Vivid Outlaw   作:勇忌煉

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第16話「オリジナルと――」

 

「――“耐魔力繊維の特性”……?」

 

 

 

 さっきまでプロジェクトF、マリアージュ、ヴァリアントシステム&アームズ、フォーミュラと、危険性溢れる様々な単語と情報に目を通してきた。だからもう何が来ても驚かない自信があった。

 だが、この資料だけは訳が違う。隣でレヴェントンが不安そうな顔でアタシを見上げているが、それがどうでもよくなるほどヤバいことが書かれている。

 

「一枚の布に自分の魔力を染み込ませ、コアに当たる部分に貼り付けることで、対象に悟られることなく、対象を遠隔操作することができる。なお、魔力繊維だけでは生物を操作することはできない……」

 

 この内容が正しければ、街でアタシを襲ってきたロボットも、さっきやり合った屍兵器も、全て耐魔力繊維によって操作されていたことになる。黒幕一人の手によって。

 まぁ幸いと言うべきか、魔力繊維だけじゃ生物――人間を操作することはできないらしい。つまりアタシは大丈夫ということだ。……他の技術と組み合わせたら可能ということになるが。

 これだけであってほしいと思ってしまうも、そうは問屋が卸してくれない。魔力繊維のヤバイ特性はまだまだ書かれていた。

 

「対象に貼り付けられた繊維には爆破機能が備わり、使用者の任意で起動させることができる……」

 

 これか。さっきの屍兵器を死に追いやったのは。まさかとは思ったが、まんま自爆装置だったわけだ。

 長年自分で使っていたにも関わらず、今初めて知った耐魔力繊維の危険性。おそらく管理局の連中でさえ知らねぇ情報だ。でなきゃ今もなお裏で売られているわけがない。

 

「緒方さんっ!」

「あァ?」

 

 資料を読みながら次の部屋に入った瞬間、訓練室のような部屋の中央にさっき全滅させたはずの屍兵器が一体だけ、それもジャケットのような服を着て立っていた。

 さっきの奴らを量産型と仮定するなら……コイツは固有型か。それも指揮官ポジ、もしくは奴らのオリジナル的な存在だろう。

 読み終わった資料をポケットに入れ、女性の姿をした固有型と睨み合う。戦闘機人といい、コイツらといい、どうしてこの手の存在は女性型しかいないんだ? 男じゃ効率が悪いのか?

 

「“私”を倒してきたようですね。それもたくさん」

 

 予想してはいたが、やはり喋るか。しかも今度は物腰柔らかときた。表情も人間のそれと大差ないし、変なバイザーがなけりゃマジで人間にしか見えねぇぞ。

 

「まァな。んで、お前で本当に最後か?」

「個体数という意味ではそうなりますね」

 

 今の言い方からして、コイツが連中のオリジナルで間違いないな。黒幕は造り上げたコイツをベースに、さっきの量産型――クローンを量産したってことか。プロジェクトFの技術を利用して。

 だけど短時間であの数を量産した辺り、ただ利用したってわけじゃなさそうだな。明らかにプロジェクトFにはない技術を使っている。それが何なのかはわからんが……。

 

「先に言っておきますが、私は貴女達の邪魔しか致しませんので、お気を付けください」

「はァ……」

 

 こっから先に行きたけりゃ自分と戦え。そう言いたいらしい。

 

「下がってろ」

「お、押忍」

 

 とりあえず足手まといのレヴェントンを後ろに下がらせ、オリジナルと対峙する。

 ……雰囲気が違うな。何というか、さっきの奴らとは明らかに違う。こういう時こそ一筋縄でいってくれると良いんだが……。

 アタシの格好でも真似ているのか、構えもせずにこちらを睨みつけるオリジナル。やり易くなるよう、先手はアタシがもらってやろうかと思った瞬間、

 

「ほぉぉっ!」

「おっ!」

 

 いきなり全身がブレるほどのスピードで、アタシの背後に回ると奇声を上げつつ、大鎌に変形させた右腕で首元を狙ってきた。

 上半身を捻るように横へ反らすことでこれを回避し、そのままの勢いと体勢で顔面を左で蹴ろうとするも、さっき戦った個体と同じように、こちらの左脚を空いている左手で受け止めた。

