きょうもへいわに、バンダナをしめる   作:ガンマン八号

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テスト終わった。
英語終わってた。

………今日はエアライドやるか!








おつとめかいし

○月✖️日

 

 

早朝6時に目を覚まし、素早く支度を済ませて俺はデデデ城へと向かった。

今日は俺にとって、初めてのお仕事だ。それも楽なものではない。

 

 

新人として入るならどれほど助かったことか。仕事内容や城内の様子、職場での人物関係についてじっくりと知ることができただろう。

 

 

しかし残念なことに、俺はすでに職場についている。しかも中々に良い地位についており、むしろ俺がみんなを引っ張る側に回らなければならないのだ。

 

 

緊張でお腹が痛くなってきた………。

お腹ないけどね。

 

 

気合いを入れ直すために、頭にトレードマークのバンダナをしっかりと巻きつける。

 

 

おおう、結構やる気が出てくるものだな。

バンダナ付けているキャラクターって、なんかカッコよく見えるのは俺だけだろうか。

 

 

バックに財布と家の鍵を入れ、武器の槍を抱え、出勤。デデデ城への行き方もやはり無意識のうちに道を選んで行くことができた。

 

 

朝の7時。無事にお城に到着。

 

 

おぉぉぉぉ!!アニメやゲーム、漫画で散々見てきていたがこれが本物のデデデ城か!!

ファンとしては飛び跳ねたいくらい嬉しいぞ!!

 

 

それに道中や城には数々のカービィキャラクターがこんなにいっぱいいる!

あぁ〜、しあわせ。

 

 

と、喜んでいるばかりではない。俺はデデデ城でいくつか確認しなければならないのだ。

 

 

それはデデデ大王の性格、側近、メタナイトとの関係などだ。

 

 

これらは原作がゲームか漫画かアニメかで大きく異なる。特にデデデ大王の性格は重要だ。

下手をしたら、自分が何をされるかわかったものではないからな。

 

 

それに原作が仮にゲームのものだとして、どのシリーズが原作なのか知る必要がある。

 

 

果たして一つのシリーズなのか、それとも全シリーズのストーリーが行われるのか。

もちろん、これら全てが当てはまらない可能性だってあるのだ。

 

 

いずれにせよ、俺の今後の生活に関わる大事なことだ。慎重に行動せねばならない。

 

 

城に到着すると、門番をしていたワドルディ二人に「おはようございます!ラスピ様!」と大きな声で挨拶された。

 

 

少し反応に遅れてしまい、「どうしましたか?」と不安な表情で見つめられたのですぐに「おはようございます。良い挨拶ですね」とできる上司として対応した。

 

 

ふぅー、危ない危ない。

 

 

しかし、この時点で俺は二つのことを知ることができた。

 

 

一つは、この世界ではワドルディを含めたほぼ全てのキャラクターが会話をできるということだ。アニメ版ワドルディは「わにゃわにゃ」としか言えなかったので会話が成立するのか少し焦ったが、そこのところは大丈夫そうだ。

 

 

もう一つは、どんなキャラクターも一人一人ちゃんと名前があることだ。

しかしこれは当たり前のことだろう。

 

 

ワドルディだけでも何千、何万といるのだ。「ワドルディ」だけでは誰を呼んでいるのかわかるわけがない。

そして、俺ことバンダナワドルディの名前は「ラスピ」だということだ。自分の名前を最初に知れたのは大きな成果だ。感謝するぞ、門番のワドルディ。

 

 

おぉ!城内に入るとワドルディだけでなく、キャピィやカブー!ワドルドゥ!ナックルジョーにグリゾーまでいるじゃないか!

 

 

そして出会う全てのキャラクターたちから挨拶される。みんなすごい笑顔でこちらもとても嬉しい気分だ。

 

 

しかしナックルジョー。出会い頭にストレートを打ってくるとは何事かな?

 

 

あまりの行動に驚いてしまい、つまずいて持っていた槍にたまたま拳が当たったから防げたものを。

 

 

急に襲うのは危ないからやめてね、と注意をしてみるが本人は「さすが隊長!私程度の襲撃などお見通しでしたか!」と興奮しておりまったく聞いてくれなかった。

 

 

というより、今俺のこと隊長って呼んだ?なに?このナックルジョー、俺の隊の隊員なのか?ワドルディの俺の下で働いてていいの?

