〇〇しい世界   作:てておん

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いつも思うんですよ。前書きとか後書きって書くの難しいなって…


仲良しの時間

 

 

----渚----

 

 

カルマ君の停学が明けてから1日が過ぎた。

昨日は散々な1日だったなぁ。まぁ過剰にカルマ君の挑発に反応して噛みついていた僕も悪いんだけどさ。

 

みんな、僕が温厚な性格だったり友好的なキャラだと思い込んでいたからカルマ君に掴みかかったときは驚いていた。

あかりや杉野はとくに驚いていて、すぐに止めに入ろうとしていた。

 

(そこまで理由はないけど、つい掴みかかっちゃたよ。やりすぎたかなー?逆に不審に思われていないといいんだけど。)

 

今日はどうしようかな、少し抑えめにカルマ君と接しようかな。そんなことを考えて教室の扉を開けると

 

(んっ?空気が重いな…みんな視線を下に向けてるしどうしたのかな?寺坂あたりが何かしでかしたかな)

 

そう思って教室を見渡す。その答えは教卓の上を見るとすぐにわかった。そこには先生のトレードマークの元になった本物のタコがナイフに刺された状態で置いてった。

 

(はっはーん、カルマ君の仕業だな?先生に精神攻撃でもかけるつもりなのかな?成功するとは思わないけど。)

 

僕はチラッとカルマ君の方を見るが、彼はどこ吹く風で…

カルマ君は頭の回転が凄く速い。先生が先生であるための、越えられない一線を理解して見抜いたうえで駆け引きを仕掛けている。

 

(さーって、どうなるかな。あとは殺せんせーを待つだけだね。)

 

席に座り。殺せんせーが来るのを待つ。しばらくすると殺せんせーが朝のホームルームのために扉を開けて入ってくる。

いつもと違う教室の雰囲気を感じ取る殺せんせー。そして教卓の上のタコに気づくとカルマ君が殺せんせーに挑発をする。

が、殺せんせーは怒ることなく、そのタコとミサイルを使って即席のたこ焼きを作ってカルマ君に食べさせる。

 

(そのミサイル、どうしたのさ…)

 

どうやらカルマ君は殺せんせーを怒らせたのではなく、本気にさせてしまったのだ。

今日一日、殺せんせーは本気でカルマ君を手入れするつもりだ。

 

(本気で警戒されたら何もできないだろう…こっからがお互い見物だね。)

 

どうやってカルマ君を手入れするのか、どうやって本気になった殺せんせーに暗殺を仕掛けるのかt年

 

たこ焼きを食べさせる光景を見て僕は笑ってしまう。

 

「カルマ君が昨日商店街でタコ買ってたのはこのためだったんだね。魚屋のおじさんに値切ってたし、お金ないなら無理しなきゃいいのにー」

 

僕はちょびっとネタバレしてみる。カルマ君の顔が恥ずかしさからか余計に赤くなるのがわかった。

それから、その日、1日中ずっとカルマ君は殺せんせーに手入れされ続けた。

数学の時間では黒板に数式を書いている殺せんせーの後ろから銃で撃とうと、引き抜こうとした瞬間に先生に手を抑えられてしまう。おまけにかわいいネイルアートまでされて。

 

「カルマ君、銃を抜いてから撃つまでのスピードが遅すぎますよ。」

 

クスクス笑っていたらカルマ君に睨まれてしまった。

 

家庭科の時間は、不破さんの班が作ったスープを犠牲にしてナイフ攻撃をしかけるも失敗。おまけに、またかわいいエプロンを着せられてしまう。

こぼしたスープは殺せんせーが丁寧にスポイトで回収して味まで調整するというおまけつき。

 

(食べ物を粗末に扱うカルマ君。許すまじ…)

 

ちなみに僕のスープは完璧。簡単な料理なら自分流にアレンジするくらいにまで料理の腕前は上達していた。

 

国語の時間には少し身体を動かしただけで先生に止められてしまう。髪の毛を整えられてたし…

だんだんカルマ君がイライラしていくのがわかってしまう。

そして暗殺の手段も雑な物へとなっていってしまう。暗殺に工夫するほどの余裕も無くなってしまっているんだろう。

 

 

----

 

 

そして放課後…僕はカルマ君に呼び出されて、山の中にある崖まで来ていた。

 

「渚君さぁ…正直邪魔なんだよね。昨日は暗殺の邪魔してくれたし、今日はずっと俺のことバカにしてたでしょ?」

 

「そんなことないけどなぁ…別にバカにしてないよ?でも、今のカルマ君だったらどんな手を使っても1人じゃ暗殺できないと思うよ?」

 

「知ったような口を利くね渚君。そういえば渚君って暗殺者なんでしょ?みんな噂で言ってたよ。その割には殺せんせーを殺せてないみたいだけど…もしかして、しょぼい暗殺者なんじゃないの?」

 

イライラして怒りの矛先が僕に向いてきた。2人で話し合っていると段々言い合いになってきて売り言葉に買い言葉、昨日みたいに掴み合いに発展する。そもそも暗殺者じゃないんだけどね。

 

