星狩りのコンティニュー   作:いくらう

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初投稿です。
本来こういうのは原作が放映終了してから書くべきなんでしょうが、我慢できませんでした。
楽しんでいただければ幸いです。


星狩りのコンティニュー

 

 まず目に入ったのは、夜空に広がる満天の星だった。

 

「………………ここは……?」

 

 仰向けに寝っ転がっていた俺は、苦労して体を起こし周囲を見渡す。そこは整備された草原だった。何年前だったか、<スカイウォールの惨劇>が起こったあの会場に似ている。人の姿もなく、良くある表記看板も見当たらない。自身の居る場所を正確に把握できる要素は周りには無いようだった。しかし、それよりも重要なことが一つ。

 

「なぜ俺は生きてる……?」

 

 俺はあの時、究極のフォームと化したビルド、そして他のライダーたちによる一斉攻撃によって撃破され、暴走したブラックホールフォームの力に巻き込まれ消滅したはずだ。

 致命的すぎるあの状況から生き延びる術は、さしもの俺でも持っていない。

 

「大気組成は地球のもの……どっかに吹っ飛ばされでもしたのか?」

 

 俺は立ち上がって再び空を見上げた。満天の星空に浮かぶ星々、その位置から大まかな暦と現在位置を計算する。

 

「この星空は、地球からのそれだなァ……季節は冬も終わりに近い……現在地は…………やっぱ日本か」

 

 俺が敗北したあの時、季節はまだ残暑が残る秋初めだったはずだ。もし気絶していたにしては、少し時間が経ちすぎている。それにどっかで匿われでもしていたなら屋内に居るだろうし、俺を殺せていないと分かったらライダーたちが黙っちゃいまい。

 

 俺は自身が『敗北したが遠くに吹き飛ばされて気絶していた』という可能性を渋々握りつぶした。そこで、俺は一つに事実に気づく。

 

「空気中の物質量が割と違うな……」

 

 俺が居たニホン――スカイウォールと呼ばれる壁によって三つに分かたれ内々で争っていた国――では、しばらくの間居住地域をも巻き込んだ戦争が勃発していたはずだ。そうなれば戦争によって破壊された建物などのチリが空気中に浮かびあがる。要するに、もっとホコリっぽい空気でなければおかしいのだ。ここの空気は綺麗すぎる。

 

「まさか、何年も経っちまってるのか!?」

 

 そこまで言って俺は違和感に気づく。遠景に見える街(俺の目は夜間でも遠景を平気で見通せるんだ、凄いだろ?)には幾つものビルが無傷で立ち並んでいた。復興を終え平和を取り戻しただけなら、もうちょっと急ごしらえな部分があったり、未だ破損している所がちょくちょく残っていてもおかしくは無いはず。しかし。

 

「どうなってやがる……?」

 

 その街はあまりにも綺麗過ぎた。まるで『戦争など始めから無かったかのよう』に。

 そこで俺の脳裏に一つの可能性が浮かぶ。地球外生命体なんて言う、この星の一般常識から遥かに逸脱してる俺からしても、それは割と滑稽な話だった――――あの前例が無ければ。

 

「<エニグマ>……そうかぁ、ここは並行世界かもな……」

 

 かつて俺の世界では最上と言う科学者が並行世界を繋げ、渡ることのできる装置、<エニグマ>を使って大騒動を引き起こした事があった。その時は俺の半身も別世界に渡っちまって、随分慌てて事態の解決に奔走したもんだ。もしも、今俺があの時の奴らのように別世界に渡っちまっているならば、多くの疑問に明確な理屈付けが出来る。

 

 おそらく、ブラックホールフォームの暴走による重力異常が偶然並行世界への扉を開いてしまったのだろう。普通そんな事はありえないと言えるのだろうが、あの世界ではエニグマの起動によって別世界の地球と世界が繋がってしまった経緯がある。元々そうなりやすい土壌はあったってことだ。それなら宇宙のどこかでなく、同じ地球という星に放り出されているのにも納得できる。

 

「ハハハ……マジかよ。流石にビックリだぜ。なあ石動(いするぎ)、お前もそう思わねえか?」

 