 このままじゃまたきりもみ回転させられちまう。そうなる前に右足でがら空きの右頬を蹴りつけ、オリジナルがそれを屈んで回避するところを狙って一旦距離を取る。

 

 距離を取ったところで一気にその距離をゼロにし、振り被った左の拳を放つも、オリジナルは首を少しズラしてあっさりとかわし、右腕を鎌から……電気を纏う銃のようなものに変形させる。

 一体何なのか思わず首を傾げていたが、銃口であろう場所にエネルギーが集中し始め、

 

「発射」

「チィッ!?」

 

 魔力の混じったプラズマキャノンが撃ち出された。

 ここに来て未知の攻撃だったので、驚いて冷や汗を掻くも顔面擦れ擦れでかわすことに成功。エネルギー弾は下がっていたレヴェントンの隣に被弾した。……今の危ねぇな。

 

「えっ? ……うえぇ!?」

 

 自分に流れ弾がきた。それを少し遅れて認識し、ビビりまくるレヴェントン。安心しろ、それが普通の反応だ。人間的な意味で。

 

「ふむ、やはりエネルギーが溜まるまでに時間を要しますね。ならこれは無しでいきましょう」

 

 そう言うと右腕を元に戻し、今度は左腕を…………ドラゴンの頭? みたいな機械に変形させた。トラップに使われる設置型バサミの類だろうか?

 続いて戻した右腕をボウガンに変形させ、アタシの眉間目掛けて撃ってきた。多分コイツらのモチーフになったであろう“マリアージュ”ですら、これほど多くの武器は搭載していないだろう。

 幸いにも言うほどの速度ではなかったので、撃たれた矢を難なく右手でキャッチし、身体を横に――竜巻の如く回転させ、その勢いを利用して掴んだ矢を投げ返――

 

「ご飯ですよ」

『バウバウッ!!』

 

 ――した直後、本来ならオリジナルの胸部に刺さっていたはずであろう矢が、ドラゴンの頭となった右腕に、それはもう美味しそうにむしゃむしゃバリボリと食われていた。

 

 

 ……えっ? アレ生きてるの? ただの鋏じゃなかったの?

 

 

 アタシが呆然としている間にも、右腕のドラゴンは矢を食べ終えると、その口を大きく開いて火球を連続で撃ってきた。

 熱さには耐えられる自信があったので、放たれる火球を素手で弾いていき、噛まれないよう棒立ちとなっているオリジナルの、バイザーで隠れている両目に前蹴りを叩き込んだ。

 

「痛――っ!?」

『ガウアァァッ!!』

 

 ドラゴンの制御で他の動作に移れなかったのか、オリジナルは前蹴りをモロに食らい、バイザーが粉々になって綺麗な顔が露わになっても痛がり、左腕を元に戻しただけで動じる気配がない。

 それどころか右腕のドラゴンが、主であるオリジナルがやられたせいか怒り狂い、今度は間髪入れずに魔力砲を放ってきた。いやいや待て待て、この距離で砲撃は――!

 

「こなクソッ!」

 

 咄嗟に砲撃を左手で食い止め、右の掌底で弾き返す。螺旋の回転というオマケ付きで。

 貫通力が強化された砲撃はドラゴンの口の中に直撃し、そのままオリジナルの右腕を雷光の如く貫いた。

 

「……右腕がなくなりましたか。ですが――」

 

 砲撃によって右腕が丸ごと消滅するも、オリジナルは何のこれしきと言わんばかりに、

 

「――ほら、この通り。腕だけなら再生できます」

 

 魔力で右腕を再生させた。奴の言っていることが正しいとすれば、腕以外なら破壊できるということになる。これは良いことを聞いたぞ。

 オリジナルが再生させた腕の調子を確かめている今を狙い、豪快な右のラリアットを首元にブチかまし、コイツの身体を壁まで吹っ飛ばす。

 その見た目よりも強靭にできているっぽい身体は止まることなく、勢いが衰えることなく壁に激突し、全身が壁にめり込んだ。これなら多少は……。

 

