【SLG風】Cinderella in Your City:あなたの街のシンデレラ   作:自称付き人

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①普段はどんなものが人気なんだ?(自動選択)


days2-3 まゆ・加蓮

P「そこの店員。ちょっと聞きたいことがあるんだが」

 

とりあえず声をかけてみる。どっちかに限定するとめんどくさいことになりそうなので、どっちとも取れるように言ってみた。

 

さっきまで(◉△◉)だったり(◉▽◉)してた顔が現実に戻ってくる。

 

加蓮「えぇ〜、私だって暇じゃないんだけど、呼ばれたなら仕方ないなぁ〜」

 

まゆ「まゆは店員ですから、質問されたら答えなきゃいけないですねぇ〜」

 

二人とも出てきた。何故かにやけてた。

 

加蓮「……」

 

まゆ「……」

 

最初の一歩でかち合った。急に険しい顔になった。

 

加蓮「このぉー!」

 

まゆ「なにおぉー!」

 

そして始まるキャットファイト。打ち合わせもせず、阿吽の呼吸で始まる一連の流れにはもはや熟練の技が垣間見えますね。

 

力入れてないのか、そもそも力がないのか、本当に全然痛そうじゃないし。

 

P「あの楽しそうな空間には入れないな。邪魔者は退散しよう」

 

加蓮「すたぁっぷ」

 

まゆ「うぇいうぇい」

 

止められた。なぜ英語風?

 

P「二人に質問、いいか?」

 

加蓮「北条加蓮 16歳。趣味はネイル、好きなものはポテト。まゆよりは身も心も大人だよ」

 

まゆ「佐久間まゆ 高校1年生です。仙台市出身のB型で、加蓮ちゃんより若くて素直ですよぉ」

 

P「誰が自己紹介せいと言ったか」

 

まゆ「質問って、私たちのことじゃないんですか?」

 

P「むしろなぜそうだと思ったのか知らんが、商品とかお店についてだよ」

 

加蓮「なんだー。最初からそう言ってくれればちゃんとお仕事したのに」

 

P「最初からそう言わなくてもお仕事してもらえませんかね……?」

 

二人「てへ♪」

 

確信犯かよ。つーかギャルっぽい北条さんだけじゃなく、ふわふわした佐久間さんも乗るんかい。

 

加蓮「お兄さん、どんなボケしてもうまく受けてくれるからつい。まゆまで乗るなんて珍しいけど」

 

まゆ「なんだか今日は加蓮ちゃんのペースに乗っかっちゃいますねぇ。気づいたらイタズラしたくなっちゃいます」

 

P「そういえばネコにはやけに好かれるな」

 

まゆ「ネコ?」

 

P「や、なんでもない。ってかそろそろ質問させてくれ」

 

加蓮「そう言えばそうだったね。んじゃそろそろまじめにお仕事しようかな」

 

まゆ「佐久間まゆ、ご奉仕モードですよぉ!」

 

なんか佐久間さんが気合入れ始めた。でもご奉仕はちょっと違うんじゃない?

 

P「まぁ急かすような内容じゃないんだけどな。このお店って普段どんなものが人気なんだ?」

 

まゆ「お兄さんもあのドレスを否定するんですか?」(◉△◉)

 

P「んなこと思ってないから! いちいち威嚇しないでくれ!」

 

たしかにすごいセンスだとは思ったが! 北条さんまで光を失うな!

 

P「そうじゃなくて……まぁこれ見せた方が早いか。俺はこんな仕事してるんだよ」

 

まゆ「美城学園 地域振興課……学園の職員さんだったんですか?」

 

加蓮「えー学園の人ー? 私たち何も悪いことしてないよー?」

 

P「俺このお店に拉致されたんだけどなぁ。俺は別に学生の風紀取り締まりとかするわけじゃない。学園の職員は間違ってないんだが……要するに、町おこし担当だ」

 

加蓮「なんで学園が町おこし担当してんの?」

 

P「なんでだろうな?」

 

まゆ「自分の仕事に信念を持たないなんて……いえ、そんなお兄さんも素敵ですよ?」

 

P「おい店員。なぜ煽るか」

 

まゆ「煽ってなんていませんよぉ。ただちょっと情けないなぁと思っただけで」

 

加蓮「皮肉じゃなくて直球だったね」

 

まゆ「だって、全肯定したらまるで私がチョロいみたいじゃないですか」

 

P「佐久間さんはかわいいなぁ」

 

まゆ「そんなぁ〜///」

 

加蓮「えぇ……?」

 

P「めっちゃチョロいじゃねぇか」

 

まゆ「はっ! 私を騙すなんて侮れませんねぇ!」

 

