トゥルーエンディングにたどり着くまでループするらしいですよ。 作:諒一
アルの所に着いた。火のダンジョンに行きたいと言うことを伝えるとあっさり許可を貰えた。
そもそもこの屋敷を見つけられた時点で許可を出す条件を満たしているらしい。ナビの案内で見つけたので、なんかズルをしたみたいな気分。だけどアルには内緒にしておこうと思う。
アルから貰ったこのルビーのペンダントを持っていればダンジョンの扉が開くらしい。
今回も王都まで送ってくれるみたいなので、甘えさせてもらうことにした。
王都に着くとまたすぐにアルは何処かに行ってしまった。
他の人達の事を考えてみる。
アリアとレオナルドは冒険者をやっているから何処に居るか分からない。シオンは多分帝国に居るはず。
「とりあえず、帝国に行こうか」
「帝国ということは、シオンさんですか?」
「うん。闘技場に行けば会えると思うんだけど、どうかな?」
「いいんじゃないですか」
「じゃあ、ギルドで帝国に行くような依頼でも受けてから出発しようか」
「了解しましたー」
ギルドで探したら、商人の護衛依頼が有ったので受ける事にする。2日後出発のようだ。
旅の準備や近くの討伐依頼などをしていると出発の日になった。
帝国までの道は比較的に安全なので、護衛は僕一人だけのようだ。
商人のおじさんは、勇者が来てくれたことをすごく喜んでいた。まだ僕は、勇者として何もしていないので正直反応に困る。
何ヵ所か村や街によりながら進む予定なので、だいたい一週間かかって帝国に着くみたいだ。
特に何のイベントも起こる事なく、帝国に到着した。
商人のおじさんと別れて、依頼の報告をするために帝国のギルドへ向かった。
用事を済ませギルドの外に出る。もうすぐ日も暮れてしまうので、今日の所は宿を探すことにする。
「闘技場の方に行くのは明日にして、今日はもう休もうか」
「はいはーい。私はふかふかの枕を希望しまーす!」
「分かったから髪の毛を引っ張らないでくれ」
明らかに高級宿ですって感じの所を見つけたので中に入ってみる。受付の人にふかふかの枕を頼んだら一瞬不思議そうな顔をしたけれど、ちゃんと対応をしてくれた。まぁ、一人しかいないのに枕をもうひとつ下さいとか意味不明だよね。
「明日、闘技場に行ってシオンに会えるといいんだけど」
「もしも会えなかったらどうします?」
「うーん。……とりあえず火のダンジョンに行ってみようかな」
「ちなみにあんまりのんびりしていると、魔王の極大魔法によって世界が崩壊します」
「えっ? 今それを言うの? それでいつまで大丈夫なの?」
「だいたい今から1ヶ月ってところですね」
「魔界に行くまでに前は5日、魔界から魔王の所まで10日ぐらいだったよね。……あと2週間ないじゃん」
「そうですよ。よく考えて行動して下さいね」
「分かった。今日はもう寝る事にするよ。おやすみ」
「おやすみなさい」
シオンが闘技場に居てくれる事を願いながら僕は眠った。