死の眼を持つ少女   作:通りすがりの錬金術師

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遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。約一月ぶりの更新です。ちょっと急ぎで書いたのでおかしなところがあるかもしれませんが……
ただ、期末テストがあるのでたぶん今月は今回しか更新は出来ないかもしれないです。



『死』の少女、突入する。

――カタカタカタカタ――

 

町外れにある洋館。そこに住むただ一人がパソコンを起動させ何かを調べていた。

 

「……めぼしいデータはなし。やはり見つからんか」

 

その人……フィーネは自身の技術を持って世界各国のデータベースをハッキングしていた。

見ているのは全てが古い記述や伝承。主に()に関するものだ。

Dと響の戦いから、フィーネは響の秘密が魔眼であると当たりを付けずっと探していた。しかし、見つけたのはどれも特徴か性能のどちらかが一致しないものばかり。

 

「わかっているのは青い瞳。再生能力が発揮しなかったところから性能としては治癒阻害の可能性があるとDは言っていたが、それだとノイズを倒せる理由が見つからん。だとすると不可逆の破壊系か何かしかなかろう。ノイズを超人的な技術で倒しているので無ければ、の話だがな」

 

まあ、流石にそれはあり得んな。と付け加え、データを整理し何処かへ転送した後、パソコンの電源を落とす。

 

「後はこれまでの戦闘データから魔眼が効力を発揮しているのは主に近接戦闘。このネフシュタンならば懐にいれずに対処は可能か」

 

フィーネの前に置いてあるのはクリスがパージしたネフシュタンの鎧。フィーネが自身の技術をもって回収していたのだ。フィーネがそれに触れ、ネフシュタンを取り込んでいく。銀色がメインだったネフシュタンはフィーネが纏うことで金へと変わっていった。

 

「詳細がわからない以上警戒しなければならんな。カ・ディンギルも完成したし計画の完遂はまもなくだ。ここで失敗するわけにはいかん……が、その前に邪魔者は消すとするか」

 

『やっと見つけたぞ、このアバズレが!』

 

フィーネのいる部屋のドアが蹴飛ばされ、銃を構えた男たちが部屋に雪崩れ込んでくる。英語を話していることからして外国の者だろう。

 

『今更来たところで意味はない。……いや、ネフシュタンの試運転の相手くらいにはなるか』

 

『撃て!』

 

――バババババ――

 

余裕をもって男たちを見ていたフィーネに対し、彼らは一斉に隙の無い銃撃を放った。それを弾が無くなるまで撃ち続けること数秒。砂ぼこりが立ち、辺りは見るも無残に散っている。

 

『やったか!?』

 

『残念だが』

 

銃撃によって発生した砂ぼこりが晴れるか晴れないかの間際、フィーネの声が聞こえた。

 

『その程度ではネフシュタンに傷をつけることなど出来ん』

 

そこに立っていたフィーネは全くの無傷。周囲にはネフシュタンに弾かれたであろう銃弾が多数転がっている。

 

『このバケモノがッ!?』

 

何かを話そうとした男の一人がネフシュタンの鞭で貫かれ命を落とす。さらに間を空けず、鞭が伸縮自在に動き回り男たちを次々と絶命させてゆく。

ものの数分で侵入してきた男たちは全員フィーネの手によって沈んだのだった。

 

「もうここに用はない。最終調整をすれば計画の実行と行こうか」

 

フィーネは笑みを浮かべながらその場を立ち去った。

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

「ここか」

 

「ですね」

 

とある日、響はクリスより聞き出したフィーネの館に足を踏み入れようとしていた。が、その直前に弦十郎達二課の職員と偶然遭遇し、目的が同じだった為同時に突入することにしたのだ。

 

「シキ君、復帰早々無理はするなよ」

 

「わかっています。みんなに心配はあまりかけたくないですから」

 

響はあの翌日、視力も戻りなんとか無事に退院した。だが、しばらく怪我の治療等に専念するため二課での活動を一時休止していた。その間は翼に誘われた彼女のライブに未来たちと行ったり、二課からクリスに与えられた家(仮)に未来と共に引っ越したり、未来とクリスを引き連れ買い物に行ったりしていた。

なお、ライブ当日にはノイズの出現も確認されたが、二課の要請を受けてクリスが単独で出動。なんとか無事にノイズを倒しきることが出来たのだった。

 

「では、突入!」

 

弦十郎の掛け声と共にフィーネの館へと踏み込む二課エージェントたちと響。入り口の扉は罠を警戒して響が『直死』で切り飛ばす。そして中に入るとそこにフィーネの姿は無く、代わりに沢山の男の死体があった。

 

「これは……」

 

「酷い……」

 

更によく見ると男たちの周辺には銃やその弾丸が散乱し、部屋は銃痕だらけでボロボロだった。そして男たちは何か鋭いもので胸や腹を貫かれていて、それが死因だとはすぐに理解できた。

 

「司令!これを見てください!」

 

なにかをエージェントが見つけたようで声を上げる。そちらを響が見ると紙が貼ってあり、何かの文字が書かれていた。が、響の眼にはその内容よりも気になる『なにか』がその紙の下に見えていた。それの正体は全く分からないが、嫌な予感がビシビシとしていた。

 

「それから手を放して!」

 

響は咄嗟にそう声を上げるもコンマ秒遅く、エージェントはその紙をはがしてしまった。すると、件の『なにか』が光り出した。その瞬間、響と弦十郎は同時に走りだし、エージェントと『なにか』……改め、爆弾の方に。二人でエージェントを掴み、後方へ投げると同時に爆弾が爆発する。

 

「直死!」

 

「はぁぁ!!」

 

爆風の熱エネルギーを響が殺し、弦十郎が爆風そのものをかき消す。

 

「……風鳴司令って本当にただの人間ですか?」

 

「それを言うなら君もだろう」

 

響は『直死の魔眼』を用いて爆風を殺したのだが、あろうことか弦十郎はただの発勁で爆風をかき消したのだ。つい響の口からそう疑問が溢れてしまう。弦十郎からはそのまま返されたが、『直死の魔眼』を詳しく知らない彼からしたら仕方ないだろう。

 

「ところでフィーネの正体って、あの人(■■■■)ですよね?」

 

「ああ。違って欲しかったが調査の結果、彼女(■■■)で確定した」

 

「そうですか……」

 

クリスの話や色々と感じていた不信感からフィーネの正体にある程度当たりを付けていたが、二課も同意見だったことから確信に変わった。

 

「司令はどうするつもりですか?」

 

「とりあえず見つけ出して連れ戻す!彼女も俺たちの大切な仲間だからな」

 

甘い、と思いつつもこれが風鳴弦十郎という男だったと響は軽く息を吐いて、そうですねと同意の意思を示したのだった。




頭の中で出来てきている構想で、G編が原型を半分くらい留めていない気がする。

伏せ字にした部分は……まあ、皆さん知ってるだろうけどなんとなく伏せ字にしただけです。

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