イベントのクリスちゃんは初日に2万のだけは交換出来た。けどあと33万……両方長いな……初課金するかな?
「その身を犠牲に月を守ったか……」
フィーネは一部が剥がれ、欠けた月を見てそう呟いた。
響と翼の目からは涙が少し溢れていたが、すぐにそれを拭き取り意識をフィーネに戻し武器を構える。
次は邪魔をさせないとばかりに、今度はフィーネから攻めてくる。響と翼の二人をカ・ディンギルに絶対近づかせまいと、伸縮自在の鞭を振るう。
それを避けつつフィーネに接近する二人。しかし、一番の火力を持ち爆煙での目眩まし等も出来るクリスが戦闘不能となっているのが痛く、フィーネに一撃を与えることが出来ない。
「まだ分からないか。お前たちのやっていることも、クリスのやったことも無駄だということに!」
攻めあぐねている二人に対して、動揺を誘ってかフィーネは声をあげる。
「無駄……だって?」
「そうだとも。ネフシュタンと融合した私はお前たちでは倒せず、月も次の一撃で破壊される。それを防ぐには私をどうにかした上でカ・ディンギルを破壊しなければならないが……」
「貴様を倒せないからカ・ディンギルは破壊出来ない」
「そういうことだ。クリスはその身を犠牲に一撃を防いだが、無意味なことだ。結局は破壊されるのだからな。これを無駄と言わずなんという!フハハハ!」
高笑いしながら、装者三人のやったことを無駄だと言い切るフィーネ。
「……け…な」
「む?」
「……シキ?」
「ふざけるな!」
フィーネの言葉に対して目に明らかな怒りの感情をこめて声を荒げる響。
「クリスは世界から戦いを無くしたいという夢を持っている。その夢の為にやったことを無駄だと言うな!」
「いくら夢を見ようが、叶えられなければ意味はない。ましてや命を落とすなど尚更だ」
「ッ!それが……それが、夢ごと命を握り潰した奴の言うことかあぁぁぁぁぁッ!!!」
響の叫びに呼応するように響の纏うガングニールが、響の意識が黒に塗り潰されてゆく。以前、デュランダル覚醒の際に見せた暴走。それが再び起きていた。
「フィィィィネェェェェ!!!」
「クッ!?」
だが、以前と違う所もある。以前は敵味方の見境もなくただ暴れていただけだが、今回は近くにいた翼には一切の攻撃行動をせず、フィーネだけを執拗に狙っていた。
フィーネが鞭で響を飛ばそうにも、振ろうとしたときには既に懐に入り拳を入れていて、ならばと次の一撃の前にバリアを張り防ごうとするが、紙のように破られこれまた一撃を入れられる。
一切の小細工無しにただただ殴る。今の響はその姿もあってか、暴れる獣にしか見えない。
響の連撃によって地を転がるフィーネ。ネフシュタンの能力により傷はすぐに塞がるが、何度も叩きつけられ息を乱している。暴走していた響も疲れからか、動きを止め息を切らせ理性を取り戻した。
だがそれが隙となったのだろう。響は理性を取り戻した時に一瞬理解が追い付かず、動きを止めた。そこをフィーネは地に伏せながらも鞭を思いっきり伸ばし響に叩きつけた。
ノーガードで鞭の一撃を受けた響は瓦礫に激しく叩きつけられる。衝撃で肺の空気が全て外に出され、さらに起き上がったフィーネの追撃が刺さる。
響は口から血を零しつつも一度起き上がるが、力なく倒れ伏しギアが解除される。
「シキィィィィ!!!」
戦場に翼の悲痛な叫びが
翼は即座に駆け寄り響の容態を確認した。口元から血は零れているが、心臓は動き呼吸もしていることから生きてはいるようだ。だが、動けはしないようで眼を少し開け申し訳なさそうにしていた。
「大丈夫だ。後は私に任せてくれ」
響を安堵させる為に声をかけ、改めてアームドギアの剣を持ちフィーネ、更にはその先のカ・ディンギルを目指し歩いてゆく。
「……待たせたな」
「何処までも
「今日に折れて死んでも、明日に人として歌う為に、風鳴翼が歌うのは戦場ばかりでないと知れ!」
そしてこれまでの疲労を感じないかのように一気にトップスピードに乗りフィーネへと斬りかかる。
「ハアァァァァ!!」
「くっ、うっとうしい!」
フィーネの攻撃を剣で華麗に受け流しつつ、その自慢のスピードを落とすことなく何度も斬りつける。フィーネも反撃とばかりに正面から鞭を飛ばしてくるが、翼は大型化させた剣を振り抜き衝撃波を飛ばす【蒼ノ一閃】で弾く。そして近づき唐竹を繰り出すもバリアで受け止められる。翼の攻撃ではびくともしないのを見てフィーネは笑みを浮かべ、仕留めようとしたその時。
――ピシッ――
「なに?」
バリアにヒビが入り、そしてそのヒビがだんだんと大きくなっていき砕けたのだ。
それに驚くフィーネに翼は一閃。さらに空中に多数の小刀型アームドギアを生成、発射した。
フィーネに降り注ぐ小刀。それらは鞭に、鎧に弾かれる。が、翼の狙いはフィーネ本体ではない。
フィーネが小刀の処理に追われている間に翼は二刀を持ち、炎を纏わせ飛び上がる。
「初めから狙いはカ・ディンギルか!………ッ!?」
それに気づいたフィーネが翼を落とそうとするも、体が思うように動かない。この現象に覚えがあり、まさかと思い目線だけで自分の影を見るとそこに数本の小刀が刺さっている。
「まさか、先ほどのは!?」
翼は理解していた。自分には再生能力を持つネフシュタンと融合したフィーネを倒すことは出来ないと。
だからフィーネの動きを止め、カ・ディンギルを破壊することだけを考えていた。先ほどの千ノ落涙はフィーネを中心にしつつ、その真の狙いはフィーネの影。体力の消耗を抑える為にフィーネは自分に命中する物しか打ち落とさなかった。そのせいか影に命中する小刀を見逃し、動きを止められたのだ。
フィーネは動けないまま、炎の鳥となった翼がカ・ディンギルに突っ込み、大爆発。破壊されていくのを呆然と見るしかなかった。