「ぎゃああああぁぁぁ!」
俺の名前は暁型一番艦の暁だ。転生者としてこの世界で生きている。そんな自己紹介よりも今は目の前のこいつにお仕置きしなければならない。
「暁さん、何を・・・・・・」
「お仕置きに決まっている」
護身用の拳銃タイプのスタンガンを腰に着けたホルスターにしまうと秘書艦の吹雪を見る。うん、夕張に改造させたけど思いの外電圧が高くて床でビチビチしてる男を見るより可愛い女の子見た方が精神的に良いよね。もともと俺って男だし。
「さすがにやり過ぎです」
そう言えば昨日まで吹雪はいなかったから知らないのか、知ったらこのあと大変だろうな元帥が。別にいいか、俺に関係ないしな。それよりも俺のコレクションに手を出したんだからその分の補填もしてもらわないといけないし、全部暴露しとくか。
「昨夜、こいつ・準鷹・那智・足柄・千歳・千代田達で酒飲みをしていたらしい。俺は哨戒任務だったから聞いた話しだ。ここまではいいか?」
「はい」
「ここからがお仕置きの理由だ。まず、俺の部屋への不法侵入。強盗にでもあったかのように荒らされてたよ。そして俺の部屋にあったアルコール類のコレクションを持ち出し飲み会を再開。その後、那智・足柄・準鷹・千歳・千代田を回収しに来た羽黒・飛鷹・鳳翔へのセクハラだ」
あっ!俯いてプルプルしてる。そうだよな、カッコカリついてても一応旦那だもんな。自分の留守に泥棒して浮気みたいなことされたら落ち込むよな。
「暁さん」
スゲー声低いんですけどフブキサン?何その笑顔?笑顔は威嚇って聞いたことあるけど、何その威圧感?俺って被害者だから、夜間哨戒してていなかったから、だから止めてその笑顔。
「コレクションの被害はどれくらいですか?」
「あぁ、まだ部屋の掃除も出来てないから分からないが、プレミアのついてるワインやウイスキーが空いてたから、二百万は越えると思う。後で調べて請求するよ」
「そうですか・・・・・・」
欧州遠征で手に入れたのもあるし、現物で返してもらえるかな。
「俺が怒っているのは分かってもらえたか?」
「はい、それで相談なんですが、そのスタンガン貸してもらえますか?」
「カートリッジはあと3つしかないからな」
「構いません」
「ならあとは、吹雪に任せるよ。俺は他の面子に説教してくる」
「はい、任せてください」
怖い。笑顔が怖いよ吹雪さん。まぁ、巻き込まれる前にこの場を離れよう。まずは食堂でメシを食おう。それから説教して部屋の片付けだな。片付けないと寝れないしな。酔った勢いって本当に怖いな。気をつけよう。あと本気でキレた吹雪も怖い。早くこの部屋出よう。
「さて、元帥。何か言いたいことはありますか?」
「まて吹雪。話しを聞いてくれ、まずそのスタンガンを、ぎゃああああぁぁぁ!」
執務室から響く声を背に廊下を進む。うん、俺には何も聞こえない。そう自分に言い聞かせた。食堂に行く途中、とりあえず午前中は執務室に近寄るなと大淀に伝え詳しく話すといい笑顔で「分かりました。請求書もらえれば元帥の給料から引きますからね」と言ってもらえた。やっぱり笑顔は普通が良いよね。その日午前中では終わらず夕方まで執務室からは元帥の叫び声が聞こえていたらしい。俺は説教したあと部屋の片付けをした。下着がほとんどダメになっていた。凹む。