年末はずっとバニーガール姿の舞衣を手に入れるためにガチャにかじりついてましたよ。まさか11連×6も必要とは……(ヽ゚д゚)
バニーガールの舞衣を無事にゲットしましたが、改めて思った。舞衣って本当に中学二年生か……? 身長や声色やらはともかく、性格や身体つきは完全に大人の女性なんですよね……エレンや智恵に次ぐ巨乳なのにも関わらず、まだ中学二年生って。これから成長する余地があるっていう。こんなの貧乳の姫和が可哀想だよ!!(←この後で斬られました)
復活後→まだ中学二年生の女の子にバニーガールの格好をさせるだなんて破廉恥なことですね(いいぞもっとやれ)。来年も刀使ノ巫女と舞衣への愛情を持ってやっていきます!
それからどうやって戻ったのかは覚えていない。柳瀬舞衣はそんな虚ろな気持ちで潜水艦内の共同部屋にある簡易ベッドに腰掛けていた。部屋に戻った自分の雰囲気から察した可奈美たちは何も言わずに舞衣からの言葉を待っている。
――私……どうすれば……
誰も答えるはずのない問いを自分にかける。
自分がいくら彼に懇願しても彼は聞き入れてくれない。無下にされているのではない。明良は舞衣の安全を優先しすぎるし、自分の安全を優先しなさすぎる。
――違うのに……そんなこと、私……言ってないのに……
「ねえ、舞衣ちゃん」
「……可奈美ちゃん」
見かねた可奈美が舞衣の肩に手を置いて優しく話し掛けてくる。
「大体のことは聞いたよ。明良さんが一人で御当主様のところに行くって」
「………うん」
頷く。今でも可奈美の言う状況が鮮明に浮かび上がり、胸に鋭い痛みが走る。
「私、明良くんを行かせちゃいけないってわかってたはずなのに、止められなかった。そのはず……なんだけど……」
「心配すんな、そんなこと」
薫がため息混じりに言う。
「明良なら何がなんでも舞衣は……下手すればオレたちが戦うのも止めようとするだろうしな。舞衣に一言二言注意されたからって折れるヤツじゃねーだろ」
「明良……意外と頑固、だから」
「ねーねっ!」
沙耶香も同調し、静かに頷く。ねねも薫の頭の上で力強く跳ねていた。続けてエレンが舞衣に問う。
「アキラリンは一人でと言っていたんデスよね? 正直、簡単に勝てるとは思えマセンが」
「ううん、明良くんは自分の命を差し出すって言ってた。きっと、タギツヒメと刺し違えようとしてるんだと思う」
ここで、今まで重く口を閉ざしていた姫和が割って入った。
「私と可奈美への罪滅ぼしにか?」
「……え?」
舞衣は唐突な質問に戸惑ってしまうが、姫和は間髪入れずに続ける。
「あいつが命を捨てる理由があるとすれば、舞草の里で別れる前に話していた自分の過去に関係することだ。そしてあいつは、自分のことを罪人だと言っていた。なら、答えは一つだ」
正解だ。明良が死を選ぶ理由は舞衣を騙していたことだけではない。藤原美奈都と柊篝、可奈美と姫和の母の死の原因の一つでもある自分への罪悪感。贖罪の思いがそこにはある。
「あいつは冷徹だが、義理堅くもある。素知らぬ顔でいるわけもないだろうしな」
「……多分、間違いないよ。でも、姫和ちゃんはまだ明良くんのせいだって思ってるってこと?」
「それよりもな、舞衣。先に一つ聞きたい。お前はどうしたいんだ?」
あまりにも漠然とした問いだったが、舞衣は瞼を閉じたまま数秒ほど熟慮を重ね、やがて目を見開く。舞衣は立ち上がり、胸に手を当てて真摯な瞳で皆に告げた。涙が溢れ落ちないよう、必死に目元を拭いながら。
「私は、この戦いに参加する理由が見つけられなかった。理由がないなら、戦わない方がいいんじゃないかとも思ってた。でも、気づいたの」
以前、姫和から受けた提案だ。可奈美と姫和にはタギツヒメと因縁があり、薫とエレンには舞草としての目的を遂げる理由がある。だが、舞衣と沙耶香は結果的に舞草と関わりを持っただけだ。タギツヒメと強く敵対する理由はない。迷いを抱えたまま戦うくらいならいっそのこと関わらなければいいと。
「私には全ての人を救う力はない。でも、目の前で大切な人が傷つくのには堪えられない。だったら、目に見える範囲の人たちくらいは何とか助けたい――助けられるって思ったから。だから私は……」