P「まぁこの町って元々美城学園ありきみたいなものだったしな。関係者も多いし、市との繋がりも大きいし。そんなに違和感はないだろ?」

 

加蓮「私もまゆも美城の学生だしね」

 

P「別に市に無断でやってるわけじゃなく、協力体制だからな。で、俺がその実務担当で、プロデュース考えてるってわけ」

 

まゆ「お兄さんはプロデューサーさんだったんですか」

 

加蓮「結構えらいの?」

 

P「さぁな。別に具体的な権限があるわけではないと思うし」

 

加蓮「なんだぁ。偉いならいっぱい買ってもらおうと思ったのに、あんまり期待できないかなぁ」

 

P「……でもま、経費の融通はだいぶ利くらしいけどな」

 

加蓮「プロデューサーさんかっこいい! 素敵! これ買って!」

 

まゆ「加蓮ちゃんは本当に欲望に忠実ですねぇ」

 

P「しかも絶妙に高いうえに、自分が好きそうなもの選びやがった」

 

加蓮「売上への貢献度が高いと言って!」

 

P「せめて客の前ではその態度隠そう?」

 

加蓮「私、使えるものは何でも使うタイプだから」

 

まゆ「そういいながら、ほんとに買ってもらったらすごい照れますよねぇ」

 

加蓮「そんなことないし。私魔性の女だし。男なんかとっかえひっかえだし」

 

P「節度のない女性はちょっとなぁ」

 

加蓮「ぅぅぅーーー!!」

 

なんかぽすぽす叩いてきた。全然痛くない。

 

まゆ「なれないことするからぁ……ほら、こっち来てください。いい子いい子」

 

加蓮「まゆぅ」

 

P「君らほんとに仲いいな」

 

まゆ「そんなこと」

 

加蓮「ないから」

 

P「そういうとこだよ」

 

頭なでなでされて涙目で否定されても。

 

P「で、どうだ? 別に営業妨害するつもりもないし、答えられる範囲で教えてくれると助かるよ」

 

まゆ「そうですねぇ……お店柄、人気なのはやっぱり赤っぽい色ですね」

 

そういうと、北条さんを撫でるのをいったんストップして、ピンク色の服を見せた。

 

まゆ「例えばこういう、ちょっと羽織るのは人気です。あまり季節に影響されませんし。いろいろなファッションに合わせやすいものなので、店員としても勧めやすいですねぇ」

 

加蓮「服じゃないけど、こういうのも人気かな」

 

気を取り直した北条さんが見せたのは、赤と黒のストライプマフラー。

 

加蓮「さすがに今の季節は手に取ってもらえることも少ないけど、こういうふわっとしたのはみんな好きだね」

 

P「ドレスが店頭にあったからそういうのが人気かと思ったが、意外と普段着で使えるものが選ばれるんだな」

 

まゆ「あのドレスはとても素敵ですが、さすがに街中で着るものではないですからねぇ」

 

加蓮「このお店、Masque:Radeっていうんだけどね? 『仮面舞踏会』って意味だから、やっぱり舞踏会みたいに華やかなイメージのものを選んでるんだ」

 

P「あのドレスは華やかっていうより豪華絢爛、って感じだけどな。お客さんが萎縮したりしないのか?」

 

加蓮「んー、少しはしちゃうかもね。実際、あのドレスみて、外でキャーキャー言うだけの子とか結構いるし」

 

P「まぁ、俺もそれに近いクチだったから何にも言えないんだけどな。それでもあれを置くのか?」

 

まゆ「あれは無くしません」

 

実際に無くすことはないだろうな、とは考えていたが、思ったより強い返事が返ってきた。

 

P「へぇ。それはなんでなんだ?」

 

まゆ「まゆの勝手な考えなんですが……なんというか、あれだけ見て帰っていくような子にはこのお店のものは身に着けてほしくないんです」

 

P「それは売上よりも大事なのか?」

 

加蓮「うん、大事」

 

佐久間さんだけじゃなく、北条さんからも答えが来た。

 

加蓮「ただ売れればいい、ってだけなら、もっとカラフルで、安くて適当なものでいいと思うんだ。で、たぶんそういうのが欲しい子もいっぱいいると思う」

 

まゆ「でも、ここにはそういう気持ちで作られたものは置いていない……少なくともそんな気持ちでは販売したくありません」

 

加蓮「あのドレス、すごく丁寧に作られてるんだ。あれを見て、いいな、こういうの着たいなって思ってくれる子にだけ買ってほしい」

 

まゆ「あれは非売品なので売れませんが、コンセプトは同じですから。きっとあれが好きで入ってくれるお客様は、きっと気に入ってくれると思ってるんですよ」

 

