【SLG風】Cinderella in Your City:あなたの街のシンデレラ   作:自称付き人

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①学生会執行部に行ってみよう(美波) (自動選択)


days1-2 学生会執行部

学園の中心に位置する時計台は、歴史を感じる外観とは裏腹に、狭いながらも内部は非常に洗練されている。

 

VIPの応接室や何らかに優秀な成績を収めた者への表彰など、どちらかと言えば儀礼的な要素で使われるため、掃除も行き届いており、それなりに立派な調度品もある。

 

そんな時計台の最上階......言うなれば、この学園内で一番格式のある部屋の前にやってきた。

 

P「こんなとこ来るなんて思ってもみなかったけど、この仕事してく上では避けて通れんよな」

 

扉に書かれているのは、「学生会執行部室」。美城学園の学生会活動を取り仕切る人たちの活動場所。

 

部活動などに世代制限がないのと同様、学生会執行部にもそういう制限がない。むしろ学生会運営における縦の連携とスムーズにするため、必ず小中高大それぞれの世代から一人以上は参加することが多い。

 

人数制限もないため、学生会長がその気になれば極端な話をいえば学生全員を執行部に入れることは可能だが、実際には10人前後に収まることが多い。今年でいえば、確か8人くらいだったか。

 

そんな少数精鋭で大丈夫か?とも思ったことがあるが、学生会活動は執行部ではなくイベントごとに運営委員会が発足して企画・運営を行うため、特に問題はないらしい。

 

ただ、運営委員会が実務を行うにしても、発足までの手続き、監督、学園側との折衝など、当然に仕事は多い。また、そもそも美城学園自体がこの美城市を代表する場所であり、学園のイベントは住民にも開放されるものもあるため、市との関わりは強い。

 

『美城学園学生会執行部』という肩書きとの繋がりは、色々な場面で有利に働くのだ。

 

もちろんプロデューサーとしては自分の活動で街を発展させたいと思っているので、別に仕事を手伝ってもらおうとは思ってない。それでも、何かのタイミングで関わりができるかもしれないし、最悪対立することだけは避けたい。伝家の宝刀・ジャパニーズドゲザを繰り出さねばならなくなる。

 

というわけで、友好な関係を築くべく学生会を訪問することにした。

 

した、のだが......

 

P「受け入れてくれるといいんだけどな......実は千川が話通してくれるといいんだけど、流石に期待しすぎか」

 

実は一つ、問題があった。

 

学生会執行部は学生会長が選出し、副委員長、会計、庶務など任命する。今の執行部の面々は、当代会長が考えたメンバーというわけだが......その全員が女性なのだ。

 

理由はいろいろ言われているが、もちろん一番有力なのは「男が嫌いだから」。

 

会長本人がそれを公言したわけではないので確定してるわけではなく、じつはその理屈にはひとつだけ欠陥があるのだが、納得感にある理由が他にないため、それが原因だと思われている。

 

そんな『女性のみで構成された、美城学園の学生のトップ集団』。話題にならないわけがなく。

 

ついたあだ名がーーヴァルキュリア。

 

P「考えても仕方ないか。できるだけ穏便に済むことを祈ろう」

 

果たしてヴァルキュリアに受け入れてもらえるかどうか。

 

P「失礼しまーす。この度、地域振興課が新しく発足したため挨拶に来ましたー」

 

若干の緊張と不安、そして多大なヤケクソ感で開けた扉の先。

 

美波「あら、こんにちは! 学生会執行部にようこそ!」

 

神話の女神に恥じない麗しい女子学生が待っていた。

 

P「えっと、地域振興課で街のプロデュースをすることになり、今後いろいろ関わりがあるかもと思って挨拶に来たんですが......新田さん、だよね?」

 

美波「あ、そうなんですか!はい、 私が学生会長の新田美波です。街のプロデューサーさん、ってことですね? 今後ともよろしくお願いしますね?」

 

P「あ、うん、よろしくね」

 

