ブルーモーメント   作:はじ

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今回は、いろいろな艦娘が酷い目に遭い不適切な表現等があります。嫌な方はブラウザバックをしてください。
主人公不在にも関わらず、過去最長になってしまいました。



激闘、カレー?大会!

大きめのボールに水を入れ軽量した米をザルに入れて一回目は軽く混ぜて水から上げる。二回目からは水を取り替えながら八回位づつ混ぜて米についていた肌ぬかをすすぎ落として、終わったら釜に入れて更に水を入れて一時間位浸水させる。っと暁お姉ちゃんのレシピ通りお米の準備が終わったのです。

 

「電、お米が終わったらこっち手伝ってくれる?」

 

スパイスをすり鉢でごりごりしてる雷ちゃんから救援要請なのです。電が怪我をしたせいで雷ちゃんと響ちゃんに負担をかけてしまいました。玉ねぎが目に染みて勢いでがりっと自分の手までおろしてしまったのです。準備していた物は台無しだし、後始末も大変だったのです。だから気合いを入れてやれることはやるのです。

 

「あんなに練習したから大丈夫なのです!」

 

「急にどうしたの電、手が痛いの?やっぱりバケツ使えばよかったのに・・・・・・」

 

「ち、違うのです。気合いを入れただけなのです」

 

「大丈夫よ。私達のチームワークなら負けないわ、私にもっと頼っていいのよ!」

 

「そうだよ電、みんなで勝つんだろう?」

 

野菜とお肉の下準備を終えた響ちゃんもスパイスの準備の為に私達の方に来ました。

 

「電は、それぞれスパイスの計量をしていってくれないか、雷はトマトの缶詰めを開けてくれ」

 

「了解なのです」

 

「は~い、任せて!」

 

電が軽量したスパイスを響ちゃんがボールに入れて混ぜます。入れる順番もあるのでたくさんのボールが並んでいきます。

 

「金剛さんの所は榛名さんが担架で運ばれてたけど、他のチームはどんな様子だろう」

 

「ちょっと見てみるのです」

 

大鳳さん龍驤さんチームは特別変わった材料は用意してないみたい。でもあのちょっと黄色いのは何なのです?

 

「なぁ、大鳳。それって入れすぎちゃうんかい?」

 

「これぐらい普通じゃないんですか?」

 

「いや、入れすぎやろ。よく見てみぃや、他の野菜と肉の三倍は用意しとるやんけ」

 

「でも、私は好きなんですよ。これは男爵でしょ、こっちはメークイン。それと珍しいキタアカリ」

 

「種類を聞いとるんちゃうわ!」

 

「食物繊維は身体に良いんですよ?」

 

「こんなに食べたら君、ガスが溜まりやすくなるで」

 

「ガス!あぁ、ば、爆発!?燃料庫は大丈夫!?引火に気をつけないと!」

 

「ちゃうねん!」

 

なんか漫才が始まってるのです。それでも問題なく進んでるみたいなので油断は禁物なのです。

 

次は瑞鶴さん翔鶴さんチームなのです。

 

「漫才なんかしちゃって、大鳳ったら」

 

「大鳳さんもこの鎮守府に馴染んできたってことだから良いことじゃない」

 

「そうねぇ、あの子は翔鶴型の妹みたいなものだしここは喜ぶところなのかしら?あれっ!翔鶴姉ぇ、カレーがはねてる」

 

「えっ、どこ?カレーの汚れって落ちにくいのに」

 

「ほら、ここ、ここ!」

 

「待って、スカートはあまり触らないで!ふぁあぁ!」

 

翔鶴さんが転んでしまったのです。

 

「は!」

 

「痛たたたっ」

 

あれ?瑞鶴さんが持ってるのってまさか!やっぱり履いてない。翔鶴さんのスカートが抜けてしまったのです。どうやって抜けたんです?