P「……すごいな。ちゃんと信念をもって販売しているのか」

 

ちょっと気軽に考えていた。あのドレスは単なるインパクトではなく、ちゃんとこのお店のシンボルなんだな。

 

まゆ「そんなに立派なものではないかもしれませんけどねぇ」

 

加蓮「そんな感じで、私たちにとってあのドレスはけっこう大切なものなの。文句言ったら承知しないんだから」

 

P「いまの話聞いて言えるほど面の皮は厚くないよ。気持ちがちゃんと伝わったしな」

 

まゆ「まゆは最初からプロデューサーさんならわかってくれると信じてましたよぉ!」

 

P「お、おう」

 

まゆ「……なんで引くんですかぁ」

 

加蓮「まゆ、急にテンション上げるとプロデューサーも引くから。ちょっと落ち着こう」

 

この子ら、前触れなくテンション上下するからやりづらいな。

 

P「『仮面舞踏会』か。最初は不思議な名前だと思ったけど、納得したよ。いい名前だと思う」

 

さっきの話を聞いて、このお店のコンセプトを理解した今なら、込められた気持ちの大きさが少しわかった気がした。

 

加蓮「急にどうしたの?」

 

P「いや、勝手な思い込みなのかもしれないけど、確かにこのお店には『仮面舞踏会』はピッタリだなってな」

 

まゆ「どういうことですかぁ?」

 

P「仮面舞踏会って、相手の顔が見えないだろ? わかるのは服装だけで、それで相手がどんな人なのかを推測しなくちゃいけない」

 

加蓮「そうだね。場合によっては仮装とかして、まったく身分もわからなくするみたいだし」

 

P「そんな誰かわからない状態なら、余計にその人の内面を考えるじゃないか。どんな顔か関係なく、本当にその人の行動や言動が否応なく目につく。それに、相手が見えないってことはつい無遠慮になりがちだ。何してもばれないからな」

 

対面だと穏やかなのに、電話越しだと急に強気な態度を取る人物が少なからず存在するように。

 

P「このお店は、自分がこういう人に買ってほしい、使ってほしいってイメージをちゃんと持っている。自分はこういうものを売っている、選んでくれる人に渡したいって」

 

まゆ「……」

 

P「外見だけじゃわかりづらいし、客を選んでるって言ったらそれまでだ。でも、それでも選んでくれる人に、自分の大切なものを渡す。おれは大切な心遣いだと思う」

 

加蓮「……」

 

P「そういうところが、なんか仮面つけて、運命の人を探す舞踏会のお嬢様っぽい気がして、な。……なんて、ちょっと偉そうだったか?」

 

まゆ「……」

 

加蓮「……」

 

P「あれ? ……おーい?」

 

なんか、急にうつむいて黙っちゃったんだが。なんかまずいこと言ったか?

 

とか思っていると、どっちもゆっくり顔を上げた。……ただ、様子がおかしいことには変わりないけど。

 

まゆ「プロデューサーさん」

 

P「は、はい? なんでしょう?」

 

加蓮「今の言葉、嘘じゃないよね?」

 

P「あ、ああ、もちろん。このお店はとても良い名前だと思う、ぞ?」

 

まゆ「そこまでこのお店のことを理解してくれるんですね」

 

加蓮「すごいね。これが運命ってやつなのかな」

 

P「何言ってるんだ?」

 

話題がついていけないぞ?

 

まゆ「ところで、プロデューサーさんは重い女性はお嫌いですか?」

 

P「は?」

 

加蓮「いいから答えて。大事なことだから」

 

P「重いってどういう……?」

 

まゆ「返事は『YES』か『はい』でしか聞いてないですよぉ」

 

P「それ事実上選択肢ないね?」

 

なに? 急に何なの? お店に連れ込まれた時と似たような感じになってるんだけど。

 

P「えーと、よくわからないんだが、肉体的な意味なら、体型で人を嫌いになったりはしないな。で、精神的なものなら、むしろ重いくらいのほうが好きだと思う」

 

加蓮「それ本当? 嘘言ってない? この場限りのごまかしとかじゃない? 適当なこと言って私たちのこと弄ぼうとしてない?」

 

P「質問の意図が分からないのに嘘言う必要もないだろ! どうせならちゃんと愛してくれる人のほうが好きだっての!」

 

もちろん限度は大事だが!

