トゥルーエンディングにたどり着くまでループするらしいですよ。 作:諒一
古代の塔にたどり着いた。
「遠くから既に分かっていたけど、この塔高過ぎじゃない?」
塔の上の方は雲に隠れてしまっていて全く見えない。
「風の試練は比較的簡単ですよ。ただ上まで登ればいいので」
「ゴールの正確な位置が分からないのはきついと思うんだけど」
「試練ですから。タイムアタックも出来ますよ。やります? やりますよね。ショウマさんには拒否権ありませんので」
「拒否権が無いとか初めて聞いたんだけど!」
「当然ですよ。今思い付いたので」
「思い付きなの!?」
「そろそろふざけるのもやめて、真面目にやりましょうか」
最初から真面目にやってほしかった。
「まぁ、そんなに説明することは無いんですけどね。だって上まで登り続けるだけですから。ただゴールまでの距離は、挑戦する人によって変わりますけど。あと魔物は居ません」
「魔物居ないんだ。てっきり魔物を倒しながら登るんだと思った」
「そもそも入口が閉まっているのに魔物が居たらおかしいじゃないですか」
「言われてみれば確かに」
「じゃあ、中に入りましょうか」
「そうだね」
僕は扉を開け……開かない。
「あれ? 開かないよ」
「何やっているんですか。横の台にペンダントを置いてから開けるんですよ」
「持っていたら開くわけじゃないんだね」
「そんなハイテクな物が付いているように見えるんですか?」
「ペンダントが鍵になっている時点で大分ハイテクだと思うけど……まぁ、確かに見た目は付いているようには見えないね」
台にペンダントを置くと扉が自動で開く。
「やっぱりこの塔ハイテクなんじゃない?」
「細かいことは気にしない。それよりも扉を開いたので時間の計測が始まりましたよ」
「タイムアタックは本当だったのか」
とりあえず中に入る。目の前には大きな柱があり、左には階段があった。
よく見ると柱には、扉と上の矢印のボタンがあった。
「あれってエレベーターじゃないの?」
「エレベーターですよ」
「動く?」
「当然動きません。帰る時に使う物ですね」
「やっぱり動かないか。よし、登ろうか」
僕達は階段を登り始めた。
「螺旋階段だからちゃんと進めているのか分からなくなってくるよ」
「大丈夫です。ちゃんと進めていますよ。ちなみに今30分経ちました」
「30分も登っているのにまだ着かないのか。ちょっと休憩しよう」
階段に座る。
「あー座ってしまいましたね」
ナビの声と同時に階段が滑り台のようになった。
「え? 嘘だろ!」
そのまま止まる事なく入口まで滑り降りた。
「これは心折れるよ」
「ショウマさんなら大丈夫ですよ。頑張って下さい」
「簡単に言ってくれるね。……やるしかないか」
また階段を登り始めた。