デレマス短話集   作:緑茶P

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( *´艸`)いつもありがとうございます!!sasakinです!!


それでは、いつもの様に頭を空っぽにおたのしみくだされー!!


かつて”先輩”と”後輩”だった彼ら 後編①

 

「あれ? 後輩の使ってるソフトって配布されたモノと違うくないっすか?」

 

「最近、経理の人が変わったのかたまにものっ凄い訂正の付箋が入って返ってくる事があるんで、元のソフトを詳しそうな後輩二人に改造してもらった奴を使ってるんすよ。というか、結構前に愚痴った内容なんすけど?」

 

「なはは、後輩に一任しちゃってるから知る訳がないっす。……というか、後輩も変な所で凝り性っすよね」

 

「アンタや他の人間が雑過ぎるだけだ」

 

 いまさらの事を聞いてきた彼女“荒木 比奈”に嫌味をチクリと返せば、ケラケラと悪びれなくそんな事を言い返してくる彼女に溜息を一つ落として自分の作業に戻る。このバイトをしてからしばらくして提出していた計理関係の書類が大量の付箋と赤ペンを入れられて返ってくるようになった。それでも、自分に返ってきた書類は可愛いもので元々の現場が大企業の弊害かどんぶり勘定で行われていた他の班はハリネズミの如し付箋が突き刺さっていたのは衝撃だった。

 

 怒り狂った他の人が抗議に行ったそうだがあえなく撃沈。多くの人間が涙を呑んで再提出するたびに付箋と赤ペケを付けられる日々を送っているらしい。だが、そんなものに労力を割くのも御免だったので万札をチラつかせて後輩のオタクコンビである相模弟達に書き直しがしやすいように要望を出したら結構いい感じのソフトが出来たのでそっちを採用しているのだ。不満たらたらだったくせに諭吉を5枚も振れば靴を舐めんばかりに低姿勢になった。――――あいつらのそういうクズな部分が割かし俺は気に入ってる。

 

 まあ、元々が他の班が雑な計算過ぎたというのも確か。それが適正に裁かれたというだけでちゃんとやっていれば今のように数か所の訂正と嫌味っぽい予算削減の指摘がくる程度。そんなこんなでこのバイトの平和は守られ、俺と先輩は今日もグダグダと撮影班の収録を横目にくっちゃべっていられる訳だ。

 

「というか、ここまで厳しくなるとこの体制もツッコまれるかもしんないっすねー」

 

「どういう事っすか?」

 

 先輩も長時間の執筆に目が疲れてきたのか伸びと共にコーヒーを啜りつつそんな言葉を呟いた。それに入れた合いの手に口の端を皮肉気に吊り上げた彼女が苦笑と共に答える。

 

「ここで何するわけでもなくくっちゃべってる時間が一番の無駄ってことですよ」

 

「…………ま、普通に考えて一番の予算の無駄ですね」

 

 当たり前といえば当たり前の結論を指摘され思わず俺も笑ってしまった。運転に機材積み下ろしに、たまにタレントの運送。その他に雑用や経理があるにはあるが今のように一人で対応できないことも無い。――というか、先輩がさぼりすぎなだけな気もするが今は置いておこう。

 

「大元の話をすれば、この雑用運転手が男女ペアっていうのは“監視”の意味合いが大きかったらしいすけどね」

 

「監視?」

 

「そうっす。運転手がタレントに不埒な事や粉を掛けたりしないかって言う相互監視。それに、タレントが妙な動きをした時には男女を理由に逃げられないように―――まあ、柔らかく言えばトイレとかに立て籠ったりした時に対応するためだったそうです。まぁ、古い時代じゃ結構そういう事もあったし、ファンも苛烈だったというのも理由なんでしょうね」

 

「ほーん、そりゃまた……らしい話っちゃ話ですね」

 

