トゥルーエンディングにたどり着くまでループするらしいですよ。 作:諒一
聖剣を抜いてから一週間がたった。
王様に呼ばれて城に行って、王様に勇者として認められた。おかげでいろいろな人から声をかけられるようになった。一週間たって少しは落ち着いたと思う。
今僕は王様の依頼で、とある魔法使いの所に向かっている。
「名前は教えて貰えなかったけど、絶対あの人だよね」
「そうですね。あの人でしょうね」
天才アルベルト。この世界で唯一の転移魔法が使える人物。見た目はボサボサの赤い髪、常に仮面を着けていて顔は分からない。身長は僕よりも10㎝ぐらい高い。
一周目では、一緒に魔王と戦った仲間の一人である。
ちなみに前回は魔界に入る時に仲間になった。
「結構山奥まで来たと思うんだけど、あとどのぐらいか分かる?」
「そろそろ見えてくると思いますよ。……ほら! あれですよ」
ナビが珍しく自分で飛びながら指を指す。
洞窟が有った。アルは洞窟に住んでいたのか。洞窟に向かって進む。
「そっちじゃなくてこっちですよ」
「あの洞窟じゃないの?」
「違いますよ。いいからこっちに来て下さい」
ナビの方へ行くと、遠くからは見えなくなるような魔法を使っていたらしく突然屋敷が現れた。
「デカイね」
屋敷に近づくと中から老執事が出て来た。
「ショウマ様ですね。こちらへどうぞ」
執事さんの案内に従って行くと応接間の様なところに着いた。
「アルベルト様が中でお待ちです。どうぞお入り下さい」
部屋に入る。
「やぁ、待っていたよ。俺はアルベルト。アルって呼んでくれ」
そこには燃えるような赤い髪のイケメンがいた。
ボサボサ頭じゃないし仮面も着けていない。
「……ショウマです。よろしくアル」
「うん。よろしく。早速だけど本題に入ろう。王様から手紙を貰って来てるよね」
「これだね。はい」
手紙を手渡す。
すぐに読み始めるアル。
「……なるほどね。返事を書くから少し待っていて貰ってもいいかな?」
「いいよ」
「ありがとう。ちょっと行ってくる」
部屋を出ていくアル。
「なんか性格違うよね。仮面は着けていないし、身だしなみは整えているし」
「いろいろ有ったんじゃないですか?」
少なくとも僕が知っているアルは爽やか系イケメンではなかった。
「考えても答えは分からないですよ」
「そうだね」
しばらく待っているとアルが戻って来た。
「お待たせ。これをお願い」
アルは手紙を僕に渡してきた。
「分かった」
「俺もちょっと用事があるから王都まで一緒に行こう」
どうやら転移魔法を使ってくれるみたい。
「ありがとう。助かるよ」
「此処まで来るの面倒くさかっただろ。そのお詫びだよ。ちょっと準備して来るから先に外に行ってて」
外に出てアルを待つ。
「王様の手紙は何が書かれていたのかな」
「まだ魔王は復活していないので、魔王の事では無いことは確かですね」
「今思ったけど王都に行くなら自分で手紙を渡せばいいんじゃないかな」
「王様の事嫌いなんじゃないですか」
アルがやって来た。
「準備はいいかい?」
「いつでもいいよ」
「じゃあいくよ。『転移、王都』」
特に衝撃等もなく一瞬で王都に移動した。
「到着と。問題は無いか?」
「うん。大丈夫」
「よし、じゃあ俺行くよ。またな」
そう言ってアルは行ってしまった。
「僕らも行こうか」
お城に向かって歩き始めた。