白き鋼 ー Fog Fleet YAMATO ー 作:Arcelf
お気に入り数が増えてテンションが上がる私が居ます。
ありがとうございます。
パラオ泊地目視距離までやって来て30knotまで減速した超戦艦ヤマト、そのままの速度で突っ込んだら上陸して干からびるのが確実である。
艦橋ではヤマトと艦娘の一行、上空には艦娘の艦載機が飛び回っており非常に警戒されている雰囲気です。
重要拠点が深海棲艦や深海の艦載機を警戒してるのは当り前ですね。ヤマトの様な巨体です直ぐに気づかれました。
(上空の艦載機が凄く目障り、レーダーにちょこまかとぉ、ひじょーに不愉快ねぇ、しかしどうしましょう..この巨体で泊地に突入したら周辺一帯の建物に浸水か最悪倒壊するわね...)
「いや~な雰囲気っぽい?攻撃されるっぽい??」
「引き返したほうがいいぴょん..?」
「大丈夫よ、艦載機で爆撃されてもヤマトは傷つかないわ」
(クラインフィールドは自動っぽいし抜けても強制波動装甲があるわ・・しかし艦娘の攻撃受けてないので絶対とは言い切れないか..まぁ現状侵食系の攻撃でなければこのヤマトにダメージは入らないわね)
「もうヤマトめちゃくちゃっぽいぃ~」
「戦艦大和ってこんなにデタラメだったぴょん?」
(安心しなさいふたりとも..霧だけよ..たぶん)
口には出さないがココロの中で突っ込むヤマト、そしてヤマトは行動することに決定した。
「よし...突入」
「ぽい!?」
「落ち着くぴょん!」
「落ち着いてるわ」
(とりあえず湾内にはいって..どうしましょう?・・・港湾にドリフト接舷しましょう!そうと決まれば──前部サイドキック──正常──後部スラスター及びサイドスラスター──正常──よし..速力40knotまで加速)
攻撃されるんじゃないかと取り乱している艦娘2人と、周りの事など気にしない我が道を行くヤマトであった。
───パラオ泊地提督執務室───
(まったくタウイタウイの提督は潜水艦娘を酷使しすぎだ...青白い大型戦艦を見たぁ?電文を見たときには「はぁ?」と間抜けな声を出してしまった、持ってきた大淀にも見せたがあり得ないという事で一致した。しかし艦娘3名同じ報告をするというではないか流石に不可解だな、一応泊地周辺警備を増やすか..)
「大淀、警備の数を増やす。軽空3人追加して現状より広い範囲で泊地周辺上空及び周辺海域を常に監視する体制を整えてくれ」
「タウイタウイからの報告ですか?」
「それと、非番の艦娘にも直ぐに行動に移せるよう伝えておいてくれ」
「了解しました。では現在非番の龍驤、祥鳳、隼鷹をしますね」
「隼鷹・・飲んだくれてない・・・?、あいつの非番で酒瓶を持ってない日を見たことがないぞ」
「しかし他に現在いませんね、瑞鳳は現在間宮で夕食の準備をしていて、千歳、千代田、飛鷹は現在鎮守府外に出ています」
「・・・仕方ない隼鷹には警備が終わったら..この前贈答された日本酒あったなアレくれてやれ..龍驤と祥鳳には間宮券を..2人も酒の方がいいか..?2人は欲しがってる方で」
「了解しました」
「頼んだ」
大淀が退室し1人になった所で提督は今回の報告を整理していた。
(ふぅ、数日中に何も無ければタウイタウイの提督に艦娘を酷使してると抗議入れるか。しかし3名同じ報告をしてると...)