 なるほど、だから初対面だった班長のあの質問か。先輩に連れられた時に呪文のように語られた人名。今思えば今をときめく芸能人の名前だったらしいが、それに反応せず、根暗で、喋らない上にモテなさそうな冴えない風貌。それがあの即採用の理由だった訳だ。余計な火種を抱え込まないのが第一条件だとするなら俺以上の人間は中々いまい。―――逆を言えば先輩もそんな判定をされたという納得の 「おりゃ」 「痛い」

 

「否定はしないっすけどムカつく思考を感じたっす」

 

「これ以上ないパワハラだ」

 

 日本には思考の自由も無くなる時代が来てしまったらしい。そんなふざけたやり取りに苦笑を交わしていると彼女も気分転換になったのかもう一度だけ伸びをしてタブレットに向かってゆく。いつもの雑さは鳴りを潜めて緻密に線を連ねていくその姿だけはいつものズボラさを感じさせない真剣なモノを感じて、俺も静かに自分の仕事に戻って行く。

 

「―――近々、ちょっとお話があるっす。まぁ、期待しないで待っててください」

 

「―――ういっす」

 

 再びキーボードを叩こうとした時に静かに紡がれた彼女のその言葉に一瞬だけ息を呑んで、俺も小さく答える。勘違いしそうになる心臓を収め、期待をもたげる思考を踏みつぶした。もう、あんな傷はたくさんだと喚く理性の慟哭が―――俺の空っぽの中身に虚しく響いた。

 

 

 

-------------------

 

 

 

 

「ふうむ」

 

「……何か、お困りですか。千川さん」

 

「………二人きりの時くらい大学の時みたいに呼んでくれてもいいんじゃないですか、駿輔さん?」

 

 雑多な計理部の事務所。いつもは不気味なくらい大量の人間がパソコンに向き合っているが時刻はとっくに定時を超えてさらには深夜に入ろうかという所。当たり前のように残っているのは自分だけでとある“申請書”を見て唸っている私に低く、響くような呟き声が掛けられた。普通の人ならばその声と、振り返った瞬間に目に映る巨体と目つきの鋭さに悲鳴の一つも挙げるのだろうけども、自分にとってそれはどんな音楽や造形よりも心に温もりを感じさせる馴染んだものだ。

膨れて分りやすく拗ねた私に困ったように首元を擦るその姿も久々に見ると随分と愛嬌があって目の奥に溜まっていた疲労も少しだけ軽くなった事を感じさせる。

 

「思えば“ちひろさん”と呼ぶことも中々なくなってきていますのでつい癖が出てしまいますね。―――それで、何かお力になれる事はありますか?」

 

 大学時代から離れて随分経った。追いかけて入ったこの会社でも会う事も少なくなった今ではそんなやり取りですら心が弾む自分の現金さと、大規模プロジェクトのプロデューサーに抜擢されて忙しい癖に今だって人の事に手を伸ばそうとするお人好しさについ苦笑が零れる。

 

「いえ、どんぶり勘定の方々を躾け直すのに疲れたというのもあるんですが―― 一個だけ小生意気な子を見つけまして」

 

「せんか……ちひろさんがそういうのは珍しいですね。 拝見しても?」

 

「どうぞ」

 

 また他人行儀になりそうな彼を睨んで訂正させると、目の前に置いた一つだけ付箋の少ないファイルを彼に差し出す。それにしばしの間、目を通した彼が少しだけ感心したように息を吐いてソレを閉じた。

 

「非常に、丁寧で合理的な仕事だと感じます。――――これに何か問題が?」

 

「大体、私が添削すると抗議かやけっぱちになって再提出するかなんですけど――この子は二回目以降からはほぼこんな感じで熟してきます」

 

 12人の現場に弁当やその他の消耗品がその倍くらいで購入されていて当たり前のように持ち帰りなどが横行してる現状というのに眩暈も感じたが、それを引き締めても弛んだ気持ちは中々に締まらないものらしい。そんな人員が蔓延る中でここまで仕事を丁寧にこなすというのが最初に目についただけだった。

 