 

「ハラショー!」

 

響ちゃんダメなのです。

 

「もう、なんで私ばっかり!」

 

「しょ、翔鶴姉ぇわざとじゃないの~」

 

「ありがとうございます。こういうの待ってました!」

 

「き、霧島さん?テンションおかしくない!?」

 

「ピンクの紐パンだと・・・・・・」

 

「・・・・・・元帥?」

 

「いや、何でもない」

 

「皆さん、今のは?」

 

「「「「「「「ギルティ」」」」」」」

 

「それではお仕置きdeath!」

 

「吹雪、ちょっと待って語尾がおかしいから!」

 

なんかあっちもこっちも大騒ぎなのです。

 

「ちなみにカレーの染み抜きは、台所用の中性洗剤で染み抜き棒を使うと良いらしいですよ」

 

「霧島さん、その生活の知恵はどこ情報?」

 

「暁さんですね。前に卯月ちゃんが制服にカレーの染みを作ってしまい暁さんが染み抜きしてました」

 

そんなことまで暁お姉ちゃんはやってたのです?というかそういう所帯じみた知恵はどこから仕入れてくるのでしょう。

 

「トマトの缶詰め全部開け終わったわ!」

 

雷ちゃんが缶詰めを乗せた台車を押して戻ってきたのです。響ちゃんはすでにスタータースパイスを入れて玉ねぎ、お肉等を炒め終わっているので寸胴鍋にトマトの缶詰めとスパイスとお水などを入れて煮ていきます。トロっとしてきたら野菜を入れて更に煮て具材に火を通していくのです。

 

「後は仕上げまで煮るだけだね。残りのチームはどんな様子だい?」

 

「翔鶴さん瑞鶴さんのチームは棄権したのです」

 

「金剛さんは比叡さんと話をしているわ」

 

「ちょっと待って!あれはなんだい?」

 

響ちゃんが指を差したのは確か比叡さんと磯風ちゃんのチームの方だったはず、あれはなんでしょうか!凄いのです。寸胴鍋から立ち上る湯気が七色に輝いているのです!

 

「凄いネ、比叡と磯風はどんなカレーを作ったらあんなに輝く湯気が出るのデース?」

 

「お姉様も味見しますか?」

 

「なら三人で味見をしようじゃないか!二人ともこの磯風に続け!」

 

あれはカレーの色なのでしょうか?紫色なのです!

 

「「「せ~の!」」」

 

どうしたのでしょう。三人が小皿を持ったまま固まって動かないのです。あっ!白目を剥いて泡を吹いて倒れてしまいました。

 

「カウント、ワン、ツー、スリー!お姉様方と磯風ちゃん三人ともノックダウンです。それと開幕で倒れた榛名は昨晩比叡お姉様に付き合って味見をしていたのでその影響で倒れたんだと思われます」

 

「霧島さん、顔も声も冷静だけど実はテンションMAXだよね!?」

 

三人が担架で運ばれて行くのです。それに宇宙服みたいな防護服を身に纏ったカレー大会実行委員会の艦娘が比叡さんと磯風ちゃんの作った七色に輝く湯気の出ている寸胴鍋を大きな箱に入れて運んでいきます。科学兵器みたいな処理の仕方なのです。どうやって処理するんでしょうか?それにこころなしか審査員の人達の顔が嬉しそうなのです!

 

「周りが勝手に脱落していくこの虚しさはなんなのかしら?」

 

雷ちゃんが呟いてます。でもまだ一航戦チームと足柄さんと羽黒さんのチームが残っているので油断は禁物なのです!

 

「二人ともそろそろ味見をしてみよう」

 

いけない、響ちゃんに任せっきりだったのです。気合いを入れたのにこれではいけないのです。

 

「美味しいのです」

 

「いい、今までで一番かも!」

 

「本当だ!昨日のスパイスの変更が良い方に向かったみたいだね」

 

「でもまだ油断は出来ないのです」

 

「そうね、残りの仕上げを気合いを入れていくわよ」

 

「「「おー!」」」

 

「かっらー!なんやこれ、辛すぎるやんけ!」

 

「痺れるほどの辛さなのにどこかまろやかでこれは後を引く味だわ!」

 

これは龍驤さんと大鳳さんの声なのです!

