死の眼を持つ少女   作:通りすがりの錬金術師

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予定では、これ含めて後3~4話くらいで無印編終わりかな?と考えています。予定なので延びたりするかもしれませんが……。その後、G編はまだ6割程度しか構想が出来ていないので暫く更新が停止するかと思われます。(最初は一話目だけの短編のつもりで書いたので)

捏造(独自)設定ありです。


リディアン決戦(2)

「最初から全力で行く!Verbesserung(強化)・Ⅳ!!」

 

 

強化をかけた響は戦闘の始まりと同時にフィーネに向けて駆け出す。剣を構えた翼も響の横に並び立ち、フィーネを倒さんと向かってゆく。

クリスは両手にボウガンを展開し矢を放つことで、フィーネの動きを阻害するなどの援護を後方よりしている。

 

 

「鬱陶しい!」

 

 

フィーネは両手に持つ鞭の内、片方でボウガンの矢を全て絡めとり、もう片方を響に向けて振り下ろす。その直撃を避けるため響は急停止し、即座にバックステップすることで回避する。

だがこれで翼が完全フリーとなり、フィーネに斬りかかる。

 

 

「貰った!」

 

「甘い」

 

【ASGARD】

 

 

しかし直撃すると思われた翼の一撃はフィーネが自身の前に展開した格子状のバリアによって阻まれた。

翼はまさかバリアを使えるとは思っておらず、驚きで一瞬とはいえ固まってしまう。

そしてその隙を逃すフィーネではない。鞭を引き戻し、横から翼へと当て吹き飛ばす。

 

 

「くっ……」

 

「翼さん、もう一度です!」

 

「ああ!」

 

「これでもくらっとけ、フィーネ!」

 

【MEGA DETH PARTY】

 

 

再び突撃しようとする響と翼。そしてクリスは矢ではなく小型ミサイルを発射。今度は牽制目的ではなく直撃コースだ。

フィーネは鞭でミサイルを凪ぎ払うが、いくつかを撃墜したときの爆風で前が見えなくなり、何発かは鞭を掻い潜り命中する。

しかし、依然としてフィーネの前にはバリアが張られてある為、それに全て防がれフィーネ自身にダメージはない。

 

 

「その程度の攻撃、効くと思ってか」

 

「じゃあ、()せばいいだけだ」

 

――パリンッ!――

 

「な……」

 

 

響の声がすると同時にバリアに黒鍵が突き刺さり、まるでガラスが割れたかのようにバリアが崩れ去る。それに今度はフィーネが驚く。翼は先程のお返しとばかりに、剣でフィーネを肩から斜めに斬り裂いた。ネフシュタンの鎧が砕け、フィーネ自身からも鮮血が零れ落ちる。

さらに追撃とばかりに響の拳が鎧に守られていないボディに突き刺さり、フィーネが吹き飛ばされる。

 

 

「よし!一丁上がりだ!」

 

「いや、待て……これは」

 

 

フィーネを倒したと喜んだクリスだったが、異変を感じた翼が静止させフィーネを注視する。

するとどうだろうか、フィーネの負った傷がみるみるうちに修復され、鎧も砕かれる前の状態へと戻ったのだ。

 

 

「まさか、ネフシュタンをも砕くとは……だが、ネフシュタンとの融合を果たした私は不滅だ!」

 

「人間を辞めたか……」

 

「これも我が悲願の為だ。

しかし解せんな。融合症例・立花響、貴様は何者だ?あの防御はこの程度で崩されるものではない。一体何をした?」

 

「私は『死神』シキ。それ以上でも以下でもない。

後、敵にタネを教えると思う?」

 

「思わんな。だが……タネはあるのだな。私が予想するに、その眼か」

 

 

核心をつくフィーネの言葉に肯定も否定もせず、黙る響。そこに何かを察したかはわからないが、フィーネは話し続ける。

 

 

「まあ、今それはどうでもいい。まもなくカ・ディンギルが発射されるのだからな!」

 

「ッ!」

 

「月を穿つのは貴様らを倒してからだとでも思っていたのか?