 

 

俺がさりげなくその事を尋ねるとすごい形相で「なにを仰いますか!!このバギ、一生隊長についていくと誓っております!隊長のためなら火の中水の中。この身は常に隊長と共にあります!」と必死に訴えられた。

 

 

わかったわかった。お前の熱意は十分わかったから、少し離れようか。顔近すぎるよキスしちゃうぞ。

………キモいぞ俺。

 

 

その後ナックルジョー………いや、確か「バギ」と名乗っていたかな。ワドルディが隊員かと思っていたが、まさかナックルジョーまで従えているとは。

 

 

というか忠誠心高すぎるぞ。なにをどうやったらワドルディに忠誠を誓うナックルジョーが出来上がるんだ。

実力行使?いやいや、いくら中ボスとして登場できていたからってさすがに無理があるだろう。元々のスペックに違いがあり過ぎる。

 

 

とりあえず早く職場へ行かないと。バギくんにもう行くことを伝え、奥へと向かう。

 

 

後ろからバギくんが「隊長!いずれ自分もそこへ!」と叫んでいたので顔だけ向け、笑顔で「待ってるよ」と返事をする。

 

 

まだ仕事内容や隊員、仲間関係については把握できてないんだ。知り合いがいてくれないと困る。

 

 

バギくんから「はい!すぐに向かいます!!」と返事が来た。やはりナックルジョー、気合いの入れようが凄まじい。

それにすぐ来てくれるとのこと。ほっとひと安心だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の名はバギ。ラスピ隊長に忠誠を誓った者の一人だ。

 

 

一番の幸せはラスピ隊長と共にいられること。

将来の夢はラスピ隊長のような男になること。

 

 

私は隊長が城へ来る1時間前から門を入ってすぐの廊下で隠れて待機していた。

 

 

朝の7時。いつもの時間通りに隊長が入ってくる。門番の挨拶に笑顔で答え、さらには上司に挨拶をするという当たり前のことに褒めておられる。

 

 

なんと隊長はお優しい方なのだろうか。隊長に褒められ、門番のワドルディたちは嬉しそうだ。

 

 

うんうん、隊長からの褒め言葉はこの世の何よりも素晴らしい贈り物だからな。その嬉しい気持ち、よくわかるぞ!

 

 

と、隊長の声と笑顔に見惚れている場合ではない。今日は隊長に襲撃をしようとしているのだから。

 

 

別に隊長のことが嫌いなのではないし、不満があるのではない。

というか、あるわけがない!そのような不届きものはこの私が引導を渡してくれる!!

 

 

私は、隊長のような強い男になりたいのだ。

 

 

隊長は強い。この城において隊長の地位は幹部たちよりは下だ。しかし実力は幹部などでは太刀打ちできないだろう。大げさなどでは断じてない。

 

 

隊長のことを知らない者は、ただのワドルディと油断してかかる。かくいう私もその一人だった。

 

 

もともと私は町の荒くれ者だった。誰かに従い、命令されることをひどく嫌っていた。

 

 

私に喧嘩を売る者。私に注意や捕まえようとする者。みんな殴りつけ、追い返した。

 

 

そんな時、私に初めて勝負を挑んだのが隊長だった。

 

 

最初は自殺志願者か、ただのバカだと思っていた。

ワドルディなど、カツアゲやパシリに使える都合の良いザコとしか思っていなかったからだ。

 

 

一撃で沈めてやろうと殴りかかった。瞬間、腹への鋭い痛みを感じ、気がつけば私は地面に倒されていた。

 

 

一瞬で。

一撃で。

 

 

私は隊長に倒されたのだ。

 

 

悔しさより先に理解ができなかった。ただのザコとしか見てなかったワドルディに、こんなのがいるなんて思ってもみなかった。

 

 

これで私は捕まってしまうのか。そう思った。

 

 

しかし隊長は私を立ち上がらせると、心配そうな表情でお腹を撫で始めた。

 

 

「大丈夫?ごめんね、痛かったよね」

 

 

隊長が初めて私にかけた言葉だ。またしても私は理解できなかった。なぜ私の心配をするのだ、と。

 

 

私の言いたいことを察したかのように、隊長は悲しそうな表情でこう言った。

 

 

「どんな理由があっても、人を傷つけることは"悪"だから」

 

 

私は驚きを隠せなかった。これほどの実力があるのにその力を誇示せず、ましてや弱い者をいじめることなどしない。

ただただ、己のした『暴力(あく)』を後悔していたのだ。

 

 

私は隊長に聞いた。ならばあなたの"正義"とはなんなのか、と。

 

 

隊長は少し考えて、やがて笑顔でこう言った。

 

 

「悪を乗り越えられる人だと、ボクは思う」

 

 

全身に衝撃が走った。まるで雷にでも打たれたかのような気分だった。

 

 

なんて強く、そして勇敢な方なのだろうと。

 

 

その後私は己の本能に身を任せ、土下座をしてお願いした。あなたの下で働かせてほしいと。

 

 

