真剣で鳴神に恋しなさい!S   作:玄猫

31 / 37
PCが壊れたので更新が遅れました!

あぁ……毎日更新の目標が……。


28話 猟犬部隊、襲来 後編

 突如やってきたコジマとリザとは違い、フィーネたちは前もって来る日を連絡していた。

 

「そろそろつく頃かな」

 

 そう呟いた勇介の視界に見覚えのある女性が飛び込んでくる。男性と比べても長身で、時折男性もぎょっとして彼女を見ている。ジークルーン・コールシュライバー。身長180cmを超える長身ではあるが、戦闘よりも医療を特に得意とする。彼女の特殊な能力はその治療にあるのだ。

 

「ジークさん!」

「あ、勇介ちゃん!おひさしぶり~!」

 

 ぱっと顔を輝かせると勇介のところへと駆け寄ってきたジークはそのまま勇介を抱きしめる。体格差があるため、ジークの胸に顔を埋める形になってしまった。

 

「うぷっ、ジークさん、急には驚くだろ」

「あ、ごめんね。嬉しくて」

 

 えへへ、と笑いながらペロッと舌を出す。

 

「全く。それでフィーネさんは?」

「副長なら電車の中で痴漢を捕まえて駅員さんに引渡しにいったよ」

「すまないな、勇介。遅れてしまった」

 

 フィーネ・ベルクマン。猟犬部隊の副長でもあり、天才と謳われたマルギッテと学校で競い合っていた才女である。特殊な能力ではなく、状況把握や物の分析などに長けている点が特に秀でているがオールマイティに何事もこなすことが出来る。

 

「大丈夫だよ。フィーネさんもお久しぶり」

「ちゃんと勉強はしていますか?」

「欠かしてはいないと思うよ。それに、あの星の図書館に色々と教えを請う機会にも恵まれたしね」

「あの九鬼従者部隊第二位のマープル殿ですか。流石と言っておくべきでしょうか」

 

 修行に明け暮れていたころの勇介に勉強を教えていたのはマルギッテとフィーネの二人。つまりは勇介にとっての姉代わりであり教師代わりでもあるということだ。

 

「フィーネさんのおかげでこっちでも恥ずかしい思いをしなくてすんだよ。俺一人だったら間違いなく勉強なんてそっちのけだっただろうからね」

「ふふ、貴方ならきっと大丈夫でしたよ」

 

 優しく頬を撫でるフィーネ。

 

「テルは来てるのか?」

「テルは空輸できています。あの鎧のままこちらまでは来ようと思っていたようです」

「あー……まだ男嫌いは治ってないのか」

「アレはそう簡単には治らないでしょう。ただ、勇介には会いたいといってましたよ」

「それは嬉しいけど何処に来るかは分かってる感じ?」

「お嬢様のところへ直接行くといっていたからきっとそこでしょう。隊長もそこにいると聞いています」

「コジマとリザさんもね。案内するよ」

 

 

 島津寮に着くとちょうど寮の目の前に空から巨大な鉄の塊が振ってくるところだった。その鉄の塊……鎧は勇介を見ると中から一人の女性が飛び出してくる。

 

「ちょっ!?それはしゃれになってないだろ!?」

 

 中から出てきたのがテルマ・ミュラー。元々生まれは有名な鉄鋼業を営む一族であり、そこで育ったテルマは機械などを自在に操る技術に長けていた。その技術を利用して作り上げたのが今テルマの着ていた(乗っていた?)鎧なのだ。彼女自身は通常の人間と大差ない程度の能力しか持っていないこともあり、勇介は焦ったのだ。

 テルマに向かって跳躍すると勢いを殺してテルマを抱きとめる。

 

「テル、流石に危ないって!」

「ユウなら簡単に助けてくれるって信じてたから、大丈夫よ」

 

 着地した勇介がテルマを静かに地面へと降ろす。その後ろでは鎧が自動で静かに着地しているところだった。

 

「な、何だ何だぁ!?ロボが降りてきた!?」

「いや、ロボってクッキーがうちにはいるだろ」

 

 外での音を聞いてだろうか、寮の中から翔一と大和が出てくる。

 

「って、やっぱり勇介の関係者……いや、クリスの関係者って言ったほうが正しいのか?」

「まぁ、どっちもでいいよ。なんとなく分かってるだろうけど、コジマとリザさんの同僚でもあるフィーネさんとテルマだ」

 

 そう言って二人を紹介しようとしたが、テルマはささっと勇介の後ろに隠れていた。

 

「……テル?」

「ふん、男には興味ないわ」

「全く。私の部下が失礼した。フィーネ・ベルクマンだ。よろしく頼む。こっちがテルマ・ミュラーだ」

「おう!俺は風間翔一だ!よろしく!」

「直江大和です。よろしくお願いします」

「直江……お嬢様から話は聞いています」

「ど、どんな話してるのかちょっと気になるな」

 

 そんな形で挨拶を交わした後、寮の中へと入る。

 

「お邪魔します」

「はは、お前ならただいまでも違和感ないけどな。とりあえずいらっしゃい」

「おかえりなー」

 

 もぐもぐと何かを食べながらコジマが歓迎する。

 

「コジー、なじんでるな……」

「麗子さんがすっごく気に入ってさ。色々な和菓子とかを差し入れてくれるんだよ」

 

 大和がそう言って苦笑いを浮かべる。コジマはどうやらくず餅を食べているようだった。

 

「お、それもしかして千花のところのくず餅か?あれうまいよなぁ」

「え、勇介いつの間に小笠原さんを呼び捨てに?」

「ん、前に学園で呼び捨てにしてくれって言われてな。別に問題はないと思ったから呼び捨てで呼んでる」

「……お前も大概コミュ力高いよなぁ」

 

