デレマス短話集   作:緑茶P

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みなみ好きよ集え!


みnMi しゅき( *´艸`)


【 調べもの 】

「ミナミ、ちょっと聞きたいこと、ありマース。あー、時間大丈夫ですか?」

 

「ん、大丈夫だよ、アーニャちゃん」

 

 歩きなれた事務所への通路を歩いている途中で透き通った声が自分を呼び止め、少しだけ独特の発音でその声は自分がグループ内で一番親しくしている異国の友人だと分かり自然と返答は柔らかいものとなる。

 

 振り向いた先で花が綻ぶような笑顔を浮かべる彼女が近寄ってくるのをつい嬉しくなって私も彼女を笑顔で迎えてその手元を見る。

 

 握られているのは現代では誰もが持っているであろう携帯。実に努力家な彼女は常に色んな事を学ぼうとしているため、分からない部分を聞きに来る事も珍しくもない。ソレは私自身も知らない事だったりすることもあるので気も抜けないし、新たな発見に心躍らせる瞬間でもあった。

 

 さて、今日の彼女はどんな疑問を発見したのだろうか?

 

「あー、携帯で調べものしようとしても出来ないで、こまりました。ミナミ、直せますか?」

 

「うん? んー、機械はあんまり詳しくないんだけど―――ちょっと借りてもいい?」

 

「ダー!!お願いしまーす!!」

 

 と、思いきやどうにも今日の要件は違ったみたいで肩透かしを食らってしまう。だけど、困っているというのならできる限り力になるべきだと思い彼女の携帯を借り受け画面を確認してみる。

 

――――んん?一見しただけでは異常は見られない。画面もタップもアプリも簡単な検索も問題なく動いている。最近は携帯にもウイルスがあるというから心配もしたがそんな事もないようだ。いったいこれの何がおかしいのだろう?

 

「…うん、問題なく動くみたい。他にはどんな時に動かなくなったの?」

 

「ミナミがテレビでると聞きましたので“ミナミ シンデレラプロジェクト”で調べたらどんなに頑張っても出ませんでした……色々聞き方変えても答えてくれないデース」

 

「ん~、ソレは変ね?……サーバーが混雑してたとかかな?もう一回やってみようか」

 

「ダー」

 

 彼女の純粋な好意からの言葉にちょっとだけ首元がくすぐったくなるのを感じつつも首を傾げる。だがまぁ、通信状況によって不可解な動きを携帯がすることはたまにあったりするのでタイミングが悪かったとかが大方の理由だろう。

 

 そんな気さくな予想の元に検索を行った私に―――あまりにも酷い結末が待ち受けていたとは、思ってもみなかったのです。

 

“新田 美波”と検索を行ったその答えは――――

 

 

        『以下のページは制限されているため閲覧できません』

 

 

 というあんまりな結果が待ち構えていました。

 

「ミナミ。直りそうですか?」

 

「あ、えぇ、ちょっと、私には…分からないかなぁ。ちなみに出演番組は一覧を貰っておくから後で渡すね――――――私はちょっと事務所に、お話があるから」

 

「あー、携帯便利ですけどやっぱり難しいでーすね。分かりました、先にレッスン室に行ってまーす!!」

 

 無邪気な笑顔で手を振る彼女が見えなくなるまで手を振って見送り、見えなくなった瞬間に全力で事務所へと駆け抜け、みちゆく誰もが驚きと小さな悲鳴と共に振り返ります。

 

 おそらく、アーニャちゃんのお父さんが娘を心配してフィルターを掛けていたのだろう。

 

 そして、あの表示が出るという事は―――――――――私は怒りと羞恥に顔を真っ赤に染めて荒々しくその扉をけ破り、大声で今の気持ちを絶叫します。

 

「比企谷さんっっつっつつつつ!!!!」

 

 

 その後の私の事務所での荒ぶりは――――ちょっと語るには偲ばれるくらいに凄まじかったそうですが、わざわざ語るほどの事でもありませんね(怒

 

 


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