 そう自分の体に語り掛けて、もう俺は奴の体を借りていない事を思い出す。俺はちょっとだけ、地球人で言う所のセンチメンタルな気分になった。

 

「しかし……もしここが並行世界だとして、これからどうしたもんかなァ……」

 

 今度こそこの星を滅ぼしてみるか? いやいや、この世界にもライダーがいないとは限らない。身一つで並行世界を渡っちまった俺がビルド達に匹敵するであろうライダーに勝利するビジョンは、残念ながらこれっぽっちも見えなかった。そもそも一番大事な<パンドラボックス>を持ってねえしなあ。

 

 溜息一つついてその場に座り込もうとする。その時、勢いよく何かに尻を打ちつけて想定外の激痛が走った。

 

「痛ってぇ! なんだァまたウォシュレットか!?」

 

 その驚異的な奇襲攻撃に俺は嘗てこの星で初めてトイレを使った時のことを思い出さずには居られなかった。用を足した瞬間という最も虚脱するタイミングで肛門と言う人間に数ある弱点の内特に防御力の低い急所を正確に攻撃してくる恐るべき水流装置。初対面であれを受けた俺は思わず飛びあがって壁に頭を打ち付けた挙句ウォシュレットの水を浴びせられて水浸しになっちまった。タコに並んで、この地球で俺がもっとも警戒する存在だと言えるだろう。

 

 その存在を想起した俺は最大限の警戒を以ってそこから飛び退く。見ると、俺が元居た場所には奇妙な文様が刻まれた、両手で軽く抱えられるほどの大きさの黒い立方体が転がっていた。

 

「何だよあるじゃねェか<パンドラボックス>!!」

 

 言って俺はその箱に飛びついた。こいつこそが<パンドラボックス>。俺が星を滅ぼすために使う道具だ。この箱は特殊な物質生成装置、装備保管庫も兼ねており、俺が惑星を蹂躙するために必要な装備は、ほぼここから取り出すことが出来る。と言う事はだな……。

 

 即座に俺はパンドラボックスに腕先を突っ込んで中をまさぐり始めた。周囲に人がいなくてよかったぜ。傍から見たら深夜に地球一俺に似合うイケてるスタイルを持つ男が大喜びでおもちゃの箱に手を突っ込んでいる、そんな状況だ。長年地球で暮らし一般的な常識を備えた俺はその事を考えてテンションが一瞬クールダウンする。

 しかしそれも本当に一瞬の事。手が慣れ親しんだ物を掴み取った感触に、俺は最高の笑みを浮かべて一気に腕を引き抜いた。

 

「あったァ――――――!!!」

 

 引き抜かれた俺の手には赤を基調としたベルト状の機械が一つ握られていた。<エボルドライバー>。宇宙を支配することのできる力をもたらす究極のドライバーにして<仮面ライダーエボル>への変身に必要な俺の一部。これがあればこの地球がどういう地球であっても如何様にも出来る。更に、ドライバーには俺が最も慣れ親しんだ<コブラエボルボトル>と最も重要なボトルである<ライダーシステムエボルボトル>が既に装填されていた。

 

「Good! これさえありゃあどうにでもなる! ボトルがセット済みってことは、最後の戦いの時のままって事か……んん?」

 

 喜びも束の間、俺は重大な事に気が付く。

 

「エボルトリガーが付いてねえ」

 

 <エボルトリガー>。パンドラボックス真の力にして、俺の究極フェーズ<仮面ライダーエボル ブラックホールフォーム>への到達に必要な装着アイテム。最終決戦の際には取りつけてあったはずのそれがどこにも見当たらない。

 

「嘘だろぉ!? 一番大事なもんがねェじゃあねえか!」

 

 俺は再びパンドラボックスに手を突っ込みその中をグシャグシャと探り始める。すると、意外にも早く手応えが。焦燥感に満ちていた俺は一転、その擬態した顔に見合ったダンディな笑みを浮かべると歓喜とともにそれを引き抜いた。

 

「あったァ――ってこれじゃあねェよ!」

 

