白き鋼 ー Fog Fleet YAMATO ー   作:Arcelf

20 / 24
二期始まりましたね。
高解像度化良いですね。
特に図鑑・・イイですね凄く。


大和ト武装

 

───港湾ヤマト前―――

 

ヤマトは船体前で足を止めていた。

 

「何かしら・・?」

 

「ヤマトさん!遂に見つけましたよ!?」

 

「是非!戦艦を!戦艦を隅々まで調べさせてくださぁい!!」

 

張り込みをしていた明石と夕張に見つかってしまった。

船体の正面に置いてあるダンボール箱の中から出てきた。

昨日要求した物資かと思っていたが違った、待ち伏せ用のダンボール箱だったようだ。

 

いざ考えてみると軍の物資は基本的に木箱である。

 

(隅々までは嫌よ・・・)

「嫌よ・・それに艦橋以外基本的に入れないわ?」

 

「えー、良いじゃないですかっ!少し!少しだけでも!!」

 

「是非!チョーっとだけでイイので!」

 

 

(この様子・・逃げるのも良いけど・・丁度良いわ)

「そうね・・面白い物を見せてあげるわ・・見せるだけよ?」

 

「やりました!夕張!記録の準備は出来てますか!?」

 

「明石さん!大丈夫ですよ!さあヤマトさん早く!!」

 

目の前で騒がしさ前回の明石と夕張であった。

それ以前にヤマトに許可取らずに記録する気であった、ヤマト自身あまり気にしてないがせめて一言聞くべきでは?とは思っていた。

 

「そう・・ね、船体見なさい?」

 

 

 

――ゴゥゥンッ――

 

 

 

低い金属音が辺り一帯に響いた。

 

 

目の前ではヤマトの船体が上下にゆっくりと別れている。

 

船体上部が上がるに連れて円形のユニットが片舷20基、両舷で40基見えてきた。

 

中央に左右4基、艦首と艦尾に左右2基ずつ配置され計8基の次元空間曲率変位ユニット。その間には左右32基の重力子ユニット並んでいる。

次元空間曲率変位ユニットは中央が赤く若干大きく、重力子ユニットは中央が青い色をしている。

 

更にはヤマトの旗艦装備である、重力子収束ユニットが艦首と艦尾にに迫り上がってきた。

円形で他のユニットに似ていなくもないが、色が金色をしていて中央が空洞になっている。

一見しただけで全く別物と判断出来る。

 

(金色・・これが重力子収束ユニットね?記憶にあるヤマト・・私?は旗艦装備無しで戦っていたのねぇ)

「こんな所かしら?」

 

何故ココまで簡単に見せたかというとヤマト自身主砲展開時の状態を見たかっただけである。

 

「ここコォ・・コレハアアアァア!?」

 

「船体が上下ニイィィィイイ!!」

 

「主砲よ・・」

 

「なんとぉおお!!主砲が内部ニィイイ!それに不思議な形状ですね!?」

 

「形状からエネルギー系・・電磁投射砲の類でしょうか!!」

 

(騒がしい・・逃げましょうか・・)

 

何時までも食い下がってきそうな勢いなので逃げることに決めたヤマトは、艦首の次元空間曲率変位ユニットの1基を展開・移動させた。

 

ミラーリングシステムを起動させなくても自由に動くユニットは空中を移動しヤマトの真横まで来た。

軽くトラックサイズはあり浮遊している姿は何処と無くUFOに見えなくもない。

 

「おぉおおぉおぉおおお!??!」

 

「どの様に浮いているんでしょうか!!是非データを!!」

 

二人は目の前に来たユニットにすかさず近付こうしてクラインフィールドに張り付いた。

 

「これにもシールドがぁあ!!」

 

「近くにぃい!?もっと近くにぃいいいい!!」

 

そんな騒がしい二人を横目に次元空間曲率変位ユニットへ飛び乗った。

 

「見せるまでよ?」

 

どちらかと自分で見たかっただけである。

 

「急ぎなの・・またね?」

 

そう言ったヤマトはユニットで浮かび上がり船体の方に行ってしまった。

間違えても次元に穴を空けられる物を乗り物にするべきでは無いのだが気にしない。

 

「あああっ!?ヤマトさ・・ん・・」

 

「・・・履いてないですね」

 

 

履いてなかった。

 

ユニットの中央付近ではなく端に近い位置に飛び乗った為に真下に居る二人にはよく見えていた。

 

 

 

 

───ヤマト艦橋―――

 

 

(海図認識完了・・・天体認識完了・・・距離1,905km・・・・システム・オール・オンライン)

 

ヤマトの船体が光り輝いた。

 

(こちらの方が落ち着くわね・・・さて?限界まで機関回してみましょうか・・)

 

ゆっくりと港湾を離れ外海に出た、全力で出ていかないのは未だにヤマト前でクラインフィールドに張り付いている二人を水を掛けない為である。

そうして外海に出るのに2分程掛かっていた。

 

それでも異常な速度である。

 

(さて行きましょうか。縮退炉・機関出力異常なし・・・・全速前進・・!?)

