Fate/Grand Order in the Build 作:カイナイ
最近暑くなってきましたねー。家の中でも熱中症は起こるらしいのでなるべく水を飲んだり塩分取ったりして気をつけたいです…
ジャンヌ・ダルクとの出会い
マシュ「先輩、おはようございます。」
マシュが軽く2回ノックし、戦兎の部屋へと入ってきた。両手に持ったおぼんの上には戦兎の朝食であるサンドイッチとコーヒーがのっている。ここ数日、戦兎のためにマイルームへ朝食を運ぶのがマシュの日課となっていた。
戦兎「あぁ、おはよう。」
戦兎は作業していた手を止めてマシュの持ってきたおぼんを受け取った。部屋に備え付けの洗面台で手を洗い、食事を始めた戦兎の向かい側にマシュが腰を下ろす。
マシュ「先輩…サーヴァントボトル、というものの解析でしょうか?」
戦兎「あぁ、サーヴァントボトルの解析はダヴィンチさんの手伝いもあって大体終わったよ。あとでみんなの前で説明する。それで、今は新しいベストマッチフォームの武器を作ってる。」
マシュ「ベストマッチフォーム…先輩のベストマッチは、今はいくつあるんですか?」
戦兎「あれ?言ってなったか…マシュとの連携も大事だし、あとでシュミレーションルームで実際に見せるよ。」
そうして戦兎は食事の間マシュと談笑し、食べ終わるとおぼんを持って食堂の職員に預けた後、マシュと共にシュミレーションルームへ向かった。
ビルド「まずはラビットタンクだ。兎のスピードと戦車のパワー。バランスのいい基本的なフォームだな。」
マシュ「なるほど…ラビットタンク…兎と戦車…っと。」
戦兎は実際に変身し、マシュに説明する。マシュはそんな戦兎の説明を、メモを取りながら熱心に聞いていた。
ビルド「それで次はゴリラモンドでーーーーー」
ビルドはそれから様々なフォームに変身して、まだベストマッチが見つかっていないフォームに関してもその能力を説明した。
マシュ「なるほど…ラビットタンク、ゴリラモンド、ロケットパンダ、ホークガトリング、ニンニンコミック…そして未だにベストマッチが見つかっていない消防車、電車、ライト…。」
戦兎「あぁ、ガトリングと忍者ボトルは冬木のスマッシュから手に入れたものだ。」
マシュ「なるほど…あ、先輩。そろそろミーティングの時間です。」
戦兎「おぉ…ホントだ。じゃあ行くか。」
マシュと戦兎は管制室へと向かった。管制室には、既に万丈、美空、ロマンの3人が揃っていた。
ロマン「やぁ、これで全員かな?」
???「おいおい、誰か忘れてないかい?」
ロマン「レオナルド!」
戦兎たちから少し遅れて、綺麗な黒髪の女性が管制室に入ってきた。カルデアで召喚した第二の英霊、レオナルド・ダヴィンチである。
ダヴィンチ「戦兎くん、頼まれていた資料だよ。」
ダヴィンチがぶ厚い紙の束を戦兎に差し出した。戦兎は少し驚いた様子を見せながらも、それを受け取る。
戦兎「ありがとうございます。…あぁ、サーヴァントボトルがどのようなものか分かりました。」
ロマン「本当かい?聞かせてくれ。」
戦兎「はい。まずは通常のフルボトルですが、これはネビュラガスをもとにした、スマッシュの成分を回収、浄化してできるものです。でもサーヴァントボトルは…このネビュラガスに聖杯の魔力が織り交ぜられている。」
万丈「聖杯の…魔力?」
戦兎「あぁ。そしてこの魔力が混ざったガスをある程度集めると…聖杯の機能を持つようになる。」
ダヴィンチ「聖杯の機能といってもね、万能の願望機には遠く及ばない。それでも、サーヴァントを召喚する程度のことはできるようだ。でもボトルになっていることで、戦兎君のライダーシステムによってビルドの能力として変換させられている。」
ロマン「そんなことが…だから戦兎君にサーヴァント反応が出ていたのか…」
戦兎「はい。ですがこれを使うには条件が2つあるみたいです。…1つはベストマッチでしか起動しないこと。もう一方に入れるボトルに、サーヴァントの逸話や能力にほんの少しでも関係があればベストマッチとなりそれに対応した英霊が呼ばれるんですが…」
ロマン「なるほど…もうひとつは?」
戦兎「これはライダーシステムの特性によるものなんですが、変身する際に強い“想い”が必要になります。…そもそもライダーに変身するには想いの強さが重要です。ですが、サーヴァントボトルを起動するにはより強い想いが必要みたいです。」
ロマン「ベストマッチと強い想いか。…今分かっているのはこれくらいかい?」
戦兎「はい。」
ロマン「ありがとう。引き続き調査してくれ。それにしてもレオナルド…君も研究に携わっているとはね。」
ダヴィンチ「私も天才の1人としてライダーシステムには興味があるのさ。」
