だから、ただの念能力者だって!   作:ぽっぽぽるる

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第三話

 ピエロさんとの戦闘の後、僕は家に帰り、ゴロゴロとしていた。この間の巨漢さんを追い返したおかげでお金も貰ったし、ぐうたら生活を満喫している。

 にしても、あのピエロさんは一体何者だったんだろうか。あんな奇抜な格好の人、一度会ったら忘れないだろうから初対面なのは確かだ。

 

 んー、もしかしてあの巨漢さんの仲間?

 

「まあいいかぁー」

 

 窓の外に写っているヨークシンシティの綺麗な夜景を見れば、そんなことはどうでもよくなった。

 

 

 そのまま暫くの間ボーッとしていると、机の上に置いていた携帯が震えた。むくりと重い腰を上げ、携帯を手に取る。

 

「んー?誰だこれ……クラピカ…?」

 

 すると《クラピカ》という宛名からメールが来ていた。なんだか最近疲れるような依頼ばかりだ。メールの内容からしてクラピカさんの依頼も疲れそうなものだろう。

 

「えーと……手合わせ願いたい…か」

 

 手合わせと言ったら、あの手合わせだろう。僕弱いんだけど…なんで僕なんだろう…別に僕より強い人なんか山ほどいるだろうに。

 

「でも依頼は依頼だしなぁ…」

 

 僕が仕事としてやっている、この《便利屋》はその名の通り街の掃除やお偉いさんの護衛まで色々な依頼を承ってる仕事だ。因みに、何故か急にぶっ倒れてた巨漢さんと闘いになりそうになったのもこの依頼のせいだ。

 

「よし、行くか」

 

 一先ず依頼人の所に行かなくちゃいけない。

 僕は立ち上がり、クローゼットから黒色のローブを取り出した。それを羽織り、フードを被れば、いつものスタイルの完成だ。

 少しだけ足取りが重いが、さっきも言った通り依頼は依頼。イメージダウンさせないためにも依頼は極力断りたくない。

 

 集合場所は、何処かの廃墟のようだ。何だか嫌な予感がする。外れてくれるとありがたいんだけど。

 

 

 

 ***

 

「来たか」

 

 中性的な容姿の青年は、足音一つ立てず近づいてきた黒いローブの男を見つめながら呟いた。あの時と同じで不気味な印象を受ける。

 気味が悪い。中性的な容姿の青年は舌を巻き愚痴を吐いた。勿論、心の中でなのだが。

 

「……貴方が」

 

「私がクラピカだ。先ずは依頼を受けてくれたことに礼を言おう」

 

 少し頭を下げ、礼を言うが黒いローブの男は俄然として寡黙を貫いていた。フードのせいで顔が見えないのもあり、今、彼がどんな表情をしているのかさえ分からない。彼は、一体敵なのだろうか。それとも味方なのだろうか。

 

「依頼内容は書いていた通り。蜘蛛を追い返した貴方の実力を知りたい」

 

 クラピカがそう言うと、黒いローブの男は肩を竦めてボソリと声を出した。

 

「蜘蛛…か…」

 

 不思議そうにそう言う彼。まるで蜘蛛のことを敵とすら(・・・・)見ていないような、その声色に少しばかりの恐怖を感じた。

 

 

 

 

「では、お手合わせ願おう…ッ!」

 

 

 その言葉を合図に、クラピカは具現化した鎖をローブの男に向かってかなりのスピードで伸ばした。男は自然体のまま少しだけ身体を右に傾ける。

 

 簡単に避けられたことに対し、クラピカは安心と驚愕の二つの感情を持っていた。安心の理由は、蜘蛛を追い払うくらいの実力の男なのだから避けれて当然だという安心。驚愕の理由は、全く鎖を見ずに避けられたことへの驚愕。

 

「やはり中々やるな…!」

 

「………」

 

 ここまで来ても、寡黙を貫くのか。やはり、気味が悪い男だ。

 クラピカは念の為に持ってきておいた小太刀を腰元から取り出した。あの速度の鎖を避けられるのであれば、遠距離からの攻撃はほぼ皆無と言っていいほど当たらないだろう。彼は蜘蛛の男に殴られた時、簡単に懐に入り込まれたように見えていた。もしかすると近接戦の方が苦手かもしれない。

 

 クラピカは瞬時に判断し、ローブ男へ切りかかる。思った通り、ローブの男は突然の近接攻撃に反応出来なかったのか、クラピカからの攻撃を許してしまった。

 

「……ぐっ」

 

 切られた脇腹辺りを押さえ、ローブの男は後ろに飛び退く。クラピカはそれを見て、近接戦闘が苦手だということを念頭に置き、牽制の意味を込めた鎖を伸ばす。やはり、避けられる。だが、注意を引くには充分だ。

 クラピカは鎖を使い、ローブの男との距離を徐々に縮めていく。ローブの男も、先程の傷で近接攻撃を警戒しているはずだ。

 

「喰らえッ!」

 

 クラピカは小太刀で再びローブの男に切りかかった。だが、警戒されていたためか簡単に避けられてしまった。

 

 クラピカはニヤリと笑う。

 引っかかったな、と。

 

「何……!」

 

 クラピカはローブの男の足を、()で雁字搦めにする。そして、右手、左手と四肢を全て拘束した。

 

 

 

「私の勝ちだ」

 

 

 クラピカは口元を歪めながら、ローブの男の腹を小太刀の峰で強打した。

 

 かくんと首を落とし動かなくなったローブの男を見て、クラピカは鎖を解く。大したこと無かったな。もう少し苦戦すると思っていたんだが。

 

 クラピカはそんなことを思いながら、ローブの男に背を向けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヒヒッ」

 

 

 

 

 

 突如、衝撃がクラピカの全身を襲う。

 

 

「ぐ…ああ……ッ!」

 

 クラピカはその瞬間、失念していたと自らを咎めた。

 私はあの蜘蛛の男とローブの男の戦いで何を見ていたんだ。

 

 ローブの男は蜘蛛の男に殴り飛ばされた後、能力を発動していた。

 

「カウンター系の…能力か……!」

 

 クラピカは意識が薄れていく中、ローブの男を視界に入れた。

 ローブの男は、槌を模した黒い何かを右手で軽々と持っている。そして何より、

 

「………華…?」

 

 傷跡を包むようにして咲いている黒い華が、やけに目立って見えた。

 

 

 

 ****

 

 クラピカさんから呼び出された場所に行くと、そこには金髪の美少年がいました。

 

「…貴方が」

 

 クラピカさんですか?

 そう言葉を続けようとすると、

 

「私がクラピカだ。先ずは依頼を受けてくれたことに礼を言おう」

 

 割り込むようにクラピカさんが口を開いた。

 いくら僕の声が小さいからって割り込むのは酷いよっ……

 

 その後クラピカさんは、蜘蛛がどうたらこうたらという話をすると、その話の途中から凄い威圧感で僕を睨んできた。

 何か蜘蛛に恨みがあるのだろう。

 

 にしても、

 

「蜘蛛…か…」

 

 なんですかそれは。

 正直言って全く聞いたことがない。あれか、なんか裏の世界のやべーやつらみたいな感じ?でもそれだったら、いつ僕はそんな危ない人たちを追い返したんだろうか。

 

 そんなこんなで始まる、手合わせ(リンチ)。飛んできた鎖は何とか避けれたものの、いきなりの刃物での攻撃は避けれるはずがない。

 

 その後、手足を拘束されながらボコボコにされ、

 

 

 

 

 

 

 

 気づいた時には、ボロボロのクラピカさんが僕の前に倒れていました。

 

 

 あれぇ…?

 

 

 




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