ゴールデンタイム   作:みなたか

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金色ラブリッチェ -Golden Time-をクリアした記念
金恋GTのネタバレ含みますので注意してください。


もう一つのゴールデンタイム 1

2017年12月■日

 全部思い出した。

 でも違う、俺の知っている話と違う。

 

2017年12月24日

 シルヴィ主催のパーティーがあった。

 央路と理亜、といってもマリアの姿でダンスした。

 俺もシルヴィとダンスした。

 正直ダンスはダメダメでシルヴィにリードされっぱなしだった。

 ただ、シルヴィは央路とダンスをしたかったのではないかと思う、だってシルヴィ、央路のこと大好きだし、俺なんかでつり合いが取れたのだろうか。

 というか、央路あいつくっそモテるな。羨ましい。

 ただ、いつの間にか央路と理亜はパーティーから抜け出していた。

 シルヴィが言うに理亜が疲れたそうで先に、その付き添いで央路が。

 

2017年12月25日

 朝、シルヴィに誘われてノーブル学園の寮の央路の部屋に行ったら丁度、央路と理亜がキスしてた。皆が見てた前で。

 どうやら央路と理亜が付き合うそうだ。正直やっとか、とは思うが、おめでとう。

 幼馴染4人組だけで集まって俺とシルヴィで質問攻めしたりした。

 ただその時少し理亜の病気に触れて暗くなってしまった。だが、まあ最悪の場合は俺がなんとかする。

 シルヴィが一番喜んではいたが。正直、シルヴィのことを考えると少し胸が痛んだ。だってあいつ央路のこと大好きだろう。

 

 

 

 ○ ○ ○

 

 

 

 理亜の部屋を出た境也とシルヴィ。

 

 

 「…悪いこと言っちゃったな」

 

 

 肩を落とすシルヴィ。

 

 

 「あの二人にとっちゃ避けられない問題だ、それに二人も言ってただろ。「思い出させてくれてよかった」って」

 

 

 「でも…」

 

 

 「まあ」

 

 

 シルヴィが何か言いかける前に境也が遮る。

 

 

 「いざとなったら俺がなんとかする」

 

 

 「え…」

 

 

 「だから心配すんな」

 

 

 そう言うと境也はシルヴィの先を歩き始めた。

 

 

 その背中をシルヴィが迷子になった子供のような目で見ていたのに気付かないまま。

 

 

 

 ○ ○ ○

 

 

 

12月31日

 

 年末の大掃除も終わり、家でゴロゴロとしている境也。

 ふと、スマホから電話の着信音が響く。

 

 

 「んあ… 央路…? なんでこの年末に」

 

 

 そう言い境也は央路からの電話を取る。

 

 

 「おうどうしたんだよこんな大晦日に電話なんて」

 

 

 「シルヴィ、寮、超高級牛肉、すき焼き」

 

 

 「40秒で支度する」

 

 

 この境也、超高級牛肉のあたりで既に準備を始めていた。

 

 

 

 ○ ○ ○

 

 

 

 寮には境也と央路と理亜、シルヴィにエルさんしかいなかった。

 マリア姿の理亜に驚いたりした境也。

 

 

 「え、何そういうプレイ中なの?」

 

 

 「そうそう、理亜が俺を喜ばせてくれるために」

 

 

 「違うからな!! シルヴィの髪が少し焼けてしまって今修繕に出している途中だからこれしか無かっただけだからな!!」

 

 

 「で、感想は」

 

 

 「最初は良かったけどもう慣れてきた、というかマリアの姿で理亜と同じ行動を取るから俺の中のマリア像が音を立てて崩れ去ってしまった」

 

 

 「そうか… もう俺たちの愛したマリア・ビショップはいないんだな…」

 

 

 「ああ…」

 

 

 「ふーッ!! ふーッ!!」

 

 

 「そ、ソーマ君落ち着いて!! まるで威嚇中の猫みたいになっているわ!!」

 

 

 

 ○ ○ ○

 

 