 俺は思わず手に握った<トランスチームガン>を地面に叩きつけて、ちょっとやっちまったと思った。<トランスチームガン>は文字通り銃型の変身アイテムで、俺が<ブラッドスターク>に変身するために使っていたものだ。武器としての性能もかなりのもので、真の姿である仮面ライダーエボルに変身してからも<スチームブレード>と共に度々愛用していた。何よりも様々なフルボトルを装填することによりそれに準じた攻撃を行える、ビルドにも通じる拡張性がお気に入りだ。

 そんなことを考えていると、叩きつけられたトランスチームガンに装填されていた<コブラフルボトル>が外れて転がって行く。俺は慌ててそれを回収した。

 

 ――――トランスチームガンを手に入れた事で、一応の変身、戦闘手段は確保できた。だが、今必要なのはこれだけではない。<エボルトリガー>が無ければ俺の最強フォームへの道は閉ざされてしまう。

 

「タヌキ型ロボットのポケットじゃあないんだぜ……?」

 

 愚痴りながら俺はパンドラボックスを手に取ると再び手を突っ込む。沸き上がる焦燥感と不安感に苛まれながら、どれほどそうしていただろうか。右手に慣れ親しんだ感触を感じたと瞬間、俺は今度はゆっくりと腕を引き抜いた。

 

「<エボルトリガー>……!」

 

 最高のスマイルを浮かべながらそれを見つめた俺。だがその顔は一瞬で怪訝なものに変わることになった。そのエボルトリガーは俺が良く見知ったエボルトリガーと微妙に異なる姿をしていたからだ。

 

「……石になってやがる」

 

 俺の手に握られたエボルトリガーは何時だかボックスから取り出した時のように石化し、起動することが出来ない状態になっていた。そうか。最終決戦の際、ビルド達には火星の王妃、ベルナージュがその力を与えていた。嘗て火星で奴と相討ちになった時同様、その力でエボルトリガーを封印されちまったって訳か。

 

「ベルナージュ……またしてもやってくれたなあ……!」

 

 ふつふつと沸き上がる怒りに俺は顔を歪めるが、暫くして肩の力を抜いて深呼吸する。

 

 落ち着け、エボルトリガーは破壊されたわけじゃない。前の時のようにまた使えるようにすればいいだけだ。俺はそう思い至り、まずはこの地球の調査を始めることを決断する。仮面ライダーエボル――今変身可能なエボルコブラフォーム――には<EVOコブラフェイスモジュール>や<マスタープラニスフィア>と言った幾つかの情報収集能力が備わっている。

 

 俺は善は急げとエボルドライバーを腰に装着した。そのまま二つのエボルボトルを装填し――

 

「ん?」

 

 おかしい。本来エボルドライバーを装着した際俺の肉体を認証して【エボルドライバー!】と盛大に承認音声を鳴らしてくれるはずだ。しかし今、ドライバーはうんともすんとも言わない。俺は怪訝に思いながらもボトルをセットしてみるが、ドライバーは沈黙したままだ。一体どうなっている? 俺にエボルドライバーが反応しないなんてありえない。

 

 そこで俺は一つの可能性を思いつき、自分の胸に手をやる。そして余りの衝撃に声を荒げた。

 

「ハザードレベル4.5……!? レベルが足りねえじゃあねえか!」

 

 エボルドライバーは究極的な力を装着者に与える代わりにその使用には厳しいハードルがある。その最たる物が特殊な能力値指数である<ハザードレベル>が5.0を超えることだ。

 ハザードレベルが5.0に到達していない者にエボルドライバーは反応しない。それは俺以外にエボルドライバーが使用されないための安全装置であり(真っ当な地球人のハザードレベルが5.0まで成長する事はまず無いが)、仮面ライダーエボルの力を制御できる最低基準でもあるからだ。

 

 まあ、安全装置のリミッターなどをカットすることで使用者の寿命と引き換えに無理やり使用することもできなくはないのだが……。

 

 兎にも角にも、ハザードレベル4.5ではエボルドライバーの起動など当然望むべくもない。安全装置の解除は不可逆の処置ゆえに、まさか自分のドライバーに施すわけにもいかない。しかし、なぜ俺のハザードレベルが4.5にまで低下してしまっているのか。

