今回の奴の前に読むと倍楽しめる前話→https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=14348539#3
(/・ω・)/そして、いつも誤字してくれるありがたいお方々本当に助かります!!
ありがとうございます!!
「師匠―――このわたくしめにどうか一片でもそのクライミング技術を伝授して頂けないでしょうか?」
「………バカじゃないの?」
深く深く頭を下げ、それでも視線は熱く揺らめく魂を乗せて真っ直ぐに見つめてくる少女の名前は“棟方 愛海“といふモノなりけり。
そのあまりの真摯な姿を見ればどんな気難しい巨匠でも“まぁ、テストくらいはしてやるか”なんて甘っちょろい事を考えてしまうのだろう。だが、俺は知っている。
この馬鹿がいう所の“クライミング”や“登山”とは――――女性にたわわに実ったおっぱいを揉みしだくという意味だという事を。
もう一回いう。
馬鹿じゃねぇの?
世界中の登山家に謝れ、おっぱいキチめ。
そんな彼女の懇願を何事も無かったかのようにスルーして俺はデスクへ山済みになっている書類の処理に戻ったのである。
「し、師匠っ! そんな冷たい事言わずに何とかお願いします!! 自分、師匠のテクニックを少しでも知りたいんです!! ね~、お・ね・が・い~~~!!」
「えーい、引っ付くな鬱陶しい! 大体、俺がいつ胸を揉みしだいたっていうんだ!! そんな貴重な機会があれば大切に脳内保管しているわい!! 返答によっちゃ出るとこ出て貰うからな!!」
首っ玉に抱き着き耳元でがなって仕事の妨害をしてくる彼女を必死に引きはがしながら怒鳴れば急にスンと大人しく冷たい目でこちらを睨んでくる。
「―――佐藤さんのおっぱいを3揉みで昇天させたって噂になってますよ」
「…………当局はその事実を把握しておりません」
「否定はしないんですね?」
「あ、出先で貰ったお菓子あるけど食う?」
「話の誤魔化し方が雑っ!!」
そういえば揉んだわ。すっかり忘れてたけど、あの酒の席で佐藤が“借りの返済”という事で童貞殺害セーターの上から3回だけ揉んでいいというので真理探究の為にクライミングを楽しんだのを今思い出した。やっべ、出るとこに連れてかれるのは俺の方でしたか(テヘペロ。
「というか、童貞の3揉みで崩れ落ちたアイツのおっぱいが雑魚すぎだったんじゃない? 八幡、別に悪く無くない??」
「うわぁ、最低だなこの人……。まあ、いいです。どうか私にもその神の3手をご教授お願い致します。この通り!!」
「こんなパイキチに最低呼ばわりされて言い返せない日が来るとは……というか、仮にもアイドルの発する願い事では無いんだよなぁ」
「ちなみに、聞き入れてもらえない場合は佐藤さんとの事をちひろさんに言いつけます」
ペコペコしていた彼女に鼻を鳴らすだけで答えて仕事に戻ろうとした時に満面の厭らしい笑みで脅迫してきやがったその言葉に手が止まった。……いや、チッヒは駄目でしょ、君。めっちゃ怖いからね? あのサイコパス守銭奴。
ちらりと様子を伺えばマジの目をしてやがったのでいよいよ手をあげ降参し、俺はクルクルと椅子を回転させて悩む。こうなってしまえばいっそのこと適当に済ませて終わらせてしまった方が早いだろう。
そんな事を考えていると、ちょうど事務所の扉が開かれたのは同時であった。
「お疲れ様で―――あら、珍しい組み合わせね?」
そんな事を呑気に口ずさんだのは―――紫紺の髪を流し、その美貌故に日本男児の美的センスのハードルを上げすぎ問題でよく話題になる顔面偏差値ぶっ飛びグループ『LIPPS』のリーダー“速水 奏”であった。
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「馬鹿じゃないの、貴方たち??」
「「そこをなんとか……」」
事務所について早々に『胸を揉ませろ』なんて非常識な事を言い始めた二人はほっぺの紅葉と頭のたんこぶを仲良く並べて事務所の床に正座させてられてなお諦めない。その姿勢だけは感心するが―――
「バカじゃないの?? いや、ごめんなさい……クソ馬鹿だったわね」
「「言われてますよ、比企谷(愛海)さん」」