ただのチンピラ風情がなにを言っているんだ。そう言われてもおかしくなかった。

しかし隊長は私に顔を上げてほしいと、慌てたように言った。顔を上げた私に、隊長は笑顔で手を差し伸べてくれた。

 

 

「もちろん!君の力を貸してよ!」

 

 

嬉しかった。

初めて人から必要とされた。

 

 

差し伸べられた手を握り、私はみっともなく大声で泣き叫んだ。隊長は私が泣き止むまで、ずっと側で寄り添ってくれた。

 

 

(あれからもう2年。今の私がどれだけ隊長に通用するのか)

 

 

隊長が城へと入っていく。私は自分の出せる全力で地面を蹴り上げ、後ろからまっすぐ隊長へと殴りかかった。

 

 

当たる。

そう思った瞬間、隊長の足運びが急に変化した。

当たる瞬間体を斜めに逸らし、私の拳の威力を槍から地面へと流したのだ。

 

 

(そんな!気配も消していたのに!)

 

 

隊長と出会ったあの日から、私は1日たりとも鍛錬をサボったことはない。毎日、己の限界を超えるため鍛え続けた。

しかし、結果はあの時と同じ。まったく太刀打ちできなかった。

 

 

隊長は私の方へと振り向くと、まるでイタズラをした子供を叱るかのような表情をしていた。

 

 

「急に襲うのは危ないから、やめてね」

 

 

その時、私は自分がいかに愚か者なのか思い知らされた。先ほど隊長は私の拳を防いだのではない。『受け流した』のだ。

ただ拳を防いだだけでは衝撃は私の拳へと返ってくる。当然、まともにくらえば拳を痛めてしまうだろう。

 

 

しかし、隊長はそれを良しとしないために受け流し、私が怪我をしないよう守ってくださったのだ。

私は、隊長を不意打ちしただけの卑怯者だというのに。

 

 

この人は、どれだけ優しいお方なのだ………!

 

 

「さすが隊長!私程度の襲撃などお見通しでしたか!」

 

 

私は興奮を抑えられずにいると、隊長はなにやら浮かない表情を浮かべる。

すぐにわかった。この表情は私たち隊員に申し訳ないと自分も責めている時の顔だ。

 

 

隊長はポツリと呟いた。

 

 

「本当に、ボクが隊長でいいの?」

 

 

そんな言葉、隊長の口から聞きたくなどなかった。

 

 

「なにを仰いますか!!このバギ、一生隊長についていくと誓っております!隊長のためなら火の中水の中。この身は常に隊長と共にあります!」

 

 

私は自分の胸の内を正直に伝えた。

あなた以外の隊長などあり得ない。私は隊長に忠誠を誓ったのだ。それは私だけではない、他の隊員たちもだ。

 

 

私がそういうと、隊長はすこしポカンとした顔をしていたが、すぐにいつもの素敵な笑顔に戻り、「ありがとう」と仰った。

 

 

ありがとうなどと、もったいないお言葉。むしろ礼を言うのは私の方です。

 

 

隊長に出会わなければ、私はただのチンピラでした。

隊長に戦わなければ、私は己の悪を知りませんでした。

 

隊長に手を差し伸べてもらわなければ………私は、誰からも必要とはされませんでした。

 

 

どれだけ言葉を尽くそうと、どれだけ感謝を述べようと、このご恩は語りつけられません。

 

 

隊長として、大王様へとご挨拶へと向かう。

 

 

その背中は知らない者がみればまん丸とした、可愛らしいただのワドルディでしょう。

 

 

しかし私には、あの背中がとても大きく、勇敢な誇りある男の背中に見える。

 

 

「隊長!私もいずれ自分もそこへ!」

 

 

感情が抑えられずに、つい叫んでしまった。あれだけの差を見せつけられたというのに、私はどれだけ身の程知らずなのでしょう。

 

隊長が足を止まる。顔をこちらに向け、あの時の笑顔を見せてくれた。

 

 

「待ってるよ」

 

 

そう、一言言うと今度こそ隊長は奥へと消えていった。

………あぁ、もう本当に。

あの人はどれだけ素晴らしいお方なのでしょうか。

 

 

隊長。私はまだまだ未熟者の若輩者です。

 

 

これからも、隊長に迷惑をかけてしまうでしょう。

隊長に守られてしまうでしょう。

 

 

ですが、必ず。

 

 

私は必ず隊長の隣に立てる立派な男になってみせます!

 

 

「はい!すぐに向かいます!!」

 

 

私はナックルジョーのバギ。今日も隊長のようになるべく、拳を振り続けます。




あれ?結局まだ働いてないし、主要キャラクターも出てないぞ?

名前に関したは全て、私のオリジナルです。


感想、アドバイスなどよろしくお願いします。

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