差し出された右手に握手で応じる。なんの違和感もないやり取りで、男性が嫌い、あるいは苦手という印象は見られない。やっぱり噂は違ったみたいだ。

 

新田美波さん。現在、美城学園大学法学部の2年生。

 

容姿端麗頭脳明晰、運動神経バツグン、保有する資格多数。まさに完璧という言葉を体現したような第89代美城学園学生会長。

 

ちなみに......第88代学生会長も新田美波。さらにいえば、第87代、86代も新田美波。今年4期目。

 

つまり、彼女が高校生に上がって以降の学生会長は、ずっとこの子がだったということ。最初こそ推薦で会長選に名前が上がり、他の候補者とは僅差だったものの、2期以降はブッチギリ、4期については他に候補者もいないほど全学生がこの子の会長っぷりを認めているということだ。

 

俺だって2年前にはここの学生だったわけだから、面識や興味があったわけではないが新田さんのことを知らないわけがない。だからこそ、この子が男性嫌いだとは思えなかったのだ。

 

なぜなら、そんな長い任期の中で、ずっと女性だけだったかと言われたらそんなことはない。この子が学生会長になってからも、男性が所属していた期間がある。あくまで今年は0人、ということだ。

 

もちろん「もともと嫌いだったけど活動上仕方なく入れていた」ということも考えられるが、正直目の前の女神みたいなオーラを放つ彼女がそんな追い出すようなことするとは思えない。何か理由があった、という方が自然な気がした。

 

どんな理由があったかは知らないし、探る気もない。

 

P「今は新田さん一人? できれば他の執行部の子にも挨拶したいんだけど」

 

美波「えっと、副会長と庶務の子は春の学生総会に向けて、議事運営委員会の発足申請書を貰いに行ってます。他は今日はまだ来てないですね」

 

P「そっか、それはタイミング悪かったな」

 

美波「......偶然、ですよね?」

 

P「え、うん、そうだね」

 

美波「そっか、ならいいんです」

 

なんだ、今のやりとり? なんか変な感じだった。なんか勘ぐられてるような。

 

P「手ぶらもどうかと思ったから、お近づきの印にイチゴを持ってきたんだ。せっかくだからみんなで食べて」

 

美波「わぁ、ありがとうございます! これはありすちゃん喜びそう!」

 

P「あーいや、急いで準備したから目に付いたやつで、って感じで選んだんだ。あんまり気にしないで」

 

美波「いえ、イチゴはありがたいです! みんなで食べれるし、好きな子も多いので」

 

P「そりゃよかった」

 

さて、とりあえず悪い印象にはならなかったようだ。他の子に会えなかったのは残念だが、それはそのうち機会があれば、くらいで良しとしよう。彼女たちもいろいろ都合があるだろうし、長居する必要はない。

 

P「それじゃ、急に押しかけてごめんね。他の執行部の子たちにもよろしく伝えておいてくれるかな」

 

当たり障りのないことを言って、立ち去ろうとする。特に変なことをするつもりもないし、今日の仕事はこんなもんでいいかな。

 

P「じゃあ俺は帰るよ。またね、新田さん」

 

と、こんな感じで立ち去ろうとしたんだけど。

 

美波「あの、ちょっといいですか?」

 

新田さんに止められてしまった。

 

P「ん、何か地域振興課に用事あった? ごめんね、勝手に話切り上げちゃって」

 

美波「あ、いえ、そういうことではないんですけど」

 

P「え、じゃあ何か気に障ることしちゃった? あ、特に何か盗んだりはしてないよ。自慢じゃないけど人と話しながら泥棒できるほど器用じゃないからね」

 

美波「別にそういうこと気にしているわけではないですよ。普通に話してくださいましたし」

 

P「まぁ、そのつもりだったしね」

 

じゃあなんで呼び止められたの?

