デレマス短話集   作:緑茶P

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(・ω・)初投稿です!!よろしくお願いします!!――――失踪します。


という事で、約半年くらい悩み続けて纏めきれてないまま志希にゃんをあげました(笑)

いや、でもギフテッドとか甘えん坊とか、猫とか色んな良作が溢れてるのに書く必要なくね? とか思ってたので―――あえて誰も書かないぶっ飛んだ子にしてます(笑)♯多様性 ♯沼の生態系

周りの無能って本気で苛立つんだけど、苛立ってる時って自分も同レベルで―――”あぁ、この子はきっとこういう所で失敗するだろうからフォローしとこ”って思えてない限り自分はきっと優れてないんだよなぁとか思いつつ現場を回してます(笑)

(・ω・)なので、志希にゃんには世界征服をもくろむ魔王になって頂きます←暴論

続きはきっといつかめいびーわら すきにやってくれ


泣けない小鬼 と 壊れたチャシャ猫 は 愉快に嗤う 後

 だが、だけれども―――だからこそ俺は霧雨がけぶる世界の中で否定を口ずさむ。

 

 物語の主人公のように明るい世界から掬い上げる類の物でなく、汚泥の中から“お前は相応しくない”と弾き出すような反吐が出る類のものではあるけれども、口ずさむのだ。

 

「一ノ瀬……いや、“志希”。そんなんじゃ、全然、足りてない。全然だ。――――そんな覚悟じゃぁ、お前の“何か”って奴には俺は答えてやれないよ」

 

 その哀れな少女が最後に行きついた結論と結果。最初に問われた“何”という問いかけへの答えを探るための今回の波乱は、そこに行きついた俺に深く心を震わし、共感を齎した。だけれども、それでも、そこまで行きついても―――またしても俺の“真実”へは至らない紛い物だった。

 

 多くの共通項は有っても、共感は在っても結局は類似物に留まる。それはやはり、人は収斂を重ねても同じところに行きつかず、結局は孤独なままだという事を今回も俺に知らしめた―――それは少女への福音で、俺への罪科の確認だ。

 

 繰り返し重ねてきたその自問自答に気が滅入るのと同時にこの少女は自分なんかとは違ってまだ引き返せるのだという事実が眩しくて、辛くて、嬉しい。

 

 「お前には、挫けて悩む理由がある。そうであるべきという未練がある。それに苦しむ余裕がある。そうであることを苦しんでしまうくらいに大切で、手放したくない仲間がいる。ソレを嬉しく想える心がある。―――そんなんじゃ、全然ダメだ」

 

「………なにを、言ってるの?」

 

 自身の生い立ちと、トラウマと、理性と感情の狭間で迷って悩んでいた少女は俺が謳うように紡ぐ言葉に初めて出会った醜悪な怪物を見るような怯えと、恐怖を混ぜた視線を向けてくる。嗚呼、どうかその瞳の奥で常人以上にシナプスを輝かせている天才様がすぐにこの産業廃棄物を処理すべきだと声明を出してくれないかと妄想して、微かに微笑んで小鬼は醜悪な唄を紡いでいく。

 

 温かい家族の元に生まれた。誰もが羨むような最高の家族だ。愛も、玩具も、食事も、妹も全ては不自由なく手に入った。特殊な事情はなく、幸せに過ごしてきた中で生まれた欠陥物。人を信じ、愛し、助けようとして――清く生きようとした。それでも、失敗し続けた。勘違いし続けた。やり方を変えて、次こそはと願った。

 

 それすらも間違いだと気が付いて、無気力に斜に構えて――人生で一番深い傷を負った。

 

 彼女は、創られた自分は“電卓”であるべきだと念じ、心の欲求に苦しみ、行動を起こした。だが、俺は――――本当にそうであったならよかったのにと、心から願った。

 

 何も感じず正確無比な答えだけをはじき出しても、痛まぬ心が――今でも欲しくて欲しくてたまらない。

 

 生まれてから何度思ったか分からない。

 

 ただの貝でよかった。爆薬でよかった。虫けらでよかった。その辺に生えている雑草でもよかった。―――こんな自分の齎した結果に胸を掻きむしり、消えてしまう事を常に願う様な日々を暮らすくらいなら今すぐ誰かにこの胸を刺して心の蔵を止めて欲しいと呼吸をするたびに思う様な日々を重ねる俺には、彼女の葛藤は論ずるに値しない“ただの少女”の思春期に過ぎないのだ。

 

 お前は―――この地獄にはまだ早い。

 

 絶望と、虚無を感じるなら――――もっと大失敗を重ねてから俺の前に来い。

 

 少女の誕生日の癇癪にいちいち付き合う程、こっちの傷も浅くはないのだ。

 