 

「ま、あの戦いのせいだろうな……」

 

 こうして平然と振る舞っていても、あの戦いの傷が完治しているわけではない。多大なダメージを受けたことで俺自身の構成物質が欠損し、それによってハザードレベルが低下していると考えるのが妥当だろう。俺はちょっとガックリ来て、思わずその場に寝っ転がった。

 

「さぁてェ、これからどうしたもんかなあ……朝を待つしかねえか……」

 

 エボルドライバーが使えない以上、さしもの俺も出来る事は限られる。ブラッドスタークの姿でも並のライダーに負ける気はしないが、並以上の敵を相手にするには力不足だ。

 

「しばらくは傷を癒しつつ、この世界についてじっくりと調べてみるかねえ……」

 

 そう、まずはこの地球がどんな場所か知ることが先決だ。街の様子を見ても、文明そのものに特別違いがあるように思えない。もしこの星の人々が俺を前の地球程に楽しませてくれるのならば、そもそも滅ぼさずに楽しみ続ける方がいいに決まっている。

 

 まずはこの星のコーヒーの味だな……次に科学の発展具合……文化に世界情勢……軽く就職してまたカフェを開くのもアリか。美味いコーヒーを入れられるように少し練習してみるかね……恋愛ってヤツも前はやってなかったな……。

 

 そんなことを考えながらのんびりと星を見ていると、俺に向かって二人分の足音が近づいてくるのに気づく。首を巡らせてそちらに視線を向けると、二人の若い女性警官――婦警ってやつか?――がこちらを睨みつけながら迫ってきていた。

 

「そこの男!」「んん?」

 

 言われて俺は上体を起こす。迫る二人の女性は迷惑そうな表情で(まあ、こんな時間に呼びだされるのは迷惑だよな、ご愁傷様。と俺は心の中で笑った)こちらを睨むばかりだ。何事かと俺が首を傾げると、婦警は高圧的で苛立ちを隠さぬ声で訪ねてきた。

 

「近隣の住民から妙な男が騒いでいるとの通報があった。お前、こんな時間にここで何をしている?」

「ん? ああ、そう言う事か……ちょっとはしゃぎ過ぎたかな……」

 

 俺は努めて申し訳なさそうに、手を頭にやって作り笑いをする。

 

「お勤めご苦労さまですよ~いやあ、ちょっとした昼寝のつもりだったんだけど、随分とのんびりしちまって……目を覚ましたらもう真っ暗だったもんで、バカバカしくて大笑いしちゃったんですよね~」

「身分を証明出来る物はあるか?」

 

 取りつく島もなく淡々と要求のみを述べてくる婦警たちに、俺は参った、と諸手を上げると、自身の服のポケットを漁り始める。

 

「ちょーっと待ってくれよ……」

 

 と、言っても身分を証明出来るものなど持っているはずもない。俺は諦めたように両手を広げるとその場を誤魔化そうと薄く笑った。

 

「いやあ、寝てる間に誰かにパクられちまったみたいだ! 被害届って出せますかね?」

「……バカにしているの?」

「そーんな事無いですってぇ! いや~ホントにビタ一文持ち合わせてないんですよ!」

「ふざけるのも大概にしろ!」

 

 途端、婦警の一人が激昂して胸倉を掴み上げてきた。

 

「おいやめろよお! 大事な服にシワがついちゃうだろ~!!」

 

 俺は慌ててその手を振りほどくと、ジャケットの襟をチェック、皺がついて無いのを確認して安心し息を漏らす。振り向けば、婦警たちは今まで以上に苛立った顔でこちらを睨んでいた。

 

「何なんだコイツ……」

「男の癖に随分な事してくれるのね」

「ん~?」

 

 その態度に、俺は多少の違和感を覚えていた。あからさまな蔑視、敵意を感じるのだ。少なくとも俺が前いた地球ではこう言った感情を市井の人々から向けられる経験はなかったし、各首相官邸にいた治安維持部隊も一般の市民にはもっと穏やかな対応をしていたはずだ。いくら深夜の通報で苛立ちが募っていても、こんな反応はまったく想定していない。内心俺は困惑した。