 

「これまでの知識と経験。そして数えきれないほどの試行錯誤を繰り返して生み出された黄金配合スパイス!私と貴女達とは年季が誓うのよ!」

 

「なんやと?」

 

「それに何よりも背負ってるものの重さが違う!」

 

「どういう・・・・・・」

 

「次の機会こそ確実に決めるための女子力!お料理No. 1という名誉が私には必要なのよ。貴女達みたいなお子様体型には分からないかもしれないけど、もうね・・・後がないの・・・」

 

ゴーン・・・・・・低い鐘の音?幻聴が聞こえるくらい周りの空気が死んでしまったのです。

 

「あぁ・・・・・・一気に会場の空気がお通夜に!基本みんなお祭り気分なのにこの人ガチ中のガチ!大ガチだよ!」

 

あぁ、龍驤さんと大鳳さんが膝と手をついて項垂れてしまったのです。

 

「体型まで侮辱して、容赦なく心を折りにいきましたね。流石は飢えた狼!」

 

「許してください。私はもうやけ酒に沈む姉さんを見たくないんです」

 

「そして羽黒さんはガチ泣き!」

 

「立ってください龍驤さん!」

 

「この声は、朝潮ちゃん!」

 

「大丈夫です!これからは朝潮型駆逐艦として生きて行けば良いんです!」

 

ゴーン・・・・・・あっ!また空気が死んだのです。こういうのなんて言うんでしたっけ?そうです、てんどんなのです。

 

「グハっ!」

 

「龍驤さんが吐血した!」

 

「フォローかと思いきや止めを差しに行くなんて朝潮ちゃん、なんて恐ろしい娘!」

 

「制服のサスペンダーつながりでしょうか?」

 

「「電も気をつけるんだよ」のよ」

 

響ちゃん、雷ちゃんも酷いのです。電はこんなことしないのです!

 

「あぁっと、龍驤さん大鳳さんチームここで棄権です。これで残っているチームは第六駆逐隊の三人だけです」

 

止めを差された龍驤さんが担架で運ばれて行ったのです。そもそもなんでカレー大会なのにこんなに担架で運ばれて行くんでしょう?

 

「オーっホッホッホ!残りの小娘達で私の人生の重みに耐えられて?オーっホッホッホ!」

 

「姉さん・・・・・・」

 

もの凄いプレッシャーが足柄さんから放たれて来るのです。ぐっ!足が・・・・・・響ちゃんも雷ちゃんも膝をついてるのです。そんなぁ・・・・・・ここで終わりなんて・・・・・・

 

「負けるな、第六駆逐隊!」

 

「三人共頑張って!」

 

「お前達は十分な努力をしたはずだ!そんな情けない姿をさらす為にこの大会に出たのか?違うだろう、偉大な姉に近づく為に参加したはずだ。なら最後まで取り組むのみだ!」

 

「「「長門さん、なんで・・・・・・」」」

 

「むろん、そう考えるのは私だけではないさ!」

 

「そうだ、立ち上がれ!」

 

「立て!立ち上がるんだっぽーい!」

 

「んなぁ~んと、会場中から第六駆逐隊コール!彼女達の頑張りがついに会場を動かしたというのでしょうか?」

 

「ただ単に足柄さんの作り出したこの暗い空気をどうにかして欲しいだけなんじゃ・・・・・・」

 

「・・・・・・少し軽くなった!」

 

「!?」

 

「皆が呼んでくれるなら!」

 

「私達は立ち上がるのです!」

 

「そうだよ、私達はこの暁姉さんのレシピに誓ったんだ!皆で勝つって!」

 

「頑張れー!ファイトォ!」

 

「行くよ、二人とも!」

 

「「オー!」」

 

「死に損ないの小娘どもが!どこからでもかかってくるがよいわ!」

 

「第六駆逐隊立つ!今、横須賀鎮守府の未来をかけた運命の最終決戦が始まるのです!」

 

「ちょっと待って!これカレー大会だよね!ねぇっ!」

 

パーン!

