白き鋼 ー Fog Fleet YAMATO ー   作:Arcelf

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時系列メモで一話作れるんじゃないかと思えてきました。


大和ハ知ル

―――食事処―――

 

 

そこには艦娘が集まっていた

 

ヤマトに乗艦した者は他の子に囲まれて質問攻めにされている。

 

「夕立。おかえり、あの戦艦に乗ってたんだって?無事で良かったよ」

 

「ぽいぽ~ぽい~。疲れたっぽい~」

 

夕立は疲れてるのか時雨への返事が適当になっている。

 

「夕立が最後まで起きていたそうだな?」

 

「何が聞きたいっぽい~」

 

「ヤマトが此処に来た目的だ、祥鳳の奴は突然乗り込んできたとしか言わなくてな」

 

その時騒がしかった食堂が静かになった。

皆聞き耳を立てているようだ。

 

「それは睦月ちゃんが怪我してたから送ってくれたっぽい~」

 

「其れのために此処に来たのか・・?」

 

「そうや!今ヤマトは何処におるんや!」

 

「入渠に行ったっぽい~」

 

龍驤は提督から酒を頂いてご機嫌のままヤマトに文句言うことを忘れていたが長門の発言で思い出したようだ。

 

「入渠やて?ヤマトは艦娘かいな?」

 

「あっちの大和とは違うっぽい~、ヤマトは妖精か精霊っぽい~」

 

夕立はヤマトと提督の話を聞いており、ヤマト自身が言っていた妖精か精霊の信じていいた。

騒がしくなり始めた食堂はまた静かになった。

 

「ふぇぇ~、幽霊じゃなくて・・?」

 

「本人が言ってたっぽい。阿武隈何時まで引きずるっぽい?」

 

「だ、だってぇ。さっき扉すり抜けたしぃ」

 

「阿武隈は何を言っているんだ・・・?」

 

未だに引きずっている阿武隈に長門は何を言っているのかついて行けなかった。

 

「阿武隈は何処かに頭打ったんけぇな?」

 

「ふぇぇ~っ。違うです!入渠の扉すり抜けてぇ・・」

 

「すり抜け・・すり抜け・・・夢にゃしぃ・・」

 

「一体何があったんや?」

 

阿武隈の発言に睦月も思い出したようだ、睦月は夢だと思っていたようである。

龍驤も幽霊と言い取り乱してる阿武隈と、釣られるようにして頭を抱え俯いた睦月を見て流石に普通じゃないと思い始めてきた。

 

「幽霊じゃないっぽい。気にするだけ無駄っぽい」

 

「そのうち慣れるぴょん」

 

夕立と卯月は取り乱している2人を気にしないことに決めたようだ。

そこへ時雨と皐月がやってきた

 

「夕立?時雨にも聞かせてほしいな。あの戦艦の話」

 

「ボクも聞きたいなっ」

 

「ぽい~。う~ん」

 

夕立が話しだそうとしてるのを見て回りで騒がしかった第六駆逐隊の面々も静かに聞きだした。

 

「帰還の途中に敵と遭ったっぽい。戦ってたらヤマトが現れたっぽい」

 

夕立が喋りだすと、食堂は微かな会話すら無くなっていた。

皆話に聞き逃しまいとしているようだ。

 

「現れて深海棲艦に向けて撃ったっぽい・・」

 

夕立は目の前で敵が水柱と共に消し飛んだ光景を思い出していた。

微かに震えており、近くで聞いていた者は様子が可笑しいことに気づく。

 

「夕立。大丈夫?」

 

「大丈夫っぽぃ~」

 

「無理しなくて良いよ?」

 

時雨は姉として夕立の様子が気になっていた。

 

「この程度気にしていたらやっていけないっぽい・・」

 

「夕立・・?」

 

「ぽいぽい、ヤマトが撃ったら敵が全部消えたっぽいぽい」

 

気を取り直したかと思われたがやはり挙動不審である。

そんな夕立を見て卯月が割り込んできた。

 

