デレマス短話集   作:緑茶P

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(・ω・)b


ギリギリえってぃくないSSS―せっくすすると出れない部屋(周子編)―

【あらすじ】

 

 朝起きたら周子と二人そんな部屋に閉じ込められていた(ばばーん)

 

 

―――― 

 

 

「なんだこれ?」

 

「“3日間我慢できれば鍵は開く”……だってさ、おにーさん」

 

 ネットや薄い本でお馴染みの展開。もはや小難しい理屈を抜いてヌキたい紳士諸君には見慣れたと言っても過言ではないこの部屋に気が付けば俺と周子だけが閉じ込められている事に頭痛を感じて頭を押さえてしまう。いくら清い身で最近は忙しくて抜いていなかったとはいえ見る夢が“コレ”で、しかも相手が妹分の“コイツ”だというのだからそうもなろうものだろう。やはり、我慢は良くない。欲求不満も溜まりすぎればこんな事になる。今度は定期的に抜こうと思いました比企谷はちまんまる

 

「……というか、こういうのってエッチするもんじゃないん、普通は?」

 

「俺が知るかそんなん。―――妹分がそんな知識ある事に俺は少し引いた」

 

「女の子に夢見すぎやな。んー、というか、ベットが一つにシャワー室がガラス張りってこと以外は凄い充実しとるやん。テレビにゲーム、豪華なキッチンにぎっちり詰まった冷蔵庫。……アメニティも完備とか下手なホテルより充実してるっていうね」

 

「まぁ、生き死にが掛かってるとそういう気分にもならないっていう配慮なんじゃねぇの?」

 

「ほーん、まぁ、それもそうか。―――所でおにーさん、多分だけど同じこと考えてない?」

 

「一応、応え合わせするか?」

 

 疲れて腰をフカフカのソファーに下ろしつつ物珍し気に部屋を見て回った周子と無駄話をしていると隣に腰を下ろした周子が予定調和の最終確認をしてくる。少なくとも、結構な時間をともに過ごしていると思考も似通って来るらしい。意地悪気に目を細めた周子が二やつくのを横目にせーの、で声を発した。

 

「「普通に三日間だらけられるとか最高」」

 

 異口同音に発した言葉に二人してゲラゲラ笑った。そりゃもう、ゲラゲラポーである。普通の男女や同人、アニメに漫画ならココでお互いを意識して甘酸っぱい喧嘩の一つもするのだろうが残念ながらお互いちょっとずれている上に相手がもはや身内同然のコイツではそうそうそういう雰囲気にもならない。風呂は後で張り紙かなんかで衝立する必要はあるだろうけども、まぁ、とりあえずは――――最優先で体が求める欲求を満たすため二人揃って布団に潜り込んだ。

 

「うわ、フカフカ。というか、おにーさんはレディに気を使ってソファーを使いなよー」

 

「うるせぇ、誰がレディだ。目覚まし掛けない熟睡なんて記憶にないくらいに久しいんだからベットは譲らん」

 

「えー、しゃーないなー。寝相悪かったら蹴りだすで?」

 

「お前に…言われたく、無いんだよなぁ………」

 

「ねるの、はや……子供かいな……」

 

 減らず口を叩き合っているウチにあっという間に意識は夢の中。というか、体中に染みこんだ疲労がベッドに横になった瞬間に溶けだしたように纏わりついて指先一本も動かしたくなくなる。それに文句を垂れる周子も似たようなもんで既に瞳は半分以上閉じたまま枕から起こせなくなっている。

 

 日々の激務に追われる社畜に日本を代表するトップアイドルの一人である彼女。当然のように寝る暇も碌な休日もなく走り抜けている人間をこんな環境にほおりこめばこうなるのは当然の帰結。―――結局、この後に二人揃って起きたのは制限時間が半分を過ぎた頃。文句なしに惰眠を貪り続けた。

 

 

―――― 

 

「おに―さん。ステーキ、刺身、野菜なんでもあるけど何がええ?」

 

「………いっそのこと全部行ってみるか」

 

「ふぅ~☆。 監禁されてるとは思えない豪勢な生活やーん」

 

 起きた後はひたすら飯を腹いっぱいに詰め込み、

 

―――― 

 

「お、このゲーム。昔、友達んちでやってて全クリ前に壊れてもうたんよ。一緒に全クリしようや」

 

「このピンクの球体って協力プレイできるのを今知ったわ」

 

「………ごめん」

 

「やめろ、深刻そうに謝られるのが一番キツイ」

 

 なんでも食べちゃう地球外生命体を全クリしたり、

 

 

―――― 

 

「そうそう、このシーンがかっこええねん」

 

「すっげ、これスタント無しなんだろ?」

 

「お、奏ちゃん程じゃないけど周子ちゃんも語らせるとうるさいよ~♪」

 

「んじゃいい」

 

「聞かんかい、ボケ」

 

 映画をみつつ駄弁って、

 

―――― 

 

「「…………」」

 

また、寝て。

 

 

―――― 

 

「あっという間に三日経ちましたとさ」

 

「色気もクソもあらへんかったねぇ……」

 

 カチリと音がした扉の前で駄弁りつつ、お互いに苦笑を漏らして顔を見合わせた。結局の所は周子の言う漫画のような展開もなくたまの休日を二人でだらけて過ごしただけという何とも気の抜ける結末となってしまった。警戒していた変なちゃちゃいれも結局は無いまま終わり、かたずけと掃除を終えた所でちょうどタイマーがゼロをさした。

 

「というか、正直もう数泊はしていきたい気分だな」

 

「同感。でも、ま、たまの休日ってのはこうやから気持ちがええのかもね。……あんま皆を心配させるのも悪いし、さ」

 

 名残惜し気に部屋を振り返る俺の袖をちょっとだけ照れ臭そうにそう呟く周子。なんだかんだとそういう人情関係を一番気にするその性分にもう一度だけ溜息を吐いて苦笑を漏らす。

 

「ま、どうせ休むなら気兼ねなく自由の身になってからの方がいいか」

 

「そん時はウチも今回みたいに付き合ってあげるよ」

 

「働け、トップアイドル」

 

「夢みんな、専業主夫志望(笑)」

 

 軽口と微笑みを交わしながら二人で勢いよくその扉を開け――――

 

 

 

『3日以内にせっくすをしないと出れない部屋』

 

 

 

 そんなふざけた看板が  俺たちの行く手に立ちふさがった。

 

 

 

 

 




_(:3」∠)_俺もこんな部屋に閉じ込められてぇ……共感した君は評価をぽちっとな(笑)

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