 だが、ちょっとした悪戯気分で難癖のような訂正や予算削減の指示書を送れば次回からはソレを実現して更にその次に言われるであろう指摘点まで予測して改善してくる。正直、消耗品の雑用班にそんな人材を埋めておくのも馬鹿らしいので引き抜こうと思って調べてみれば―――

 

「それが社員でもないバイトの学生だったと?」

 

「そういう事です」

 

 それが、面倒な所だ。調べてみた所では仕事は真面目にこなし、書類事務は見ての通り。若者の学生にありがちなタレントとの接触で浮足立つことも無く、理不尽に怒鳴られても反抗することなく飄々としている。有能で面倒ごとを起こさない実にお買い得な人材なのは間違いないのだが、流石に機密事項や社外秘の塊である計理に部外者を連れ込むわけにもいかない。だが、このまま雑用で有り余ってる能力を消費するのも勿体ない。

 

 そんなジレンマに頭を悩ませていたのだが―――目の前の黙考していた偉丈夫が静かに口を開いた事でそんな悩みは、吹っ飛んだ。

 

「…………もし、ちひろさんさえ良ければ、彼と一緒に私のプロジェクトに来て頂きたいのですが―――如何でしょうか?」

 

「……え、は――――え?」

 

 唖然として口を開閉するだけの私に気まずそうに首元を擦る彼が、意を決したようにその鋭い瞳の奥に燃える光を輝かせて真っ直ぐに私を射貫き、言葉を紡ぐ。

 

「正直な所を言えば、今日はその話をしにここへ伺いました。自分が任された“アイドルプロジェクト”には多くの人材が派遣されましたが――全て他の上層部の監視とパイプ役というのが実情で、人事権は自分に一任されているとはいえ、他の人間を引き抜いてもいずれかの派閥に吸収されるのは目に見えています。

 

そんな中で私が縋れる人脈というのを必死に考え、出てきたのが貴方とあの“粗忽者”だけでしたが―――残念ながらそっちは私の元に下る気はないそうです。なので、貴方が、最後のよすがでした。

 

 地位も、名誉も確約は出来ませんが―――私は、本気で貴方を引き抜きにここにいます」

 

 膝を折って、ひざまずくようにして私を見上げるその瞳は真っ赤に燃えているくせに、顔はそんな不確定な条件しか提示できない自分を何よりも恥じる様に歪める――昔と変わらないその愚直さ。

 

 人の上に立つなら、人を惑わすなら、利用するなら―――そんなことはすべきでない。

 

 利益をぶら下げ、権威を纏って威圧し、実害を隠し通し、弱みを握って、騙して使って、偽りの義憤を植え付け、悦びで懐柔して、強きものにすり寄り、寝首をかくために毒牙を研ぎ続ける。

 

 その全てがこの男には出来ないし―――やらないのだ。

 

 なんて愚かで、救いようがなく――――愛おしいのか。

 

 かつて人形だった自分に火をくべたのは、心のないブリキの塊に命を吹き込んだのは間違いなくこの愚かな魔法使いの魔法であった事を思い出し、心が燃え上がる。

 

 この魂を汚してなるものか。

 

 この男を辱めてなるものか。

 

 この男がそうであるというのであれば私が全ての泥を飲み干して見せよう。

 

 利益をぶら下げ、権威を纏って威圧し、実害を隠し通し、弱みを握って、騙して使って、偽りの義憤を植え付け、悦びで懐柔して、強きものにすり寄り、寝首をかくために毒牙を研ぎ続け――――この男の理想への雑草は全て刈り取って見せる。

 

 魔法使いの信念を糧に――――全てを払う万能の杖になって見せるとも。

 

 だから私は―――彼の血が出そうなほど握り締めたその手を取り、微笑むことを契約とした。

 

「先輩、私はどんな結末であろうと―――貴方の味方です」

 

 心に秘めていた執念と執着その全てが解放された悦びに慟哭を挙げ、一つまみの純粋な恋心を胸に、私は彼の手を取ったのだった。

 