「そこまでですよ2人とも。なんで君たち2人の仲がそんなに悪いんですかね…」

 

気づくと殺せんせーが僕たちの間に割って入って喧嘩をとめる。殺せんせーだけじゃない、クラスのみんなも心配そうに僕たちを見ていた。

 

 

----あかり----

 

 

今日は1日中、E組の中が慌ただしかった。カルマ君が殺せんせーを暗殺をしようとして失敗するという光景が続いていたからだ。

というのも、朝いちばんにタコを使った挑発なのか精神攻撃をしようとしたのが原因だ。たしかに道徳的にはあまりよろしくない手段だと私は思う。

その結果、殺せんせーを本気にさせてしまったのである。常にカルマ君に対してアンテナを張っていた殺せんせーは、カルマ君が武器を取り出そうとしたときにはすでに反応していて、取り押さえてしまう。

しかも、恥ずかしい恰好に着替えさせたりダメなところを指摘したりして…

 

それだけならいい。今日のE組にはもう一つ問題があった。渚である。あからさまにカルマ君に挑発をしていた。暗殺が失敗するたびにカルマ君を辱めるようなこと言ったりして…

 

(渚ってこんなキャラだったかなー…なーんか、わざとやってるように見えるんだけど…)

 

だんだん2人のやり取りが仕組まれたもののように思えてきた。他の人達は疑ってないようだけど、女優をやってきた私ならなんとなくわかる。

 

ちなみにカルマ君は暗殺の失敗、殺せんせーのお手入れ、そして渚の挑発にだんだんイライラしていくのが見て取れた。

そして…ついに放課後、カルマ君の怒りが爆発したのか喧嘩に発展。つかみ合いからの殴り合い、対先生用のナイフを取り出したところで殺せんせーが止めにはいる。

2人のことが心配でみんな草むらから見ていた。殺せんせーが止めに入った時は、みんなホッとしていた。いくら人に無害だからといえ、ナイフは鋭利だから場所によっては無傷では済まないからね。

そして今は、殺せんせーとカルマ君が会話している。

 

「殺せんせーって先生だよね?先生って命をかけて生徒を守ってくれる人?」

 

「もちろん先生ですから。」

 

(カルマ君、何を考えているの?もしかして…!)

 

次の瞬間、カルマ君は銃を構えたまま後ろの崖から落ちていった。

殺せんせーが助けに行けば、その瞬間撃たれて暗殺されてしまう。見殺しにすれば殺せんせーは社会的に殺される。

頭のいいカルマ君だからこそ思いつく方法。そもそも自分を犠牲にすることができる時点で私たちとは違う。

 

だがカルマ君の暗殺は失敗に終わる。私たちが慌てて崖まで走ってのぞき込むと蜘蛛の巣状に変形して、下からネバネバしてカルマ君を受け止めていた。

これならカルマ君は手足を動かすことができないから今の状態では暗殺することもできない。カルマ君の完全敗北、だと思っていた。

 

そこで私たちの立っている崖に渚がいないこと気が付く。そして再び下をみると、そこに渚は居た。

渚はナイフを突き立てるようにして真っすぐ落ちていく。

 

殺せんせーはカルマ君の真下にいるから上が見えない。そう、渚が近づいていることに気づいていないのである。

そして渚が近づくと同時に、カルマ君が唯一動かせる首から上を動かす。そこには殺せんせーの頭があり。

 

「にゅあっ…!」

 

殺せんせーが気づいた時には目の前にナイフの先端が迫っていた。慌てたことと、今下手に動けばカルマ君の身の安全が保障できないこともあって…

 

(いった…!最初から2人の連携した暗殺だったんだ…!)

 

 

 

----渚----

 

 

「あ~あ…暗殺失敗するとはね。まさか、あそこで蜘蛛の巣を張り巡らされてた木が折れて攻撃が掠るなんて…」

 

僕とカルマの連携暗殺は失敗してしまった。蜘蛛の巣状の先生は木や崖の岩に触手をくっつけていたが、そのうちの木の一本が折れてしまったのだ。

そうしたことによって蜘蛛の巣がたわむように動いて攻撃が掠るだけに終わってしまった。

その後は僕も蜘蛛の巣に引っかかって2人まとめて捕まってしまった。

 

「このために、わざわざ昨日から渚と演技してたのにさー。」

 

そう、僕たちはカルマが復帰する前から知り合いだった。相性もよくてお互い呼び捨てだし。そのことを皆に話したら「ふざけるな」とか「見てるこっちがドキドキした」とか怒られちゃった。

殺せんせーには、もし暗殺が成功してそのあと真っすぐ落ちていったらどうするんだと怒られてしまった。

そのときは自分の触手を使えば助かるけど、そこは秘密で…

 

「渚、すごい嘘つくからびっくりしちゃったよー。ほんとは渚おすすめの魚屋に一緒に買いにいったのにさぁ。」

 

さてさて、これから暗殺の本番だね。クラス一丸となって…





カルマと渚の仲の悪さを演出するのが難しすぎて、まだまだだなと実感した回でした。

あ、今日ボーナスだ…
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