【SLG風】Cinderella in Your City:あなたの街のシンデレラ 作:自称付き人
理事長室を出て。
学校内というには少し綺麗すぎる(とはいえこの学校しか知らないが)廊下を歩きながら、今後のことを考えてみた。
P「町おこしのプロデューサー、ねぇ。何をどうすれば良いのか、何がどうなれば良いのか、全然わかんねぇや」
決まったことをグダグダ文句言うのは性に合わないけど、実際先の見通しが見えないとどうしようもない。
元々この学校の職員になったのだって、そんな大きな理由があるわけではない......こともないが、「地域社会のために身を粉にして働きます!」ってわけでもないしね。
P「裁量や予算はあるったって、それは何がしたいか決まってこその話だもんなぁ。......どうしたもんかね?」
一人でブツブツ言いながら、目的地までたどり着く。
『地域振興課』
ドアに書かれた名前は、むしろ市役所にあった方が違和感のない名前だった。
P「俺はいつのまに公務員になったのだろう...さて、アシスタントさんとやらにご挨拶しますか」
理事長から大雑把な説明を聞いたあと、「詳しい業務内容、方針については、これから一緒に仕事をするアシスタントに任せることにしている。彼女は優秀なので、しっかり教えてもらうと良い」とこの部屋に向かうよう言われた。
すでにアシスタントさんは中にいるようで、部屋の整理か何かをしてくれているらしい。パタパタ......というよりガタガタ?と音が聞こえる。
「理事長、彼女って言ってたな。......とりあえず、まともな子だったら良いなぁ」
この街はなぜだか知らないが、可愛い子が異様に多いと言うことで有名だったりする。確かにそれは事実、ではあるのだが、同時になぜかえらく個性的な子(オブラートな表現)が多いので、住み慣れてる自分からすればとにかくまともな人であることが大事だ。
P「まぁ、鬼や悪魔じゃない限り大丈夫か。こんにちはー、今日からここでお世話に」
ちひろ「あ、ようやく来ましたね! ようこそプロデューサーさん!」
鬼や悪魔で済むと思った? 残念! 千川だよ!
P「お邪魔しました」
Pは逃げ出した!
ちひろ「ちょいちょいちょーい」
しかし回り込まれてしまった!
ちひろ「こんな美少女捕まえていきなり出てくなんて失礼じゃないですか?」
P「いやいやごめんな? 部屋を間違えてしまったみたいだ。もう二度と間違えないから離してくれない?」
ちひろ「何言ってるんですか。あなたの職場はここで合ってますよ」
P「ははは、何を言いだすんだ美城市役所の千川さん。あなたの職場は市役所のはず。なら学校事務の私の職場ではないだろう」
ちひろ「本日をもちまして、管財課の千川ちひろは美城市役所学園支局に異動になりました」
P「ならばやはり間違っています。ここは地域振興課ですよ」
ちひろ「ついでに、千川ちひろは地域振興課に異動しております」
P「......マ?」
ちひろ「マ」
P「Oh...」
まぢかよ......。
ちひろ「ほらほら、こんな可愛くて頭の良いアシスタントと一緒に仕事できて嬉しいですよね? もっと喜んでも良いんですよ?」
P「頭がいいのは認めるけど、だからこそぜんっぜん可愛くねぇわ。やっぱ今からでも断ろう。元の部署に戻ろう」
ちひろ「や、あなたの席もうここにありますから」
P「は!? さっき話聞いたばっかりだよ!?」
ちひろ「さっき正式に発表になったんだからそりゃそうでしょうねぇ」
P「いくら荷物少なくても、ちひろ一人で持ち運べる量じゃなくない!?」
ちひろ「元の部署の方に笑顔で話しかけたらみんな協力してくれました♪」
P「えぇ...」
これだから外面完璧超人は...勢い余って昔の呼び方しちゃったし。
ちひろ「というわけで、今日から一緒の場所でお仕事ですね! よろしくお願いします」
嬉しそうにニッコリと笑う千川。ほんと、この笑顔に何人もの人が騙されたんだろうなぁ。
部屋の中央の机に本当にあった自分のカバンや書類を確認して(わざわざ使いやすいように整頓されていた)、もう逃げ場も言い訳もないことを悟る。
P「ま、もうここまで来たらしょうがないか。改めてよろしく、千川」
こうして、俺の地域振興課生活がスタートした。
次はチュートリアルです。ゲーム的な要素が出てくる予定