 

「一体どうしたんです、婦警さん方……こんな時間に呼びだし食らってるのには正直同情するが、そんなに苛立ってちゃ折角の美人が台無しだぜ?」

「アンタのせいでしょうが!」

「まあそうなんだが」

「もういい、連行しましょ。話はしかるべき場所で聞くわ」

 

 言われて肩を竦めた俺に、婦警たちの怒りは頂点に達したようだった。もはやこれ以上の会話は無駄と判断したのか、俺の背を小突いて外へ向かうように促してくる。

 

「へいへい。そんな怖い顔しなくたって行きますよ……」

 

 やれやれ、と言ったポーズを取った俺に無視を決め込んで、婦警はまた俺の背を小突く。俺は肩を竦めて大人しくそれに従った。

 

「ちょっと! この玩具みたいなのは何!?」

 

 それに待ったをかけたのはもう一人の婦警だった。彼女はパンドラボックスを抱え、こちらを怪訝そうに睨みつけている。それを見た俺は其方に歩み寄って、置いてあったトランスチームガンを手に取った。

 

「おう済まないねえ、それは俺の大事な大事な所持品だ。ちょっと手が離せないんで、代わりに持ってきてくれねえかい?」

「ふざけるのも大概にしろって言ったわよね? これは私たちで暫く預からせてもらうわ」

「あ~……悪いが、そうは行かねえ」

 

 俺は笑いながらトランスチームガンにコブラフルボトルを装填、トリガーを引いてシステムを起動させる。

 

【コブラ!】

 

「蒸血」【ミストマッチ!】

 

【コッ・コブラ……コブラ……】

 

 掛け声と共にトランスチームガンから霧が噴き出して俺の姿を覆い隠す。婦警たちはその異常な現象に身構えたが、次の瞬間煙を吹き飛ばし、赤いスーツに緑色のバイザーを身に付けた怪人として俺は姿を現した。

 

【ファイヤー!】

 

「なっ、何よコイツ……ISなの……!?」

『残念。正解はブラッドスターク! 短い間だろうがよろしくな、お嬢ちゃんたち』

 

 火花を弾けさせながら佇む俺を見て婦警たちは訝しむが、俺は首を傾けてトランスチームガンで肩を何度か叩くと、一つの疑問に思い当たって口を開いた。

 

『なあ、一つ聞かせてくれよ。ISってのは一体何だ? 仮面ライダーの亜種か何かか?』

「うるさい! 抵抗をやめて武装を解きなさい!」

 

 婦警たちは恐怖と疑念の張り付いた顔で拳銃を抜いて抗戦の構えを見せる。呆れた俺はそれを嘲笑いながら悠々と歩み寄ってそれぞれに手を向け、両方の手首から飛び出した触手で彼女らの体を貫き、送り込んだ毒によってあっけなく消滅させた。

 

『ブラッドスターク……使うのは久々だったが、この地球の人間にも通用するようで安心したぜ』

 

 戦時下だった向こうの奴らの方がよっぽど骨があったなあ? そう思いながら変身を解除し、パンドラボックスにエボルドライバーを収納して俺は街へと向かって歩き出す。

 

 さてさて、この世界には一体どんな人間達が息づいているのか。彼、あるいは彼女達の中に、俺を楽しませてくれるような者は居るのか。そして、仮面ライダー……俺の前に立ち塞がる者達。彼らに類する存在が、この世界の愛と平和も守っているのか。

 とりあえず<IS>ってのが何か調べるのが第一か……まあ、せっかく拾わせてもらった命だ。何にせよのんびりやらせて貰うとしよう。……この世界に、俺が何者か知る者など、居るはずも無いのだから。

 

 そう独りごちて俺は――――地球外生命体<エボルト>は、これからの未来に、この地球にどんな素晴らしい娯楽が待ち受けているのかに心を馳せて、心の底から笑うのだった。

 

 





エボルトは現地の文化を楽しむ星狩りエンジョイ勢なので、
再起の機会があっても原作に輪をかけてのんびりやって行くと思います。
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