 

 

――ゴッ――

 

 

エレベーターに直撃した。

 

艦橋で仁王立ちしていたヤマトは加速について行けず後方のエレベーターに直撃した。

徐々に加速する航行しか行っていない為に加速力という物を忘れていたのである。

 

(凄い加速ね・・・速力は・・)

 

何事も無かったかのように立ち上がり、速力に意識を向けた。

 

 

―120knot―

 

―200knot―

―270knot―

―330knot―

―380knot―

―410knot―

―420knot―

 

 

5秒起きに刻まれていく速度計が人類には異常な数値を出していた。

 

(400knot付近で頭打ちかしら?それにしても艦尾しか海に触れてないわね・・浮いてたりして?)

 

現状のヤマトは艦尾の超高機動ユニット付近のみ海に触れている状態である。

その様な状態でも船体は安定している、艦尾にある巨大な翼状の舵が高速航行を補助しているのだ。

 

(440knotで限界ね、時速で815km・・目的地まで二時間半と夕方には戻れそうね。・・・それにしても)

 

艦橋の窓から外を見た。

背景の流れる速度。海に触れていない艦首。艦尾が撒き散らす海水。

どれをとっても大型船舶が出すものではなかった。

 

 

(超高速戦艦にでも名を変えようかしら?)

「・・・あー→あー↑けほん・・。超高速戦艦ヤマト・・・。高速戦艦超ヤマト・・・・語呂悪いわね」

 

退屈な時間にヤマトは思考が遊んでいた。

そして名に超だけは外したくなかった。

 

 

「超戦艦ヤマト・・」

 

結論、色々ひっくるめて超戦艦で落ち着いた。

 

(暇ね・・リフォームしましょう!。そうと決まれば入渠、厨房・・・寝室の見栄えね!)

 

取り敢えずにと入渠と厨房を艦橋内に作ることを決めた。

 

(さて・・まずは厨房かしら?入渠は後ね)

 

泊地の入渠でまだ誰とも入っていないヤマトは皆と入渠で戯れるまで入り浸るつもりである。

 

(まず第一艦橋の下、確か休憩室だったかしら?其処を ――レーダーに反応あり―― ・・キリの良いタイミングで来てほしいのだけどねぇ?・・・作業開始してないだけマシね)

 

自己完結した。

それに相手が来るのではなく、時速800km以上で航行しているので自らエンカウントしに行っている様な物である。

 

 

それから数分反応のを示した物が見えてきた。

 

(6体・・あら、艦載機ね?CIWSの試験に丁度良いわ・・・)

 

水平線から目視距離に入った。

深海棲艦は電探を持っていないのか、慌てて発艦している様子が見て取れる。

仮に電探で捉えたとしても1分で13km近く移動する戦艦に対策のしようもない。

 

(金ピカのルとヲ級・・あと何だったかしら?取り巻き4匹で良いわね・・・それにしても・・止まれない)

 

 

 

「戦艦直ぐに止まれないわ!」

 

 

深海棲艦を轢いた。

 

 

Flagshipのル級とヲ級は避けられたが、その他の取り巻きが戦艦に轢かれてしまった。

轢く気は無かったと思っている。しかし反応のある方向に一直線、超高速で移動していたらある意味故意だ。

 

 

 

(・・・・まぁ、こんな事もあるわね)

 

 

轢いてしまったが生き残りが居てラッキーと、駆逐のためゆっくりと左に減速旋回した。

 

(改めて・・CIWS起動・・)

 

 

――CIWS MODE AUTO

 

――目標認識

 

──射撃開始

 

 

 

―――   ゴォオオオオオオオ   ―――

 

 

爆音が響いた。

 

断続的な音では無くただの爆音が。

目の前で巨大な滝が流れ落ちているような、ソレが爆音に変わった様な音だ。

 

目の前には輝く青一色、海や空の色ではなくCIWSから放たれた陽電子の色だ。

若干白く夜空に浮かぶ星々が飛んでいくような、幻想的な光景が広がっている。

 

