白き鋼 ー Fog Fleet YAMATO ー   作:Arcelf

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悪化しました。

頑張りました。




大和ノ暴走

――― 第一倉庫 ―――

 

 

此処はパラオ泊地で最も大きく、赤く美しい倉庫である。

泊地の中心にあり港湾の近くとアクセスが良く朝礼などでも頻繁に使われる倉庫である。

しかし今は無残な姿を晒している、ヤマト接舷被害により倉庫の扉に壁が一部がに歪んでいる。

 

今倉庫には放送を聞いた艦娘が集まっている。

警備に出ている艦娘以外、泊地に居た全艦娘が集まっており、そこへ提督がやってきた。

倉庫へ入った提督は朝礼台に上がり辺りを見回している。

そしてマイクを持ち伝える。

 

 

― 全員揃ってるな?・・戦艦フラグシップが8隻以上の艦隊が此処に向かっている ―

 

 

辺りが騒がしくなるかと思われたが誰も口を開かない。

提督の話を聞き逃しまいとしているようだ。

 

 

― 現在の戦力では到底対応出来ないことから、此処を破棄撤退する ―

 

 

集まった中にはマッドサイエンティストの2人ですら静かに聞いている。

 

 

― では、直ち・・ヤマト・・・ ―

 

 

そこへヤマトがやってきた、その後ろには大きな妖精両腕を組んでいる。

フラフラと千鳥足である、皆何かあったのかと一様に思う。

 

ヤマトを知らぬ者も提督の発言でヤマトだと理解した。

 

 

『 ふふふっ・・だれかしら?・・私の邪魔をするのは・・・・ 』

 

 

大きくない声なのに全員はっきりと聞き取ることが出来た。

 

 

『 誰かしら・・?ねぇ?・・ねぇ??教えてくれる? 』

 

 

やはり、小さなヤマトの声は不気味なほどにはっきりと聞き取ることが出来る。

そして次第にヤマトの純白のドレスに刻まれているイデア・クレストが光を放ち始めた。

 

 

― ヤマトか・・ ― 

 

 

『 だれなの?ねぇ? 』

 

 

― 戦艦エリート8隻を含む艦隊が此処に向かっている・・ ―

 

 

答えないとヤバイと提督は思った。

 

 

『 ・・・たったそれだけ・・それだけの為に邪魔されたの・・?私・・・・ふふっふふふふっ 』

 

 

そしてあまりにも不気味であった、ヤマトから発せられる雰囲気が、存在感が、すべてが。

 

 

『 初めてよ・・?この気持・・・邪魔するものは全部消さないとね・・  」

 

 

すると倉庫にヤマトの艦首が刺さった、いや刺さっていない。ヤマトに触れた部分が消滅している。

其処にいる者は皆はおかしいと思った、此処はヤマトが停泊している場所から100m以上離れている。

その間はトラックやらコンテナやらを置いたりする陸地のはずだと。

 

なのにヤマトの艦首が見える。

 

そう、ヤマトは此処まで移動してきたのだ港湾をナノマテリアルにより削りながら、倉庫までやってきたのである。

ヤマト自身クラインフィールドによる移動が出来るためその気になれば空も自由に飛べるのである。

 

そしてヤマトは倉庫の一部を削りながら停止した。

 

 

― うそだろ・・ ― 

 

 

呆然と見上げていると今度は、ヤマトの足下から光の階段がヤマトの船体まで伸びた。

あまりにも現実離れした光景である。

ヤマトはその階段をゆっくりと上がっていく。

 

 

― ヤマト!・・・連れて行ってくれ・・・ ―

 

 

連れて行ってくれと言った。

好奇心が勝ったのかそれとも別の物か分からなかった。

それでも提督は言った、見なくては行けない気がしたからだ。

 

 

すると艦娘達も釣られるようにして言った。

 

 

「「私も、私達も連れて行って!」」

 

 

誰が言ったのか良くわからない、それはどうでも良かった。

暴走しているヤマトだが、艦娘を乗せるのは全然OKだと。

むしろ乗ってください! と。

 

 

『・・・良いわよ・・・』

 

 

