白き鋼 ー Fog Fleet YAMATO ー 作:Arcelf
SSDは故障の予兆が無いので怖いですね。
執筆にはノートパソコン使用してたのでデータは大丈夫です。
PCの復旧が終わるまで更新頻度が下がると思います。
(ふふ・・ふふふふ・・・卯月ちゃん凄くお持ち帰りしたいわぁ!)
ヤマトは卯月を膝枕してからずっと頭を撫でていた、メンタルモデルの影響か動きにくい表情が幸いしていた。きっとこの体でなければニヤけていたであろう。
一方先程まで天井を見つめていた夕立は、ジーっとヤマトの顔を見つめていた。ヤマトのから慈愛の様な雰囲気が伝わって来たからだ。
・・ヤマトは言葉に出しては憚られる様な事を考えてるとは知らずに。
「あら、どうしたの?」
「!・・なんでもないっぽい」
夕立はヤマトから視線を逸してしまった、それから夕立は何処と無くソワソワしていた。
「そう・・」
(あら、妙なこと考えてるのバレたかしら・・)
それでもヤマトは卯月をナデナデしていた。
───提督乗艦───
(!..タラップが接触したわ..──ふふっ挙動不審な提督..笑えるわ..このまま艦橋まで案内しちゃいましょう)
心の中で笑っているヤマトも流石に表情に変化が出たのか、微かに笑顔見せていた。
そして夕立は表情の変化に気づいて自然と逸した視線をヤマトへ戻していた。
「夕立・・?」
「!・・ぽぃぃ」
(顔に何か付いてるかしら・・?出てきなさい鏡っ──・・何も異常は無いわね...今更になって自身の顔を見たわ・・うんヤマトね)
夕立は顔を赤くして俯いてしまった。
ヤマトは手鏡を作り出して自分の顔を見ていた、問題ないことを確認すると手鏡を消滅させ卯月を撫で始めるのであった。
(提督っ面白いわっ!扉開けるたびにビクビクしてっ..くくくっ...エレベーター開けてっと・・。夕立?そんなにチラチラ見てきたら凄く気になるのだけどぉ?教えてくれなさそうねぇ)
────ヤマト艦橋────
──チリン──
「ようこそ、霧の超戦艦ヤマトへ」
提督と祥鳳が艦橋へやってきた、提督は銃を構えているがヤマトは全く気にしていない。
艦橋に入った提督が最初に目に映ったのは睦月である。
「!睦月ッ」
「大丈夫よ、寝ているだけだわ」
「!?お前は・・」
提督はヤマトに銃を向けるが彼女は全く気にしていない。
それもそのはず船体が無くても戦艦の主砲を受け止める自信があるのだから。
「ヤマトよ?..貴方はパラオ泊地の提督でいいかな?」
「そうだ・・・君はこの戦艦の艦長か?」
「んー、半分正解・・この戦艦そのものと言って良いわ・・・だからヤマトよ?」
「は・・?」
提督は理解していなかった、この戦艦そのものと言う発言で本当に幽霊船では?と思い始めていた。
「うーん..そうねぇ?艦娘風に言うなら..この戦艦本体は私の艤装よ」
「!?・・」
「さて、立っていないで座ったらどうかしら?」
ヤマトの衝撃発言に目を見開いた提督、そんなの気にしないヤマトは提督の目の前にソファーを作り出した。無論地面からせり上がってくるように見せた。
こうして艦橋内はテーブルがソファーに囲まれる配置となった。
「ッ!!」
「・・」
ソファーの出現に流石の祥鳳も目を見開いた。
「さぁ、座ってはいかがかしら?。それと、そんな玩具では私に何も出来ないからしまいなさい」
「君は・・幽霊なのか・・?」
「クスクス..皆まで私の事幽霊扱いするのね?君たちからしたら精霊か妖精と言ったとこじゃないかしら?」
「妖精・・」
「 ─とりあえず、座りなさい?─ 」
艦橋に入ってから突っ立っていた2人も、突然の雰囲気の変化に大人しくソファーに座るのである。
祥鳳は普通に座ったのだが、提督はソファーをチラチラ見ながらゆっくりと座っていた。
「さてと何から話そうかしら?」
「君の何の目的で此処に来た?」
「ヤマトよ、そうねぇ海上でこの子達拾ったから、ここに連れてきたの。ほら睦月ちゃん怪我しちゃってるし?」
「そうだ睦月ッ!」
「落ち着きなさい、夕立?阿武隈起こして..祥鳳と阿武隈で睦月を連れていきなさい」
立ち上がろうとする提督をヤマトは止め、寝てる阿武隈を起こし祥鳳と連れて行くように指示した。
