デレマス短話集   作:緑茶P

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( *´艸`)雪が止んできてようやく生活にゆとりが出来てきたのでリハビリSS投下(笑)

(・ω・)今回は新天地編の日常回!! 可愛く、生意気で、問題だらけのウチのノクチルとの平凡な日々を感じて頂ければ幸いです(笑)

(´ω`*)こっちの導入編から読むとさらに楽しめます(ステマ→https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=13600322


(*''ω''*)さあ、いつもの様になんでも許せる広い心でお進みくださいませ~♪


『激写! ノクチルの秘蔵オフショット!!』

 

「「「「オフショット企画?」」」」

 

 麗らかな日差しの差し込む午後の283事務所。そこにレッスン終わりに呼び止めた人気グループ“ノクチル”の面々が俺の渡した企画書の表紙を見た瞬間に全く同じタイミングで首を傾げた。

 幼馴染4人組という謳い文句に恥じない息の合いっぷりではあるが、その後の反応が全く別々のモノだというのが面白い。

 

「……ふんっ、花も恥じらう女子高生の私生活を覗き見たいとは痴漢も真っ青な変態嗜好ですね“ミスター・出歯亀”」

 

「とりあえず、俺の知る“花も恥じらう女子高生”ってのは社会の窓を全開で人前になんて現れないんだよなぁ……」

 

「っ!! 古い話をいつまでも!!」

 

 真っ先にいつもの様に目を細めてゴミを見るかのような視線で暴言を投げかけてくるのは赤みがかった髪に泣き黒子が特徴的な“樋口 円香”という少女。だが、こんなツンケン出来る女オーラを醸し出してはいるが俺の初面談時にズボンのチャック全開という大失態を犯した間抜け枠でもある。

 以来、噛みつかれるたびにこうして晒し上げられているのに懲りないので最近はドMなんじゃないかと疑い始めている。

 

「やは~円香先輩も懲りないねぇ~。というか、ハチちゃんこれって自分で撮るの~?」

 

「ぴゃっ、う、上手くとれるかなぁ…?でも、オフの格好をカメラマンさんにとられるのも……恥ずかしいし………」

 

「ふふっ、樋口のパンツはいつもエロイのだから大丈夫」

 

「浅倉っ!!」

 

 いつもの茶番が終わったと同時にわちゃわちゃと騒ぎ始める馬鹿犬4人衆を尻目にコーヒーを啜りつつこの企画を前に参加したアイドル達が掲載された週刊誌のサンプルを何枚か取り出してざっくりと概要を説明する。

 

「まあ、基本的のアイドル活動中を数枚。その裏面に自分で撮ったオフショットを数枚乗せるそうだ。人気週刊誌の企画だからコストの割には広告効果が高いからいい感じに頑張ってくれ」

 

「「「はーい」」」

 

「……」

 

 素直な(お返事×3)+仏頂面での返答になんだかそこはかとない不安を感じつつ俺は淡々と企画元から届いた諸注意事項だけを簡単に説明していく。

 

 ………まあ、提出前に検閲入れるから大丈夫だろ。多分、きっと、めいびー。

 

 

 

―――――――――――――

 

 

 

「という訳で、写真を撮ってきて貰った訳なんですが……まずは、雛と小糸」

 

「はーい、我ながら可愛くとれた~!!」

 

「ぴゃいっ、お母さんと、が、頑張りました!!」

 

 自身満々に胸を張る雛とソレにあやかるように少しだけ自慢げに鼻を鳴らしてドヤ顔をする小糸。その光景になんだか室内犬が褒めて欲しそうにしている風景が思い浮かんでしまいついつい苦笑が零れてしまう。

 そんな中で渡された封筒に印刷されたであろう写真を確認してみれば、雛菜はアイドル活動中の華やかな衣装でライブに臨んでいるものと対比するように、休日の私服姿で公園らしきところで日向ぼっこや散歩ではしゃいでる様子が数枚収められていた。

 

 全力でライブする真剣な顔と休日のリラックスの落差が実に企画内容に沿っていて良く仕上がっているといえるだろう。

 

 小さく安堵の息を漏らしつつ次の小糸の封筒に手を伸ばせば緊張気味にソレを眺める彼女。だが、その緊張とは裏腹に内容は雛と変わらないライブの写真。そして、自宅でいつもよりも幼い雰囲気で学習机で頭を悩ます姿と、休憩なのかちょっとだらしなくソファに倒れ込んでいる姿。どちらも自分で撮ったというよりは母親が隙をついて無防備になった瞬間を抜き出してくれたのだろうが、コレもいい意味で無防備な姿を出せていていい出来だといえる。

 

「………ん、お疲れさん。どっちもいい出来だし大丈夫だろ。このまま使わせて貰うわ。―――問題は、おまえらだ」

 

「ふふっ、期待の眼差しが重いや」

 

「なんですかその目は。私たちの日頃の行いに文句がありそうな眼をして……とんだ言いがかりですね“ミスター・冤罪”」

 

 ジロリと意図した訳でもないけれど半目になる視線を向ければ馬鹿犬4人衆ボケ担当の“浅倉 透”とマヌケ担当の“樋口 円香”が何故かさっきの二人とは別の意味で自信満々といった風情で腕を組んでこちらを見ている。……なぜそんな眼をむけられるのか日頃の行いを鑑みて頂きたい。

 