 

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 それは、随分と急で一歩的な通達だった。経営陣から説明がある訳でもなく紙一枚の辞令と共に下された決定。

 

“撮影庶務3課を予算削減の為、今後は統一編成の単一班とする”

 

 難しい事を差っ引いて要点だけ言えば“無駄に班作っても無駄だから上手く実働人数削って安くしろよ”という事らしい。珍しく集められた人員は見た事ある人もない人も阿鼻叫喚の様相を呈していた。楽なバイトで甘い汁吸ってた奴らや、予算にかこつけて食費やその他を浮かせていた社員はまだしも一斉に切られる事となった人員はそれこそ顔を真っ青にして課長に詰め寄り、らちが明かないと悟った後は人事へと雪崩れ込んでいった。

 

 残った人員は残留が決まってはいるが、家庭の事もあって辞めるにやめられない事情を抱えている人間を的確により分けているのが随分とその人選の厭らしさを感じさせる。そんな一種の地獄絵図の中で何故かバイトなのに残留が通達された俺と先輩は無言のまま示し合わせてとりあえず部屋の外へ移動しようとした時に課長に呼び止められた。―――なぜか、俺だけが。

 

「なんすかね?」

 

「……あまり、いい予感はしませんけど」

 

 不機嫌そうに顔を顰めた課長から渡された紙。それには入ったことも無い本社の部屋番号と今からそこに向かう様にと端的に書かれただけのモノが更に嫌な予感を感じさせた。

 

「んー、まぁ、ちょうどいい機会と言えば機会っすね。……その話が終わったら、前に言ってた話もするんで後でいつもの場所で集合しましょう」

 

「………うす」

 

 そんな不吉な紙を弄っていると横から覗き込んだ先輩がそんな事を苦笑いしつつ零すので嫌に心臓が跳ね上がった。それはもう抱くまいと思っていた幻想の残骸で、このままの緩やかな日々の終わりを告げる宣告の様で嫌に背中がざわつく。子供のように顔や態度でソレを嫌がる素振りを見せるも取り合ってはくれないようで静かにまっすぐこちらを見る彼女に俺は小さく答え、部屋をさっさと出ていく彼女の背を目で追って、小さくため息を零して自分もその指示された場所へと足を向けるのだった。

 

 

 

―――――――――― 

 

 

 

「初めまして、比企谷さん。私は新設されるアイドル部門の統括をさせて頂く“武内”です。急に呼び出してしまい申し訳ありません。立ち話もなんですので、どうぞかけてください」

 

 初めて入った本社ビルの一室。今まで親しんできた地下通路のような薄暗さは一切なく、磨き上げられた床に高級そうな内装は差し込む陽光を受けて輝かしくすらある中で、ノックした先に待っていたのは高い上背と屈強であろうからだをスーツに包んだ目つきの鋭い偉丈夫であった。ヤクザの若頭だと紹介されれば迷いなく信じて、自分の臓器の心配をしなければならなかったが、その物腰と声は見た目に反して低く、穏やかな物だった。

 

 とりあえずは勧められるままにフカフカのソファに腰を下ろせば、翠が眩しい本社の制服に身を包んだお下げの女性が柔らかい動作で紅茶を出してくれた。柔和な笑みと、その仕草に本社は秘書すらも美人を採用するのかと少々驚きつつも小さく頭を下げる。

 

「どうか緊張されずにというのも難しいでしょうが……そうですね、履歴書を拝見させて頂きましたが私達二人は比企谷君の大学のOBです。どうか、卒業生との気楽な面談程度に考えて頂ければ幸いです」

 

「……それもそれで、緊張しますね」

 

 偉丈夫たる武内さんが緊張を解そうとしてくれた一言に一瞬だけ驚きつつも、何とか返した軽口に彼は少しだけ頬を緩めて“それもそうですね”などと苦笑を挟んで改めて俺の方を見つめる。

 

