宮戸島の提督と仲間達のお気楽日記   作:SAMICO

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今回はみじかい


国防軍への道

艦娘国民会議は、7月に行われた参議院議員選挙で過半数を獲得した。

名実共に、艦娘国民会議が安定政権を樹立したのだ。

それと、大葉 忍が最大野党・民自党から出馬して当選を果たしていた。

 

三友優衣は法学者と共に毎日改憲案の検討を続けていた。

40歳の幹事長は多忙を極めていたのだ。

夫である龍太郎は、社長業を一旦セーブして育児に家事にと大忙しである。

 

それは、党首である髙菜湊子も一緒だった。

 

「最近、根を詰め過ぎではないか?」

 

夫婦の時間も削って法律の勉強をしている湊子を見咎めて直樹が問うも、首を横に振る。

 

「今が()()()なのです、頑張りませんと」

「……湊子」

 

直樹は、布団の中でも法律書を読み耽っている湊子の手から本を取り上げると、そのまま抱き寄せた。

 

「あっ」

「今は“夫婦の時間”だ。ちょっとは休んでも(バチ)は当たらんだろう?」

「直樹……」

 

夫婦の夜が更けて行った……

 

8月になって、漸く国民投票が行われた。

憲法九条を改正して、“国防軍設置”が明記されたのだ。

日本国防軍は、“深海棲艦や海の脅威から()()()()()()”として、国民投票で圧倒的多数の賛成を経て認められたのだ。

自衛隊から国防軍へとなった。

反対勢力のデモも相次いだが、大貫の告白で“目覚めた民衆”が投票に行った結果なのだ。

 

 

 

「これで、一部勢力(パヨク連中)から難癖(イチャモン)を付けられることも減るだろう」

「そうですね」

 

その頃、大本営では髙菜直哉中将と足立昭彦大将がそんな会話をしていた。

二人共、大本営の“新しい軍服”に身を包んでの執務である。

 

「まあ、大本営も()()()になりましたからね」

「うむ」

 

大本営は、「軍艦組」の海軍から別れた“独立した軍”として定義されたのだ。

それにより、大本営の人間は全員移籍となった。

笹野 愛は、“特例”として大佐の階級が与えられた。

 

「それで、私が40で中将になれたのも大貫 悟の|所為(せい)ですね」

「全くだ。まさか、私も大本営幕僚総監になるとは思わなかった」

 

足立は、肩を竦めると書類仕事を続ける。

直哉は同じく書類を眺めている。

 

大本営幕僚副総監も暇な仕事ではない。

視察に書類仕事にと大忙しである。

特に、“深海棲艦事案”や“海賊艦娘事案”が無くならない限りは必要とされる為である。

因みに、電は現在絶賛産休中である。

 

「足立さんは来年引退でしょう? 大貫…………いや、()()の“政治は(優衣)に、経済界は長兄(直樹)に、軍事は(直哉)に”と言う野望がいよいよ現実味を帯びて来た訳だ。いやあ、面倒臭(めんどくさ)い」

「先輩、そしたら副官は私がやりますからね」

 

副官デスクで仕事をしている七原秋奈少佐がからかい半分で声を掛けると、直哉は苦笑いを浮かべる。

 

軍のトップ(大本営幕僚総監)になったら、きちんと仕事をして貰わなければ。宮戸島での仕事振りは、常々電から耳にさせて貰っている」

「電め……」

 

お台場鎮守府の司令官代理を薄雲に押し付けて、悠々と家で産休中のなのです顔の妻の顔を思い浮かべながら、直哉は更に苦い顔になる。

 

「電め、ではない。私がいなくなったら、どう仕事をするつもりなのだ?いや……再任用で居座るのも悪く無いか」

「勘弁して下さいよ、足立さん」

「冗談だよ。君は“やるべき時は真面目にやる”事は分かっておる」

「先輩は“必要に迫られない”と本気を出しませんからね」

「全く、二人して……」

 

直哉が大きな溜息を態とらしく吐くと、足立親子はふふっと笑った。

 

 

 

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