電文には潜水艦、イ-58、イ-19、イ-8が同じ報告をしており、超大型であり大型三連装砲が三基に大量の対空兵装、艦橋が中央に位置し煙突が一基船全体が青白く発光し砲身や電探等所々金色をしていると、そしてあまりにも異常な為帰還を選択し帰還途中に戦艦方向より探信音が響いてきたと。
(艦橋が中央にあり煙突が一基..大型の戦艦で煙突一基など大和型ぐらいだったはずだ..そして三連装砲三基..大和型以外心当たりねぇよ!・・うん明日抗議入れようそうしよう、いや視察に行くか。・・しかし青白く発光してるとか幽霊船だったりしてな)
───鎮守府───
「なんやぁーしょうしゅうって」
「タウイタウイから何かあったらしいですよ」
「なぁ~?この酒ぇ意外とイケるぞ~。りゅ~じょ~もどうよ~?」
「召集掛かってるんだから程々にしときぃ?」
「硬いこと言うなよぉ~」
「隼鷹さん非番でも酒は程々にと..」
───会議室───
「皆さん来ましたね、では会議を始めます。」
大淀は龍驤、祥鳳、隼鷹の到着を確認して早々と今回の事を説明するのである。
「今回タウイタウイの提督から海上に戦艦らしき大型船舶を目撃したと報告がありました。」
「ちょっとまてぇいや、戦艦なんて今どきどの国にもあらへんはずや」
「そうですね戦艦はどの国にもありません。それで提督はあり得ないと仰言っていたのですが一応との事で鎮守府周辺の警備を一時的に広げることに決定しました。」
「しっかし、戦艦かぁ」
「か~っ、幽霊船じゃねぇの?!目撃した子に話聞きたいねぇ~。」
「目撃したのはタウイタウイの艦娘で3名居ます、そして3名共同じ報告をしています」
「そらおかしいわぁな、3人共同じこといっとんけぇ?」
「はい、戦艦の情報は船体が青白く発光し砲身や電探等一部が金色をしているとあります」
「青白く発光した船体..金の装飾..随分とお洒落ですね」
「いや祥鳳..気になるとこそこじゃあらへんて」
祥鳳は静かに聞いていたと思ったら随分と違う事を考えていた、そこにすかさず龍驤が突っ込むいつもどおりの光景である。
「いいねぇ~いいねぇ~幽霊船探し!」
「それで提督から今回は召集掛かった3名には提督から日本酒か間宮券が提供されます」
「ちょっと待った!!どちらかということかい?」
「はい」
「 よーし!隼鷹さん出撃しちゃうよー!抜錨!」
「待ちなさい」
早速出ていこうとする隼鷹は大淀に止められた、説明してないのに何処に行こうというのか。
「では警備編成について説明します、編成は此処の3人で..簡単な資料を用意しました、こちらを」
{ 泊地付近警備 泊地南側 泊地正面 泊地東側 20時終了 }
「このように泊地正面全体をカバーするので皆さん何処を警備するか決めてください」
「あったししょうめん~!」
「ほな、うちは南いこうかね」
「では、東を」
「編成完了しました、では只今より警備を開始してください」
緊急警備部隊の編成が滞り無く完了し、警備に入る軽空3人である。
もっとも、隼鷹は未だに酒瓶を持っており心配ではあるが。
───緊急警備隊───
─ 此方、龍驤異常なしやで~ ─
─ 此方、祥鳳異常なしです ─
─ 隼鷹応答せぇや ─
─ 隼鷹さん? ─
反応の無い隼鷹を訝しがる龍驤と祥鳳、すると連絡が帰ってきた。
─ うひゃあ!やっべー!幽霊船がこっちに向かってくる!全機発艦しちゃってー! ─
隼鷹の艦載機にはパラオ泊地へ一直線に向かっている戦艦が映っていた、そして異常な速度である。
─ ちょっ、隼鷹攻撃したらあかんで!さきに司令官に報告や!祥鳳司令官に報告しぃや! ─
─ 了解 ─
─ うちもそっちいくんけ、隼鷹!司令官から指示があるまで攻撃したらあかんで! ─
龍驤は祥鳳に司令官から指示を仰ぐように、そして自ら疑い半分で艦載機を発艦発艦させながら隼鷹の元に向かったのである。
そして艦載機を通して見たものは...。
「うせやろ・・・・これ大和やんけ・・・光りすぎや・・」
眼の前の異常を見ても突っ込みを忘れない龍驤。
艦載機を通して見えるそれは、速度を落として泊地に向かっている大和であった。
少し日が傾いており、大和の放つ発光がより鮮明に映るのである。
「祥鳳!司令に戦艦大和が泊地に向かってると報告や!」
─ 龍驤 ─ 今確認できる情報の報告を ─
「司令!現在、戦艦大和が泊地に一直線で向かっておる、どう見ても目的地が此処やでっ」