「……おや、これは一本取られましたね」

 

 自分が吹っ飛ばされたことに今気づいたらしく、壁にめり込んだ左腕を力ずくで引っこ抜くオリジナル。さっきは痛がっていたのに、今のは痛くないのか? コイツの痛覚どうなってんだよ。

 オリジナルは体勢を整えると、アタシを観察しているのか全身を舐め回すようにジッと見つめる。嫌な視線だな。まるで内に秘めたもんを見透かされるような気分だ。

 

「データ取得。反映した後、実行に移します」

 

 アタシから何らかのデータが取れたらしく、オリジナルは再生させた右腕を何かの砲口に、左腕を鞭に変形させた。そして――

 

「ほぉあちゃ!」

「ぐっ!?」

 

 ――アタシの身体が左の鞭で拘束され、右の砲口から撃たれた()()()()()()を連続で撃ち込まれた。

 

「いって……」

 

 撃たれた鼻っ面に痛みだけが残る。魔力でもなければ、プラズマエネルギーでもない。しかも目には見えないと来た。

 

「ちょ、おま……!」

 

 撃たれるわ撃たれるわ。そのせいで思ったよりも硬い鞭から逃げられず、逆に見えない弾丸を避けることもできず。ひたすら撃たれ続けた。

 鼻っ面のときと同じように、撃たれ続けた全身には痛みだけが残る。外傷は全然ないし、エネルギーも全く……待てよ。

 

「……見えるかも」

 

 そうか、普通の人間には見えないんだ。アタシは見てなかっただけかもしれない。そう思い、今度は最初から砲口を凝視する。

 これで撃つのをやめたら徒労になっていたが、オリジナルのお気に入りなのか普通に撃ってきた。さっきとは違って()()()()()()()()()()

 

 

 

 なるほど――空気弾か。

 

 

 

「ふはっ」

 

 正体がわかれば何てことはない。すぐさま顔を右に反らして回避し、アタシの身体を拘束している鞭を力ずくで引きちぎる。

 目の良いアタシだからこそ見ることができるが、それ以外の人間の目に空気は見えない。アタシも咄嗟に目に頼ったせいで避けられなかった。咄嗟ではなく、最初から見ておけば良かったのだ。

 ここまでしてくれたんだ。お返しはしてやんねぇよな。目には目を、空気には空気を……と言いたいところだが、アタシに空気を利用した攻撃ができるかは怪しい。なので――

 

 

 

「□□□□□□□――ッ!!」

 

 

 

 ――雄叫びで返すことにした。以前テスタロッサにも使った、大音量の雄叫びを。

 

「――っ!?」

「うぅ……!?」

 

 何の耐性も持たないレヴェントンはもちろん、オリジナルも耳を塞いで苦しそうな顔になっている。

 雄叫びは振動波となってオリジナルを襲い、そのまま耳を塞いだ状態の奴を、さっきのラリアット以上の威力で壁まで吹っ飛ばした。

 

「かは――!」

 

 息を詰まらせ、その場で膝をつくオリジナル。気のせいか? 強いはずなのに、さっきの量産型ほどの脅威が感じられねぇ。

 悔しそうに地面を殴るオリジナルだったが、まだ諦めてはいなかったようで、静かに立ち上がると左腕を鞭からマジックハンドに、右腕をドリルに変形させた。

 

 

 ……マジックハンド?

 

 

「やってくれましたね。緒方サツキ!」

「おわっ!?」

 

 いきなり教えてもいない人の名前を呼んだかと思えば、左腕のマジックハンドを射出するように伸ばし、バックステップで距離を取ろうとしたアタシの左脚を掴んできた。

 そのままおもちゃのように振り回され、地面、壁、天井など、様々な場所に顔面からぶつけられ、伸びていた腕が縮み、右のドリルが届く範囲に到達。首を上手く掴まれ、動きを封じられてしまう。

 

「こん、ちくしょ……!」

 

 力ずくで引き剥がそうとするも、よほど上手く掴んだようで全然剥がれない。ならばと握力で握り潰そうとするも、相当硬くヒビすら入らない。

 ドリルという死への片道切符が、唸りを上げて迫ってくる。その先端は鼻っ面に向けられており、顔面に大きな穴を開けるつもりであることがわかる。

 何とかしねぇと顔面に風穴を開けられてあの世一直線だ。こうなったら……!