間違えても見惚れるような光景ではない。

 

 

 

それに深海棲艦と艦載機は巻き込まれ姿を消した。

 

艦載機はそのまま姿を消し、生き残っていた深海棲艦は水蒸気爆発に巻き込まれて判断出来ない。

陽電子エネルギーによる膨大な熱量で瞬時に蒸発・爆発したのである。

 

そして辺りには水蒸気爆発によって発生した霧が立ち込めている。

非常に視界が悪い。

 

 

何かと行動を起こす度に霧が発生するヤマトである。

 

(レーダー・ソナー反応なしと。・・・しかし煩いわね。艦橋全体防音にしましょう)

 

深海棲艦の駆逐より艦橋の防音の方が優先である。

 

(! 突然のレーダー反応キマシタ!誰でしょうっ!?)

 

 

 

 

それから直ぐに晴れた。

海上では風がある程度吹いており数分も掛からずして霧が消え去った。

 

 

レーダーの反応がある位置には一人の艦娘。

 

 

凄い勢いで手を振っている。

 

 

「キマシタ!」

 

(それにしても、あの子は・・・清霜・・。朝霜?・・アホっぽい感じは清霜かしら?)

 

 

凄い勢いで手を振ってヤマトに向かって走ってきている。

 

 

滑らずに海上を走っている。

 

 

近くまで来たのを確認したヤマトは艦橋の外へ迎えに出た。

左舷甲板に出たヤマト。ふと違和感を感じ手すりから顔を出し海上を覗き込むと、其処には艦娘が艦橋下の船体にペタペタ触れて頬ずりしていた。

 

その様子に確信した。

 

(清霜確定ね・・)

 

確信を得たヤマトは船体を甲板付近まで徐々に沈めて清霜を迎えた。

 

「いらっし「大和!大和ぉ!」・・・落ち着きなさい?」

 

「戦艦よーっ落ち着けないの!」

 

清霜は艦首の方向に走って行ってしまった。

 

「・・・仕方ないわね」

 

続いて艦首の方に歩いていった。

この時ヤマトは始めて艦娘に振り回される気がした。

 

 

(居ないわ・・・艦尾ね)

 

艦首まで来たが甲板を走り回っている。清霜を追い回す気にもなれず落ち着くまで待つことにした。

 

見晴らしの良い位置まで来たヤマトはビーチパラソルとビーチチェアを作り出して寝っ転がった。

霧に焼くと言う概念は無いが何となく気分的にである。

 

(よしコレで待ちましょう。それと微速前進・・)

 

待つと同時に船体を微速前進させた。

我慢してあまりにも遅い30knotであるが。

 

100knot程出したかったが暴風で清霜が物理的に飛んでいきそうである。

 

(・・・水着にしましょう)

 

30knot甲板では風速15mの普通に強い風が流れている。

そんな場所でスカート状のネグリジェ。風上に向かって寝っ転がれば捲れるのは必然的である。

それだけなら気にしないだろうがネグリジェがヒラヒラとして非常に鬱陶しかった。

 

そしてヤマトは立ち上がり水着に作り変えた。

上が普通の三角ビキニで下が、タイサイドで左右を紐で止めるタイプだ。

生地は上下真っ白で紐が水色と、左胸に水色のイデアクレストが入れられていた。

 

(よし・・)

 

改めてビーチチェアに寝っ転がった。

 

 

 

それから20分程が経ち息を切らした清霜が横にやってきた。

息が落ち着くと頭を下げた。きっちり90度である。

 

「ごめんなさい!そのぉ~興奮しまして・・」

 

「落ち着いたかしら?」

 

「はい」

 

「それで貴方は清霜よね?」

 

「はいっ!夕雲型の最終艦、清霜です!。それで・・えぇっと司令官ですよね?」

 

「・・どうして司令官と?」

 

「何となくです!」

 

曖昧な事をハッキリと伝えてきた清霜。

その事に提督との会話で艦娘は特別な素質が無いと従わないと言っていた事を思い出した。

 

(特別な素質ね・・艦娘には何か第六感的な物を持ってるのかしら?)

