まさかこの俺がヴァンデルだったとはね。女の子になったと思っていたらロディーナの様な女性型だったとは、驚いたよ。
うん、混乱しているせいか口調がよくわからない事になっている。
今思えば何日も飲まず食わずで歩き続ける事が出来たのはヴァンデルの身体だったからか。色々と納得である。
それはそうと。
「どうすっかな…」
幸いな事に腕の星は(当たり前だが)1つだけだし長袖やリストバンド、籠手の様なもので隠せそうだ。角も小さく髪の毛の生え際にあるので髪をかき上げるか直接触ってみないと分からなさそうだ。
「といったところでヴァンデルなのには変りないしなぁ」
元の世界に帰るために情報収集は必須。だがヴァンデルになってしまった以上『門』による感知は避けられないだろう。人間の街で情報を集める事は不可能かもしれない。
「それならヴァンデル方面からか?」
ヴァンデルの集まる場所、魔賓館か…。こんな人間の子供の様な姿で行ったら確実に絡まれるし厄介事の予感しかないな。そもそも場所知らないし。
「もしかしてこれ、詰んでる?」
この村の様に門の無い場所じゃ情報はたかが知れている。大まかな目的地すらなくしらみ潰しに世界を歩くしかなくなった、最悪だ…。
そもそも俺はどのようにしてこの世界に発生したんだ?
全てのヴァンデルはダークネス・アイズによって創られたんだよな。だとしたらシャギーには会いたくないな。
もし俺がダークネス・アイズの預かり知らぬ所で産まれた存在なら危険分子として消されかねない。そもそもあのウサギ胡散臭過ぎて近付きたくない。
「うーむ、どうすっかな」
振り出しに戻った。
「ヴァンデルになってしまったのはもうどうしようもないな」
もう少しポジティブに考える事にしよう。ヴァンデルの場合のメリットを幾つか挙げてみる。
先ずは冥撃だろう。ヴァンデルは産まれた時から冥力の影響を受けているし、天撃と違って痛み無く冥撃を撃てるようになるかもしれない。これは大きなメリットだ。バスターになるための刻印はあのビィトですら凄まじく痛いと言わしめたくらいだからな。痛いのは嫌だ。
次は単純にフィジカル面かな。今回の事でわかったが俺の身体は結構丈夫らしいし体力も十分だ。世界を回るのは結構疲れそうだから有難い。
次は魔物との関係だろうか。旅をするなら魔物との接触は避けては通れない。こちらがヴァンデルなら無闇に襲ってくる事は無いだろう。多分。
最後は原作ヴァンデル勢と同じ陣営に立てる事だろう。閣下や卿と敵対せずに会話できるわけだ。ただ同じ陣営といっても皆好き勝手やってるわけで、他の七ッ星の連中とは話が合いそうにない。特にベルトーゼ、テメーはダメだ。あ、後色々と裏で糸を引いてそうなロディーナも勘弁な!
何だろう、メリットを考えていたらなかなか良さそうだった。テンション上がってきた。
おっし、頑張るぞー!
「くしゅんっ…」
湯冷めした。
警報が出てるせいか学校が休みになるという放送(2日連続)を聞きながら仕事に出かける準備をしていると、仕事も休みにならないかと思ってしまう。そんな週末でした。