 

「ぐっ……オラァ……!」

 

 マジックハンドではなく、迫り来るドリルを両手で受け止める。こっちの方がまだ防げる。

 ドリルの回転による摩擦がアタシの両手を襲い、手のひらを焦がす。が、そんなことにはお構いなく、アタシは両手に力を入れてドリルを破壊する。

 次にマジックハンドの力が緩んだ一瞬をつき、オリジナルの左腕を握力でぐしゃぐしゃにした。どうせ再生するんだから大丈夫だろう。

 

「ケホッ……」

 

 ようやく首絞めから解放されたこともあり、空気がいつも以上に美味しく感じる。そもそも空気に味があるかはわからんが。

 

「ふぅ~、やってくれたなァ」

「っ!? バカな――」

 

 ここに来て、ようやく動揺を隠せないオリジナル。かく言うアタシも怒りを隠しきれていない。

 すかさずオリジナルの顔面にエルボーを叩き込み、一旦腕を引いて今度は顔面を拳で殴りつける。これにより顔をしかめ、よろめくオリジナル。アタシはその一瞬を見逃さない。

 

「待てこの……!」

 

 胸倉を掴んで引き寄せ、頭突きを何発もお見舞いする。それこそ、オリジナルの額からドバドバと血が出るくらいには。

 オリジナルは受けたダメージが大きかったこともあってか、全体的な動きが鈍くなった。

 これならイケる。そう思って左の拳を握り締め、それを本気でオリジナルの顔面にブチ込み、身体を吹っ飛ばすのではなく、確実にダメージを与えるべく思いっきり真下に叩きつけた。

 

「ご、は……っ」

「ハァ、ハァ……」

 

 黒幕の姿も拝めていないのに、珍しく息が上がる。それだけコイツに手こずったというわけか。

 アタシは上がった息を整え、オリジナルは血を吐くだけで動く気配がない。とりあえず、二度と動かないようにとどめは刺すか――

 

 

 

「――いやはや、良い喜劇を見させてもらったよ」

 

 

 

 どこからともなく、いや背後から聞こえてくる声と拍手。完全にアタシとオリジナルとの戦闘を見たうえで、それをバカにしているかのような拍手だな。

 驚くことなく後ろを向いてみると、オリジナルのジャケットと同じデザインの防護服を着た中年の渋い男が、右手に拳銃のような武器を持ちながら立っていた。

 証拠はないが、男が纏う不気味な雰囲気のおかげですぐにわかった。コイツが黒幕で、ロボットや屍兵器の製作者だと。

 

「……テメェがバネットか」

「あぁ。俺がバネット・フライヤーだ」

 

 わざわざ名乗らなくても良いのに、堂々とフルネームを名乗るフライヤー。ついに登場した黒幕だ。ここで一気に仕留める――

 

「まぁそうカッカするな。逸る気持ちはわかるけどよ」

「嘘つけコノヤロー」

 

 ――つもりで右腕を振り上げたところで、またしても口を挟んできた。

 

 こんな状況なのに、フライヤーはアタシを落ち着かせようとしている。ただでさえムカつくのに、両手でそれっぽいジェスチャーまでしてるのがさらにムカつくんだが……。

 というかコイツの持っている武器って……例の資料にあったヴァリアントアームズか? そこいらのデバイスとは明らかに違うぞ。

 アタシがその武器に視線を向けていると、こちらが何も言っていないのにフライヤーがご丁寧に教えてくれた。

 

「こいつが気になるか?」

「まァな」

「ふむ……まぁ良いだろう。こいつはヴァリアントアームズだ。とはいっても試作品だがな」

 

