高1からの八陽   作:まいなん

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もう分かると思いますが、タイトルはむちゃくちゃ適当です


はるのん、おこる

「比企谷くんにやってもらいまーす!」

 

「え?」

 

 

 

いや、え?なんて?聞き間違え?なんか俺にルーム長やれみたいなこと言われた気がしたんだけど……幻聴?

 

「陽乃、悪い、聞こえなかった。もっかい言ってくれる?」

「男子のルーム長は比企谷くんにやってもらいまーす!」

 

さっきと同じテンションで言われた。いやいや無理でしょ…。俺ができるのってせいぜい小学生の時とかにやった生き物係とかそこら辺なんですけど?まぁ、世話してた金魚死んじゃったけど。

 

「いや、無理でしょ…」

「決定事項でーす!従ってもらいまーす!」

「横暴だ…」

 

嫌だ…やりたくない…何が悲しくてルーム長なんてやらなければいけないのか。

と、ここでふと我に返って周りを見渡してみると、他の生徒はポカーンとしていた。一部の生徒からは、

『なんであんなやつが』

みたいな視線を感じる。嫌な雰囲気だ。陽乃は何を考えている?そう意味を込めて陽乃の方を向いてみると、当の本人はどこ吹く風で、黒板にちゃっかり「男子ルーム長:比企谷くん」と書いていた。いやいや、あのさぁ…

 

そう俺が口を開く前に、1人の生徒が口を開いた。

 

「はー、マジありえないっしょ。萎えたわー。あーあ、マジないわー」

 

そういった生徒は気だるげに椅子に座ってふなこぎをしている。なんていうかこう、悪意があって攻撃しようとして言ったというよりは、自然に口から出たといった感じだな。見た目も金髪によくわからんヘアバンドしてるしアホっぽい。

何か言おうと思って口を開こうとしたら、また別の生徒が口を開いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「は?」

 

 

 

 

 

陽乃だ。黒板に機嫌良さそうにチョークを走らせていた陽乃だったが、今の言葉を聞いて明らかに機嫌を悪くしている。今の陽乃の表情は真顔だ。さっきまでの明るい笑顔とは違い、ものすごく冷えた、それでいて怒りに満ちた表情をしている。先程発言した生徒含め、クラス全員が青ざめている。怒らせてはいけないやつを怒らせてしまったと、そう思っている。もちろん俺も同じ気持ちだ。

 

 

 

「戸部くん。今の言葉取り消して。」

 

 

 

 

「あ…いや、その…」

 

冷たく言い放った陽乃に対して、戸部くんと呼ばれた生徒は青ざめたまま言葉にならない音を発している。今更だけど戸部って言うんだな金髪くん。

 

「取り消して」

 

「あの…はい、、取り消すっしょ…」

 

おいおいおいおい、なんだよ取り消すっしょ…って。そんな空気じゃないだろ……思わず吹きだしそうだったぞ。

 

 

「うん、いいよ。でも今度から空気悪くなるような発言はやめてね?」

「わ、わかったっしょ…」

 

なんかすげぇ丸く納まってるけど、陽乃の笑顔が怖い。次はないからなという意志を感じる。女ってこえーわ。あー怖い怖い。

それでもクラスの人達はほっとしたようで、皆それぞれ安堵の表情を浮かべている。

 

 

 

「他に異論ある人いる?」

 

さすがにこの状況でいるはずもなく、誰も手をあげようとも口を開こうともしなかった。

 

「よかった!じゃあこれで決定ね。よろしくね八幡!これから2人で頑張ろうね!」

 

クラスがざわついた。当然だな。下の名前で呼んだのもあるし、そもそも男子のルーム長指名した時点で特別扱いしてる時点でなにか察するものがあるだろう。しかしそれを聞こうとする人は誰もいなかった。全部陽乃の手のひらの上だなこりゃ。

 

そんな風に考えていると、授業の終りを告げるチャイムが鳴った。

 

「ん、終わったか。では皆それぞれ与えられた仕事をこなすように。では終わりだ。」

 

平塚先生の一言で授業が終わった。ていうか先生口ださなさすぎでしょ……あのピリついた空気の中先生が何してたかすげー気になる。

 

「ルーム長さん」

「ん、なんだ、陽乃か。どした?」

 

後ろから声をかけられて振り向いてみれば陽乃がいた。

 

「なんだって何よなんだって。そんなことより、由比ヶ浜さんと話したことある?」

 

え、誰それ。知らない子ですね。

 

 

「いや、そもそも誰かすらわからん。そいつがどうかしたのか?」

「いやいや、うちのクラスだよ。ほら、あのピンクの髪の子」

 

そう言って陽乃が指をさした先には、確かにピンクの髪の生徒がいた。うむ、やっぱり知らんな。

 

「へー、やっぱり分からんわ。で、あの人がどしたの」

「ふーん。やっぱり話してないか。」

 

そう言った陽乃の表情はとても冷たかった。さっき戸部に対して向けていた表情とは違う、失望したような表情をしている。

 

「え、結局なんなの?」

「ちょっと放課後空いてる?話したいことあるんだけど」

「お、おう、了解した。」

「ん、それじゃね」

 

そう言って陽乃は自分の席へと戻っていった。話とはなんだろうか。そう思いながら俺は次の授業の準備を進めた。

 

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