言葉が途切れる。舞衣は一度唇を引き結び、再び開く。
「明良くんを助けたい。今まではあの人に支えられて、助けられてばっかりだったけど。今度は私が明良くんをちゃんと助けて、明良くんだって助けられていいんだって気づかせてあげたい」
明良の罪悪感、自己否定、自殺願望。それら全ての原因は彼の過去の全ての経験の集積によるものだ。今となっては過去は変えられない。
「明良くんが荒魂の力を持ってて、昔は危ないことをやってて、そういう人なのは事実だよ。それはわかってる。けど……私には、それが明良くんを見捨てる理由にはならないから」
彼は荒魂に類する者で、自分は刀使。本来なら相容れない二人だ。だが、そんなことは関係ない。世間や大衆の作った倫理に逆らうことになるだろう。それならせめて、彼が自分を少しでも認められれば光明を見出だせるかもしれない。
「………そうか」
姫和は表情を崩すことなく簡素な返答をする。
「舞衣ちゃん、私も協力するよ。舞衣ちゃんも明良さんも、私の大切な人だもん」
「私の剣……それもよかったら、使ってほしい」
可奈美、沙耶香も同意する。一方、薫、エレン、ねねは……
「明良が荒魂の力が使えても関係ねーよ。あいつは絶対に穢れなんかじゃない。あいつを否定するってのはねねを否定してるのと同じようなもんだからな。それに、元より戦いから逃げるつもりもねーんだ」
「ねねーっ!!」
「ここで色々話し合うのも大事デスが、アキラリンが向かってる以上は悠長なことは言ってられマセンね。ワタシも行きマスよ」
「皆……」
迷うことなく承諾してくれた。そうなれば、自然と全員の視線は残りの一人に収束されていく。
「姫和ちゃん」
「……何だ、可奈美」
可奈美が姫和の元へと歩み寄り、真剣な表情で呼び掛ける。
「私は明良さんが悪い人だとは思えない。昔、良くないことをしたのはわかってるけど、あの人は舞衣ちゃんや私にとっても大切な人だから、許そうって思ってるよ」
「………」
「姫和ちゃんはどうなの?」
姫和は神妙な面持ちで舞衣の側へと歩み寄り、真っ直ぐと舞衣を見据える。
「いいか、舞衣。私はあいつを許すつもりはない」
「えっ……」
「姫和ちゃん……」
「姫和……」
「おいおい……」
「ヒヨヨン……何でデスか」
「ねー……」
舞衣の心に陰りが生まれた。心の中でどこか楽観的になっていたのだろうか。姫和もわかってくれると高を括っていたのか。
深く考えずとも、姫和にとって明良は母親の仇も同然の相手だ。納得するどころか、割りきることすら極めて難しいことだ。全員が同意してくれるなど、そんな都合の良いことが。
だが、姫和は神妙な顔から不意に柔らかく表情を変えた。
「あいつはお前を悲しませて、心配させたんだ。どうやってでも連れて帰って謝らせる。そうしないと、許す気は起きないな」
大真面目に、それでいて穏やかに姫和は言った。照れ隠しなのか何なのか、きっと彼女なりの決意の表現なのだろう。
「姫和ちゃん……それって」
「ああ、私も行く。私たち六人でな」
「……うん、ありがとう、皆!」
もう迷わない。
――私は大切な人を見捨てたりなんかしない。
たとえ彼が悪人で、自分がそれに与する者だとしても、もう構わない。彼と二人なら乗り越えられる。彼が死ぬことが正しいことだと言うのなら、もう正しさなんていらない。
――明良くんが助けてほしいと思ったら、それだけで私は何度だってあの人を支えて、助けたい。
一時の同情でも憐憫でもない。彼を本気で想っているからだ。彼が命を捨てて自分を助けてくれても、それは命を救っているだけだ。それでは、舞衣の心が死ぬ。決して本当の幸せではない。
舞衣はただ生きていたいわけではない。大切な友達と、大切な人と添い遂げたい。
――だって、私は明良くんが好きだから。
2019年もよろしくお願いします。みにとじが楽しみだー(^-^)v
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