 そんなこんだで5人で仲良くすき焼きをつつき。

 年が明けた時間。

 

 

 「あけまふぃへおめれとーごらいまふ」

 

 

 「はいあけおめ」

 

 

 「あけましておめでとう」

 

 

 「まふまふ……うへへへ」 

 

 

 良い子のシルヴィは眠気が限界だった。

 涎も垂れている。

 

 

 「シルヴィが限界だな、エルさん」

 

 

 央路がエルに呼びかける

 

 

 「分かっております。というかこんなお顔を人前に出すことから避けて欲しかったのですが…」

 

 

 「はい、ティッシュ。よだれ拭いてやって」

 

 

 理亜がエルにティッシュを渡す。

 

 

 「恐縮です」

 

 

 エルがシルヴィの涎をふき取り。

 

 

 「さあ、姫様行きますよ」

 

 

 エルがシルヴィを引っ張ろうとすると。

 

 

 「やぁ」

 

 

 シルヴィはエルに引っ張られまいと。

 隣に座っていた境也に。

 

 

 「ひしっ」

 

 

 意外!それは 抱き付くッ!!

 

 

 「What's?」

 

 

 境也もこれには変な声が出る。

 

 

 「坂巻殿?」

 

 

 「え、あ、いや、えっ、ちょっと待ってエルさんストップ!! 俺悪くない!! だからその腰に下げている剣を抜かないで!!」

 

 

 「…はっ!! 失礼しました、あまりにも姫様がとんでもない行動に出たので思考がストップしていました」

 

 

 「おーけー、じゃあその腰の剣の柄に置いている手を下そうか」

 

 

 「それとこれは別です、良いですか、坂巻殿、姫様に何かしたら即刻切り落としますからね」

 

 

 「何を!?」

 

 

 「うるしゃーい!!」

 

 

 シルヴィ、さらに境也に抱き付き押し倒す。

 

 

 「ヒァ…ッ!!」

 

 

 境也の喉から何かが干上がる声がする。

 

 

 「坂巻殿」

 

 

 「やめてエルさん人を見る目をしてない」

 

 

 「え、エルさんこれはシルヴィが寝ぼけているだけですから、ね」

 

 

 流石に見かねた央路が助け舟を出してくれた。

 央路の言葉に全力で首を振る境也。

 

 

 「失礼、取り乱しました。さ、行きますよシルヴィ様!!」

 

 

 「やー」

 

 

 シルヴィ、境也に更に抱き付く、エル、額に怒りマークが浮かび上がる。

 

 

 「し、シルヴィ」

 

 

 「やー」

 

 

 「駄目だ完全に寝ぼけてやがる」

 

 

 「もうサキが連れて行ってやれよ」

 

 

 理亜がそう提案する。

 

 

 「…仕方ありません、坂巻殿そのまま姫様をミナ様の部屋まで運んでもらっても良いですか?」

 

 

 「わ、分かりました」

 

 

 「あ、変なところ触ったら切り落としますので注意してください」

 

 

 「だから何処を!?」

 

 

 そう言いつつ境也はシルヴィを抱き上げ、央路の部屋を後にする。

 

 

 「んー」

 

 

 「お、もうすぐベットだから我慢しろよ」

 

 

 身じろぎしたシルヴィに境也は言う。

 

 

 「サキだー」

 

 

 「はいはい、サキですよ、ちょっと待ってねお姫様」

 

 

 「…ねー」

 

 

 「…ん?」

 

 

 「もうね」

 

 

 「あ?」

 

 

 「どこにも、いかないで」

 

 

 思わず立ち止まる境也、声は小さかったが「いかないで」という言葉だけは確かに境也の耳に届いた。

 

 

 そのままミナの部屋について、中々離れようとしないシルヴィをベットに無理やりおろし、部屋を後にする境也。

 

 

 「ごめんな」

 

 

 せめてもの償いのようにその言葉を閉まりつつある扉に呟いた。 

 

 





境也「俺ってどこで寝たらいいんだ…?」


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