カ・ディンギルは出力上、チャージに時間がかかるのでな。その時間を稼がせてもらったわけだ」

 

 

まもなく発射だと告げられ、装者たちに少し焦りがでる。

 

 

「なあ、ひ…シキ。お前の『眼』の力でカ・ディンギルを壊せないのか?」

 

 

クリスが翼たちに聞こえないように小声で響に確認をとる。響は無言で首を横に振って、否定の意を示した。

カ・ディンギル自体は聖遺物ではないのだが、全体に完全聖遺物であるデュランダルから供給されているエネルギーが満ちている。本来ならば、以前ネフシュタンの【NIRVANA GEDON】を無力化したときのように聖遺物そのものではないので殺せるはずだが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()というのが問題であった。デュランダルの特性は『不滅不朽』。決して滅びず朽ちない特性の一部がエネルギーにも残っていて、それで満たされているカ・ディンギルには点が見えず、線もかなり薄れていて『直死の魔眼』が効きづらくなっているのだ。

 

 

「そうか……なら仕方ないよな」

 

 

響の『眼』の力で破壊出来ないのを理解したクリスは一瞬だけ目を瞑る。そして、開いたときには覚悟を決めた顔をしていた。

 

 

「クリス?」

 

「雪音?」

 

 

響と翼の『何をする気か』という意をこめた視線に対して何も答えず、クリスは背中に二つの大型ミサイルを生成した。狙いは勿論、カ・ディンギル。

 

 

「まさかッ」

 

「くらいな!」

 

 

まずは一発目が放たれた。しかし、一直線のそれはフィーネの振るった鞭の一撃で爆散した。

 

 

「後一発は……なんだと!?」

 

 

クリスが最初に二発同時に放たなかったことから時間差で来ると予想していたフィーネ。しかし、その予想は大きく外れた。

もう一発のミサイルにクリスが乗り、天高く飛翔しているのだ。

 

 

「いったい何をするつもりかは知らんが、もうカ・ディンギルを止めることは不可能だ!」

 

 

自分の勝ちを確信したフィーネは声を張り上げ、高笑いした。

 

 

「止められねぇのはわかってるさ。なら、こうするしかないだろうがよ」

 

 

ミサイルではるか上空へと上がっているクリスはそう呟いた。そして、一つの歌を奏でる。

 

 

「 Gatrandis babel ziggurat edenal 」

 

 

その声が聞こえた響と翼は驚く。

 

 

「な、これは……絶唱!?」

 

「絶唱だなんて、何を考えて!?」

 

 

しかし、地上の声などクリスには聞こえるはずもなく、止める者もいない。

 

 

「 Emustolonzen fine el baral zizzl 」

 

 

高さはもう十分だと判断し、ミサイルから飛び降りつつ腰部アーマーから周囲に結晶を大量に展開させてゆく。

 

 

「 Gatrandis babel ziggrat edenal 」

 

 

両手に出現させた拳銃型アームドギアよりそれぞれ一発ずつ光が放たれる。それはなんども結晶に当たり反射され、だんだんと増幅されてゆく。最終的には光の蝶を背負う形となった。

 

 

「 Emustolonzen fine el zizzl…… 」

 

 

歌い終わると両手を前に向け、二つの拳銃から一つの巨大な砲を持つ銃へと変形させた。増幅した光をその先端に集中させ、引き金を引く。

放たれたそれは一筋のビームとなり、同時に発射されたカ・ディンギルの一撃と真っ向から衝突した。

 

 

「一点集束……押し留めているだと!?」

 

 

クリスの砲撃とカ・ディンギルの砲撃は拮抗していた。

だが、クリスのエネルギーは有限なのに対し、カ・ディンギルのエネルギーは無限。次第に出力の落ちていくクリスの砲撃。それに伴いカ・ディンギルの砲撃は徐々に月へと近づいてゆく。それは最後にはクリスをも飲み込んだ。

しかし、クリスの抵抗のお陰か()()()()()その一部を欠けるだけとなった。が、それを見ていた装者や二課の面々等の心には大きな傷を残したのだった。




久々に3000字近くまでいった気がする……出来るだけ早く続き書かないと……
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