そしてヤマトは未だに卯月をナデナデしていた、そんな提督は卯月を見て複雑な気持ちになっていた。
「阿武隈起きるっぽい!ぽいっ!」
「うぅ...ん?・・ひぇ、やだっ幽霊!?─スパーン─」
「幽霊じゃないっぽいっ!」
「うぅ~、夕立ちゃんっ」
夕立に起こされた阿武隈は目の前のヤマト見て幽霊と言い夕立に頭を叩かれたのである。
ヤマトはその光景みて一番キレが良かったのでは?と妙なことを思っていた。
「阿武隈と祥鳳?そこで寝てる睦月を入渠へ連れていきなさい」
「提督・・?」
「構わない、連れて行ってくれ」
祥鳳は提督に確認し提督は許可を出す。
阿武隈と祥鳳により連れて行かれるのであった、これまたエレベーターに水密扉と外まで全自動である。
そしてしばしの沈黙が艦橋に流れていたが、提督が口を開いた。
「卯月は寝ているのか?」
「そうね、疲れてたみたいよ?」
「そうか・・」
提督は夕立に卯月を連れて行かせるか考えたが、自身1人になるのを避けるためにあえて何も言わなかった。
夕立は誰かの荒い操船のお蔭で窓に頭ぶつけて気絶したんです、と言いたかった。
「君の目的はこの子達を此処に届けるためだけか?」
「ヤマトよ覚えなさい。・・そうねぇ、この子達届けるのとぉー・・他には何も考えてないわ」
「そうか、感謝する。それと君は一体何者だ?」
「ヤマトよ」
「そうじゃない、君は一体なんなのか」
「私の名前はヤマトよ」
「ヤマトは一体何者なんだ?」
名前を覚えない提督に答えるつもりの無いヤマト。
「うーん・・妖精?」
「曖昧だな」
「そうねぇ...精霊?」
「答える気は無いと・・?」
「私自身よく分からないもの」
やっと答えてくれたことに、艦娘のドロップの様なものかな?と考える提督である。
───ヤマト戦艦左舷付近───
タラップから降りてきた睦月の両肩を支える阿武隈と祥鳳、目の前には長門や時雨、皐月が駆けて来た。
「睦月ちゃん大丈夫!?」
「ふわっ、わっ、わっ、どうしよぉ~」
「これは一体どういうことだ」
三人駆け寄ってきた時雨が一番心配してるようだ、皐月は何しに来たのか。
祥鳳は運良く来てくれた戦艦である長門に睦月を連れてってもらうことに決めたのだ。
「長門さんそれより睦月ちゃん担いでくれませんか?」
「う..うむ、違う!これは一体どういう状況だということだ!」
「戦艦大和が鎮守府に突撃してきました。なので睦月ちゃんを入渠に連れてってください。」
「いや、そうではなくて・・」
「入渠へ連れてってください・・は・や・く」
「あ・・あぁ・・」
祥鳳は有無を言わさず長門に睦月を入渠へ連れてくよう指示した。
長門は睦月を担いで走っていった、そして阿武隈も行くように指示される。
「阿武隈さん、貴方も入渠へ行ってください濡れたままでは良くないです」
「阿武隈、了解です!」
「皐月さんは睦月の付き添いで行ってください。あと長門の監視を」
「了解だよ!」
「僕も睦月ちゃんの所に行くよ・・」
阿武隈は怖かったのか敬礼し、後を追うように皐月と時雨も走っていった。時雨は長門の何かを知っているようであった。
そこへ大淀がトラックでやってきた明石と夕張も居るようだ、他の艦娘は見つからなかったようである。
「祥鳳さん!現状報告をっ」
「はい、現在艦橋には提督、夕立、卯月が残っています。そしてこの戦艦の主で名は「ヤマト」と言うようです。他は阿武隈と睦月が入渠に向かいました。」
「ヤマトですか・・?この戦艦もヤマトですよね?」
「はい、本人によるとこの戦艦は艤装の様なものと言っておりました」
「えぇぇえぇえええ!?この戦艦が艤装ですかあああ!!?これは調べがいがアリそうデすネェェ!!」
「ふっ・・ふふふゥう・・・データを・・ぜひ!データヲァ!欲しイですねェ!!」
大淀は信じられないことを聞いたと固まっていたが、左右から明石と夕張の発狂で我に返るのであった。
マッドサイエンティストじみた2人はヤマトへ勢い良く走っていった。
──ゴッ──
「「ブッッ」」
マッドサイエンティスト拗らせた2人は光の壁に衝突した。クラインフィールドである。
張ったのは誰でもないヤマトである、彼女は船外にも目を向けており目を血走らせた2人が猛スピードで走ってくるのだ、若干の恐怖を覚えクラインフィールドを張ったのだ。