 試作品。つまりまだ完成はしていないということになる。……アタシを実験台にする気かコイツ。ナメられたもんだな。

 となると……フライヤーが着ている防護服もそれ関係か? バリアジャケットや騎士服とは違う感じがするし。

 

「じゃあフォーミュラってのもあるのか?」

「アレなぁ……魔法を使わねぇお前さんが相手じゃなけりゃ活用できるんだがなぁ……。まぁ、アレもまだ試作段階だから上手く使えるかはわからんが」

 

 アタシを恨めしそうに睨み付け、困ったような顔をするフライヤー。

 どうもコイツの発言を聞く限り、フォーミュラには魔法を無効化する要素が入っていそうだな。そもそも詳しい性能は資料を読んだきりで、それ以上はわからねぇが。

 やっぱりここで仕留めた方が良い。そう告げているアタシの勘を頼りに、拳圧を飛ばそうと左拳を引く。

 

「――っ!」

「甘いぜ嬢ちゃん」

 

 が、それを突き出すよりも先に、フライヤーの持つ例のヴァリアントアームズから射出されたであろう黒い魔力弾が、アタシの脇腹を掠めた。

 ……大丈夫、なんてことない。痛みはないし服に傷も入っていない。気を取り直して、下ろしてしまった左腕をもう一度――

 

 

「は……!?」

 

 

 ――振り上げた瞬間、アタシの着ているパーカーが黒く染まり始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、んだこれ……!」

 

 

 

「え……?」

 

 本人がお手製だと言っていたパーカーが漆黒に染まっていき、まるで全身を侵食されているかのように苦しみ出すサツキ。

 フーカは一体何が起こっているのかわからず、実力的に彼女の足手まといになり兼ねないので、ただその場で彼女を見つめていた。

 

「ハハハッ! 俺が残してやった資料を読まなかったのか!? そいつは使い方次第で生物にも機能するって書いてあっただろうが!」

 

 まんまとハマってくれた。そう思っているのか、銃を構えながらも腹を抱えて笑う黒幕――バネット・フライヤー。

 資料――耐魔力繊維の詳細が書かれた、サツキが最後に目を通した資料のことだろう。

 

「お前、緒方さんに何をしよったんじゃ……!」

 

 それでもフーカは、わかっていてもこう言わずにはいられなかった。

 その様子を見て満足したのか、バネットは愉快そうに口を歪める。

 

「何って言われてもなぁ――嬢ちゃんを遠隔操作できるようにした、としか言えねぇな」

 

 そう言ってバネットが突如展開した大きな画面に、魔力で黒く輝く丸い物体が映し出された。おそらくサツキを苦しめ、屍兵器達を遠隔操作していたコアだろう。

 

「尤も、ガラクタや屍の方には必要ないがな。こいつが必要なのは、兵器ではなく生物をコントロールする時だけだ」

 

 あの資料に書いてあることは本当だったのか。信じたくはなかったが、現にあのサツキが苦しんでいる。少なくとも嘘ではない。

 それでも原因が判明した以上、話は早い。画面に映し出されたコアの在り処を聞き出し、どうにかしてコアを破壊すればいいだけだ。

 だけどどうやって? 自分にできるのは魔力を拳に纏って、相手をぶん殴ることだけだ。それにバネットがそう簡単に口を割ってくれるか――

 

「考えている暇はなさそうだぜ?」

 

 フーカの思考を遮るように、胸元を隠すように苦しむサツキを指差すバネット。

 だが自分の気のせいか、サツキは先ほどから何か呟いているように見えるが……。

 

「テメェに…………される……ぐらいなら……!」

「ん?」

 

 両手をそのままに顔を上げ、バネットを嘲笑うかのようにニヤリとするサツキ。この反応は予想外だったのか、思わず眉を顰めるバネット。

 するとサツキの足下に赤紫色の正三角形を基調とし、内側に紋様が刻まれた巨大な陣――古代ベルカ式の魔法陣が展開され――

 

 

 

 

「■■■■■■■――ッ!!」

 

 

 

 

 ――()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 




 まぁ、よく考えたらこれくらいされても良いよね、主人公だし。
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