Fate/Grand Order in the Build   作:カイナイ

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後悔のセパレーション

スターク「お前の恋人は成分を抜き取り人間に戻った途端消滅する。かといってこのまま怪物として生きていても元に戻ることはないだろう。さあどうする?」

 

万丈「っ……くそ!」

 

万丈はしゃがみこみ、地面に自分の拳を叩きつけた。恋人である香澄のために、自分ができることは何もない。自分の無力さが何よりも憎かった。

 

ビルド「万丈…」

 

スターク「さて…俺も少し参加させてもらおうか」

 

スタークが屋根から飛び降り、スマッシュ達に加わる。場は、ビルド、クーフーリン、少し遅れてきたマシュ、とスマッシュ2体、スタークの3対3の混戦となっていた。

 

クーフーリン「ハッ!さっきはよくもやってくれたなあヘビ男!」

 

スターク「ブラッドスタークだって言ってるだろ?遊んでやるよ!」

 

クーフーリンがルーン魔術で先制すると、スタークはそれに所持している銃、トランスチームガンで応戦した。マシュは後方のオルガマリーと美空を守るため、彼女たちと最も近い位置にいたスマッシュと戦い、ビルドは万丈の恋人である香澄が変化したスマッシュと対峙することとなった。

 

ビルド(最悪だ…!どうすれば…)

 

スマッシュ(香澄)「グ…ググガガガ……」

 

ビルドを攻撃していた香澄のスマッシュの動きが止まった。というより、先程から攻撃をあまり行わず、その場で身じろぎしてばかりだった。

 

ビルド「あれは……そうか…。」

 

ビルドは、スマッシュの中の香澄が、スマッシュとなったことで発生した凶暴性に必死で抵抗しているのだと感じた。ビルドは万丈に優しい声で話した。

 

ビルド「万丈…お前の恋人は本当にすごいよ。あのヘビ男にガスを注入されてもう自我は無いはずなのに…必死でお前を護ろうとしてる」

 

万丈「……香澄…」

 

万丈のなかに、香澄との記憶が走馬灯のように流れる。思い出の中に浮かんだ香澄は、いつも彼女らしい、満面の笑みを浮かべていた。

万丈は握っていた拳をさらに強く握り、立ち上がった。

 

万丈「…なぁ、戦兎。元に戻れないならせめて、最期くらいは人間の姿で……」

 

万丈はすがるようにビルドに懇願する。その言葉を聞き、ビルドは無言で頷いた。身じろぐスマッシュに目を向け、ビルドは静かにレバーを回す。

 

ドライバー「ボルテックフィニーシュ!イェーイ!」

 

ビルドは、こんな時でも快活な音を鳴らす自分のベルトにほんの少しの腹立たしさを覚えた。

ビルドの放ったライダーキックがスマッシュに迫る。スマッシュは避けようとする素振りさえ見せず、それを正面から受け止めた。倒れたスマッシュからビルドが成分を回収すると、香澄の姿が現れた。

 

万丈「香澄!」

 

万丈が香澄に駆け寄る。香澄は既に体の消滅が始まっており、どう見ても長くは持ちそうになかった。

 

香澄「龍我…」

 

香澄は残った力を振り絞って手を伸ばし、弱弱しげに万丈の頬に触れる。そして微笑んだ。

 

香澄「ごめんね、龍我…いつも迷惑ばっかりかけて…。私と出会わなければ…きっともっと幸せな人生があったはずなのに…ごめんね…」

 

万丈「ふざけんな!これ以上幸せな人生があってたまるかよ!俺はお前に会えて…最高に幸せだった!!」

 

万丈が叫ぶ。その言葉には、なんのためらいや嘘は無かった。万丈の言葉に、嬉しそうに、涙を流して香澄は笑う。

そして、香澄の体は完全に消滅した。

 

スターク「ハッ!…やはりこうなるか」

 

クーフーリン「そこだ!」

 

スターク「おっと!」

 

万丈の様子を見て呟いたスタークにクーフーリンが仕掛ける。避けてはいるが完全な回避はできず、クーフーリンのほうがやや優勢であった。

 

マシュ「ハァァァァァ!!」

 

スマッシュ「グガアアアアアアア!!」

 

マシュが飛び上がり、スマッシュを盾で叩きつける。スマッシュはその勢いに耐えられず、倒れていった。

 

スターク「はぁ…ここまでだな。それじゃあまた会おう。チャオ」

 

クーフーリン「逃すか!」

 

クーフーリンがルーン魔術で追跡するも、スタークはスチームガンで発生させた煙に紛れ逃げてしまった。

変身を解いた戦兎はマシュの元へ急いで駆け寄り、マシュが倒したスマッシュの成分を回収しようとした。すると戦兎がクーフーリンから成分を回収した時に使用したボトルが、反応するように光りだした。戦兎がそのボトルを取り出し、蓋を向けるとたちまちに成分が回収された。ボトルには4分の3ほどの成分が溜まっていた。

 