「巨大な水柱が上がってたぴょん、上がったと思ったら敵が消えてたぴょん」

 

「ふむ・・つまり深海棲艦に攻撃が効くのだな?」

 

「効くぴょん・・それから武装解除するように言われてヤマトに乗ったぴょん」

 

「武装解除?何故だ」

 

「しらないぴょん。ヤマトに聞くぴょん」

 

「そうか・・後で聞くとしよう」

 

長門は深海棲艦に攻撃が効くということに思うところがあるようだ。

 

「それから艦橋に案内されてお話したぴょん。そしたら此処まで送ってくれたぴょん」

 

卯月は色々と非常識な部分を省いて話しているようだ。

あり得ない事言って混乱を避けるためか。

話すのが面倒くさいのか。

どちらかと言うと後者である。

 

「ふむ・・態々送ってくれるのか?。随分と親切なのだな」

 

艦娘と言う武力を持った存在を態々送ってくれると言うことに長門は疑問に思っている。

護衛として船舶の安全を確保したり海上の安全圏を確保する艦娘が、戦艦であるがそれに乗せて送ってくることに。

 

「優しい人だったぴょん。常識無いけど・・」

 

最後のつぶやきは誰にも聞き取れなかった。

 

 

 

 

そこへ外出組が帰ってきた。

 

 

「皆さん集まって何をお話されてるのですか?」

 

千歳はやたら密集して集まってる事が気になり声を掛け、近づいていった。

 

「千歳先にご飯食べよ~」

 

千代田は食欲の方が勝っているようだ。

一方一緒に入ってきた飛鷹は真っ先に隼鷹の元に向かってしまった。

 

「ああ、千歳達か。知らないのか今ここに戦艦大和が停泊しているのを」

 

「大和さんが来ているんですか、後で挨拶に行かないとですね」

 

「違う、戦艦の大和が停泊している」

 

何処と無く噛み合っていない千歳と長門の会話に千代田がふざけて言った。

 

「まさか大戦艦の大和が蘇って停泊してますーとか?」

 

「そうだ、後で見に行くと良い」

 

長門は至って真面目な表情で返した。

その事に千歳はまさか本当に停泊しているのではと思い、千代田を連れて出ていってしまった。

 

「え・・冗談でしょ?」

 

「千代田行くよっ!」

 

「えぇっ、ご飯食べようよ~」

 

「そんなことより確認よ!」

 

静かになった食堂に間宮は2人は当分帰って来ないと思い、食事をどうするのか悩むのであった。

 

 

 

 

 

―――執務室―――

 

 

遠征隊が出ていった後の執務室には執務机で頭を抱えている提督と横で突っ立っている大淀が居る。

 

 

「大淀・・上への報告しなくて良いよね?」

 

提督は定期報告にヤマトを入れないで報告しようとしていた。

光る戦艦大和がパラオ泊地に停泊しています、なんて報告出来ないと提督は考えている。

仮に報告したとしても頭がおかしくなったと解任されるのではないかと。

 

 

「露見して責任問題になると不利ですよ?」

 

(知ってるよ!それぐらいっ。でもねでもね?戦艦の大和がウチに停泊していますって頭おかしいって思われるよ!?)

「ヤマトの事どう報告したものか・・。大淀何かいい案ない??」

 

投げ出したい気持ちの提督は大淀に期待して話を振ってみた。

 

 

「素直にありのまま送れば良いと思いますが」

 

(それね?考えたよ?でもねでもね??あそこの提督替えた方が良いんじゃない?とかヤマト手に入れろとか無理難題が返ってくるよ?絶対)

「大淀は・・そんな報告来たらあそこの提督は頭がおかしくなったと思わない?」

 

「思います」

 

「否定してよ!?」

 

 

秘書である大淀は考えるのを破棄したようだ。

 

 

(マジどうすんのこれ?仮にヤマトと武力衝突したらどうなるの?なんか光ってるし、あのダイナミック停泊見ると機動性が可笑しいし・・主砲からビームとか出てきそう・・金ピカだし・・てかどうやって作ったのアレ・・・)

