コードギアス 白蛇は勘違い   作:砂岩改(やや復活)

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とりあえず、一段落~






それぞれの思惑

「改めまして、このヴァイスボルフ基地の司令官であるレイラ・マルカル中佐です」

 

「黒の騎士団の作戦参謀の白蛇だ」

 

 ヴァイスボルフ城の司令室。その半分に分けて配置された各組織の代表者たちは正式に顔合わせを行う。

 

    白蛇隊     ユーロピア軍 wZERO部隊

 

 指揮官

 

 白蛇(薫)    レイラ・マルカル

 

 指揮官補佐

 

 ジェシカ・フレヤンス  クラウス・ウォリック

 

 開発主任

 

 クリミア・ディンセンフォール  ソフィ・ランドル

                 アンナ・クレマン

 

 警備隊長

 

 バレット・F・イケザキ  オスカー・ハメル

 

 実働部隊長(臨時)

 

 柏木遥       日向アキト

 

 

 責任者が一同に会するその場は緊張が流れていた。

 

「スマイラス将軍からは最大の援助をと受けたまっております。詳細はこちらに」

 

「ありがとうございます。我々はあくまでもゲスト。そちらのやり方に従います。苦情などはいつでも」

 

「分かりました」

 

 詳細については資料を受けとる。薫の格好は黒スーツにバイザーといつもの格好ではない。あの服も血まみれで使い物にならなくなってしまったのだ。

 

「久しぶりね。ランドル…」

 

「本当に貴方とはね、クリミア」

 

 ソフィ・ランドルとクリミアは昔からの旧友。二人は脳科学と兵器部門で別れてしまったが今だに交友のある関係であった。

 

「本当にこんなにドックを貸してくれるの?」

 

「前回の作戦で部隊は一機を残して全滅。むしろ余ってたのよ」

 

「なら、遠慮なく。次の決起のためにナイトメアを開発したかったしね」

 

 ヴァイスボルフ城に運び込まれた10機のナイトメアは控えめに言っても使い物になるか怪しいところ。ひとまずはオーバーホールして直さないといけない。

 

 白夜叉や無頼改5機、サザーランド2機、無頼2機が現在の白蛇の戦力であった。

 

「部屋なども前作戦で戦死した兵たちの部屋があるのである程度は収容できると思いますよ」

 

「流石に全員は厳しいですが…」

 

「白蛇さま、我々は野営の準備を…」

 

「すまないな」

 

「いえ、白蛇さまはゆっくりなされてください」

 

 ナイトメアは10機ほどだったが人数はその比にもならない。避難した白蛇の特務隊だけでも約500ほどそれに加えて黒の騎士団や他のテロ組織メンバーたちで合計約1000人ほどの人間が避難している状況だった。その中には日本では生きられないと判断して付いてきた一般人もいたのだ。

 

「完全に避難民だな」

 

「仕方ありません。あれほどの状況だったのです命があるだけよろしいかと」

 

 船旅が倍に延びたのもこれが原因だった。避難民の医療品、食料不足にストレスの増加。定期的にガス抜きをしなければ人員は半分ほど減っていただろう。

 

 その避難民たちはヴァイスボルフ城の城壁の外には巨大な避難キャンプが設立、そこでの暮らしを始めようとしていた。

 

「白蛇、その眼の事で相談があるんだけど」

 

「ん?」

 

 ジェシカと避難民の話をしているとクリミアとソフィが二人でこちらにやって来る。

 

「ソフィ・ランドルです」

 

「彼女はユーロピアにおける脳科学の権威でね。彼女に義眼を造って貰えるように交渉したのよ」

 

「あの血の行政特区事件で負傷したのは聞いています。あの中継は私も見ていたので…」

 

「そうですか」

 

 あの中継は世界中に中継されていた。あの一件でブリタニアの国際的な信頼は地に落ちただろう。

 

「彼女はその知識でブレインレイドシステムの研究をしてるのよ」

 

「ブレインレイドシステム?」

 

 ブレインレイドシステム。ニューロデバイスという端末をパイロットに埋め込むことにより、機体を直感的に・手足のように動かせるシステムでアレクサンダに搭載されている新システムだ。