 

心の中でそう思ったが、なぜか言えなかった。

 

まゆ「うふ。そうですかぁ♪」

 

とかなんとか思ってたら、なんか急に雰囲気が変わった。

 

助かった? ……いや、そもそもそんな危機的状況ではないはずなんだが。

 

まゆ「加蓮ちゃん聞きました? プロデューサーさん、まゆたちのことちゃんと見てくれるって♪」

 

ん? 何言ってんだこの子。

 

加蓮「うん、聞いた。こんなに私たちのこと理解してくれるなんて、ちょっと夢みたいだよ」

 

おっと、佐久間さんだけじゃなく北条さんもなんか言ってるぞ。

 

まゆ「運命の出会いなんてありえないと思っていたんですけど。これは神様ってやつに謝らないといけませんねぇ」

 

加蓮「ホントだよ。まぁ、これは夢じゃないし、ちゃんと言ってくれたし。信じてもいいかな」

 

P「ちょっと待て? 何となく、何となくだが、何か大きな勘違いをしていないか?」

 

まゆ「勘違いなんてしていませんよぉ♪ うふ♪」

 

加蓮「そーそー。ちょっと運命見つけただけだから。気にしないでいいから。ね?」

 

P「何一つ気にしなくていい要素が見つからないんだが!?」

 

ホントに大丈夫だよな!?

 

P「えーと、今日はもう帰るな? 長い時間、相手してくれてありがとう」

 

まゆ「いえ、プロデューサーさんならいつでも、何時間でもいてくれてかまいませんよぉ?」

 

加蓮「うん。いつでも歓迎するよ。ていうか、毎日来てくれてもいいよ。……来てくれるよね?」

 

P「や、毎日は無理だろ……つーか北条さんも毎日はいないでしょ」

 

加蓮「そういえばそうだね。じゃあ、私が毎日会いに行けばいいのか」

 

まゆ「加蓮ちゃん。抜け駆けはダメですよ」

 

加蓮「なんのことかわからないなー」

 

P「……喧嘩はダメだぞー?」

 

さっきと猫の喧嘩とは温度が違う気がするけど。気のせいだよね?

 

P「あ、そうだ。ちょっとお願いがあるんだが、この二つを買いたいんだが、いいかな?」

 

帰る前に、危なく忘れるところだった買い物をする。さすがにこんだけ話聞いて何も買わずに帰るわけにはいかないし。

 

まゆ「……プレゼント包装は必要ですか?」

 

P「なんで怖い顔するんだよ……そうだな。それぞれお願いするよ」

 

加蓮「……誰に渡すの?」

 

P「君らも知ってる子だよ」

 

加蓮「……ふーん。そっか。言えないんだ」

 

P「えぇ……何言っても怒るの?」

 

加蓮「怒ってないよ? なんで怒らなきゃいけないの? そんなにめんどくさい子だと思ってるわけ?」

 

めんどくせぇじゃねぇか!

 

P「あーもー! ほら! これプレゼントだ!」

 

まゆ「ふぇ?」

 

加蓮「はぃ?」

 

佐久間さんから受け取った商品を、すぐに二人に渡した。

 

まゆ「え? え? あれ?」

 

加蓮「なんで? どゆこと?」

 

P「お近づきの印ってやつだ。というか。北条さんの方はさんざんなんか買えっていたろうが」

 

加蓮「そりゃ言ったけど! でも、でも」

 

おーおーワタワタしとる。やっと主導権とれたかな。

 

まゆ「まゆはそんなねだったりなんてしてないですよぉ!」

 

P「今までの流れでどっちかだけに挙げるなんてできないだろ、二人で接客してくれたんだし。それとも、迷惑だったか?」

 

まゆ「そんなことありません!」

 

必死にしがみついてる。中身くしゃくしゃにならなきゃいいけど。

 

P「さすがに毎日は無理だが、またここに来ることがあったら顔出すからさ。その時にまた相手をしてくれ」

 

加蓮「……約束、だからね。また来てくれなきゃ許さないから」

 

P「おう、善処する。今日はありがとうな」

 

まゆ「……プロデューサーさん。いつまでもお待ちしております」

 

お、重い。

 

そんなことを思いつつ、二人の美少女に見送られて今日のお仕事は終了した。




【Masque:Rade店員】佐久間まゆと出会いました。
【Masque:Rade店員】北条加蓮と出会いました。

佐久間まゆ:《親愛》+12 《センス》+5 《意思》+2
北条加蓮:《親愛》+12 《センス》+5 《意思》+2


《健康》30
《文化》35
《流行》35(+5)
《観光》30
《多様性》35
《利便》33(+3)
《人情》30
《活気》33(+3)

P
《体力》51
《運動》49
《学力》50
《知恵》51
《センス》52(+2)
《優しさ》51
《誠実》51(+1)
《意思》50
《社交性》51(+1)
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