うーん、更新のペースが二週間に一回とかになりそうです・・・。
それでは、どうぞ!!
「銀ちゃん、恵美の姉御見つかったアルか!?」
「いやまだだ・・・チクショウ、どこいきやがったんだよ恵美のやつ・・・」
翌朝、恵美の消失に真っ先に気づいた神楽が、グダグダ布団でうずくまってたダメ侍をたたき起こし、捜しはじめたのが午前九時。正午をまわっても、歌舞伎町をしらみつぶしに捜しても見つからず、お手上げの状態だった。
「それに定春もいないですしね・・・」
「あ、いたアルかメガネ」
「よう、ぱっつあん」
「いたよ!?いましたよ!?僕だってちゃんと恵美さん捜索してましたからね!?」
「あれおっかしいな、確か新八のヤローはテーブルに寝っ転がってたはずじゃね?」
「それ予備のぼく、じゃないメガネですぅぅ!!」
集まって早々にふざけだした二人など関せず、神楽は下をうつむいている。その色濃く不安がでている顔を、銀時は横目で見つめていた。
***
その頃の恵美はというと。なぜ居場所が分かるかって?作者だからです。
「・・・」
「・・・わん」
「・・・はあ、何しているのかしら、わたし・・・モグモグ」
真選組の屯所前で、アンパンと牛乳を定春の隣で食べていた。
昨夜、恵美が万事屋の前から去ろうとしたとき、服のすそを噛んでいたのは、定春だった。振り切ろうにもずっと噛み続けて離さないため、仕方なくお供に従えることとなる。
そもそも、なんで真選組屯所前にいるのかといえば。
「まったく、いい加減にあのクソ魔王でてこないのかしらね・・・!」
そう、真奥のストーキング、ないし偵察であった。
たとえ一回善行をしていたからといって、エンテ・イスラを手中に収めんとした魔王、裏で何をしているかわかったものではない。というよりむしろ捕まれ凶悪犯。恵美代弁。
「なんで警察やっているのよ・・・あんたは、あんたは・・・」
牛乳パックを握力でにぎりつぶし、肩をわなわなと震わせる。許せない。全部忘れたかのように、のうのうとこの世界で暮らして。そして正義の味方なんて演じて。どこまでなめきっているのよ!?許せない許せない・・・父を・・・許せないゆるさないユルサナイ・・・
「わん!」
ハッと定春の鳴き声で我に返り、脱力する恵美。
「・・・ごめんね、定春。そうよね、今は怒っても仕方ない・・・」
「わん!」
「私の目で直接確かめて、魔王を見定めて・・・討つ!」
そのために、万事屋と縁を切ったんだから。
そう言い聞かせ、目線を屯所の門に移す、と、
「っっ!きた!!」
お目当ての人物―真奥貞夫。制服に身を包み、刀を腰に提げ、あの大悪魔とは思えない体で、あとアイマスクしている誰かを引っ張りながら出てきた。
「ほら隊長!仕事ですよ仕事!!もう昼ですよ、今日こそは働いてもらいます!」
「・・・ZZZ・・・ZZZ・・」
「だから寝ないでくださいぃぃ!!」
流石に堪忍袋の緒がきれたのだろう、男の腰を掴んでぐるっとまわし、思いっきり頭から減り込ませた。
「・・・おい、なんでぇマッタク・・・」
しかし何事も無かったかのように、緩慢な動きで地面から脱出した。
「いい加減にしてください沖田隊長、巡回の時間ですよ」
「へいへいしゃーねーや、行くとしますかい・・・後で土方ころそう」
「今ボソリと怖いことおっしゃいましたよね?」
「?なんのことでぇ?」
会話をしながらもパトカーに乗り、真奥はエンジンを起動させる。
「!まずいわ、車を使われたら追いかけられない・・・どうしよ・・・」
ノープランにもほどがある。仕方がないことではあるが。
こめかみを指で押さえ、焦燥にかられる恵美。そのとき、ポンポンと肩を叩く者が。
「・・定春・・・?」
「・・・(乗ってくかい?)」
***
時は過ぎ、カラスも鳴きやむ時分である。
万事屋は、まるでお通夜のごとき、重暗くしずんだ空気で満たされていた。
テーブルを囲んで座ってはいるものの、誰も口を開かない。
それでも耐え切れなかったのか、新八が口火を切る。
「あの、姉上にも協力をお願いしたんですが、誰も恵美さんのこと知らないそうです・・」
「・・・」
「バイト先の木崎さん?でしたっけ、その方にきいても連絡ないそうで・・」
「・・・」
「銀さん?神楽ちゃん?その、気持ちは分かりますが、まだ死んだわけじゃないんですから・・・」
「・・・(ピクッ)」
「そ、そうですよ、定春くんもきっと一緒ですよ、それに恵美さんのことです、きっとどこかで元気で、」
「新八!!」
突然の銀時の怒鳴り声に萎縮する新八。
「察してやれよ・・・辛ぇのはオメーだけじゃねーんだよ・・・」
目に陰が差し、それでもゆっくりと、搾り出すように言葉をだす。
「だれも、泣いている奴から、慰めてもらいたかねーよ・・」
「・・・?そんな、ぼくは泣いて、なんか・・・」
ぐしゃぐしゃの顔で、そう言う新八の声は、微かに震えていた。
その隣の神楽も、必死で唇を噛んで、それでもほほにつうと涙がつたう。
遊佐恵美は、それだけ、万事屋でも大きな存在だったのだ。
家計のためにバイトを掛け持ちし、家事の分担もこなし、依頼にも助力し、
そして、四人で笑いあって。
たった一ヶ月だろうと、その思いは、決して軽くなんかない。
「・・・まあ、明日もういっかい捜してみて、それでダメならあの税金泥棒どもにでも」
がっしゃァァァン!!!