「少し聞きたいのだけど。私が司令官と言ったら貴方は従うかしら?」

 

「はい!」

 

間髪入れずに答えた。

 

「そう・・。まず自己紹介すると、私はヤマトよ」

 

「やまと・・?ってこの戦艦ですよね?」

 

「そうね、この戦艦は私の体よ、だからヤマト」

 

清霜が硬直した。

 

 

「凄い凄いすごい!大和が司令官で司令官が大和で!!つまりつまり司令官は大和で大和の艦長?」

 

何か興奮しながら妙に複雑な解釈をしている清霜であった。

 

「大体合っているわ。私自身がこの戦艦そのものなの。それで司令官でもあるのよ」

 

「えぇっと・・?」

 

「・・・そうね、清霜?腰にある艤装は自由に動かせるかしら?」

 

「え~っと、はい!」

 

腰に装備されてる艤装の動作を確かめハキハキと答えた。

 

「清霜は腰に艤装があるでしょ?私はこの戦艦が艤装なの」

 

「艤装・・?この戦艦が?この・・「清霜」・・ふぇ?」

 

何かを考えながら呟いている清霜に、先の暴走を感じ取ったヤマトは言葉を被せて止めた。

もし被せないで見ていたなら暴走していたであろう。

 

「艦橋に行きましょう?見晴らしが良いわよ」

 

「行きます!」

 

 

 

 

そうして二人は艦橋にやってきた。

 

「わーっ!よく見えるー!」

 

「ふふっ、そうね。それより此方に座りなさい?面白い体験が出来るわ」

 

そう言いヤマトはテーブルの4隅、エレベータ方向に設置されているソファーを手でポンポンと叩いた。

 

ここに座れと言う意味だ。

 

「?・・はい!・・あ、艤装」

 

「あら・・ソファーの横の籠に入れておくと良いわ」

 

「あれ・・?」

 

清霜がヤマトに向いている間にひっそりと作っていた。

ナノマテリアルで作り出している所を見せたら余計騒がしくなると想出来たからだ。

ソファーの横に小さめで艤装を入れるのに丁度良さそうな白色の籠だ。

 

清霜は艤装を外し籠に入れた。

それからヤマトの横に移動してソファーに座った。

 

「そう、ソファーに深く座って・・大丈夫ね」

 

「?」

 

「・・全速前進」

 

その瞬間二人はソファーに押し付けられた。

 

「おっおぉお??」

 

「ふふふっ」

 

二人の体には1.2の加速度G掛かっていた。

軽くF1並の加速である。

 

 

そして清霜の反応を楽しんでいた大和は唐突に閃いた。

 

膝の上に乗せれば良いと。

 

(しくじったッ!!膝の上に乗せれば清霜とソファーに挟まれて私は!?)

 

ヤマトはブレない。

 

それから20秒程経ち加速が緩やかになり立ち上がっても問題なくなっていた。

 

「・・・立ち上がっても大丈夫よ」

 

「凄いすごい!楽しいっ!」

 

騒ぎながら窓際に走っていって外を眺めている。

 

「・・速い」

 

艦橋から流れる光景に見惚れていた。

 

「わたし・・私も、大和さんみたいになりたい!」

 

真直ぐ大和を見て言った。

 

「・・・無理ね」

 

「えっ・・」

 

「私はね、霧と呼ばれる存在で清霜、貴方は艦娘と呼ばれる存在なの。私達は全く別なの」

 

「・・・?」

 

固まった数秒、頭をかしげた。

理解してない様だ。

 

「そうねぇ・・清霜は生き物?」

 

「?・・うん」

 

「私はね生き物ではないのよ。例えば・・」

 

ヤマトは右手を指先から手首までゆっくりと砂状に変えていった

その光景に清霜は目を見開いた。

 

「ゆ・・幽霊?」

 

「幽霊とは違うわ、幽霊なら貴方の方が幽霊に近いわよ?」

 

「えっ・・」

 

「近いだけよ?貴方は生きているの。幽霊じゃないわ?」

 

「そう・・ですか」

 

何かホッとしているような落ち込んでいるような不思議な雰囲気を醸し出していた。

 

(落ち込んでいる?・・何か、何かフォローをっ)

「霧としての戦艦にはなれないけど、艦娘として戦艦にはなれるかもね?」

 

霧になるには物理的に死んでしまう気がしてならないが、艦娘として戦艦なら霧の超技術で艤装を改造すればよくね?という結論がでた。

 

「!・・ほんとぉっ!?」

 

一瞬で復活した。

目がキラキラしている様な錯覚を覚える程に謎のオーラを発している。

 

「そうね、多分大丈夫よ?」

 

「わぁーっ。大和さん大好きっ!」

 

ソファーに座っているヤマトに抱きついてきた。

 

(これは!?なんと至福なっ)

 