ロマン「まぁ、君が手伝ってくれるのは心強い。…さて、今度は僕からだけど…前回のミーティングでも言った通り、今日の2時間後にレイシフトを行う。今回は1番ゆらぎの小さな時代だ。メンバーは戦兎君、マシュ、そして万丈君だ。今の万丈君なら低級エネミーはものともしないからね。」
万丈はドラゴンボトルやクローズドラゴンを使って戦うことができ、またレイシフト適性も持っていたため戦力のひとつとして数えられていた。そこには万丈の強い要望もあった。
ロマン「ーーーーと、そんなところかな。ということだから、各自準備をしてほしい。じゃあ一旦解散だ。」
戦兎「はい。」
ロマンが改めてレイシフトの目的と現地ですることを説明し終えると、戦兎たちは部屋に戻り、各々で準備を始めた。戦兎が作業をしていると、部屋に万丈が入ってきた。
万丈「おい戦兎」
戦兎「完成だ!」
万丈「は!?」
戦兎の手にはオレンジ色のガトリングと、ところどころに漫画のような絵が描いてある剣を持っていた。戦兎が急ピッチで作り上げた新たな武器、ホークガトリンガーと4コマ忍法刀である。戦兎は自分の作った武器を眺めながらうっとりとしていた。
万丈「おい…そろそろだからもう集まれってドクターが。」
戦兎「分かってるよ。今行くところだ。」
戦兎はビルドドライバーを手にし、万丈とともに部屋を出た。
万丈「なぁ戦兎…今更だけどよ、俺が出て大丈夫なのか…」
戦兎「はぁ…ホントに今更だな。…大丈夫だよ。お前は強くなってる。もしかしたらライダーシステムも使えるようになるかもな。」
万丈「そうか…。」
戦兎「ま、ヤバくなったらこの正義の天才ヒーローが助けてやるよ。」
万丈「フ…」
戦兎「お前いま鼻で笑っただろ!?」
そんな話をしてる間に、二人は管制室へと辿り着いた。既に、美空とマシュがなかで待っていた。ロマンに促され、戦兎、万丈、マシュの3人はそれぞれレイシフト用のコフィンの中に入った。
ロマン「それじゃあ行くよ。」
アナウンス「レイシフト開始まであと3、2、1…」
美空「みんな…生きて、帰って来てね…」
アナウンス「全工程 完了。 グランドオーダー 実証を 開始します。」
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マシュ「ふぅ…到着しましたね。今回はコフィンがあったので安全でした。」
フォウ「フォウフォーウ!!」
マシュ「フォウさん!?ついてきてしまったんですね…仕方ないですね。……え…せ、先輩、あ、あれは…」
万丈「な、なんだあれは…でっけえ…。」
ロマン「よし、繋がった!…えっと時間軸は1431年。百年戦争のちょうど休止期間のようだ。」
通信の電子音とともにロマンの声が流れる。しかし、戦兎たちは3人とも空を見上げていた。
ロマン「みんなどうして…なんだ、これは…光の輪?なんらかの魔術式…?なんにせよこれが未来消失の一因だろう。」
空には巨大な光の輪が浮かんでいた。それは北米大陸を覆い尽くすほどの大きさで、戦兎たちはその強大さに圧倒されていた。
ロマン「あれはこちらで解析するよ。戦兎君たちは引き続き調査を頼む。」
戦兎「あぁ、はい。この近くに街とか…人の集まる場所ってありますか?」
ロマン「ちょっと待ってくれ…あぁ、そこから少し行ったところに砦があるみたいだ。」
戦兎「分かりました。」
ロマンのナビゲートで3人は東方にあった石の砦へとたどり着いた。しかし、砦の外壁はところどころに綻びが見られ、外壁内側の建物は崩れかかりボロボロ、兵士たちは負傷した者ばかりで、とても休戦中の砦とは思えなかった。戦兎は、砦にいた兵士の1人に話しかけた。
戦兎「こんにちは、俺たちは旅の者です。危害を加えるつもりはありません。…ここで何があったか教えて頂けませんか?」
兵士「ん?…確かに見た所武器のような物は持ってなさそうだが…。これは“竜の魔女“となって蘇ったジャンヌ・ダルクのドラゴンにやられたんだよ。」
戦兎「ジャンヌ・ダルク…?ドラゴン…?詳しく教えてくれませんか?」
戦兎たちは兵士から一連の出来事を聞いた。火刑にあったはずのジャンヌ・ダルク本人が間違いなく蘇ったこと。シャルル7世は蘇ったジャンヌに殺され、休戦条約を結べなかったこと。ジャンヌ・ダルクが、ワイバーンと呼ばれる竜の亜種体を使役して、街や砦を襲っていること。間違いなく特異点の影響だった。
戦兎「なるほどな…。」
「や、やつらが来たぞー!!!!」
突然叫び声があがる。声のした方を見ると、ワイバーンが兵士たちを襲っていた。
戦兎「マズイ!行くぞ二人とも!」
ボトルを握った戦兎と万丈、武装したマシュがワイバーンに応戦する。しかし骸骨兵より強力で数も多いワイバーンに、変身せずボトルで戦う戦兎と万丈はほんの少しの劣勢を強いられていた。しかし、戦兎が変身するためドライバーを取り出した瞬間、