戦兎(クーフーリンから回収した成分とあのスマッシュの成分は同じだったってことか…?いずれにしろこれじゃあまだ使えないか)

 

しかし、成分を回収されたスマッシュは、一瞬人型の黒いシルエットになったかと思うとそのまま塵となって消滅した。

 

戦兎「あれは…!?」

 

クーフーリン「シャドウサーヴァントだ。サーヴァントになりきれなかった出来損ない。サーヴァントの霊気を模した影のようなもの。大方セイバーと聖杯の影響で生まれたモンだろうが…しかし連中、不完全とはいえサーヴァントに最も近い生命体さえ怪物に変えるとは…一体どんな力だ…」

 

万丈「……っ…香澄…」

 

万丈は香澄が消えてからもその場を動けなかった。覚悟を決めていたとはいえ、実際に恋人の死を目の前で看取っていたのだ。まだ立ち直るには時間がかかった。

 

戦兎たちは、今は万丈を放っておいてやろうということになり、ケガの手当てを済ませ、しばらくその家で仮眠をとることとなった。スタークが攻めてきたため危険だ、と美空は言ったが、スタークが自分たちの場所を的確に攻めてきたのは、おそらく自分たちを監視しているためであり、それならばどこに逃げても同じだ、とクーフーリンに諭された。

クーフーリンはルーン魔術で結界を張った。またサーヴァントである彼に睡眠は必要ないため、戦兎たちが眠っている間見張りをすることになった。

 

クーフーリンが軽く外の風にあたろうと部屋を出ると、縁側に万丈が座り込んでいた。

 

クーフーリン「…よう、ボウズ」

 

万丈「…あぁ」

 

クーフーリン「……万丈、だったか」

 

クーフーリンが万丈に語りかける。万丈も、彼の言葉に静かに耳を傾けていた。

 

クーフーリン「後悔してるか?」

 

万丈「後悔、かはわからねえ。でも…本当にこれで良かったのかって…」

 

クーフーリン「自分の選択を悔い、悩むってのは確かに必要なものだ。だがよ、後悔して悩むだけじゃ何も変わらねえ。お前には俺と違ってこの先がある。そういう後悔や悩みを全部飲み干して、お前は今出来ることをするべきだ」

 

万丈「今、出来ること…」

 

クーフーリン「ま、とりあえずは食って寝ろ!何事もそっからだ!」

 

クーフーリンに促され、万丈も床につく。万丈の顔つきは先程のように考え込み憔悴した顔ではなく、その目には少しの光が宿っていた。

 

クーフーリン「さて…ん?あれは……」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

クーフーリン「そろそろ出るぞ。」

 

クーフーリン、マシュ、オルガマリー、万丈の4人は既に出かける用意ができていた。

 

戦兎「ちょ、ちょっと待って!」

 

クーフーリン「はぁ…まーだかかんのかあ?」

 

戦兎は起床してから何かを作っていた。また美空は何やら被って機械に繋がれていた。

 

戦兎「…完成した!」

 

戦兎が飛び上がった。髪の一部が跳ね上がっており、その手にはドリル状の剣が握られていた。また、戦兎の頭上に小さな龍のようなものが飛び回っていた。

 

クーフーリン「なんだそりゃ」

 

戦兎「回転剣銃ドリルクラッシャーとクローズドラゴンだ!すごいでしょ?最高でしょ?天才でしょ?」

 

戦兎が悦に浸っていると、美空が被っていた機械を外した。

 

美空「はぁ、できたよ。寝起き早々疲れたし…」

 

戦兎「…よし」

 

戦兎の持ってきたもう一つのアタッシュケースには、ボトルの浄化作用をもつ、持ち運び式の浄化装置である。ラボにある巨大な装置より時間がかかり、もちろん美空の力を必要とするが、戦兎が念のために持ち込んでいたのが功を制した。

 

戦兎の手には青いドラゴンボトルが握られていた。その青いボトルを、戦兎は万丈に手渡した。

 

万丈「これは…」

 

戦兎「お前の恋人のボトルだ。お前が持ってろ」

 

万丈「…あぁ」

 

戦兎から受け取ったボトルを、万丈は握りしめる。

 

クーフーリン「おお、そうだ、ボウズ。昨日庭先でこいつを拾ったぞ。おそらくあのヘビ男が置いていったものだ」

 

クーフーリンが2本のボトルを戦兎に渡した。白と水色のボトルだ。

 

戦兎「パンダボトルとロケットボトル…?もしかして…」

 

戦兎がドライバーにクーフーリンから受け取ったボトルをさした。

 

ドライバー「パンダ!ロケット!ベストマッチ!」

 

戦兎「おおおおお!!!ベストマッチキター!! 」

 

クーフーリン「はぁ…いちいち大げさだねぇ。よし、んじゃあ行けるか?」

 

戦兎「ああ、行こう!」

 




今回で終わらすつもりだったんですがやっぱりというか終わりませんでした。(ゴミ)
あと後半すっごいグダグダっていうか無理矢理な感じですみません…
次回に期待していただけたら幸いです
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