胸に顔を埋めている清霜。

ヤマトの目の前には清霜の頭が頬ずり出来る位置に、そんな様子に我慢なんて出来なかった。

 

(ふふっ・・至福っ・・・)

 

ヤマトは頬ずりしていた。

清霜も清霜でヤマトの胸に埋もれてすりすりしている。

 

 

 

 

それから数十分、他愛の無い会話をして目的地。

チョーク諸島に到着した。

 

 

 

 

 

 

 

―――チョーク諸島南東付近―――

 

 

(・・・キモいわね)

 

「や・・大和さん?やばくないですかぁ~?」

 

目の前の光景に清霜が怯えている。

 

二人の目には48隻と4個大艦隊程の深海棲艦が見えていた。

金色に輝くFlagshipが20隻程に残りが殆ど赤く光っているEliteである。

 

目の前で既にこれ程居るが、他の島や島の影に恐らくだが居るだろう事が分かる。

 

 

「ふふふっ、大丈夫よ」

 

 

――CIWS MODE ・・・

 

(丁度良いわね・・)

「ちょっとごめんね?」

 

清霜をクラインフィールドで囲った、上下左右立方体で大きく艦橋ギリギリのサイズだ。

そして明らかに普段より密度が高いのか濃い青色をしている。

同時に艦橋全体にも展開した。

 

(思ったのだけどクラインフィールド内に居れば安全じゃないの・・大鯨連れてくれば良かったわ・・)

 

「何!なに!なにこれ!」

 

「クラインフィールドよ、あらゆる害意を寄せ付けないわ」

 

「へぇ~っ」

 

清霜は目がキラキラしている。

ペタペタとクラインフィールドに触れている。

 

そしてヤマトは船体に意識を向け、主砲を展開した。

船体が上下に分かれ、中央に並ぶ円形のユニットが現れた。

 

そして艦首と艦尾に装備されている旗艦装備。

黄金のリングがせり上がり、発射準備が整った。

 

 

 

 

 

『 ― 私の全力魅せてあげる ― 』

 

 

 

 

――重力子超収束砲 起動

 

 

――重力子ユニット オール・オンライン

 

――収束ユニット オール・オンライン

 

 

――照準 艦隊中央

 

 

――重力子圧縮率 05%

 

10%

 

15%

 

20%

 

 

(・・・最高出力の発射はマズい気がするわね)

 

現在重力子ユニットに重力子エネルギーを圧縮中であるのだが、船体外では中央に並んでいる重力子ユニットから真っ黒のエネルギーを放出している。

真っ黒のエネルギーが曲線を描くようにして海に落ちて切り裂いている。まるで太陽で発生するプロミネンスの様に細長く磁気線に引っ張られるように綺麗な曲線を描いている。

 

プラズマボールの様にも見えなくもない、不規則に発生しては海に向かって線を引いて海面を切り裂いている光景だ。

 

 

(これ・・すごくヤバイと思うの・・・清霜も居るし)

 

――重力子圧縮率 30%

 

(発射しちゃいましょうっ)

 

全力という文字は何処かに行ってしまった。

 

 

 

 

――  重力子超収束砲 発射  ――

 

 

 

 

視界が暗くなった。

 

真っ黒で極太のエネルギー波が目の前を染めた。

 

真っ黒のビームが周りを白い輪郭の雷を帯電しながら突き進んでいった。

 

船体の十数倍はあるであろう太さのビームが射線上の物をすべて飲み込んだ。

 

それだけに留まらず、ビーム自体が強力な重力を持っているのか周囲の物を吸い寄せている。

 

周りの深海棲艦が、艦載機が、木々が、岩が、島が。

 

そして大気が、嵐が可愛く見える程の暴風が、ビームに吸い寄せられている。

 

そして光まで吸い込んでるのか周囲が暗くなっている。

 

 

まるでブラックホールの様に。

 

 

 

 

そして数十秒程が過ぎて、重力子超収束砲の照射が終了した。

 

 

 

そこにはヤマトから正面辺り一面砂の道が広がっていた。

射線上周囲数百メートルに渡り海が消滅している。

 

ヤマト自身がフィールドで海水を割けていた訳ではなく、重力子超収束砲によるビームが周囲の海水そのものを消し飛ばした。

 

正面には水平線まで続く道が出来ている、その周りには海水が元に戻ろうと押し寄せている。

 

あまりにも非現実的な光景が広がっていた。

 

 

作り出した本人も若干困惑している。

 

 

 

「三割でこれねぇ・・予想外」

 

 

 

