4校合同合宿の夜、4校の生徒達はそれぞれ交流を深めていた中で風音の話になっていた。
「竹井さんには感謝しているんです」
風音の姉である美穂子が言う
「どうしてかしら?」
「風音を卓に戻してくれたことです」
「ん?それは私の為でもあったのよ。感謝されるような事じゃないわ」
「それでもですよ、インターミドルが終わったあとは風音かなり荒れてましたから」
「えっ?福路先輩荒れてたんですか?」
「信じられないじぇ」
「1年前風音さんとあった時は今よりも冷たい感じがしてましたわ」
「初めてあった時は人を全く寄せ付けない感じだったよ」
透華が言う、それに一が続いた
「そうね勧誘に行った時、かなり冷たくされたわ」
「何があったんですか?」
咲は聞く
「まぁいずれは知ることになるでしょうし今話しても問題ないか。私が風音君の事を知ったのは中学生の時、男子で初の二連覇を達成したという記録を見た時だった、そんな子が清澄に入っていることを知って直ぐに勧誘に行ったわ」
1年前 春
麻雀部がないとされているこの学校に入学して1週間がたった。それなのに何故俺は今勧誘されているのだろうか
「君、もしかして福路風音君?」
赤毛の上級生の女子に放課後呼び止められた
「・・・そうですよ」
「あなた麻雀部に入ってくれないかしら」
「お断りします、それにこの学校には麻雀部はないのでは?」
「あるわよ!去年からだけど」
「そうなんですか、でももう麻雀はやめたんですよ」
「どうして辞めちゃったの?」
「あなたには関係のないことですよ、じゃあ」
俺はそう言い残し帰宅した。
私は福路風音を勧誘しに行った、なんであんな記録を立てた子が清澄にいるのかは分からないけど私は彼と麻雀をやってみたかった、それに彼との麻雀は自分のレベルアップに繋がると思っていたからだ。それにあんな記録を立てたなのだから麻雀部に入ってくれると思っていたけど返事は期待とは逆のものだった。
「上手くいかないものね」
「まぁやらないものは仕方ないじゃろ」
「だけど彼本当はやりたいんだと思うのよ」
「でも福路には拒絶されてるんじゃろ」
「それはそうだけど」
「経歴だけ見れば福路は白糸台や千里山みたいな強豪にいるようなやつじゃからのお、本気でやりたいならそっちにいるじゃろ」
「だけど」
「まぁあんたがこの部の部長じゃ、あんたの好きにしたらええ」
「ありがとうまこ」
こうして私の福路風音君の勧誘が始まった。
この1週間毎日の様に赤毛の先輩に勧誘される、いい加減にして欲しい。関わって欲しくないのに関わってくるやつほどイライラするものは無い
「福路君!」
「またですかいい加減にしてくれませんか」
僕は赤毛の先輩を睨みつける
「私は本気であなたが欲しいの、だから麻雀部に入って!」
「そんなことはどうでもいいんですよ、迷惑なんですよはっきり言って!麻雀はもう辞めた」
「でもあなたは心のどこかでは麻雀がやりたいはずよ」
「何言って」
「知ってるのよ、あなたが時々遠くの公民館でやってる麻雀教室を遠くから見ていることを」
「やりたいだなんて思っていないただ」
「ただ何?」
「あんたに言う必要は無い」
「あなたは逃げているだけよ!」
「なんだと俺が逃げているだと」
「あなたは麻雀から逃げているのよ!あなたに過去何があったのかは知らないけど」
「あんたに何がわかる!何も知らないあんたに!」
「でも今の貴方は知っている、麻雀から逃げ続けているあなたなら」
「黙れ!あんたに何を言われようと麻雀部には入らない!」
俺はそのまま逃げるように帰宅した。これじゃああいつが言うように逃げてることを認めてるようなもんじゃないか。
今日は少し言いすぎたかしらでも初めて彼の感情が見えた気がする。それは私への憎悪だったけど。私はある場所に向かって歩いていた。それは以前彼の目撃があった麻雀教室に来ていた。麻雀教室を見ていると高校生が小学生に麻雀を教えていた。
「何か御用ですか?」
「すいません少し気になって、清澄高校の竹井です。」
「清澄・・・。東城です、ここで子供達に麻雀を教えています。」
「単刀直入に聞きます。福路風音君をご存知ですか?」
「風音ですか?ええ知ってますよ、以前のチームメイトでここにも良く来てました」
「じゃあ彼が今麻雀を辞めてることも知ってますか?」
「やっぱりか」
「やっぱりって」
「あいつは中学の時に色々あったんですよ、まぁ詳しくは言えませんがあいつが辞めるには充分すぎることがあったんですよ。」
「彼には悪い事しちゃたわね」
「でもあいつにはいいきっかけかもしれない」
「表立って協力は出来ませんが応援しますよ」
「ありがとう」
私は麻雀教室を後にした。その翌日麻雀部の部室に彼はやってきたのだった。