「がぁあ!?」
「「ぎ、銀さん(ちゃん)!?」」
突如屋根をつきやぶり、銀時の腹に直撃した物体は、
「あれ、オメェ・・・」
その者の顔を、銀時たちは知っていた。
九の一である、猿飛あやめ、またの名を『始末屋さっちゃん』。
マゾで銀時ゾッコンLOVEで、もうどうしようもない変態ドMなのだが、忍の腕は確かで、依頼の遂行率の高さは他の同業者と一線を画す。
その彼女が、服は破れ、無数の傷を露に、いま、銀時に覆いかぶさっていた。
「さっちゃんさん、大丈夫ですか!?って神楽ちゃん!?うつろな目で殴っちゃダメェェ!!けが人になにしてるの!?」
意識は別世界にとんでいるのか、あらぬ方向を向いてひたすら猿飛を殴る、殴り続ける。
ふつうなら、死ぬ。
「・・・ん、んん・・・」
しかし、さすが真性のマゾヒスト、むしろいい気付け薬となったのか息を吹き返す。
「・・・こ、これは・・クンクン、!!ぎ、銀さんの香り!?キャアァァキタコレ!!やったわ、ついに既成事実!!これは既成事実!!きっと気を失った私に銀さんが飢えた狼のようにアンナコトやコンナコト、ひいては私のおくに」
「わかったわかった、はい黙れ」
勝手に悶えはじめた猿飛の頭に銀時チョップ。猿飛あやめは108のダメージを受けた。あ、むしろ回復ですか?
猿飛がやっと正気にかえり傷の手当てをしたあと、一同は湯飲みを手に、一息ついていた。そうでもしないと、いつまでもギャグばかりで話が進まない。
「で、なんでテメー、こんな時間に落ちてきたんだよ?アレか、また訳のわからんストーキングか?」
「・・・半分は違うわ」
「当たってんのかよ、せめて否定しろや」
そこで猿飛は浅く息を吐き、ゆっくりと語りだした。
「・・・あれは、一か月前のことだったわ・・・」
「え、そんなにさかのぼるんですか?」
「ちょっとだまって新八君・・・あの日、私は酒屋の天井裏に潜んでいたの。その日はたまたま依頼がなかったからね。あ、でも仕事はあったわ、銀さんを陰から見守るって仕事が♡・・・口を押さえながら店を後にした銀さんを追ってみれば、なに?いきなりあの女、空から降ってくるなんて!?そうやって虎視眈々と銀さんとToloぶる機会を狙っていたかと思うと、クナイで髪をそいで腹をさき目玉を」
「はいストップウゥゥゥ!!うすうす気づいていたけどオマエあれな!?どこのヤンデレ娘だよ!?」
「あ、あはは・・・とりあえず、もっと簡潔に話してくれます?」
銀時にひっぱたかれて恍惚の表情を浮かべていた猿飛は、コホンと咳払いし、
「つ、続けるわね・・・そんな折に、あのアバズレ女が万事屋を出るところを見たの・・・」
~~~
やっったぁぁ!!あのド腐れビチグソが、やっと銀さんと離れる決心をしたのね!のうのうとデートまでして・・・!まったく人の男を横取りするなんてどんな神経してるのかしら?
これで今までどおり銀さんとアバンチュールを・・・
・・・
・・・べ、べつにあの泥棒猫、どうなっても知らないしぃ!?どっかで野たれ死ねって感じィ?
・・・
・・・そ、その・・・ちょ、ちょっと後をつけるぐらいは、ね・・・
で、なにやってるの、あの女?
さっきからずっと真選組の屯所前で・・・。なぜか定春クンもいっしょだし・・・宿敵一号・・・。
あ、動いた!・・・ふうん、どうやら今門から出てきたあの男に用があるのかしら・・・
・・・ん?もしかして・・・アイジン!?
ちょっと!!銀さんというあんないい男を誑かしといて、乗り換えですってぇぇ!?
・・・おうわ。追うわよ!!
・・・対象A、いまだターゲットと接触せず。
なによ、さっきから物陰に隠れてばかりで・・・これじゃ、ただの変態ストーカーじゃないの!?