 コジマから差し出されたくず餅を食べる勇介を見て大和が呟く。

 

「よー!」

 

 リザも奥から私服で現れる。知らない人が見れば下着に近いものに見えるだろうが。

 

「くつろいでいるな、二人とも。ここの住人に迷惑をかけていないか?」

 

 フィーネが二人に向かってたずねる。

 

「ぜんっぜん!コジマしっかりしてるから」

「品行方正がモットーなので」

 

 そんなことをコジマとリザが言っていると二階からクリスが降りてくる。

 

「おお、三人とも!はるばるようこそ!」

「川神に来たらまずはお嬢様に挨拶をと思いまして」

「何はともあれ、駆けつけました」

「お嬢様、お元気そうで何よりです」

 

 フィーネ、ジーク、テルマの順にクリスへ声をかけていく。歓談する猟犬部隊とクリスを見て風間ファミリー(寮組)も集まってくる。

 

「いやぁ、ああやってみるとクリスがお姫様みてぇだな!」

「猟犬部隊の誰もがクリスに敬意を払ってるもん。凄いよ」

「まぁ、フランクさんが凄い上に、クリスもああいう子だろ?皆に可愛がられてるんだよ。俺とかコジーとかテルは年代がほかより近い分、遊び相手になったりもしてたけどな」

『でもアレやね、まゆっち。お友達を狙うには難易度高そうだね』

「おおっと、そんなことはないぞ赤兎馬くん」

『松風ですぅ。ちょっとアレとは間違えんといて』

「はは、松風、まゆっち。ジークさんと後で話してみたらどうだ?ジークさんもどっちかというと友達欲しい組だからさ」

「が、頑張ってみます!」

 

 そんな話をしている間にクリスたちの歓談は一旦終わったようで。

 

「お嬢様、私たちはホテルに戻ります」

「いやいや、せっかく来たんだから茶ぐらい飲んでくれ」

「そうそう、たいしたお構いもしませんが」

「お前は少しは遠慮しろ」

 

 何故か答えたコジマにフィーネが軽く頭を叩く。

 

「あれ、どつかれた」

「コジちゃん、その服いつも着ている奴の日本版?」

 

 胸元に犬の絵が描かれていてその上に「INU」とローマ字で書かれた服だ。しかも載っている絵は別に日本犬というわけではないというオマケつきだ。

 

「お気付きになられましたか、見つけたので買い占めた」

「めっちゃ可愛いね~」

 

 目を輝かせて言うジーク。そのとき、寮の外から新たな人が入ってくる。

 

「おお……寮が国際色豊かになってるわ」

「強い気が集まってると思えば猟犬部隊の皆さんと勇介か。はじめまして。心に誠を掲げる美少女、川神百代です」

 

 現れるなりそう言った百代。

 

「自分の欲望に正直という意味です」

 

 更に後ろからマルギッテもやってきた。

 

「(これが武神か……なるほど凄まじい威圧感だ。闘気計算)」

「(とか、してるんだろうな)」

 

 フィーネのほうをチラと見て勇介はそう考える。

 

「あ、武神!良かったら後でサインくれない?」

「いいですけど、ただというわけにはいかないですね。ベタベタしませんか?」

「モモ先輩?俺の姉代わりの人たちに何をしようとしてるんですか」

「おおぅ……勇介がちょっと怖いぞ」

 

 じゃれ付く勇介たちを見ながら測定を終えたフィーネが少し驚く。

 

「(数値が設定された上限を超えてエラー……機械では計れないということか。破天荒だな。計れなかった相手はこれで勇介に続いて二人目か)」

 

 正確にはフィーネの装置で計れなかったのは龍を使った状態の勇介だが。

 

「同じく川神院、川神一子です!」

 

 丁寧な挨拶をする一子を見てコジマがうんうんと頷く。

 

「お前犬っぽいな。近しいものを感じる」

「っていうかコジマちゃんその犬Tいけてるな」

「武神のリスTも超クールだ」

「分かるか!」

 

 何故か意気投合する二人。

 

「……なんだかここにいる人たち、みんな達人な気がするよ」

「俺と大和は普通……って言い切るのは何かいやだな」

 

 翔一が言う。確かにこの場所の戦闘力は明らかに高い。もし害意を持って近づいてくるものがいれば逆に可哀想に思ってしまうほどに。

 

「さぁさぁ、話をするなら居間に行こう!」

 

 クリスがみんなを案内する。

 

「交流会といきますか。ほらまゆっち、準備&アピールだ!」

「は、はい!」

「知らない人がたくさん……それじゃ私はこれで」

 

 ボソッとつぶやいて京がその場を離れようとするのを勇介が腕を掴む。

 

「京、せっかくだから一緒に話をしよう。俺の家族みたいな人たちなんだから大丈夫だって」

「……わかった。勇介がそこまでいうなら」

「……ユウ、その子誰?」

「ん?あぁ、俺が小さいときに知り合ってて再会した子だよ。ほら、後で紹介するからまずは居間に行こう。クリスが怒るぞ」

「そうね。お嬢様をお待たせするわけにはいかないわ」

 

 勇介の言葉に素直に従うテルマ。若干大和と翔一から離れるように行動しているが、一緒に移動していることから少しは成長しているということだろう。

 

 

 こうして、ドイツよりやってきた猟犬部隊も川神にて休暇、ここにいるメンバー以外の猟犬部隊は一旦帰国し、軍の任務に就くこととなった。




テルマは勇介にべったり設定です(ぉぃ
よくある私がお姉ちゃん的な感じと家族以外で唯一心を許している男性としてですね。

PCは一旦復旧しましたが、いつ壊れるか分からない状態で戦々恐々です……。
なんとか一年くらい持ってほしいものです。

感想、評価等お待ちしております。モチベーションにつながってます!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。