 

 

「これで全てのカレーが出揃いました!いよいよ最終審査の時です!」

 

「全てと言いつつ二つしかないのを皆が気にする前に審査しちゃって!」

 

「それでは足柄さん・羽黒さんチームのカレーから、実食!」

 

審査員さん達が一口、足柄さん羽黒さんチームのカレーを皆さん同時に食べたのです。会場中がし~んと静まりかえってる中、赤城さんだけがガッツリ食べてる音が響いてるのです。赤城さんが食べ終わった?早いのです!まだ食べ始めて時間がそんなにたってないのに!

 

「次は第六駆逐隊の三人のカレーを、実食!」

 

私達の番なのです!やっぱりし~んと静まりかえってるのです。なんかすごいドキドキするのです。響ちゃんと雷ちゃんの二人と手を握ってましたが、ついギュっと力を入れすぎてしまいました。

 

「大丈夫だよ」

 

響ちゃんも雷ちゃんも電に笑顔をくれます。赤城さんは相変わらず食べきってしまったのです。そんなにお腹すいてたのです?

 

「どちらも甲乙つけがたいカレーだった。それでは審査に入る」

 

審査員の皆さんが集まって話し合いをしているのです。電はもう目を閉じて祈るしかないのです。

 

「確か・・・・った・・・・共には・・・・・・」

 

「・・・すね。それなら・・・・・・ですか」

 

「でも・・・・ご飯が・・・・」

 

「両方・・・・・・たでち」

 

「私は断然・・・カレーだな」

 

「僕も・・・カレーの方・・・・・・から」

 

「私はやはり・・・・カレーですね」

 

「美味しいかった・・・流石に・・・・・す」

 

「勉強になりました、・・・・・・・カレーですね」

 

「よし、決まりだな!」

 

「どうやら、審査員達の話し合いも終わり今大会の優勝チームが決まったようです」

 

「どちらのチームも美味しそうだったからどっちが勝つのか那珂ちゃん分からないよ~」

 

「私も気になります!それでは皆さん長らくお待たせ致しました。これより審査員長でありカレー大会実行委員長である元帥より、今カレー大会の優勝チーム、すなわち鎮守府お料理No. 1の発表です!」

 

お願いします。どうか私達に勝利を!

 

「まずは、どちらのチームのカレーも非常に美味しかった。どちらかを選ばなければいけない我々の辛さを皆も理解して欲しい。それでは今期カレー大会優勝チームを発表する。優勝は・・・・・・響・雷・電の第六駆逐隊チームだ」

 

「「「わぁぁぁい!やったぁぁぁぁぁ!」」」

 

優勝出来たのです!響ちゃんと雷ちゃんが頑張ってくれたからなのです。電は何もしてない・・・・・・

 

「電、どうしたんだい?」

 

「電は役立たずなのです。スパイスを間違えたり手をケガしたり、今回何もしてないのです」

 

「違うよ。電は覚えてるかい?カレー大会に出ることになった日のこと」

 

「鳳翔さんとまるゆちゃんが暁お姉ちゃんのレシピを持って来てくれた時のこと?」

 

「そう、その時電は足柄さんに辛いだけがカレーじゃないって言ってたんだよ。その言葉のおかげで暁姉さんのレシピをベースにいろいろアレンジを試せた。多分、レシピそのままでも勝てたと思う。だけどそれじゃ優勝出来ても私達の力じゃないんだ。アレンジを試せたおかげで暁姉さんと私達三人の力を合わせて勝てた。これは第六駆逐隊四人の勝利なんだよ。だから電。役立たずなんて言わないでおくれよ」

 

「そうよ電!皆で頑張ったから勝てたのよ。最初に皆で勝つって決めてそれで勝ったんだから役立たずなんていないわ」

 

「響ちゃん雷ちゃん!うぁぁ・・・ひっく・・・ぐすん・・・」

 

電はこの鎮守府にこれて良かったのです。涙が止まらないけど、これは嬉しくて出る涙だから良いのです。トラック基地には別の電がいたから解体されるんだと思っていたけど、なるだけ解体しないで建造に制限をして周りの基地に割り振るという元帥の考えのおかげで電は最高の家族に出逢えたのです!早く暁お姉ちゃんにも会いたいのです!

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