心の底から湧き上がる冷たい感情のまま吐き捨ててもコントのようにお互いを突っつき合うその姿に呆れて溜息を吐いていると、急に二人してボソボソと何かを話し始める。
「………たった3回くらいで、意外とケチだよな」
「いやいや、そういう事は言うもんじゃありませんよ。お山は人それぞれ。たった3回でも耐えきれないくらいに敏感なのかもしれませんし、優しくしてあげるのが人情ですって」
「まぁ、そうだな。たった3回も堪えれないクソザコおっぱいに無理させる訳に行かないもんな……他をあたろう」
「―――――上等よ、このすっとこどっこいども」
私は脳内で鳴ったゴングの音と共に羽織っていたコートを投げ捨てた。
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「で、何をすればいいわけ?」
「愛海が3回揉むのを堪えてくれれば無事に解散だ。というか、俺もルールが良く分からん」
「なんで貴方もよく分かってないのよ……あと、お代はきっっちり後日貰うから―――あと、心さんの件も逃がさないわよ?」
「………(ぴゅーぴゅー」
下手糞な口笛で誤魔化そうとする彼を、肩眉をあげてわざとらしく睨みつつ内心で私は少しだけ笑った。
まぁ、彼に揉まれる訳でもないなら別にこちらに実害は少ない。そもそも、アイドル仲間でのこういった悪ふざけは更衣室などで日常的に起きているのだ。別に愛海ちゃんに揉まれた所でどうという事も無い。
それで彼に貸しを作れると思えば安い出費だろう。
「はい、どうぞ。こんな阿保らしい事はさっさと終わらせてちょうだい」
「し、失礼しますっ!!」
私が腕を軽く降参するように上げれば無駄に緊張した大声で愛海ちゃんが脇から手を差し込んでくる。身長差を改善するために箱の上に乗った彼女の荒っぽい吐息がくすぐったくてつい笑いそうになるのを堪えつつその手を受け入れた。
だが―――思った以上に特になんという事もない。
興奮で震え気味の手が下から私のバストを持ち上げゆっくりと揉むが別に大した刺激でもなく、恐らく耳たぶから探しているのか乳首の位置を緩く握ろうとした試みはブラの上からでは擽ったい程度。最後に抓りあげようと握り込んだ指は快楽というよりも普通にちょっと痛かったので眉を顰めた。
最初は興奮気味に声を荒げていた愛海ちゃんも私の反応が余りに淡白だったせいで楽しむよりも困惑が強くなって、いまでは何度も“あ、あれ?”なんて首を傾げている始末。
まあ、うん。こんなものだろう。
というか、これであの男がどう心さんを触ったのかを把握できたのでこの後に散々揶揄ってやろうと心に決めてニマリと彼の方を見てやる。
「ふふっ、ご自慢のテクニックは通じなかったみたいね?」
「―――お、終わったか? 冷蔵庫に貰った菓子あるから食べていいぞ」
「おい」
この男、普通にこっちも見ずに事務仕事してやがった。私は“速水 奏”だぞ? 私のこんなシーン、出す所に出せばどれだけ貴重品扱いされるか分かってる??
「し、師匠っ! 教えてください、私の何が駄目だったんですかっ!!」
「いや、童貞の俺に聞かれても………」
私がムカつきを発散するために彼に文句を言う前に愛海ちゃんが彼に思い切り泣きながら飛びつき駄々をこね、そのタイミングを失ってしまった………ふぅん、童貞なのね。ふぅん。
「お手本をっ! お手本を見せてください!! これで駄目だったら、私も諦めがつきますから!!」
「いや、もう今の時点で諦めてよ……。だいたい、俺が触ったら不味いから」
もう床にのさばり駄々っ子のごとく暴れる愛海ちゃんがを呆れたように眺め、溜息を吐く彼が面白く。それに―――まあさっきの事を考えれば大したことでもないだろうという考えが“童貞”の彼を揶揄ってやる余裕を生み出した。
「まぁ、私は構わないわよ? 哀れな童貞さんに多少はサービスしてあげても」
「隠れオタクの生娘がなんか言ってるぞ……」
「ぶっ殺すわよ」
私がバストを寄せてあげて挑発すれば彼はいつもの減らず口で返してくる。そんな売り言葉に買い言葉で私はカチンときて彼に胸を差し出した。
「さ、今後こんな機会も訪れないでしょうし、じっくり味わう事ね?」
「なんでそんな乗り気なの??………まぁ、実際に触る訳にもいかんし振りだけな。お前もコレが終われば後は駄々こねんなよ」