 

「ほう、面白いシステムだな」

 

 説明を聞いた薫はその画期的なシステムに驚く。まさかサイコミュに類似する装置がこの世界でも存在しているとは思わなかった。

 

「本当は脊髄にニューロデバイスを埋め込むんだけど。白蛇の義眼に埋め込んでデータを取ろうと思ってね」

 

「なるほど、俺は義眼を手にいれ、そちらは研究データを手に入れる。WinーWinの関係だな」

 

「どう?」

 

「右目はどうにかしないとは思っていた。それにナイトメアの動きが少しでもマシになるなら願ってもないな」

 

 スザクやカレン、ライといった超人パイロットがいる以上。少しでも対抗できるようにはならなければならないだろう。

 

「じゃあ、決まりで」

 

「貴方の目を取り戻すために。私も尽力します」

 

「信頼しているよランドル博士」

 

 こうして薫の義眼の製作が始まるのだった。

 

ーーーー

 

「以前、避難民の食料は満足に行き届いていません。子供などには優先的に配給していますが大人は満足な食事ができずに不満を溜め込んでいるようですが…」

 

「不満を漏らせば解決するほどの余裕はない。ほっておけ、子供には優先的に食事をさせろ」

 

「はい、分かりました」

 

 ヴァイスボルフ城を居に置いて数日が経過するも状況が好転するわけではない。スマイラス将軍の支援にも限界がある。1000人近くの人間を満足させる食事なども用意できるわけがなかった。

 

「水が自由に使えるのは助かりましたね」

 

「そうだな、ろ過装置様々だな…」

 

 近くには巨大な湖がある上に湧き水はそこら中から溢れている。

 

「それと、クリミア博士は新型機の設計を開始しました。それと、こちらは検査結果です」

 

「ありがとう、ジェシカ」

 

 ランドル博士のブレインレイドシステムの適性検査だったが良好のようだ。A判定と記された検査票を読み終えると紅茶をすする。

 

 侍女たちがわざわざ街に出向いて買い出ししてくれた紅茶は格別だった。

 

「しかし、よろしかったのですか?フロートシステムのデータをスマイラス将軍に差し出して…」

 

「フロートシステムは常識になる。いずれ、空が主戦場になるさ。こちらにはなにも痛くない」

 

 痛い目を見るのはブリタニア軍だ。こっちには関係ない。

 その代わりにこちらは大量のサクラダイトを手に入れることとなった。新型機開発にはなくてはならない素材だ。

 

「とにかく、一年を目処にここには居よう。俺たちの状況にもよるがな」

 

 白蛇たちが使っていた無線はまだ生かしてある日本にはライが居るはずだから何とかしてこちらに連絡はしてくれるだろう。それまでは力を蓄えておかねばならない。

 

「分かりました。新型の運用試験含めて半年ほどで終わるように予定を組んでおきます」

 

「すまないな」

 

「いえ」

 

「すいません、よろしいでしょうか?レイラ・マルカルです」

 

 今後の予定を大まかに決めると部屋にレイラが姿を現した。

 

「すいません、忙しかったでしょうか?」

 

「いえ、構いませんよ。ジェシカ、紅茶を」

 

「はい」

 

 完全に薫の執務室と化していた部屋はレイラのよく知るヴァイスボルフ城とは違った雰囲気を感じさせていた。

 

「突然すいません」

 

「いえ、どうしましたか?」

 

「実はお願いがありまして参りました」

 

「お願いですか…」

 

「はい、図々しいのは重々承知なのですが…」

 

(そんなに下手じゃなくてもいいのに…)

 

 レイラの姿勢に思わず苦笑いな薫。立場的にはこちらの方が明らかに下なのだが。

 

「貴女方の戦力をお借りしたいのです」

 

「ほう、我々の戦力を?」

 

「はい、現在。この基地には日向アキト少尉しか戦力がありません。しかし、私の提唱したプロジェクトは敵陣背後への大規模奇襲攻撃投入にあります。しかし、戦力の補充はかないません」

 

 敵陣背後への大規模奇襲攻撃。そのフレーズに薫は反応する。

 

