だから、ただの念能力者だって! 作:ぽっぽぽるる
シャルナークはアジトへ帰ってきてからも、フードの青年のことについて考えていた。立ち振る舞いや、反射神経、オーラの量などを全部含めて考えてもウヴォーギンに勝てる要素がない青年。それなのに、青年は実際にウヴォーギンを一撃で沈め、更には自分の顔を押さえて笑っていた。それはウヴォーギンに対する皮肉なのだろう。
一人だけ傍観し、負けると見せかけての勝利。本当に青年は何者なのだろうか。
いくら考えても答えに辿り着く気がしない。ただ、一つ確かなのは、青年の念能力は制約を使っているだろうということだ。青年はウヴォーギンの攻撃を受けて、初めて念能力を発動した。恐らくだが、制約で攻撃を受けてからしか発動できなくしている節が高い。
「調べてみるか」
シャルナークはそう言うとすぐさま立ち上がり、知っている限りの情報屋たちへ電話をかけ始める。少しでも青年のことを知るために。
***
「やあ…♥」
暇だし外を散歩してたら、変な格好した男の人に会いました。
ピエロのような格好をしている男の人は僕を見つけると物凄いスピードで僕に近づいてきた。
「君がカナタくんかい?♥」
何故そういいながら下半身を大きくしてるんだこの人。しかも何で僕の名前を知ってるんだ。まさか……ストーカー!?
「え、あ、いや違います」
しどろもどろになりながら否定するとピエロさんはニコリと微笑んだ。人違いで押し通そうとそう思った時、ピエロさんの顔が僕の耳元にぐいっと近づいた。
そしてボソリと、
「嘘ついちゃダメでしょ…?◆」
先程までとは違う、威圧するような声色で呟いてきた。
怖っ!何この人、本当に怖い!
「は、はははナンノコトデスカ?」
「それはさておき、早速テストしよっか◆」
「て、テスト…?」
何だか嫌な予感がする。
気のせいだったらそれで良いのだが、念の為に自分のできる限り神経を尖らせ、ピエロさんの行動一つ一つを目に刻む。
「もう、そんなに見られると……」
なっ…!姿が消え———
「興奮しちゃうじゃないか♥」
背後からの凄まじい圧力に、思わず飛び退いてしまう。そしてそのまま後ろを振り向くと、気味の悪い顔をしたピエロさんが笑っていた。その顔に鳥肌を立てていると、次の瞬間、
僕はピエロさんに蹴り飛ばされていた。
「……ごっ…」
言葉にならないような痛みが右手を襲った。何とか寸前で右手を出せたものの、その右手はボロボロに折れてしまった。
使えなくなった右手を押さえ、自身の念能力を発動する。
《
これが僕の能力だ。
痛みを力へと変える、代償は大きいが見返りも大きい、ハイリスクハイリターンな能力だ。
っと、今はそんなこと言ってるような場面じゃない。吹き飛ばされた僕にゆっくりと近づいてくるピエロさんを見失わないように気をつけつつ、右手の痛みの分の力で黒い鉤爪を生成する。折れた右手に纏わせ、ぐちゃぐちゃの関節を利用して予測できない挙動の攻撃をピエロさんのお腹辺りに喰らわせた。能力を使ってからは痛みを感じなくなる。だからこそできる芸当だ。
お腹辺りを切り裂かれたピエロさんは、俄然として微笑んでいた。
僕がピエロさんに攻撃を当てたことに満足したのか更に笑みを深めながら、口を開ける。
「君はいい果実になりそうだ♥」
何故かお尻がきゅっとした。
****
「やあシャルナーク◆」
未だにカナタのことを調べていたシャルナークは思わぬ訪問客にため息をついた。
振り返ると、相変わらず趣味の悪い格好をしている男がいた。
「何か用?ヒソカ」
「君が調べてるその子、結構良かったよ♥」
シャルナークはヒソカの言葉に驚きを隠せずにヒソカの方を見た。よく見ると洋服のお腹辺りの部分に何かで切られたような後があった。
「まさか、闘ったのか!?」
「うん◇油断してなかったのに一発喰らわせられちゃったよ♥」
「へぇー、君に一発入れるなんて、やっぱり彼は強いんだね」
「フフフ…あの二人も楽しみだけど、カナタくんもどう成長するのか楽しみだなぁ♥」
「今後蜘蛛の邪魔をしないでくれると助かるんだけどね」
シャルナークはウヴォーギンと彼の闘いを思い出し、再度ため息をついた。
「あ、それとカナタって誰?」
「君が調べてた子の名前だよ♥」
「はぁ!?いつの間に分かったんだ!?」
「秘密◆」
何分小説を書くのは初めてなので、ルビの振り方やアドバイスなどがあったら教えてくださるとありがたいです…