 

美波「えっと、今日ここにきたのは偶然なんですよね?」

 

P「......残念ながら、昔からタイミングとか空気を読むのは苦手なんだ」

 

美波「このイチゴ、ついさっき買ったものなんですよね?」

 

P「農学部が中等部の子達と作ったものらしい。購買部で売ってたよ、微笑ましいね」

 

美波「......職員の方とは何度も話したことありますけど、地域振興課なんてありましたっけ?」

 

P「配属する本人が今日知ったんだから、新田さんが知らなくて当然」

 

美波「それは災難でしたね。あ、お近づきついでに、地域振興課さんのお名刺、頂いてもいいですか?」

 

P「はいどうぞ。ちゃんと美城学園の印影付きの特注品だから、せいぜい隅々まで粗探ししてくれ」

 

美波「ありがとうございます♪ 気の済むまで改めさせていただきますね」

 

笑顔で名刺を受け取り、猛禽類のような鋭さで観察する新田さん。出て行こうとする直前までの和やかな雰囲気は消し飛ばされ、警戒心を隠そうともしていない。というか、わざと見せつけてくる。

 

威嚇されるのは慣れてるもので、そんなにビビることはない。それでも嫌なものは嫌だし、わざわざそんなものをぶつけてくる新田さんの態度にちょっと辟易する。

 

ただ、理由がわからない。やっぱりただの男性嫌いなら俺が出て行こうとするのを止める必要はないし、不愉快を止められないなら逆に出迎えることもないはずだ。それに、こちらの気づかないところで何か落ち度があったとして、さっきの茶番はなんだったのか?

 

原因がわからない上、出て行くこともできないので付き合うことしかない。なんなんだこの空間。帰って第三のビール飲みたい。

 

美波「この名刺、偽物じゃないみたいですね。ということは、本当に嘘はなかったんですね」

 

P「最初からそう言ってるな。何を疑ってるのかわからんけど、ここに来たのは仕事のため。タイミングは部屋を追い出されたから。イチゴは美味しそうなの置いてあったから。帰ろうとしたのは用が済んだから。何か問題でも」

 

美波「そうだったんですね......なんだ、神経質になってただけか」

 

新田さんの雰囲気が一気に弛緩していく。何か納得できたようで、トゲは感じられなくなって来た。

 

美波「すいません、急に失礼な態度を取ってしまって。せっかく来てくれたのに、勘違いしちゃいました」

 

肩をシュンとさせて頭を下げる新田さん。やっぱりさっきの刺々しい感じより、礼儀正しい方が素っぽいな。

 

まぁ関係ないけど。散々からかってやる。

 

P「勘違いであの態度かー。いきなり殺気立って睨んで来て、結局何の説明もなしかー。学生会長おっかねーなー」

 

美波「う、そ、そんなことないですよ! これでも器のでかい学生会長って言われてるんですから!」

 

P「......いや、器のでかい人はいきなりメンチ切ったりしないからね? あ、メンチってメンチカツじゃないよ?」

 

美波「メンチ切ったことなんて一度もありません! というか、そのメンチじゃないことくらいわかります!」

 

さっきのがメンチなかったらなんだよ。ガン飛ばしただけ、とか? なんも変わらんな。

 

P「あー怖かった。挨拶するだけで睨まれるとか執行部怖いわー。修羅だわー。世紀末ヴァルキュリア伝説だわー」

 

美波「なんですかそれ! わかりました! 何かお詫びしますから! もうやめてくださいって!」

 

P「よし交渉成立」

 

美波「な! ハメましたね!?」

 

P「んなことない。新田さんが勝手に言ってきただけだよ」

 

美波「人のことおちょくって......!」

 

P「なんとでもいうがいい。さーて何をお願いしよっかなー」

 

まぁ、もう決まってるけど。ちょっと質問したいだけだ。

 

美波「くっ...仕方がないですね。ほら、早く言ってください!」

 

P「そう急かさないでくれ。俺がお願いしたいのはーー」

 

① さっきの態度の理由を知りたい

② 学生会行事の内容を知りたい

③ この街の好きなところを知りたい

④ ドアからのぞいてる子のことを知りたい

 




今週末にリリースのため、更新が遅くなるかもしれません。
ちなみに美波の態度はどの選択肢でも理由がわかりますが、展開が変わります
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