夜が明けた。今日が俺の旅立ちの日だ。
寝起きはあまり良い方てはなかったが今日は気持ちよく起きることができた。昨日ユーリィに話を聞いて貰えたたからだろうか。
「おはよう、ハルカ」
ユーリィも起きていたようだ。
「おはよう」
ユーリィと挨拶を交わしつつ二人で身支度を終わらせる。
朝食が済めばそれぞれ別の道を歩む事になる。暫くは会うことも無いだろう。
「………」
食事も済み、二人は言葉少なく門へと歩き始めた。
「………」
「……そろそろお別れだね」
「そう、だな」
「ねぇハルカ、手紙を書いて欲しいんだ」
「……?」
「君の無事を知りたいんだ…。昨日も言ったけど僕がバスターになったのは大切な人達を護るためだ。当然君もその中に入っている。だけど僕は村から離れる事が出来ない。だからせめて、手紙で無事を知らせて欲しい」
「あぁ、そうだな。書くよ、手紙」
どうせユーリィもヴォルハ村とアンクルスの里しか知らないんだ。世界を回って今度は俺が色々と教えてやる。こんなご時世だしちゃんと届くか分からないけど、何度でも書こうと思う。
「うん…、それなら僕も少しは安心できるかな。それに何時でも帰っておいでよ。ハルカは独りじゃないんだ。だから一人で無茶なことしちゃダメだからね」
「……わかってるよ」
「「………」」
「…じゃあ、行ってくる」
「うん、行ってらっしゃい」
俺は門の外へと歩き始めた。少しは荒れた道を進む。途中何度か振り返ったがその度にユーリィが手を振ってくれる。後ろから見守っていてくれる、背中を押してくれる人がいる、その有り難さがよく解った。頑張ろう。
「よしっ、最初の目的地は西、港町レドウだ!」
物流の拠点である港町ならば沢山の情報が集まっているはずだ。レドウまでの道程は途中に森もあり大変な物になるだろうが今の俺には不安は無かった。
一歩一歩力強く進んでいく。
もうユーリィは見えなくなっていた。
「おふぅっ…」
そういや俺、街に入れねーじゃん。旅一日目にしていきなりピンチ…。
流石にアンクルスの里みたいに門が壊れてたりはしないよなぁ。ベルトーゼみたいなのが現れて暴れられるのも勘弁だけどさ…。
「ベルトーゼ………ベルトーゼ?」
「星呑み…?」
良いかも知れない。星呑みはヴァンデルが生まれた時から持っている1つ目の星に冥力を込め、封印する修練法だ。上手くいけばどこぞの最弱魔人位まで冥力を抑えられるかもしれない。それなら門の感知をすり抜けられる。それに星も見えなくなるので服装の自由度も高くなる。
詳しいやり方までは解らないが幸い時間はある。出来る事があるならやるべきだろう。
目標もある、やる事もある。とても恵まれた環境だ。
「おっしゃっ!やるぜーー!」
何時もより短いですが切りが良いのでここまでで。