すると2人並程んで登れる程の大きさであった光の階段が、数人横に並んでも余裕が出来る大きさにまでなった。

そして一人ひとりと階段に足をつけ慎重に上がってきた、不気味なほどに明るく光っているヤマトに。

 

 

 

 

 

 

―――ヤマト艦橋―――

 

(艦橋に来ました。艦娘が大勢乗っています!ご馳走様ですっ!!それにしても・・・)

 

『 狭い・・ 』

 

ヤマトが言った。

そう全員艦橋内に居たのである。

計器などの機材が撤去されていても流石にヤマトと提督に艦娘29人は狭かった。

皆艦橋内に慣れないのかキョロキョロと辺りを見回している。

夕立と卯月は慣れたのか二人だけがソファーに座って寛いでいるようだ。

 

『 仕方ないわね 』

 

そう言いながらヤマトはエレベータを消した。

その分の空間が広くなり、艦橋に余裕が出来た。

 

「「・・・」」

 

皆反応について行けないようだ。

マッドサイエンティストの2人ですら静かであった。

 

そしてヤマトは動き出す、突き進んだ港湾をそのまま下がっていった。

 

 

『 敵は・・どこかしら?提督? 』

 

「・・東だ」

 

『 そう・・ 』

 

ヤマトは内湾を出て東へ進路へとった、パラオ泊地から北太平洋の方向である。

そして徐々に加速していき、気が高ぶっているのか300knotまで速度を上げていた。

もはや艦首が上がりモーターボートの様な状態である。

 

皆窓に張り付いて外を見ている、外は暗いが月明かりである程度見えるのである。

皆一様に思った流れる光景がおかしいと。

 

そして提督はヤマトに聞いた。

 

「どれ位出しているんだ・・?」

 

(あら・・思ったより速度出したてわね・・)

『 ・・・300knotよ 』

 

ヤマトのつぶやきは小さくても聞こえた。

提督は聞かなければ良かったと思った、聞かれたヤマトは速度を聞かれて300knot出していることにやっと気づいた。

 

 

それから数分もせずヤマトの電探に反応があった。

 

(反応・・1人?・・何かしら?)

 

ヤマトは主砲を右舷反応のあった方向へ向けた。

すると海上に人影が一つ見えてきた、月明かりで微かだがヤマトにははっきりと見える。

 

『 川内・・? 』

 

川内は一直線にパラオ泊地へ向かっていたのか海上でヤマトに発見されてしまった。

そしてヤマトは川内のいる方向へと進路を変えた。

 

(野良なら・・回収ね!)

 

「何・・?」

 

― 提督っ! なんか光ってる戦艦がこっちに向かってきているんだけどっ! ―

 

(提督の所のですか・・残念ね・・)

 

ヤマトは残念がっている。

野良の艦娘であるならお持ち帰り出来るのでは無いかと思ったのである。

 

「川内・・大丈夫だ・・・」

 

― いやいやいや大丈夫じゃないよ!?めちゃめちゃ光ってるよ!!? ―

 

「済まない・・回収頼めるか・・?」

 

夜、月明かりより明るく発光し、高速で接近してくるのである。

ヤマトを初めて見る川内に混乱も無理ない。

 

『良いわ・・』

 

「川内、そのまま待機だ」

 

(あら、エレベータ消してたわね・・・艦橋横の出入り口から入れてしまいましょう)

 

ヤマトは川内の近くまで来ると船体を艦橋付近まで沈め、艦橋横にある展望エリアの出入り口から入れるのであった。

それから艦橋に入ってくるまで終始無言の川内である。

 

『いらっしゃい、川内』

 

「えっ・・なんでみんないるの・・?」

 

「これはだな・・後で説明する、皆にも説明しなくてはならないからな」

 

どうやら提督は混乱を避けるために後に纏めて説明するようである。

提督自身も若干めんどくさがっている雰囲気がある。

 

 

川内を回収してから数分も掛からずレーダーに反応があったようだ。

 

 

 

『 見つけた 』

 

 

ヤマトが言った。

 

 

まだ目視では怪しい距離だがヤマトにははっきりと分かっていた。

 

(あれ・・超重力砲って周辺に放電しなかったかしら?・・・事前に試験しておくべきだったわ・・・)

 