 この二人、凛々しい見た目と聡明なイメージから世間ではツッコミ役や押さえだと思われている節があるが実際は誰よりも悪乗り・おふざけに突っ走る問題児なのである。そして、この二人が無駄に張り切っている時は大体が碌なことが無いのだ。

 

 既に嫌な予感が立ち込める中で恐る恐る俺はまずは浅倉の封筒から手に取り、その封を切る。中から出てきたのはステージでその顔面偏差値を存分に生かしてカリスマを発揮する写真が数枚と――――“現代の秘境『タマゾン』に潜む伝説の生物ヌッシーに迫る!!”となぜか迫力満点のテロップが加工され、その下のは某河川敷でガッチガチの探検家装備に身を包んだ浅倉が探検隊の旗をもって仁王立ちしていた。

 

 持った時点で違和感は合ったのだが、前の二人とはだいぶ厚みが違いかなりの枚数でその冒険譚は記録されていた。河をボートで渡る写真に、鉈でススキを切り開く姿。その他には焚火を起こして飯盒を焚いたり野営地を作ったりともう色々ツッコミどころしかない。

 

どこの世界に休日にタマゾンで未確認生物を探すアイドルがいるのか?

 

 そして、地味に腹が立つのが全ての写真にテロップが書かれていて地味に興味をそそる完成度を誇る芸の細かさ。いや、お前はこれを頑張るくらいならもっと学校の宿題をしっかり提出しろ。

 

「ふふっ、3徹して頑張った」

 

「使えるか、こんなん」

 

「――――えっ!!!」

 

 鼻息も荒く自慢げに胸を張る彼女にバッサリ没を伝えると彼女は信じられないかとでもいうように崩れ落ちヨヨヨとわざとらしいウソ泣きを開始する―――やかましいわ。

 

「人の努力を上から目線で否定する……ほんと、傲慢な大人」

 

「プロデューサーと頑張って探検したのに……」

 

「試験問題の意図と注意事項をガン無視で回答欄を落書きで埋められてたら落ちるでしょ、普通に」

 

 これは傲慢じゃなくて妥当な判断っていうんだ、ばかやろう。―――というか、あの人もたまの休日に何やってんの??

 

「………お前のは、大丈夫なんだろうな」

 

「誰にモノを言ってるんですか? 私に落ち度なんてあった試し、ないでしょう?」

 

 もうあまりに見下し過ぎて仰け反っちゃてるんだけど…。というか、俺と会ってからお前には落ち度しかないのにどっからその自信はわきでるのん?

 

 そんな溢れそうになる言葉を何とか飲み込んで俺は彼女が差し出した封筒を開けて中身を確認する。最初に目に入ったのは普段から世間で騒がれるクールな雰囲気で観客を魅了するステージの写真。クールな癖にたまに浅倉との掛け合いでボケを返すので小規模なコントの様なやり取りから憎めなさを出している人気アイドル“樋口 円香”の顔である。

 

 そして、その二枚目に現れたのは――――真っ黒なスーツに厳ついサングラス。

 

 豪奢なソファにどっかりと腰を下ろして足を組む“樋口”の両脇には黒く際どいドレスを着た凜世と霧子を侍らして太々しく肩を抱いている。その上、後ろからはその首元に腕を絡めるように夏葉が抱き着いている写真が待ち受けていた。

 

――――どう見てもマフィアのゴットファザーです、どうもありがとうございました。

 

 その他にも有名映画のパロディであろうダンディだったり、ワイルドだったりと悪ふざけ満載の写真が続々と続く。個人的にはランボーのあたりで吹き出しそうになった。

 

 まあ、著作権とかね? 企画への理解とかね? 色々と言いたいことはあるんだけどまず俺が彼女に最も伝えたいことをシンプルに伝えよう。きっと、そうするべきなんだと俺は深く息を吸い込んで――――

 

 

「ばっっっかじゃねえの?」

 

「今のは聞き捨てなりません! この完成度の何処に落ち度があるっていうんですか!!」

 

「落ち度だらけだわ!! どこの世界に事務所の他グループのアイドル侍らしてマフィアごっこの写真撮る馬鹿がいるんだ!! 他所の子に迷惑かけるんじゃありません!!」

 

「みんなノリノリで協力してくれました!!!」

 

「そう言う話じゃねえんだよばーか!! さっさと取り直して来い、この馬鹿犬コンビ!!」

 

「えっ、樋口のはともかく……私のも? ふふっ、うける」

 

「まったく、うけねぇし……どうして、コレが通ると思っちゃたの?」

 

「“とおる”だけに?」

 

「ぶっ飛ばすぞ?―――というか、プロデューサーも呼べ。まとめて説教だ」

 

「ぴゃっ、け、喧嘩はイケません!!」

 

「やは~、みんな仲いいね~♪」

 

 喧々諤々と新興事務所の会議室は今日も暴れ踊り、議論は進まず馬鹿共の喧騒だけが響いたそうな。そんな、阿保らしい日常が最近の俺のスタンダードになりつつあることに俺“比企谷 八幡”は今日も小さく嘆息を零したのであった、とさ。

 

 

 

 ちなみに、この写真は通りかかった社長が面白がってGOサインを出してしまったせいでまんま世間に曝され―――良くも悪くも反響と人気を齎したとか、もたらさなかったとか。

 

 

 終わりん♪

 

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