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仕事が忙しく更新が今まで以上に遅くなるかもしれませんが徒然と書いて行きますので、これからもよろしくお願い致します。
「それでは、第二十九回海軍定例報告会を始めます。まず、お手元の資料の二ページ目を開いてください」
定例会議に参加している元帥です。毎回思うんですが海軍の会議に何で総理大臣まで参加してるんでしょうか?しかも司会で!胃が痛い。
「まずは先日のイエローアラートの件です。元帥から報告をお願いします」
「現状、全国の鎮守府に対潜装備の水雷戦隊で哨戒をしてもらっていると思うが今回その理由を伝える。先日、イエローアラートを発令した理由もそれに関わってくるので君たちの意見が聞きたい。まずは先日のイエローアラートの件だが、横須賀鎮守府で近海哨戒中に戦艦ル級を含む連合艦隊に襲撃された。しかし、この連合艦隊に空母は一隻もいなかった。意味が判るかい?」
一同を見渡す。真剣な表情の中に困惑の色が見て取れる。
「横須賀鎮守府としての見解は威力偵察。近海まで連合艦隊で来たということは途中補給等してるはずだし、潜水艦による偵察の為の囮だったんだろう。イエローアラートはこの連合艦隊を囮にした他の部隊による攻撃を警戒して発令した。それと最後に付け加えるなら、次回予定している作戦が漏れてる可能性がある」
「どういうことですか元帥!スパイがいるとでも?」
「違う、深海悽艦達が近海まで威力偵察をするなら隠密せいに優れた潜水艦ならもっと近くまで来ている可能性がある。そう仮定した場合、こちらの戦力を把握しておきたい思惑があちらにはあるはずだ。理由の一つとしてこちらの作戦が漏れてると考えておくべきだろう。次回の作戦を逆手にとってくることも考慮した準備をしておくべきではないかな?」
先ほど発言した大湊の司令官も含め考えこむように目を閉じるものが多い。
「それは『魔王』も同じ見解ですか?」
「そうだ」
佐世保鎮守府の提督が目を開き挑発するように言ってきた。この人顔が怖いから威圧感あるんだよな。その怖い顔で挑発とか止めてよね。胃が痛くなるからさ。理由は分かるけどさ、武蔵を前の大本営に鳴り物入りで譲ったと思ったら駆逐艦ならぬ鬼畜艦にメンタルクラッシュされて出戻りしたら恨みもあるだろう。しかも、順調だった出世は前の大本営がなくなったことで潰えて元一般人の僕が元帥だもんね。元帥職についた理由が全国の妖精さんの投票結果だから文句は妖精さん達に言ってください。それにしても『魔王』か・・・・・・、二つ名制度は今の体制になってから練度が九十九になった艦娘に送る称号だ。この定例会の最後に命名式を行うけど最初は大変だったなぁ。なんせいきなり例外の練度測定不能のうちの暁が最初だし、なんだよ『魔王』って納得しちゃって暁に伝えたら殴られたし、吹雪にいたっては『鬼嫁』に決まった時はしばらく口聞いてくれなかったんだよな。普通の二つ名持ちは手当てがついて給料アップするから艦娘は嬉しいだろうけど、変なの付いたら司令官同士で殴り合いになったりするからなぁ。『天使』って付いた時は壮絶だった、それはうちの電だ、いやうちの五月雨だetc. と司令官が複数入院したからな、結局最後に立っていた大湊の司令官が文月に付けたっけ、救急車に乗る前のセリフが「世に文月のあらんことを」ってもう無事だった司令官達は言葉もなかったよ。
「ならば作戦が漏れてる前提で次回の作戦を行うつもりですか?」
いけない、余計なことを考えてる場合じゃない。
「そうだ、予定した日に開始する。最初は遅らせることを考えたが、相手に時間を与えることになるし、早めるのはこちらの準備が間に合わないことになるからね。ただし、これからはあまり時間がない。だからこれからは各基地は開発や演習を中心に行ってもらいたい。受け持つ海域も前に伝えた通りのままだから編成や装備の準備もしていって欲しい。他に決めておきたいことはあるかい?」
「特にはないみたいですね。では次は資料の八ページです、各基地、泊地、鎮守府の報告に移りたいと思います」
やっと出番が終わったけど、会議の後が大変なんだよなぁ、官邸に行かなきゃ行けないし、総理も聞いてるんだから書面で十分じゃないのかな?横須賀の報告はほとんどないから良いけど周りを見るとニヤニヤしだしてるなぁ。緊張した空気が弛緩しだしたな。さぁ、胃痛が止まらない時間の始まりだ。
「それでは皆さん!お待ちかねの命名式の時間がやって参りました。頑張った艦娘達に良い名を付けて上げてくださいね!」
いきなりノリノリだな総理!最初は呉の摩耶か、希望は『飛将』。三國志の呂布でも目指してるのかな?まぁ、いいんだけど。
「『対空番長』はどうかな?」
「それなら希望の『飛将』で良くないか?」
『対空番長』って艦載機の撃墜スコア見たらそうだけど、もっとちゃんと考えてあげようよ。
「それじゃあ、呉の摩耶は『飛将』に決定で!」
あっ、呉の提督が安堵のため息をついてる。希望通りで良かったね。次はうちの不知火か・・・・・・、希望が通ると良いんだけど・・・・・・うわぁ、みんなゲスい顔。不知火に落ち度はないんだけど釘は差しておくか。
「次は横須賀鎮守府の不知火です。希望は『虎王』!ってどうしました元帥?」
「一応、希望名の由来の説明をしておこうと思ってね、『虎王』は暁が付けたんだ。だからなるべく希望通りでお願いね」
舞鶴の提督が静かに立ち上がったけどなんだろう?
「それよりも元帥!うちから不知火が移動したのは三ヶ月前のはずだ、艦娘の練度がこんなに早く上がるなんて聞いたことがない、どういうことですか?」
「それはね、暁の弟子になったからだよ」
みんなの顔色が変わったね。そりゃそうだ、戦艦すら手抜きで倒す鬼畜艦の弟子ということは厄介ごとが増える可能性があるってことだからねぇ。
「どのような訓練をしていたのですが?」
「聞いた話だから詳しくないけど1日で三十六時間分の修業したって言ってたよ」
「そんな・・・・・・あんなに可愛かった不知火が、なんてゲスな所業を許可したんだあんたは!」
舞鶴の提督が崩れ落ちてる。周りも御愁傷様といった顔をしてる。ちょっと待って、僕は不知火から希望されたから暁に話ただけなんだけど!
「よりにもよって『魔王』の弟子になるなんて!」
ほんとごめんね。でも周りは頷きすぎなんじゃないかな?陽炎と黒潮を守りたいって不知火の気持ちは本物だからここまで頑張ったんだよ。
「それでは皆さん、横須賀の不知火は『虎王』で決定です。次は宿毛の羽黒ですね。希望は・・・・・・本当にこれが希望なんですか?」
うん?総理の様子が変だ。どれどれ、宿毛の羽黒のページは、あった。これは・・・・・・
「失礼しました。希望は『俺の嫁』」
お通夜みたいな雰囲気が一気に変わった。あぁ、吹雪。今日も帰るのが遅くなりそうだよ。それにしても胃が痛くなってきた。司令官がこんなのばっかりで良いのかなぁ?