 

「ヤマトと武力衝突したら勝てるかな?」

 

「無理じゃないですか?内湾に入ってくる時の速度は明らかに駆逐艦以上でしたし、それにアレが普通の武装に見えません」

 

「やっぱり?」

 

「それと提督は知らないと思いますが、周囲に結界の様な物を張れるようですよ?」

 

 

提督は大淀の言葉を一瞬疑ったが、アレが普通じゃないと気を取り直し何かの聞き間違いかと問い直した。

 

「えっ、何だって?」

 

「私が向かった時にですね結界があって入れなかったんですよ、それで祥鳳さんが入れてくださいと言い入ることが出来ました」

 

(もしかして、凄くヤバかった?えっ、てか結界って何?入れないの?もしかして選択肢間違えてたら僕死んでた・・?いや考えないでおこう・・)

「・・・結界って何?」

 

「わかりません。ただ光の様な壁が出来ていました、触れることも出来たので物理的な物なのは確かですね」

 

(光って何?触れるの?そういえば光が僕に直撃したって言ってたよね?)

「ヤマトって光を操れるの?」

 

「本人に聞いてください」

 

「・・・」

 

 

 

 

――バタンッ――

 

 

そこへ噂のヤマトがノックも無しに突入してきた。

 

「提督、良い所に居るわね」

 

(良い所も何もないよ!此処は執務室だよ!?僕が基本的にいる場所だよっ!?)

「や・・ヤマトか・・」

 

提督はヤマトが抱えている人形が気になった、そんなリアルな妖精人形を何処から持ってきたんだと。

 

「食堂の場所を聞きたいのよ」

 

(えっ、食堂?・・!?)

 

ヤマトもお腹を空かせているのかと考えていると妖精人形が動き出した。

 

 

― 食堂の場所なら知ってるです ―

 

「あら、エラーちゃん知ってたの?先に聞けば良かったわ・・」

 

提督や大淀からしたらヤマトが独り言を言っている様に見える、動き出した人形にまさか妖精ではと思い始めている。

そして入って1分も経たず出ていこうとするヤマトに問うのである。

 

「その、でっかい人形は妖精か・・?」

 

「そうよ。エラーちゃんって言うの」

 

ヤマトに抱えられた妖精は提督に向かって右手を上げた。

どうやら挨拶のようだ。

 

「エラーちゃん・・?」

 

「そう、エラーちゃんよ」

 

提督は凄く反応に困っていた。

こんなに大きい妖精見たことないと。

絶対普通じゃないでしょ、と。

 

「そ、そうか。ヤマトと一緒に来たのか・・?」

 

「違うわ、此処に居た妖精よ?」

 

「え”っ」

 

提督は大淀に振り向いたが、大淀は首を横に振る。

どうやら大淀は知らないようだと提督は確認した。

 

「あら。知らないのも当り前よ?」

 

「そ・・、それは?」

 

「そうね、私の力に当てられて大きくなったのよね~」

 

ヤマトと繋がった際に本体からエネルギー供給されているので、あながち間違いではないのである。

あえて間違ってもいない言い回しをするのは提督をオチョクルためである。

そして提督はヤマトが言っていた妖精や精霊という言葉を思い出していた。

 

「ヤマトは妖精なのか・・?」

 

「・・・兵器よ」

 

先程までふわふわしていた雰囲気が突然変わり、真面目トーンで言った。

変化に戸惑う提督と大淀。

 

「冗談よ・・私は霧という存在」

 

「そ、そうか・・。霧というのはどういう存在なんだ?」

 

「私の・・ナニが知りたいの・・?」

 

「何の目的で此処にいる・・?」

 

もう此処までたら聞いてしまおうと思った提督である。

 

「艦娘を見に来たのよ、どんな娘が居るか・・ね」

 

「・・・艦娘をみてどうするつもりだ?」

 

「どうしようかしら?ふふふっ」

 

