マッドな科学者が鎮守府を経営するそうです 作:リバプールおじさん
霞「へえ、部屋は案外しっかりしてるじゃないの」
川内「そりゃそうでしょ。ここできてすぐの鎮守府らしいし」
立川「ああそうだ。出来てからまだ2ヶ月と経ってない。工期も短かくて雑な仕事だったがやっつけ仕事にしては随分と上手く出来たもんだ」
電「.........もうなんかツッコむ気力も無いのです」
不知火「いつから後ろにいたんですか」
立川「お前らが母港を去った辺りからだな。声をかけようとしたのだがあまりにも気がつかないので放置していた。索敵能力大丈夫か」
白露「海じゃすぐ気がつくのにね、なんか陸の上だとね」
立川「待て、つまりそれは陸上だと身体能力が下がるのか?」
電(あ、また何だか始まっちゃたのです)
若葉「あ、あぁ。おそらくそう言う感じは出撃時にはあるな...」
立川「ふむ....。やはり艦艇だからか?そうすれば海の上で身体能力が向上するのも頷ける所がある...。しかし本当に艦艇だとすれば陸上では動けないのでは?いやしかし平たい船底と違い足がある...。だが海の上で身体能力が向上するなら陸上ではかなりの弱体化が見込まれるのでは?.....ダメだ。まだ不確定事項が大きすぎる。仮定条件が多すぎてとてもじゃないが胸を張って言えん」
そう言って再び自分の世界に没頭した提督をやや引き目に見る新参者三人衆。
他の3人は既に慣れたのかテキパキと部屋に布団を敷き始めた。出撃はもう終わった。後は風呂に入ってご飯を食べて寝るだけだ。
と、そんな普通の営みができないのがこの提督である。
立川「そういえばお前らと共に憲兵が来るはずだったが?」
若葉「ああ、憲兵か?それなら...」
?「久しぶりだな。この科学狂いが」
立川「...なんでお前が来てるんだよ。どちらかと言うと逮捕される側だろうが。似合ってねえぞ。囚人服にお着替えして来たらどうだ?」
?「残念ながらお前が狩られる側なんだな、覚悟しておいたほうがいいぞ?俺は軍令に厳しいからな」
ハハハハハ、と笑いながら近づく2人。同時に手を差し出し、手が交わった矢先。
提督が憲兵の顎を殴り上げた。
少し怯んだが憲兵は負けじと差し出した右手では無く左手に拳を固め、顔面目掛けて殴りかかる。
速さも、込められた力も憲兵の方が上。
だが。
立川「アホか。ぬるいな、テメエは何も進歩してねえな」
その左の拳を的確に抑えていた。
?「クソッタレが!」
抑えられた左拳を強引に振り抜き、安っぽい捨て台詞を吐き憲兵が退散する。
霞「何初対面から派手にやらかしてるのよ、このクズ!」
立川「違うアイツとは初対面では無い。軍学校で同級生だった川瀬 仁って言う奴だ。典型的な自分に甘くて相手に厳しい俗物だからあまり気にせんでいいぞ」
電「それよりもすごいものを見た気がするのです」
立川「あの殴り合いのことか?安心しろ、お前らが思っているほど貧弱では無い。やるなら何でもとことんやった方がいいだろ?と言うわけで昔だが体を鍛えた」
白露「つまり1番になると」
立川「そう言うことだが....ああ、お前1番にこだわっていたな....」
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川瀬「あの....あの男ォ!」
憲兵の寮に着き、その壁を殴りつける。
川瀬「やはりいい...。あれ程の男でなければ俺は満たされん...。あの男の手が俺の左手に....いい....とてもいい....」