「はいっ!!」
その無駄に元気な声に二人揃って苦笑を零し、ソレを合図に彼がゆったりと私の背に回った。
さっきとは違う、大きくて硬くて熱いとはっきり分かる存在が自分の背面に立つという感覚の違いに自然と体が強張る。
愛海ちゃんの時のような可愛らしさにほんの少しだけ気持ち悪さが混じったあの気配をパグだと例えるのならば、息を荒げることも無く自分を満遍なく検分するその重く冷たい気配は捕食者が品定めする時のそれだ。
「脇、すこし開け」
「―――っ」
耳元で鳴るその低めの声が思考よりも先に体を支配し、反射的に従った。それでも意地で悲鳴だけは漏らすまいと噛みしめた唇は微かな彼との衣擦れを感じるだけで緩み、荒い呼吸が漏れ出ていく。
自分の脇から差し込まれた大きく、硬い手。
背中に触れ合わなくても感じる捕食者の圧。
ここまで今更な状況になって私は理解した。
哀れな獲物は、もう、逃げられない。
そういう域に踏み込んでしまったのだと。
だが、その脳内に溢れる恐怖の中には確かに、微かにある感情がバグを引き起こす。
その爪が自らに食い込み、その牙が首元に突き刺され貪られるその瞬間が脳内に流れるたびに体は熱く、呼吸は乱れていく。
怖い。でも、抗いがたい快楽の予感も感じる。
自らの無駄に豊かに実った胸に、ソレが今から訪れると考えれば体は勝手に高まってゆき―――ブラの中で固くなったサクランボが擦れて歯止めが利かなくなる。
はやく、はやく私を食べて。
そんな事すら思い始めた私の躰に―――その手は決して触れようとしない。
捕えた獲物をいたぶるように、触れそうで触れない絶妙な距離で私の肢体をなめまわす様に揺らめいて、焦らされる。どこまでも。
太ももを、お腹を、腰を、臍を、首筋をただ揺らめくだけで私の躰はその愛撫を夢想して疼きを増してゆく。
触られて、いないのに―――私の躰は完全に支配されていた。
だが、達するには一歩足りない。
彼はソレを分かっているから、懇願されるまで焦らすつもりなのだと分かった。
そう、なにせ条件は“3回胸を揉む”までなのだから彼はじっくりと私の心が折れるまで楽しんでいればいいだけ。つまり、最初から私は負けていたのだ。
羞恥と敗北感。だが、ソレを超える快楽への焦がれが私の最後の理性を溶かしつくす。
「――――っん♡」
「…………」
たったそれだけの呟き。だが、自ら顔を真っ赤に染めつつもはしたなく自ら胸を差し出すという雌という生物にとっての全面降伏。その事実が自分の惨めさと快楽への期待を更に燃え上がらせてゆく。
だが、彼はそれでも焦らず私を追い詰めていく。
彼が指さす先には――――目を皿のようにして私を見つめる愛海ちゃんが、いた。
いつもは明るく元気な後輩の少女が発情期の猿のように顔を赤くしつつ自らの股間をもどかしそうに押さえて“私”を見つめていた。
触られてすらいないのに躰を解され、遂には自ら胸を差し出した無様としか言いようのない光景の全てを見られていたという事実が私を一瞬だけ正気に戻し彼を振り払うために体に力を籠めようとし―――――私の躰は差し出された快楽にあっという間にまた捕らわれた。
「――――っぁ♡♡」
ようやく、その指は私のおっぱいの元へと行きついてくれた。たったそれだけの事で、なけなしの羞恥心はこれから起こることへの期待に溶かされてしまった。
触られていない。だが、確かにその圧を体は感じる。
焦らされ、火照り切った体はその刺激に餓えきっていて、視界の隅に移る愛海ちゃんには興奮から荒い息を漏らして情けない顔をしている私が映っている事だろう。
だが、どうでもいい。
その全てが一切合切どうでもいい。
“はやく―――私をむさぼって”というたったそれだけの願いは、ようやく満たされた。
「一回目」
「はひっ♡」
短い声と共に彼の骨ばった手が―――私の張りつめ切った乳首の真上で何度も回される。
触れられてもいないのに乳輪はムズムズと快楽を溜め込んで、もはやブラジャーに突き刺さる勢いで充血した頂点を更に張りつめさせていく。
「んひっ♡ あっ、あっ♡♡ いひわるしない、れぇ♡♡♡」
「動くな、やりにくい」
「んぁっっ♡!!」
最後の仕上げと言わんばかりにその指は、私の充血しきった乳首を弾くようにデコピンをして私の躰を跳ねさせる。