もう夜になっちゃったわよ・・・。彼も巡回終えて帰ろうとしてるじゃない・・・。
余談だけど、一番隊隊長の沖田くんと一緒にいるってことは、彼もそれなりに優秀なのかしらね。
・・・もう帰ろうかしら。早く銀さんの寝顔をおがみ・・・!
あの女、動いた!うん、もうちょっと続行ね。
えーっと、どうやら言い争っているみたいだけど・・・
「・・・・の責任・・・ね!!」
「し、・・ねえよ!」
&%$#*@!?
せ、責任・・・!?オ、オトコトシテセキニンヲトレ・・・?
・・・ふ、ふ・・・ふふ、ふふふフフフフフフフフフ
~~~
「お、お前・・・エミリア!?どうしてここに・・?」
巡回を終え、直帰しようとしていた矢先に現れた、勇者エミリア。真奥が驚くのも無理はなかった。
相対する恵美は、沈黙を守ったまま鋭く睨みつけてくる。傍らの白い犬は物欲しげにキラキラと見つめてくるが。
「・・・闇夜に乗じて俺を討とうってのか?勇者らしからぬ行動だな?」
「ッ!!」
ギリッ、と歯軋りの音が離れていても聞こえてくる。
恵美は、迷っていた。
このまま魔王を斬るべきか。いや、本当に目の前の男は魔王なのか。結局、怪しい動きどころか最後まで善市民然としていたこいつが、本当にあの、残虐非道極まりない大悪魔なのか。いや、今とか関係なく、コイツは父親の仇・・・そして自分は勇者。迷う余地など、ない。
すう、と深呼吸し、気を統一させて、
「父を・・・エンテ・イスラの人々への悪口の数々・・・その罪はその身で償ってもらうわ、魔王サタン!!」
「・・・どうやら、話し合う余地はねーみたいだな・・・」
「今日のバイトを欠勤させた責任もね!!」
「いやそれはしらねぇよ!?」
真奥が素っ頓狂なツッコミをした刹那、
大量のクナイが、目の前にふりそそいだ。
「「!!??」」
二人とも、あまりにも突然のことで、思わず目を見張る。おずおずと飛んできた方向を見やると、
「・・・許さない・・・私の銀さんに・・・あんなことまでしておいてぇ・・・!」
月光を背に、屋根の上にたたずむ女の影。次の瞬間には両手にクナイを構え、まっすぐ恵美に肉薄する。
「!!な、なによっ!!」
しかし流石は勇者。紙一重でかわすと、その女は勢い余ってごみ集積場へと突っ込んだ。
「・・・あ、あの~、だいじょうぶですかー?そこのかた~?」
「いつつ・・・大丈夫なわけないでしょ!!」
がばっと起き上がり、頭にカップめんの容器をかぶっているが、恵美に殺人級の視線を突き刺し、つめよる。
「あのねぇ・・・なんなの、アンタ?あなたにはここまでよろしくやってた銀さんがいるじゃない?で、この男は?浮気よね、浮気なのよね?人から婚約者を寝取った挙句、今度はこんな青っひょろい男に目移りするなんてどっかわいてんじゃないの!?」
「・・・はい?」
口をひくひくさせて、戸惑う恵美。相手の目は既にマッカに血走り、言っていることも意味不明である。
「この泥棒猫が・・・私が日夜、どんな思いで銀さんを見つめていたか・・・その安寧を根こそぎ奪って、ドブにポイだなんて、誰が許すかアバズレビッチがぁぁ!!」
「・・・あ、もしかして、よく銀時に蹴飛ばされている人ですか?」
今度は女のほうがビクッと肩を震わせる。
「なんか見覚えあると思ったら・・・確か新八くんからお名前を伺っていたような・・・そうそう猿飛あやめさん、でしたっけ?初めまして、遊佐恵美です、よろしくお願いします」
「あ、こちらこそよろしく・・・
・・・じゃねぇよぉぉぉ!!」
かぶさっていたカップめんをひっつかみ、ゲシゲシと踏みつけだす、猿飛。
「たしかにそうだけど!猿飛あやめですけど!今このタイミングでいうことじゃないでしょ!!」
「・・ッチ」
「ほら自覚あるんじゃない!!誤魔化す気まんまんじゃないのぉぉ!!ふざけんじゃないわよ、ここは銀さんの操をかけて争う愛憎シリアスシーンでしょ!!」
「はぁ!?いきなりでてきて何言ってんのよ!!どっちがふざけてるってのよ魔王との対決シーン邪魔しておいて!!」
「はいはい黙れまな板ビチグソが!!」
「ア``ァ``!?」
額をぶつけて火花を散らす二人。完全に真奥、蚊帳の外である。
「あ、あのさ二人とも、とりあえず落ち着いたら」
不意に、頬に熱がかすった。
長くなりそうなんで、ちょっと中途半端ですが、ここで終了。
あー、なにやってんでしょう、これ・・・。
もしかしたら次も更新遅くなるかもしれませんが、なんとかがんばります!!