突然周囲が明るくなった。

 

オーロラが発生したのだ昼間でもハッキリと見えるほど強く。

 

あまりにも低い位置に。

 

 

そして計器が異常を検知した。

 

 

――周囲重力波異常 波源率 規定値超過 ――

 

――周囲空間曲率異常 曲率 規定値超過 ――

 

 

(変異空間障壁・・周囲クラインフィールド出力異常なし。重力子超収束砲熱量・・−175℃、重力子ユニット熱量−120℃ 問題なし・・各部接続解除、格納開始)

 

熱量がマイナスなら問題ないとヤマトは展開していた武装を格納、元の形状に戻した。

 

 

――システム・・・オール・グリーン

 

 

(清霜は・・)

 

「わーぁっ。きれい・・」

 

気になって横を見ればクラインフィールドに張り付いて外を見ていた。

純粋な子は現実離れした現象に強いのである。

 

(大丈夫ね・・。それにしても綺麗・・ね?これ、空間異常が引き起こしているのよ?)

 

周囲のオーロラが空間・重力異常によって引き起こされているのは直ぐに判断できた。

斑の様に此処彼処で存在する異次元に清霜が影響しないか心配しつつも、変異空間障壁を正確に把握し全く影響の無い船体に安心していた。

それは11次元に干渉出来る超戦艦だからこそだ、大戦艦以下では何かしらの影響を受けていたであろう。

 

(艦内は異常無し・・と)

 

そして艦内への影響が無いと判断でき、清霜の周りを覆っていたクラインフィールドを解いた。

解くと同時に清霜は艦橋の窓に張り付いて周りを見回していた。

 

「すごいっ。何、何っ、なにこれ!」

 

「空間と重力異常が引き起こしてるのかしらね?」

 

「大和!もっと近くで見たい!」

 

「真っ只中よ?」

 

「へぇーっ」

 

それから数分空間異常が回復するまで見ていた。

変異空間障壁の中で清霜を乗せたまま移動する気になれないからだ。

居なければ気にせず動き回っていたであろう。

 

(それにしても、地上で撃つ物では無いわね・・・島3つと半分ね。まぁ良いわ)

 

回復してきたレーダーによって周囲の状況が把握出来てきた。

それによると射線上の島が消え去り、一部の島が削れていたり、面積が半分以下になっていたりと色々と滅茶苦茶であった。

 

共通なのは射線上周辺の島々は木々が禿げ大地しか残っていなかった事だ。

 

それからまた数分空間異常が引き起こしていたオーロラが消え去り、元の空間へと戻っていた。

 

(異常は・・無し。帰りたいけど・・・周辺の記録だけ撮って帰りましょう)

 

ミサイルを打ち上げた、艦尾から一本煙を吐きながら空に上っていった。

それは正面、側面と幾つもカメラが付けられた簡易UAVモドキである、UAVにしては些か早すぎるが霧のヤマトには問題ない。

 

周辺上空を旋回させ映像を記憶させた。

記録するにつれてヤマトが引き起こした惨状がより顕になってきた。

 

チョーク諸島は環礁に囲まれた島々だが、環礁の端から端、島々を含めて一直線に削り取られていた。

ビームが通った後だ。海底が削られ深くなっており、その場所だけ海の色が濃くなっている。

上空から見ると異常性がよく分かる。

 

それからビームが通過した方向にミサイル型UAVを飛ばして30km程先、射線上の海で一人漂っている艦娘を見つけた。

同時に艦娘も此方を見ている。ミサイル型UAVを警戒している様だ。

 

(迎えに行くわ!)

 

位置を把握したヤマトは艦娘の居る方向へと向かい・・・それから5分程で見えてきた、驚かせないよう減速した。

 

目の前まで近づくと其処には、若干口を開け呆けていた。清霜とは反応が大違いである。

その清霜は艦橋から見える艦娘に首をかしげていた。

 

「あれ・・?」

 

「清霜?迎えに行きましょうか」

 

「りょーかいですっ!」

 

 

二人は甲板に出た。

 

艦娘は未だに心ここにあらずと言った感じなので戦艦左横を目の前まで移動させ、甲板近くまで船体を沈めて目の前に見える位置まで来た。

そして手を差し出し声を掛けた。

 

 

 

―― いらっしゃい、大和 ――

 

 

 




やりました。

自重?そんな物知らないですね。


なぜチュークやトラックではないかと言うとこの為です。
それっぽ~い諸島です。ココ重要



*誤字修正されました。
報告ありがとうございます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。