「背後とは?敵陣の背後など取れる筈がないでしょう?」

 

 陣を敷く。それは周囲、特に背後での安全が完全に確保されていることを前提に行われるものだ。それに相手はブリタニア軍、索敵を怠っているわけではないだろう。

 

「はい、シャトルで大気圏を脱出して地球を一周した後に目的地まで降下します」

 

「大気圏降下による奇襲攻撃か…成功するのか?」

 

「すでに実戦にて成功しています。帰還機は一機のみでしたが…」

 

「それは詳しく話を聞かせてほしいですね。出来れば前回の作戦データも」

 

「それはもちろん。部下を貸して欲しいと申しているのです。すぐに用意します」

 

「えぇ、我々も部下は大切ですからね」

 

「分かりました。すぐに用意します!」

 

 まるで承諾されたかのように喜んで部屋を去るレイラ。それを見届けた二人は静かに目を合わせる。

 

「なんというか…見ていて不安になってきますね」

 

「なにも知らない無垢な少女だな…」

 

 作戦データは軍の重要な機密データだ。ましてや世界で唯一のナイトメアの実働データは最高機密に該当する物だ。それを易々と渡してしまう辺り、彼女はまだ箱入り娘のように人を信用しすぎる。

 

「それを利用しないのが白蛇様らしいですね」

 

「利用するさ。俺はそんなにお人好しじゃないんでね」

 

「そうですね」

 

 薫の言葉に笑みを溢すジェシカ。それを見て薫も苦笑いを溢す。

 

ーー

 

 白蛇直属の諜報員であるツァーリは宿泊していたホテルから日本人が詰め込まれているエリアを観察していた。

 

 ユーロピア政府はブリタニアを恐れるあまりに日本人をゲットーに押し込み管理していた。腐りきり、身内同士の争いなどが絶えないゲットーの状況は閉鎖空間ならではの光景だ。

 

「私は賛同しない」

 

「そう言っても仕方ないでしょう」

 

 相棒のミレナに不満を漏らすツァーリ。薫はユーロピアで隔離されている日本人たちをこちらの戦力に出来ないかと考えていたのだが。

 

「あんな野蛮な者たちが白蛇さまと同じ人種とは考えたくないです。他者を蹴落として得られる安息などない」

 

「私たちにとって白蛇が良すぎたんだよ。人間なんてそんなものさ。でもこういう状況だからこそ生まれる人材もある」

 

 ミレナが握っていたのは少し古い雑誌。そこにはアムステルダムゲットーの爆発事故があった。

 

「ユーロピアには出来てたんだよ。天然の人間蠱毒がね」

 

「能力があっても白蛇様の障害となるなら殺すしかない」

 

「そこは白蛇さま次第だよね」

 

 ツァーリは冷たい目でゲットーを見つめるのだった。

 

ーー

 

「スマイラス将軍」

 

「なにかな?」

 

「《ナポレオン》の開発の目処が建ちました」

 

 スマイラスは副官の言葉を聞いて笑みを浮かべる。白蛇たちが寄越したフロートシステム。そのおかげで歴史の影で埋もれかけた計画が動き出した。

 

「スマイラス将軍の革命の象徴となるでしょうね」

 

「そうだな。彼女には感謝せねばな」

 

 こちらに踊らされているのも知らずにやって来てくれた白蛇には感謝しきれない。

 

「私の掌で踊ってもらおう」

 

 普通ならば彼の勝ちであろう、だがそれは分からない。薫は確かにただの一般人であった。特筆すべき才能も持っていない無能であった。

 

 だがそれで白蛇を体のいい駒として使うのは早計であったのだ。

 

 

 

 

箸休め話のアンケート。幻のストーリーを見せちゃいます!皆さまのおかげでここまで来れた訳ですがこれまでの話でボツになった話をお見せします!ちなみに本編のお相手はミレイですが他のキャラのルートもしっかりありました。そのままお蔵にするのは勿体ないので公開するためのアンケートを取ります!

  • 王道のルルーシュ√
  • 手堅くスザク√
  • みんな大好きライ√
  • え!?まさかのC.C√
  • いや!全部見せろ!
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