 体中を湿らせる雨は肌をしとどに濡らし、髪の毛を伝って頬を伝っていく。それはとうの昔に枯れてしまった涙のように零れるが、これほどに古傷を抉っても瞳の奥からは滲み出もしなくなった。そんな乾いた自分に対して、苦し気に痛ましいモノを見るような表情を浮かべる志希が面白くて―――小さな悪戯を思いついた。

 

「せっかくだ、“人類最高級の電卓”様に新体験をプレゼントしてやるよ」

 

「へ、ちょっ―――何を なっ!!」

 

 鬼は、泣かない。 泣きたくないから鬼なんかにならざる得なくなった。

 

 なら、笑わないチャシャ猫は? 陰鬱な顔で力なく俯くモノはなんだ?

 

 そんなの決まってる―――ただの美少女だ、馬鹿やろう。

 

 一人でそんな独白を噛みしめつつ、隣で膝を抱えていた志希を掬い上げ、勢いそのままに池なんだか沼なんだか分からない水溜りに思い切り飛び込んだ。飛び込む瞬間に今まで聞いたことも無いような可愛らしい悲鳴が聞こえ、ソレを嗤っているウチに独特の滑りのある水の触感と耳元で鳴る気泡。上下すらも一瞬分からなくなる浮遊感と息苦しさに藻掻いて手足をバタつかせれば幸いに足は着く程度の深さ。

濁った池の中から揃って顔を地上に出して呼吸を再開すれば、鼻の奥を貫く強烈な沼特有の生臭さが届いて思わず顔を顰めてしまう。口の中にも入ったのか気持ちが悪くて舌を出していると、思い切り胸倉を掴まれた。

 

「ばっかじゃないの!! 志希ちゃんお誕生日の次の日になんでこんな目に合う訳!!? ふざけんな!! 頭湧いてんじゃない!!? 死ね、クソジャップ!!」

 

「おー、おー、あれだけ凹んでたくせに一気に元気になったな。でもあれだろ? 怒ったり、笑ったりする機能がいらないならそんな気にすんなよ。ほら、遅れてきたバースデーサプライズって奴だよ。―――というか、たかが誕生日行けなかったくらいでめんどくさい拗らせ方すんなよ。帰りにファミマでケーキ買ってやるから機嫌直して、謝りに行くぞ。というか、まず俺に謝れ」

 

「―――――しねっ!! 今すぐ死ね!! アイツもアンタも男って本気で脳みそ腐ってんじゃないの!! あんな簡単な伝達事項一つなんで理解してくんないの!! 意味不明神も憐れむ低能っぷりだよ、大体が――――――」

 

 飄々と暴れる彼女を宥めようと試みるがついには発狂したように汚い英語を羅列しつつ胸元を殴りつけてきた彼女は、やがて鼻水から涙から良く分からないものを垂れ流して駄々っ子のように文句を重ねてくる。

 

 残念ながら神も見放す低能なのでほとんど聞き取ることも出来なかったが、まあ、要約すると―――“悲しかった”。その一言だけはなんとなくニュアンスで伝わった。たったそれだけの感情を発露すればいいだけなのに、優秀なオツムのせいでここまで思考を拗らせて、こんな全身沼臭くなる目にあって、怒りに任せた勢いでしかソレを絞りだせないというのだから難儀なことだ。

 

 面倒で、可愛げが無くて、ややこしい。でも―――彼女はまだ乾ききってはいない。

 

 ずば抜けた理性と知識の仮面で全てを悟った様に諦めるには、ちょっと黒歴史が足りていない。

 

 だから、そんななんちゃって鬱少女の小さな悩みと、ちょっと重めの過去すら俺はカラカラと指をさして嗤おう。沈んだ気分の少女が諦めの笑顔で座り込むなら、その顔を激昂に塗り替えるほど小憎たらしく、一発入れてやるために追いかけてやると思えるくらいに疎ましく耳障りな言葉で。

 

 そういうのは大得意だ。なんせ、目が合っただけで人を怒らせる事に定評があるからな。

 

 そんな身勝手な自己満足と目の前のめんどくさい感じにキレている少女に苦笑を零して俺は霧雨の向こうに見えた雲の切れ間。そこから差し込む光に目を眇めた。

 

 

「おーい、もしもし~!? 聞いてんの? その耳はお飾り? それとも、聞こえてても脳みそが足りてない?? あ、ごっめ~ん、そもそも入ってなかったか!!? それでも、動いてるなんてすごい世紀の発見!! 今すぐ死んでるべきだと思うのにどうなってんだろう?? というか、死ね。 そもそもが――――「あ、ゴメン。あんま聞いてなかった。それと、そろそろ寒いし池から出ていいかな?」―――――――殺す」