─ そうか ─ その大和は青白く光ってないか? ─
「青く光っておるっ、情報通りやでっ」
─ ああ ─ タウイタウイからの報告通りか ─ それとして攻撃は無しだ ─
「司令、様子見でいいんけ?」
─ 今の所はな ─ 此方から無線を入れるから応答次第だな ─
「アレ、応答するんかいな・・?どえらい光っとるでぇ」
─ あぁ ─ あと隼鷹に攻撃しないよう言っておいてくれ ─ 祥鳳は此方に居るから問題ない ─
「了解や」
提督と連絡を取り終えた龍驤はなんとも言えない気持ちになっていた、それは艦載機を通して見える光景にある。
夜間敵に狙ってくださいと言わんばかりに発光してるこの戦艦にある、更には船体が白く非常に高い視認性を誇っていた。
そして何故今までにこんなに目立つものが見つからなかったのかと。
「隼鷹?聞いとるけ?司令官から攻撃せず現状待機と命令や」
「 ひゃっはー!幽霊だー!」
─ 隼鷹さん、命令無視したら提督に禁酒を要求しますよ ─
「祥鳳様すんませんしたー!!」
「・・・ほな、隼鷹は祥鳳に任せるでぇ・・」
それでも絶賛戦艦のまわりを艦載機がぐるぐると回っている。
そしてここで戦艦に動きがあった..急に加速したのだ。
すでに龍驤の目には戦艦の出せる限界速度で航行してるように見えたが違ったのである。
「うそぉん!?このままじゃ止まれずに突っ込むんちゃうか!?」
咄嗟に司令官の元に居る祥鳳に連絡を入れた。
「祥鳳!戦艦が加速しおった!このままじゃ泊地に突っ込むでぇ!」
─── 執務室 ───
「提督っ!」
「どうした」
(祥鳳が珍しく慌てている..凄く嫌な予感しないなぁ)
そう普段落ち着いている祥鳳が慌ただしく執務室に入ってきて衝撃の一言を放った。
「隼鷹が幽霊船を発見したようです」
提督は頭を抱えた、あの真面目な祥鳳が幽霊船と言ったのだ。
それと同時にタウイタウイの提督から報告のあった戦艦を思い出した。
────しかし青白く発光してるとか幽霊船だったりしてな────
「まさか・・な、祥鳳通信機を貸してくれ」
「はい」
「じゅ(─祥鳳!司令に戦艦大和が泊地に向かってると報告や!)」
隼鷹に連絡を入れようとした所、重なるようにして龍驤から報告が来た。
(龍驤は戦艦大和と・・とりあえず情報だ)
「龍驤、今確認できる情報の報告を」
─ 司令!現在、戦艦大和が泊地に一直線で向かっておる、どう見ても目的地が此処やでっ ─
「ッ!・・そうか、その大和は青白く光ってないか?」
─ 青く光っておるっ ─ 情報通りやでっ ─
「ああ、タウイタウイからの報告通りか、それとして攻撃は無しだ」
(青白く光る戦艦とか普通じゃねぇよ!?そんなんに先制攻撃して何かありましたぁあ!なんて話にならない..)
─ 司令 ─ 様子見でいいんけ? ─
「今の所はな、此方から無線を入れるから応答次第だな」
(無線通じるのか・・?えぇい!ものは試しだ!)
─ アレ ー 応答するんかいな? ─ どえらい光っとるでぇ ─
(え?何どんだけ光ってるの?)
「あぁ、あと隼鷹に攻撃しないよう言っておいてくれ、祥鳳は此方に居るから問題ない」
─ 了解や ─
「「「・・・」」」
一瞬の沈黙が流れた。
「大淀、泊地全体に緊急戦闘配備の放送と警報入れてくれ」
「了解」
大淀は執務室を駆けて出ていった。
「祥鳳はこのまま待機」
「了解です」
─ 隼鷹?聞いとるけ?司令官から攻撃せず現状待機と命令や ─
─ ひゃっはー!幽霊だー! ─
「・・・・」
提督は頭を抱えた。
「・・・隼鷹さん、命令無視したら提督に禁酒を要求しますよ」
─ 祥鳳様すんませんしたー!! ─
─ ほな、隼鷹は祥鳳に任せるでぇ ─
(どうやら龍驤は諦めたようだ・・、さて不可思議な戦艦に無線を入れなくては...言葉通じるのか?光る船になんて入れれば良いんだ?本日はお日柄も..いや違うだろ、高圧的に出るべきか?そこの戦艦...反感買わない?ダイジョブ??てか今どのあたりに居るんだ・・?)
提督は謎の戦艦に対してどう声を掛けるべきか迷っていた、発光する戦艦に常識が通じるのかわからず頭を悩ませている。
そしてここで、祥鳳の無線から龍驤の通信が入った。
─ 祥鳳!戦艦が加速しおった!このままじゃ泊地に突っ込むでぇ! ─
「え”っ」
発光してる戦艦に常識は通じないのであった。