「さて、最近の母校について談笑を挟みたいところですがあまり拘束してしまうのも心苦しいので本題に入らせて頂きます」

 

「……うす」

 

「こちらにいる千川さんは計理課に最近まで所属していたのですが、君の作る書類がずば抜けているという報告を貰いました。勤務態度も、作業もタレントとの接触に関しても問題がないと判断しています」

 

「………千川?」

 

「ええ、君や皆の書類に赤ペンしている――“千川 ちひろ”です。こうして顔を合わせるのは初めてでですね?」

 

 武内さんがつらつらと話す内容は社畜としては喜ぶべきで、専業主夫志望では悲しむべき内容なのだろうけど―――そんな事よりも一つの名前が引っかかり思わず問い返してしまった。それに目線を追って武内さんの隣に立つ彼女に視線を向ければ華やかに微笑まれて思わず膠着してしまう。執拗なまで徹底的に書類の不備を叩いていたあの鬼計理がまさかこんな年若い女性社員だとは誰が思うだろうか。更にいえば、厳ついオッサン達が抗議に行ったあと泣きべそかかせて追い返したのもこの人だというのが衝撃的であった。

 

「はじめ、まして」

 

「ええ、コレからもよろしくお願いしますね?」

 

「…ええ、はぁ………これから?」

 

 ぎこちなくもとりあえずの会釈を返せば、彼女が何てことの無いようにそう呟いた言葉に思わず眉を顰めてしまった。その言葉尻を捉えた武内さんが話を進める。

 

「はい。今回の撮影庶務3課の人事が行われるに際して、比企谷君をこちらの部署に移って頂こうと考えています。基本的な作業に関しては前の部署と変らないと思って頂いて構いません。タレントの送迎とそれがない時の簡単な事務作業。その他には設営等は他に専門スタッフがいますが手伝った分だけ別途報酬といった所です。もちろん、学生であることも考慮してバイト扱いでスケジュール調整は応相談。――――以上の内容で検討しているのですが、どうでしょうか?」

 

「どう、と言われましても……」

 

 急な話に現実感が追い付いていない、というのが正直な所だ。だが、言葉だけを信じるなら前のバイト先の功績が認められての栄転という奴になるのだろう。条件も前と変わらず、給金は2割増し。字面だけを見るなら断る理由もない、が――― 一個だけこの人は勘違いをしている部分がある。

 

「これって、相方の指名は可能なんすかね?」

 

「相方……ですか?」

 

 俺の一言に不思議そうに瞬きをする武内さん。この様子では雑用運転手がなぜ二人一組にされているのかという話は忘れ去られているか、元々、そんなのはなかったかなのだがいま重要なのはそこではない。確かに雑用も計理も運転も大部分を俺がこなしていたが、気難しいタレントや撮影陣との取り持ちは“先輩”がほぼこなしていたのだ。ましてや、この人の“アイドル部門”とやらなら必然的に俺には対処できない問題が起こるだろう。

 

 ならば、今回の人事で残留が決まった先輩も巻き込ませてもらおう。少なくとも、俺よりも上手く対人関係はこなす。どうせソレを拒否されてこの件を蹴って恨みを買ったとしてもただのバイトだ。数々のバイトをぶっちした俺に今更罪悪感なんか湧きゃしない。そんなやけっぱちに近い思考で言ってみた言葉は目を交わした二人に思いのほかあっさりと受け入れられた。

 

「ええ、構いません。バディで動いた方が都合もいいというのも確かですので。――ただ、本人の意思確認はやはり必要になってきます。その方の勧誘はお任せしても?」

 

「――――ありがとうございます」

 

 こんな若造の身勝手な要求にこたえた上に、その先まで配慮するこのプロデューサーになんだか久々に自然に頭を下げたような気がする。そんな彼らに一言だけ断って俺は―――あのズボラな先輩を勧誘すべくその部屋を後にした。

 

 

 

 

 

 

 




_(:3」∠)_評価くれぇい(懇願

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