バトスピでTUEEEEEEしたかった人生だった   作:ルーニー

1 / 2
烈火魂のSS増えることを祈るのでごじゃる(五体投地)


バトスピでTUEEEEEEしたかった人生だった

「さて、と」

 

 右を見ればバトスピ。左を見てもバトスピ。なんなら上を見てもバトスピの文字が並んでいる。そんな街に俺はラフな格好でかばんを背負って立っている。

 

「バトスピ好きとしてはよだれが出そうな街だよなここ」

 

 できることならいろんなショップに入ってのんびりとしていきたいと思うのだが、残念ながらそんな暇はそんなにない。故郷なのにゆっくりできない。泣きたい。

 

 というわけで、どうも。俺です。誰だといわれそうだから自己紹介すると、まぁ流行りに乗っている転生者なんでございやす。いや、俺も望んでなったわけじゃないのよ?なりたくなかったわけじゃないし、どちらかといえばなりたかったんだけど俺もまさかバトスピの世界に生まれ変わるとは思ってなかったんだよ。

 しかも死んだときの記憶はなし。デッキとかカードプールも最新のものが家に、というか部屋に置いてあったから思わずご都合主義乙と言った。ありがたかったからいいんだけどさ。

 

 いやぁ。しかしだ。転生したと自覚したときは、あれだね。思考停止してたね。うん。びっくりしすぎて思わずよだれ垂らしてたレベルで呆然としてたね。

 でも、自覚したときはともかく、自覚してからは誰かわからない人になっちゃった自己嫌悪とかどうしてこうなったんだとかいう苦悩的なのは思ったよりなかった。我ながら能天気なのかなぁとは思わなくはないけど、こういうもんなんだなぁと悟りみたいな感じにはなった。

 

 まぁ、それでも楽しかったな。俺が俺だって自覚したときにはもうバトスピが世界的に流行っていたし、始めて1年ぐらいではあるけど、まぁいろんなTCGをやっていたからそれなりに知識と腕はあったと思いたいレベルではあるわけよ。近所のちびっこたちとかに教えたりしたこともあるし、こう見えてカードパワーが強いってのもあったけど大会でかなり優勝している実力者(笑)だ。

 いやぁ。初めて優勝したときは近所のちびっこたちも一緒に喜んでくれたもんだ。特に懐いてくれていた青い少女はかわいかった。5年ぐらい前に親の都合で引っ越しちゃったっきり会ってないけど元気かなぁ。

 

 まぁそれは置いておくとしてだ。今日は、というか結構長期にわたって故郷であるこの街、ムサシで依頼主からの仕事をこなすことになっているのだ。意外に思われるかもしれないけど、こう見えて高卒だけど仕事しているのだ。バトスピで結構優勝してるからか、とあるお人に誘われちゃったのだ。やったぜ。結構いい人だから良かったとは思うんだけど、今回みたいにレポートというか報告書を提出しないといけない仕事が多いから地味にちゅらい。

 まぁ交通費宿泊費食事代その他諸々の滞在費とか出してくれる超太っ腹会社なわけなんだけど、前に住んでいた家にはばあちゃんが住んでいるからとりあえずそこに滞在することにしてるので問題はない。が、今回の仕事は割と自由行動が認められているから逆にやりづらい。どうすりゃいいのよわたす。

 

「みんな、大変だ!佐助のやつが炎組にバトルを挑みに行ったらしいぞ!」

 

「果し合いだ!」

 

 一人仕事のことで黄昏ていると、近くのショップでキッズたちが何やら道場破りをしにいったという子が出たと騒いで様子を見に行こうというちょっと騒いでいるのが耳に入った。

 

 ……なんだかなぁ。

 ホント、こういう言葉を聞くとすごい世界なんだなぁとあきれ半分面白半分がこみあげてくるなぁ。

 

「……炎組ってぇと、炎利家がまとめているグループだったっけ」

 

 炎利家。公式で凄腕を表しているS級の称号を持つ日本でも上位のバトスピプレイヤーだ。いやバトラーか。いかん、どうもYPだのDMPだの言っていたせいかプレイヤーっていう癖がまだ抜けてないな。

 

 それはともかく。この世界のバトスピプ……バトラーは強かったらなんか好き勝手出来ているって話が出てたけど、今話に出ていた炎組がいい例なんだよな。バトスピで強い奴が施設を使えるんだっていうようなことを言って施設を一つ占領しているらしい。

 いやぁ。話には聞いていたけど、ほんとカードゲームの世界は意味が分からんな。大人共もちゃんと働け。いや働いた結果がこれなのか?あれか。デュエルでやつを拘束せよ!が基本の世界なのか。やっぱ怖いわ。施設を占領しているようなのとか怖いわ普通に。

 

「……とは思いつつ、仕事だから行かないといけないんだよなぁ。やだなぁ」

 

 今回のお仕事は上位のプ、バトラー、もうプレイヤーでいいや。プレイヤーの実力を確認してこいという何とも鬼畜な依頼主からのオーダーだったりしている。

 俺自身そんなうまくない、カードパワーに頼ったド三流って自覚はあるんだよ。なのにこんなことするでしょ?ホントおにちくだようちの雇い主。

 

「……でも、まぁ、うん。行かないといけないんだよなぁ」

 

 来て早々S級の情報が出たのは僥倖というか、交通事故というか。ホント辛い(本音)。

 

「……ん?」

 

 重い足取りでキッズが走っていった先に行こうとすると、どう見ても同じ年には見えない少年とちっこい少女がキッズたちに遅れて同じ方向へ走っていく。

 はて。なして遅れて向かって行ってるのやら。あのキッズたちとお友達というわけでもなさそうなのに向かっているのはなぜなんだろうか。まさか俺と同じくS級の実力を確認しに来た同業者?

 

「……それはさすがにないか」

 

 どう見たって中学生ぐらいにしか見えない少年と、小学低学年ぐらいにしか見えない少女だ。これで仕事していたとなったらさすがに労基法で報告しに行くレベルだよ。

 まぁ、理由はなんだっていいか。あの子らは理由はどうあれ同じように向かっていく。俺も理由があって向かっていく。これでいいじゃないか。

 

 平和に過ごしたい。できればカードショップの店員として働いていきたい(切望)。

 

 




続かせたいけど次は半年後ぐらいだと思う(万札握りながらアマゾンプライムに突っ込む構えを見せながら
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。