村長に挨拶した後俺は、俺達はヴォルハ村を旅立つ事になった。ルチアが村の入り口まで見送りに来てくれている。
「どうしてこうなった?」
当初の予定では俺一人で里まで行くつもりだった。一番近くの人里までは一本道で迷いようがなく、俺の身体はヴァンデルな事もあって肉体的には疲れ知らずで数日くらいなら食事をとる必要もない。ユーリィ達にこれ以上迷惑をかけたくなかったのだが…。
「流石に迷惑だしやっぱり一人で行こうと思うんだけど」
恩返しもせずに出ていくのもどうかと思うがそれでもなぁ…。
「ダメですよ!ハルカさん。話を聞く限り旅の仕方なんて全然知らないみたいじゃないですか。せめて里まで行く間はお兄ちゃんから旅のノウハウを学ぶべきです!」
「そうだよ、それに迷惑だなんて今更なことさ。こんな中途半端に目を離したら心配で寝付けなくなりそうだからね」
「うぅ……」
「ふふっ諦めなよ。僕達の安眠の為にさ」
確かに旅のノウハウを教えて貰えるのは有り難い。だけど付いてこられるのは非常に不味い。
里までは行くつもりだったが『門』があるで中まで入るつもりは無かったのだ。事前に感知されていた場合、門に近付いたらバスターが待ち構えてましたなんてこともなくはない。
俺だけならまだしもユーリィまで仲間だと思われたら最悪だ。ゼノン戦士団も滞在しているというし何とか避けなくては…。
「じゃあ行ってくるよルチア」
「行ってらっしゃいお兄ちゃん、ハルカさん」
考え込んでる間に勝手に話が進んでいた。
「―――――。―――だよ」
結局流されて一緒に出てきてしまった。
「―――で、―――――だから気を付けること」
どうするべきか…。途中で撒くか?だが相手は少年とはいえ立派な狩人、しかも一本道だ。簡単に撒けそうにない。
「聞いてるハルカ?」
「うわぁっ!」
横を向いたらユーリィの顔があった。どアップで。
「やっぱり聞いてない。三日しか時間が無いんだからちゃんと聞いててね?」
「す、すまん」
流石に聞いてないのは失礼だな。
そうして一日目はユーリィの旅講座で終わってしまった。ちゃんと考えなくては。
あ、ルチアが持たせてくれたお弁当は絶品でした。
旅二日目だ。朝からユーリィの旅講座を聞きつつ歩を進める。旅は順調に進んでいるようだ。
………何だろう?
今朝から空気が重く感じる。途中何度か休憩を挟みつつ里に向かっていたが最初は全く気付かない位だった。
だが里に近付くほどその感覚が強くなっている気がする。もうすぐ日も暮れる。
ユーリィの様子を窺うが特に何時もと変わらない。狩人とはいえ只の人だ。バスターの様に天力を扱える訳でもない。
これ以上進んで大丈夫なのか?夜営の準備をしつつユーリィに声かける。
「なぁ、ユーリィ――!!!っ」
反射的にその場から飛び退き、身を隠していた。
何だこれは!?
里の方角から凄まじい圧迫感、威圧感を伴う力の奔流を感じた。大型トラックでも突っ込んで来たのかと思うほどだ。物理的破壊をもたらす様なものでは無かったが、一瞬死を連想した。冷や汗が止まらない。
「ハルカ?いきなりどうしたの?」
「お前は何も感じ無いのか?」
「そういえばやけに森が騒がしく感じるけど…」
やはりバスターかヴァンデルでもなければわからないのか。
だが今のではっきりした。これは冥力、そしてその波動だ。自分がヴァンデルだからこそわかったがこの道の先に居るヤツは化け物だ。到底人が倒せる様な存在じゃない。
だがゼノン戦士団が居るというし何とかなるのだろうか?
里、ゼノン戦士団、化け物……。
「なぁ、ユーリィ。俺達が向かっている里ってなんて名前だ?」
「ん?言ってなかったかな?アンクルスの里だよ。ヴォルハ村で近くの里といったらそこ1つしか無いからわざわざ名前を言わないんだよね」
アンクルスの里!
原作でビィトが育てられた場所でゼノン戦士団がベルトーゼ相手に壊滅した場所でもある。
それならさっきのはベルトーゼが力を解放した時の、魔奥義の余波か…?。実際に肌で感じるまで理解できてなかったが、将来の七ッ星クラスがここまで凄まじいものだったとは。原作を読み込んだだけではわからなかった。認識を改めなくてはいけないな。
ゼノン戦士団……。原作の流れとはいえ壊滅したと思うと気分の良いものじゃない。だけどもしその場にいたとしても介入することで原作が破綻するのも不味い。
今回はどうしようも無かったけどちゃんとどうするか考えておかないとな…。
やっと原作プロローグに追い付きました。
中途半端過ぎて〆方がわからない。後日編集するかも。
資料どうしよう…。