【SLG風】Cinderella in Your City:あなたの街のシンデレラ 作:自称付き人
地域振興課を離れた後、いきなり当てもなく外出するのもちょっと非効率な気がして、今日は美城学園を散策することにする。
P「さて、とりあえず出てきたはいいものの......やっぱりでかいよなぁここ」
美城学園ーー市の名前をそのまま冠する、美城市の古くからのシンボル。
元々この地域の大地主だった美城氏が、「これからは学問の時代」と私財を投じて始めた『美城私設学校』を前身として設立し、以来約100年間存続している。
過去の大戦で開校当時の建物はあまり残っていないが、復興とともに規模拡大し、今では小学校から大学院まで一貫の教育を行なっている美城市を代表する場所だ。
街の住民の3人に1人くらいが美城学園のOBだったり関係者だったり、何かしら所縁を持っている。
P「ま、かくいう俺や千川もここの卒業生なんだけどね。さて、どうしようかな」
歩きながら、ぼんやりと学園の地図を頭の中に描いて行く。
敷地内には、主に授業や講義、研究に使う学習棟A〜K、教職員の事務所がある教務棟、体育館、アリーナ、運動部の部活棟、文化部の文化会館、コミュニティセンターなど様々なものが存在する。
そして......驚くべきことに、これらの建物は原則入場制限がない。
というのも、この学園はかなり自由な...というか、ちょっと大丈夫か心配になるような運営を行っている部分があり、敷地の区画が存在しない。要するに、小学校から大学生まで、同じキャンパスで活動しているのだ。
一応、移動教室などの都合である程度はまとまっているものの、場合によっては大学の講義の隣の部屋で中学生が授業を受けたり、小学生と高校生が同じ図書室で本を読んだりすることもある。
だから、どこに行ったらどんな人に会う、というのが想像できないのだ。
P「学生の頃は全然意識しなかったけど、職員となればやっぱり気になってくるよな」
キャンパスが同じであることは、生活の中心が被るということだ。
学力だけでなく、世代、体格も違う人たちが一緒に過ごすため、言ってしまえば不慮の事故だってごく稀に発生したりもする。不慮の事故といっても、大事に発展するようなことはないけれど。
今のところ重大な犯罪などは起きていないが、今後も起きないとは限らないんだ。
P「なーんて、個人的にはこの運営は間違っていないと思うけどね」
先ほどのような問題に対し、代々の理事長からはいつもこう答えている。
曰く、『児童、生徒、学生にとって、学び舎は街そのものだ。街には色々な人がいる。その中で事後が起きることもあれば、世代を超えて理解が生まれることもある。そのことを美城学園のみんなには理解し、尊重しあう心を身につけてほしい』とのこと。
事実、この学園にはいわゆるイジメというものがほとんど存在しない。
もちろん、全く問題が発生しないわけじゃない。子供たちが生活しているのだから、ちょっとした仲間はずれだったり、喧嘩みたいなトラブルはいくらでも起こる。
でも、開放的で横にも縦にも繋がりが広い校風のおかげで、そういういざこざは大抵すぐに解決される。
しかも解決をするのが教師や職員ではなく、上の学年の学生だったりする。誰かに強制されたわけでなく、「自分たちもしてもらったから」という代々受け継がれてるものだ。
他にも、体育祭や文化祭では学生が主導で行ってたりかなり理想的な学生自治になっている。
学生たちの性格もあるのだろうが、理事長の理念がうまく浸透しているんじゃないだろうか。
......とはいえ、数年前はすったもんだしたけどね。
P「さて。あてもなくぶらつくのも飽きた......そろそろどこか目的地を決めますか」
キーンコーンカーンコーン。
折良く、学園の中心にある時計台が本日の授業の終了を告げる。お勤めを終えた学生の子たちがそれぞれの目的地に向けて、教室から溢れ出してきた。
この学園ではキャンパスの境がないだけでなく、部活動や同好会も原則世代の制限はない。一応、運動部などは中学生や高校生用で別れてたりするが、一緒に練習したりすることも多いようだ。
大学生は受けられる講義はあるが、そのような理由から生活リズムを小中高の学生にあわせている子も多い。この辺りも美城学園の特徴の一つだろう。
P「さて、どこに行こうかな。面白そうな場所あったっけ?」
①学生会執行部に行ってみよう(美波)
②情報処理室って涼しそうだな(泉)
③いい匂いがする......(響子)
④そういえば、学務課に用事が(武内)
⑤なんだこれ、超常現象研究会?(裕子)
⑥へぇ、モータースポーツ部か(美世)
今回は説明が多く、アイドルも出ないから短めです。
ご了承くださいm(_ _)m