あまりにも忙しくてかなり遅れてしまいました。申し訳ありません、今回ばかりはかなり短めで終わりますが次回からはついに、二期に突入します!
どうぞ暖かい目で見守っていただけると幸いです。
「艦上方に直撃弾!」
「なんとか防げましたが機関出力低下!」
「されど航行には支障なし!」
「ですが流石に戦闘は!」
各所から鳴り止まないアラートを背景にオペレーターの声を聞いたシュンはあくまでも冷静だった。
「全軍、ただちに撤退せよ」
「シュン!」
素早すぎる撤退指示にモニカは声を荒げるがその顔は悔しさに満ちていた…彼女もこの状況は理解している。
「このまま撤退しても長距離砲の的だわ!」
「敵が攻勢に転じましたこちらに近づいてきます!」
「敵と交戦しつつ撤退。離れすぎないように注意しろ!」
「っ!」
「離れすぎなければ向こうは撃ってこれない」
長距離砲といってもミリ単位の精密砲撃は不可能。交戦距離さえ間違えなければこちらも砲撃に怯えずに戦える。
「無理よ、敵のナイトメアは砲撃タイプ。距離を取っての砲撃がメインになる。撤退すれば正面と後方からの砲撃に挟まれる!なら敵部隊を強行突破して敵の都市部に侵入すれば砲撃は止む」
「敵地に入る備えを向こうがしてない筈がない。本隊が砲撃で蹴散らされた。そんな残存戦力では武力制圧は難しい、ゲリラ戦法でも取られたら敵地で消耗戦になる!」
どちらの意見も正しいが長距離砲撃部隊を制圧した部隊そして都市部の部隊の規模が分からない以上、下手な侵攻は危険すぎる。
「俺が正面の部隊を引きつける。モニカは指揮を頼むぞ」
「まだ話は!」
モニカの制止を聞かずにシュンはマントを翻しながらブリッジを後にするのだった。
ーーーー
「予言はブリタニアすらも蹴散らすとはな…シャムナ様は恐ろしい方だ」
正面の部隊を率いていたボルボナ・フォーグナーは自身の機体から撤退を始めるブリタニア軍を眺めていた。
「ん?」
すると青い航空浮遊艦から青い機体が射出されるのが見える。その機体は空中を浮遊しながら背中のキャノン砲を構えて砲撃。遥か遠くにいた自分の横に控えていたゲド・バッカを吹き飛ばした。
「くっ、油断した!」
不安定な空中であれだけの精密射撃。
「あれが噂の蒼き死の騎士か」
一年前、隣国のトルア共和国防衛軍をたった一人で滅ぼした死の騎士。赤いバイザーの奥に光るツインアイが激しく光りこちらを睨み付けてくる。
「下がれ、あれはお前たちには分が悪すぎる」
「フォーグナー様!」
部下の心配の声を危機ながらフォーグナーは機体を加速させながらシュンのライオネルに向けて突撃を慣行する。
「褐色の城壁、自ら相手とはな!」
着地と同時にゲド・バッカをガトリングランスで串刺しにしたシュンは足でバッカを踏みつけてランスを抜く。それと同時にフォーグナーのゲド・バッカが接近戦を仕掛ける。
「やる!」
「なんたる反応速度だ」
フォーグナーのゲド・バッカは素手だか接近戦用にカスタムされた強化腕だ。それをシュンのライオネルは素手で受け止めると蹴り上げる。
「フォーグナー様!ぐわっ!」
それと同時にライオネルの各部に備えられたミサイルがジルクスタンのナイトメアを次々と吹き飛ばす。
「この死神がぁ!」
「遅い…」
いつの間にか取り出していたランスタイプのMVSでゲド・バッカの大群の中を暴れまわるライオネル。
「やっぱりゲルググのナギナタは一対多数を目的とした武器だったんだなぁ」
「やはり数で包んでも無駄か」
「ボルボナ・フォーグナー。ここでお前の首を晒せば少しは汚名を返上できるかな?」
「死の騎士の実力。計り損ねた…だが我々の勝ちだ」
「っ!」
フォーグナーの機体を倒すために加速したライオネル。だがそれを見越したように砂漠の砂の中から無数のワイヤーが襲い掛かりシュンを拘束する。
「これは!」
「シャムナ様の予言がここまで当たるとは。予言のある限り我々の敗北はない!」
「くそっ!」
ワイヤーを伝って高圧電流がライオネルに襲い掛かり。シュンの身すら焼く。
(このままじゃ殺される!)
「シュン!」
シュンが死を覚悟した瞬間。モニカの声と共に周囲が爆撃される。フロート装備のモニカのグロースターとサザーランド数機がこちらに急速に迫っていた。
モニカの精密射撃によってワイヤーを切断。解放されたライオネルは息吹を取り戻す。
「モニカ…」
「撤退するわよ!」
サザーランドが牽制射撃を加え、フォーグナーたちを牽制するとモニカがライオネルを抱える。
「これは駄賃だ!」
グロースターに抱えられながらキャノン砲を放ちフォーグナーの機体の右腕を吹き飛ばした。
「ぐっ!」
「フォーグナー様!?」
「追うな、これ以上は痛手になる」
(やはりブリタニアは手強い…)
これは既に勝ち戦。これ以上の被害は避けなければならない。ブリタニアと違ってこちらは兵の数も限られている。フォーグナーの判断は実に賢明であった。
ブラックリベリオンと言う大きな反乱を防げず、ジルクスタンと言う小国に敗北したブリタニアは世界からその武力による拡大政策の限界を知らしめる事となった。