?」

 

「やるしかないだろう」

 

 外でライとカレンが暴れる中。ガウェインと表示された画面を見て呟く。

 

「ブリタニアの新型か…今までのタイプとは違うようだな」

 

「アラート1、アラート1!」

 

「邪魔だ!」

 

 ライとカレンを機体に乗せている間に迫ってくるサザーランドを左手のスラッシュハーケンで薙ぎ倒す。

 

「こいつ、指がスラッシュハーケンになってるのか!面白いな!」

 

「ライとカレンの収容は完了したぞ」

 

「分かった。このまま外に出る!」

 

 すると外の増援が出口を塞ぐが薫は次の武装を展開させる。

 

「きゃ!」

 

「カレン!」

 

 するとガウェインの両肩の装甲が稼働。エネルギーをチャージするとエネルギー弾をバラ撒く。

 

「ちっ、武器は未完成か!」

 

「ってかこれ、エネルギー兵器かよ!」

 

 拡散したエネルギーによって敵の視界を奪うとガウェインは出口を突破。後方に布陣していた部隊と鉢合わせる。

 

「流石に数が多いか」

 

「問題ない。これは使える」

 

 ルルーシュの言葉と共に薫は突然の浮遊感に戸惑いを覚える。するとモニターに映ったのは空を飛んでいる姿。

 

「まさか、空を飛ぶナイトメアとはな。クリミアが喜びそうなものだ」

 

「ふっ、そうだな」

 

「近いうちに主戦場は空に変わるだろうな」

 

「あぁ、こんなものが作られてはな」

 

「戦いが科学を進歩させるか…」

 

 ガンダムでも非現実的とされてきたビーム兵器や空を飛ぶ機体は常識となり、そのうちにそれが最低限のボーダーラインになっていた。

 

(天才が作り、凡人が増やす。クリミアの言っていた通りだな)

 

 その後、黒の騎士団と無事に合流を済ませた薫たちは無事に帰投するのだった。

 

 

 






 復活のルルーシュを見てきました。
 最高でしたね、皆さんも是非ごらんになってください。私は3回目に行ってきます!


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