ヤマトは超重力砲による放電等で艦内への影響を把握していなかったのである。

艦橋に居る艦娘に万が一あっては行けないと超重力砲の使用が出来なかったのである。

提督だけであったなら撃っていたであろう。

 

そして元主砲である46cm三連装砲が右を向いた。

もう既に照準しているのか、主砲の向いている方向には何も見えない。

 

すると前方で深海棲艦の艦隊が見えた、月明かりでしか見えないが十数隻程居るようだ。

 

それを確認したヤマトは取舵をとった、ゆっくりとである。恐らく誰も乗っていなければ全力で向きを変えていただろう。

 

そして46cm三連装砲3基9門が一斉に光を噴いた、青白い光が一直線に深海棲艦の元に飛んでいった。

 

否照射された。

 

飛んでいった光は深海棲艦を飲み込みそのまま真っすぐ進んでいき見えなくなり。

それを第二、第三射と立て続けに繰り返し砲撃した後には、深海棲艦が存在したであろう位置には何も無くなった。

 

 

『 呆気なさすぎる・・分かってはいたのだけど・・弱すぎるわ 』

 

 

心の声が漏れているヤマトである。

皆呆然としていた、あまりにも非現実的な光景を見せられたからだ。

主砲から青白いレーザーが出るなんて普通に考えてありえないからだ。

 

 

『 あら 』

 

 

ヤマトの右側側面で水柱が上がった、どうやら敵潜水艦からの魚雷である。

しかし魚雷の直撃を受けたはずのヤマトは全く揺れない、クラインフィールドがすべてのエネルギーを船外に弾いたのだ。

 

 

『 ふふふっ・・潜水艦ね?・・・消えなさい 』

 

 

後部垂直発射装置が火を噴いた。ミサイルが1本2本と飛んでいき64本発射した辺りで止まった。

一度上がったミサイルは降下しそのまま海中に潜っていった。

 

そして辺り一帯ヤマトを囲うようにして水柱が上がる、浅い位置で爆発した物も有るのか所々巨大な水柱を上げている。

 

 

『 んーっ・・終わったかしら・・?・・・反応は・・無いわね・・・ 』 

 

 

皆言葉を放つことが出来ない。こんな非常識な光景を見せられて理解が追いつかない。

ヤマトは一体何者なのか何処から来たのか、ただ判ることは未来的な技術であることだけ。

 

『あら・・突然の反応・・?生き残りかしら・・』

 

意外としぶといのかと思ったヤマトは主砲を旋回させながら反応のあった方向を見た。

ヤマトの目に映ったのは深海棲艦ではなく艦娘であった。

 

(んっ!?・・あの子は大鯨だったはず・・・ふふふっ・・誰にもあげないわ・・・ふふふふっ)

『ふふふっ』

 

大鯨は此方を見て怯えているようである。

恐らく発光しているヤマトを見て怯えているのだろう。

 

(しかし戦闘後に艦娘ですか・・ドロップでしょうか?。超重力砲の扱いには注意が必要ですかね・・)

 

ヤマトは船体を大鯨に近づけ、川内と同じ様に艦橋まで船体を沈め大鯨を入れるのであった。

 

『いらっしゃい、大鯨。歓迎するわ』

 

「大鯨なのか・・?」

 

提督は大鯨の姿を知らなかったからだ。

今までに確認したという情報が無くこの艦娘が本当に大鯨であれば初の発見だからだ。

そして本物だとしたら何故ヤマトが知っているのか、提督には分からなかった。

 

「 あ・・あのっ・・潜水母艦大鯨です。よろしくお願いします・・」

 

完全に怯えているようだ。

その様子を見て少し興奮しているヤマトである。

 

(ふふふっ・・良いわ・・凄く・・)

『ふふふっ、よろしくね』

 

「ああ、よろしく頼むよ」

 

その一瞬ヤマトの纏う空気が変わった。

 

『提督?貴方はよろしくしないわよ?』

 

「えっ・・えっと・・何を?」

 

『大鯨ちゃんは私の所に所属するのよ。文句があるならその辺に沈めるわよ』

 

「!?ッ。イ、イエス!マムッ!!」

 

提督は突然の発言に理解できずにいる、そしてヤマトは大鯨を譲る気がないようだ。

 

 

 

こうしてヤマトの八つ当たりは終わったのである。

 




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