???「兵士たちよ、水を被りなさい!彼らの炎を一瞬ですが防げます!そこの御方も私とともに!続いてくださいーーーー!!」
大きな旗を携え、甲冑に身を包んだ金髪の女性が現れた。
ロマン「おおう、サーヴァント反応だ。しかし反応が弱いな…彼女は一体…?」
その女性の助けもあり、戦兎が変身することなくワイバーンらを倒すことができた。
ロマン「よし!もう周りに敵性エネミーはいないみたいだ!」
マシュ「いまのが最後のようですね…。」
兵士「そんな、貴方は!いやお前は!逃げろ!魔女が出たぞ!」
マシュ「え、魔女…?」
ジャンヌ「……あの、ありがとうございます。私はルーラー、真名をジャンヌ・ダルクと申します。」
マシュ「ジャンヌ…ダルク!?」
万丈「ま、魔女になったとかいう…」
ジャンヌ「その話は後で。こちらへついて来てください。お願いします。」
戦兎「しょうがない。行こう、二人とも。」
森の中へと入り、たまに来るエネミーを撃退しながら落ち着いて話せる場所を探す戦兎たち。少し歩いたところで、周囲にエネミーがいないことを確認して腰を下した。
マシュ「まず、私の個体名はマシュ・キリエライト。こちらは桐生戦兎。そしてこちらが万丈龍我です。」
ジャンヌ「ありがとうございます。私はサーヴァント、ルーラー。数時間前に現界しました。しかし本来聖杯より与えられる知識やクラス保有スキルが欠落してしまっていて…」
戦兎「なるほどな…おそらく同時代に同じ英霊のサーヴァントが召喚された。もう片方のジャンヌが多分兵士たちの言っていた”竜の魔女“、なのかもな…。」
マシュ「はい…あ、失礼しました。今度はこちらから。私たちはカルデアという組織の構成員でーーーーーー」
マシュが人理焼却に関することをジャンヌに話した。ジャンヌは驚いたような、少し悲しそうな表情をしながら静かにそれを聞いていた。
ジャンヌ「なるほど…人理焼却。そんなことが…。」
マシュ「マドモアゼル・ジャンヌ、貴方はこれからどうするのですか?」
ジャンヌ「目的は決まっています。オルレアンの都市の奪還。そのための障害であるジャンヌダルクを排除する。ここで目を背けることは出来ませんから。」
ロマン「これほどの竜種の召喚となれば、竜の魔女と呼ばれるジャンヌ・ダルクが聖杯の力を使っていることは疑いようがない。彼女との目的は一致していると思うよ。」
戦兎「俺は彼女に協力したいと思う。どうだ?」
万丈「ああ、俺は賛成だ。」
ロマン「僕もだよ。救国の聖女と共に戦えるなんて滅多にない名誉だし!」
マシュ「はい、私もです。…マドモアゼル・ジャンヌ。私たちは私たちの目的がありますが、それと並行して貴方の助けになりたい。その旗の下で戦うことを許してくれますか?」
ジャンヌ「そんな…もちろんです!」
マシュ「良かった…。それでは早速ですが…しばらくは情報収集に努めたいと思っているのですが…。」
ジャンヌ「賛成です。では明日の早朝出発したいと思うので、戦兎さんと龍我さんは眠った方が…。」
戦兎「ああ、そうさせてもらうよ。」
戦兎と万丈は持って来ていた寝袋で床についた。少し地面がゴツゴツしていたが、やがてゆっくりと眠気に襲われ、目を閉じた。
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戦兎「ふぅ…それじゃあ出ようか。…ん?どうした?」
ジャンヌとマシュは昨日よりも少し晴れ晴れした顔のように思えた。どうやら戦兎たちが眠った後に少し話をしていたようだ。
マシュ「いえ、なんでもありません。それでは行きましょう!」
森を抜けてしばらく歩いた後、近くの街であるラ・シャリテにたどり着いた。しかし、街は荒らされ建物のほとんどが崩れきっていた。およそ人と呼べるものはなく、瓦礫のあとにはリビング・デッドとワイバーンが蔓延っていた。戦兎たちはリビング・デッドとワイバーンを蹴散らしていった。
ジャンヌ「なんてことを…。一体どれだけ人を憎めば、このような所業を行えるのでしょう。」
息をつく間も無いほどの戦闘を終えた戦兎たち。街の凄惨さを目の当たりにし、ジャンヌは祈りを捧げていた。その時、ロマンの観測するレーダーが、大きな反応を捕らえた。
ロマン「マズイ!そっちにご、5騎のサーヴァントが向かってる!他にももうひとつ大きな反応がある!とにかく逃げるんだ!」
ジャンヌ「ですが!せめて真意を問いたださなければ…。」
ロマン「戦力差が大きすぎる!早くしないと…ダメだ!もう間に合わない!」
そして5騎ものサーヴァントが現れた。その中央には、黒い甲冑を着たジャンヌ・ダルクそのものが立っていた。
今回からオルレアン編です。前章と同じでなんとか4回くらいで終わらせます。(鉄の意志)