ここまで一切触られていないというのに、服従しきった躰は正確に彼が思い描く刺激を脳内で再現して私を追い詰めていく。
「二回目」
「ふーっ♡ ふーっ♡」
もう、なにも考えられない。ただ、彼の指がどう動くのかだけを犬のように舌と涎を垂らしながら待つ事だけが私の全てであった。
「――――あ、ぁぁ、あっ、そ、それやぁ♡♡」
そんな私の懇願など聞き遂げられる訳もなく“カリカリっ♡カリカリっ♡”と私のおっぱいの先端を何度も何度も丹念に優しくひっかき、脳みそを破壊してゆく。
物足りない。圧倒的に物足りないのに―――体はひたすら熱く、焦がれてゆく。
彼に媚びねだる為に本能が勝手にオシリを彼の股間に押し付けようとするが“ルールに縛られた”私はその苦しみから解放される事は無かった。
彼は私のお尻や体を小器用に避け、ひたすらに乳首を掻くように空を撫でる。
「やぁっ♡ もうるーるなんていいかりゃっ♡♡ おねがひっ♡♡!!」
「……二回目、終わり」
私のこっびこびな懇願とハメ乞いの返答として聞こえてきたのは―――小さな溜息と、落胆したような冷たい声。
その事実に血の気が引く。
ココで終わられたら、私はきっと壊れる。
壊れたまま、どうしようもなくなる。
そんな恐怖に震え泣きそうな私に気だるげで、それでいていつものような優し気な声が耳を撫でた。
「最後、どうしたい?」
「――――おもいきり♡ おもいきりすごいのがほしいのっ♡♡」
「はいはいっ、と」
「―――――あ、」
その瞬間に、私は声もあげる事も出来なかった。
今までの錯覚ではない、焦がれに焦がれた本物の触角。
それが、遠慮会釈なく―――――私のおっぱいを握り潰すかのように思い切り力を込めて抱き潰す。
こりっこり♡になった先端も、解されきって全てが快楽に代わる器官となったおっぱいも、おっぱいのGスポットとも呼ばれるスペンス乳腺もただただ与えられる刺激全てが脊髄を通して私の脳みそを溶かしつくして獣の喜びだけで満たしてゆく。
「――――――っは♡♡ あ、ぁ――――ひっ♡♡ んぉっ♡♡―――あsdfghjg♡♡♡♡ 」
何秒、何分? どれだけたったかなんて分からない。
びしょびしょになったショーツも、小鹿のごとく震える足は彼の支え無しでは立っている事もままならずオッパイだけで躰が支えられ放心する事幾ばく。
快楽で焼き切れた脳が意識を途切れさせる私の視界に最後に移ったのは―――身体を震わせつつ陶然とした表情で私の痴態を食い入るように見つめる愛海ちゃんであった。
たったこの一回の過ちで私は、もう後戻りできないモノを知ってしまったのだとこの時に理解し、意識を手放した。
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「…………えっ、こわ」
最後の一回しか揉んでないのに身体を跳ねさせて失神した奏をビビりながらソファーにほおり投げると急に冷静になった俺の口から自然とそんな言葉が零れた。
え、いや、やれって言われた最後以外は俺一回も触ってないよ??
どうせやるならネタっぽくなるようスケベ親父風にお道化てエアオッパイをキメていただけなのになんだかどんどんと様子がおかしくなってきたので二回目からもう辞めようと俺は想っていた。気絶するくらい気持ち悪いなら最後まで意地を張らなくて良かったのに……地味に傷つくな。
まぁ、いいか。佐藤に負けず劣らずの乳を最後に楽しめたのだから良しとしておこう。
そう、心の中で纏めて俺は愛海の方へ振り返ると――――笑顔の般若がそこにいた。
「ハ~チ~君♪ 何してるんです?」
「比企谷さん~、浮気は感心しません~」
我がデレプロの初代シンデレラ様と、プロジェクト内で最強のおっぱいを持つ酪農娘が表情とは全く違う冷たい声で俺を氷つかせたのであった、とさ。
え、こんかい、おれ悪く無くない??
ちゃんちゃん♪
=蛇足=
十時「揉むなら私の揉んだらいいじゃないですかぁ~!!」
雫「こういうのには順番があるとおもいますぅっ!!」
愛海「――――これが、本当の御山。コレが最高峰のテクニック。……わたし、こんなのしったら、もう 」
この日、とあるお山系アイドルが密かに覚醒したことを誰も知らない。