打って変わってまた雰囲気が変化したヤマトに提督は考えるのをやめた。

 

 

「敵なのか・・?」

 

「それは、あなた達の対応次第じゃないかしら?」

 

「・・・」

 

「貴方がどう動こうと他は違うわ」

 

「・・・」

 

「人間なんてそんなものでしょ?」

 

人間としての記憶を持つヤマトは人がどの様なものか理解していた。

眼の前の提督がどの様に動こうと他は違うと。

 

 

「随分と人に詳しいんだね・・」

 

「伊達に人形を取っていないわ」

 

冗談のつもりなのだが提督には分からなかったようだ。

 

「そ、そうか・・。僕たちに味方してくれるこ「ないわ」・・・」

 

 

 

「そうね・・艦娘なら味方するわ」

 

特に取り繕うことをしないヤマトである。

エラーちゃんが仲間になったヤマトは既に本体が移動鎮守府と言って良いだろう。

そんなヤマトは何処かの鎮守府や港など欲しかったりする。

 

「それと・・艦娘にひどいことしてたら主砲を撃ち込むわ」

 

「えっ」

 

ヤマトはジーっと提督の顔を見た後に大淀の顔をジーっと見ていた。

数秒であるが提督と大淀は異様に長く感じられたようだ。

そしてヤマトは妖精に問いかけた。

 

「エラーちゃん、どうなの?」

 

― ここはひどいことする人はいないです ―

 

「そうなの?良かったわ」

 

 

いや良くないと提督は考えている。

少なからず居ると言う報告がこの前来ていたのを思い出していた。

今の状況で問われて嘘言ったらヤバイんじゃないかと、どうにかして話を逸らさなければと考えていた。

 

「そ・・そうなのか、・・所で妖精と会話してるように見えるけど会話出来るのか・・?」

 

「出来るわよ?」

 

適当に話を振った提督だが、普通に凄いことを聞いてしまったと思った。

妖精との会話が確認されてない中ヤマトが会話しているのだ。

 

「他の妖精とも会話出来たりするのか・・?」

 

「どうなのかしらね?」

 

ヤマトはニコニコしている。

どうやら答える気は無いようだ。

 

「それと・・・居るのね?」

 

突然わからないことを言い出したヤマトに何をだと考えて回答にたどり着いた途端、悪寒に襲われた。

どうにかして話を逸らせないか考えていると、ヤマトから追撃が飛んできた。

 

「何処かしら・・?」

 

「・・・」

 

「教えてくれないの?」

 

どうやら逃がす気は無いようである。

 

「教えたら・・どうするつもりだ・・?」

 

「そうねぇ・・主砲を撃ち込むわ」

 

「・・・」

 

「冗談よ・・主砲は撃ち込まないわよ。それと黙りでは分からないわ?」

 

主砲は撃ち込まないと言っているが提督は冗談に聞こえなかった。

そして、黙り決めて不興を買ってしまうと判断し答えてしまう。

 

 

「・・・少なからず居ると言う報告が来ているが何処かは報告されてない」

 

「へぇ・・中途半端な報告が来るものね?不思議ねぇ?」

 

確認されているのに場所の報告が無い事にヤマトは大凡の当たりを付けていた。

上は見て見ぬふりをするのか、無視できない場所か存在なのかその辺だろうと。

提督も同様の予想をしていた。

 

「まぁそうねぇ~?。数日は此処に居る予定よ?その間は大人しくしているわ。たぶんね」

 

「そうか・・」

 

「さてぇ、そろそろ食堂に行かないと艦娘たちが居なくなってしまうわ」

 

「ああ・・」

 

提督の前では取り繕うのをやめたヤマトだった。

 

 

――バタンッ――

 

 

執務室の扉など静かに閉めるのが当り前であるがヤマトには関係無いようである。

そして提督は考えるのをやめた。

 

「大淀・・報告はありのままで・・・もう嫌だぁ」

 

「・・よろしいのですか?」

 

「ああ・・今の会話は無しで・・」

 




ヤマトは目標を決めたようです。
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