【SLG風】Cinderella in Your City:あなたの街のシンデレラ 作:自称付き人
理事長「……という仕事を頼みたい。悪くない内容だと思うが、受けてくれるな?」
理事長室に呼ばれ、長々と話を聞くこと約30分強。
まだまだ新人であるはずの俺が呼び出された理由は、全然理解できないものだった。
「えーっと……? つまり、どういうことでしょうか?」
理事長「……ふむ、噂では優秀な人材と聞いていたんだが、間違いだっただろうか?」
はい、その噂は多分間違いです。
理事長「君を推薦したのは千川君だったが、彼女にもミスはあるということか」
おまえか元凶か千川。
相変わらずよくわからん人脈を作るのが異常にうまいな。
理事長「まぁいい。これは決定事項だ。裁量および予算はある程度なら自由にしてよいから、この美城町、そして美城学園のために頑張ってくれたまえ」
「あれ!? さっき『受けてくれるな?』って聞いてませんでしたっけ!?」
理事長「私は気が長いほうではなくてな。それに、即座に返事をできないほど悩んでいる部下がいたら、背中を教えてあげるのが良い上司だと思わないか?」
「えぇー……」
直接話すのはこれで2回目だったと思うけど、やっぱりこの人はやや強引だ。
まぁ、そんな器量がなければ若くしてこの町ぐるみのマンモス校の理事長なんてやってられないのかもしれないけど。
「すいません、せめて質問させてもらってもいいですか?」
理事長「ふむ、職務に前向きなことはよいことだ。何でも聞くがいい」
「給料、少しくらい上がるんですよね?」
理事長「特に質問はないようだな」
「わー! 嘘です嘘です! ちゃんと仕事上の質問もあります!」
理事長「先ほど気は長くないといっただろう……。その度胸は大いに認めるが、タイミングは考えたほうがいいな」
一瞬、目がすごい冷たくなったよ……あー怖かった。
「なんで学校がそんなことしなきゃならないのか、とか、なんで私が選ばれたのか、とか、聞きたいことはいろいろあるんですが」
理事長「その言い方だと、別のことを聞きたそうだな」
そりゃそうだ、もっと聞かなきゃいけないことがある。
とても大事で、今後の仕事に大いに影響のあることだ。
「やっぱりいまいちちゃんと理解できていないんで、もう一度説明いただいてもいいですか?」
直後、思いっきり引っぱたかれた。
えぇ、自分が悪いのは理解しています。はい。
理事長「君というやつは……まさかと思うが、私をからかっているのではないだろうね?」
「そんなまさか。理事長をからかうなんてそんなことできるわけないですよ。ただ、部屋に入るなり新しい仕事の説明されるとは思わなかったので」
それに受けるつもりもなかったのに。
「ただ、やらなきゃならないならちゃんと理解して納得したうえでやりたいので、もう一度説明をお願いしたいです」
いくら勝手に決められたこととはいっても、やらなきゃならないなら仕方ない。
腹をくくって、やれることをやろう。
理事長「……ふむ。なるほどな。たしかに千川君が推薦するだけのことはあるか」
独り言のように理事長が何か言っていたが、千川の名前が聞こえた。
くっそ、知らないうちに奴の株を上げてしまった。これはケジメをさせなければならない。
理事長「確かにいきなり説明した私にも非があった。叩いてしまったことは謝罪し、改めて説明をしよう。
「謝罪というなら給料を」
理事長「んー?」
「いえ、なんでもないです」
このお姉さん怖すぎるよ……
理事長「では改めて、君に重要な仕事を頼みたい。成果や期限はある程度こちらで設定するが、手段は原則君に任せる」
理事長「我が美城学園は、この美城市と一緒に成長してきた。そして今後とも美城市の成長を担う存在でありたいと思っている」
理事長「そこで私は、新たに専門部署を作り、市政や産業、住民と連携し美城市の発展させることにした」
理事長「早い話がこういくことだ」
理事長「君にこの美城市をプロデュースしてもらいたい。成果を期待している、プロデューサー」
こうして。
入社2年目の新人学校事務員は晴れて街を盛り上げるプロデューサーになることになりました。