そして2人は何もない空間で壁にぶつかる様な衝撃など想定もするはず無く、クリティカルヒットでダウンしたのだった。
「「・・・」」
「これは・・結界ですか?」
「そのようですね、私が乗り込んだ際には何もなかったのですが」
「え・・提督大丈夫なんでしょうか・・?」
「恐らく大丈夫でしょう、悪意を持った方には見えませんでしたので」
「そ..それだけで判断するのは如何かと・・」
「大丈夫でしょう」
祥鳳は卯月を膝枕し撫でている彼女を見て思ったのである、悪意など持っていれば膝枕や近くに置くことなどしないと。
だがヤマトの心の中を覗けば真っ黒である、外見はピカイチなのだがヤマトを知るものが見たら言うだろう外見で人は騙せると。
「では現在提督とヤマトが交渉中と言った所ですか・・ヤマトの目的は?」
「聞いた限りでは海上で遠征隊を拾ったので此処へ連れてきたそうです」
「はぁ・・随分と親切なんですね・・それだけですか?」
「えぇ、他は分かりません」
「わかりました、では私は行きますね」
大淀は情報を得るためにヤマトへ乗り込むのであった。
光の壁へ近づき、手を当てて本当に壁があるようだと思いどうやって入ろうかと考える大淀。
横にはマッドサイエンティストの2人が転がっている。
「祥鳳さんこれどうやって入ればいいですかね」
「素直に、入れてください、とでも言えば良いんじゃないでしょうか?」
すると眼の前にある光の壁が一部消えた、その通りであるらしい。
「・・・」
「どうやら合っていました」
「・・・・私は行きますね、祥鳳さん周りの人達に周知をお願いします」
「はい」
無事にクラインフィールド内に入れた、大淀はなんか不理屈だと心の中で突っ込むのであった。
───ヤマト艦橋───
先程から卯月を撫でてる様子を見るに、敵対的ではないようだ。
ドロップと一緒なら行く宛が無いはずと考えた提督はヤマトに提案した。
明らか異常ではあるがこれが戦力になるならと打算も入っていた、色々と挙動付番であったりするがこれで提督である。
「ふむ・・なら「断るわ」・・・まだ話してないのだが?」
「私がほしいのでしょ?」
「・・・」
早速一歩目で挫いた提督。
提督は目を閉じてどうにかしなければと思案に耽っていた。
そして、結構穏健な感じなので少し強めに出てみるかと考えていたのである。
「どう見ても君の戦艦は異常だ、この国いや世界中が欲しがるだろう」
「そうね、それとヤマトよ」
「今の世界では海上を航行するには艦娘一個小隊は組まなければ安全に移動できない」
「そうなの?」
ヤマトは予想通りの言葉が出てきた事に特に何も考えていなかった。
「そのなか君は艦娘を船内に入れて此処までやってきた、あの速度に機動性それに武装も飾りではなのだろ?」
「 ─ヤマトよいい加減覚えなさい、次に君と呼んだら叩き出すわ─ 」
「あ・・あぁ」
「そうね、私の武装は深海棲艦にも有効よ」
「!」
「でもね?これだけは絶対よ、私は誰にも従わないわ。力をもって従わせようとするなら力をもってお返しするわ」
それにヤマトは目的がある、艦娘を見てから目的が出来たのだ。
艦娘が欲しいと、ならば自身が提督になればと考えたが誰かの下に付くと思うと虫唾が走るのであった。
「そうなれば・・世界中からお尋ね者に・・」
「なると思うかしら?ふふふっ」
「・・・」
「もう一つ教えてあげるわ」
─私、核の爆発でも耐えるわよ?─
提督は何も聞きたくない思いであった、核の爆発であれば深海棲艦にもある程度ダメージが与えられるのである。
現に護衛なしでこの鎮守府まで来た様子から、本当に耐えるのではと思い始めている提督。
「武装も特別よ?特に主砲とか」
「・・・」
言葉を破棄した提督であった。
超重力砲の事であるのだが夕立がビクッと反応した、勘違いも仕方がない通常大和の主砲は46cm三連装砲なのだから。
提督は夕立の反応が気になり声を掛けた。
「どうした夕立?」
「!・・ぽ・・ぽぃ」
「夕立は見たものね」
「もう..見たくないっぽいぃ..」
「一体何を見たんだ・・」
「簡単な事よ、深海棲艦に向けて撃っただけよ」
夕立がガタガタと震えだしてしまった。
ヤマトと提督の会話時の視点を全体にしてみたのですがどうでしょう。