 

 

 そろそろ、―――――雨も上がる。

 

 

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 今日は、なんて最悪な日だろうか。

 

 体中から立ち上るヘドロのような臭いといまだに脳内のレセプターを焼き切るかのように繰り返される罵倒と怒りによるアドレナリンが過剰分泌に促されるままに寮の扉を蹴破ってシャワー室に乗り込み乱暴に体中を洗う。何度も洗って、体中からこのムカつく気持ちすら洗い流すかのようにガシガシと。あの神も憐れむほど低能なクソ野郎への怒りと、また繰り返してしまったという自分の学習力の無さを必死に洗い流す。

 

 なんとなく、誕生日をするという話になってから自分が“ああなる”というのは分かっていたのだ。そもそもあの日から、誕生日を迎える度に精神が不安定になる。それでも、この自分がいつまでもくだらない事象に引っかかっているという事が許せなくて、新しく開発した抗鬱剤も良好な結果を出していたので乗りだした。

 

 結果は上々で、朝から頭痛も沈み込みもなく良い気分で一日を迎えられた。そんな姿は誰もが誕生日に心弾ませる少女として完璧に見えはずだ。そんな中で、止せばいいのにエンドルフィンが過剰分泌されている私は見慣れたあの男の背中をみて、かつての“父親”に重ねてしまった。あの日、喫した小さな敗北と傷。ソレをこの男で塗り替えようなどと考えてしまったのだ。―――よせば、良かったのだ。

 

 おざなりな彼の返答に、浮つき、あの日のトラウマを更新できることに更に気持ちが高ぶったまま楽しいパーティーは始まった。

 

 明るく、穏やかで、楽しい思い出。   そんな中で、薬は切れた。

 

 異常なくらいの興奮状態の反動はパーティーが終わりに近づく度に動悸を齎し、いまだに姿を見せない彼に“かつての景色”が重なって―――追いついた。

 

 気を使って残った友人達の声以外は静まり返った寮の談話室で膝を抱えて、待った。いや、正確には――あの時と今は違うのだと言い聞かせていた。だが、それも朝日が差し込んだ時には諦めもついて自分の“あるべき姿”というモノを思い出し――――また、こんな無駄な検証をさせた要因を排除しなければと思った。クスリの副作用か随分と気落ちしている事を感じながら、それでも、明確な意思で行動し―――あまり気分は晴れなかった。

 

 結構後にすれ違った男の反応に――やっぱりな、と思った

 

 こんなものだ、と思った。

 

 ただの電卓として生まれた自分が望むには過ぎた欲求だったと思った。

 

 でも、だ。

 

 まったく反省の色も何も見せず意味不明な事を口ずさむ男が私をドブの中に引きずり込んだ時にある発想に行きついた。思えば、何でこんな簡単な事に気が付かなかったのか不思議なくらいにシンプルな発想が怒りと共に込み上げてきた。

元となった遺伝子より私はずっと優秀に創られた。それならば、求められた役割を的確にこなしていくべきなのだろうと思ったが―――優秀な私がなんで無能に合わせなければならなかったのか? そんな当たり前の事にその時、気が付いた。

 

 “私ほどに優秀になるべき“という程に私は夢想家ではないし、あの阿呆な男どもを見る限りそれは望めない。ならば、順番が、前提がきっと間違っている。“無能”を補ってあげる“有能”というのは非効率だ。それなら―――“有能”がしっかりと“無能”を管理してあげなければいけないのだ。

 

 そんな簡単な気付きを今日、私は得たのだ。

 

 今まで上手くいかなかった部分が全て噛み合う様な快感に、薬の効果も切れているはずなのにらしくもなく高揚してニンマリと口角が上がってしまう。なるほど、なるほど―――道理で世界が息苦しいわけだ。肺呼吸の生物が、エラ呼吸を試みて生きてきたようなものなのだから。

 

 だけど、それには実験を重ねたサンプルが必要だ。長期の成果確認が必要になってくる中で―――私は一人の最適な実験体が脳裏をよぎる。

 

 気だるげで、気も効かず、社会不適合な最高のサンプル。

 

 あれをとりあえずは、徹底的に私好みに変えていく所を世界を作り替える一歩にしてやろうと私は愉快な気分のまま、温いシャワーの雫に塗れながら久々に――――大声をあげて嗤った。

 

 

 こんなクソみたいな世界を――――この私が、ちょっとでもマシにしてやる。

 

 

 “Screw world!!(くたばれ、世界!!)”

 

 

 そんな私の犯行声明は、ひっそりと楽し気にシャワー室の湯気と水滴の中に溶けていった。

 




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ひらこー節大好き(笑)
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